アイトラッキング機能を内蔵したVRヘッドセット FOVE が、クラウドファンディングサービス Kickstarter で量産化に向けた資金調達キャンペーンを開始しました。
FOVE は没入型仮想現実ヘッドマウントディスプレイの内部に赤外線式の視線追跡センサを備えた製品。注視してメニューアイテムを選択したり、視線でシューティングゲームの照準をあわせたり、仮想空間のキャラクターとアイコンタクトでやりとりするといった視線入力を可能にします。
FOVE アイトラッキングVRヘッドセット
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11 枚
Oculus Rift など最新世代のヘッドマウントディスプレイは広い視野と頭の向き・位置認識でまるで映像の世界に入り込んだような感覚を与えることに成功しましたが、入力のほうは従来型のゲームコントローラを使ったり、手にモーションコントローラを持ったり、外部のセンサで手の動きを認識するなどさまざまな試みが続いています。
FOVEは赤外線による視線追跡を使い、ユーザーが仮想3次元空間のどこを見ているか、を認識しインタラクションに取り入れることを狙います。
開発者が挙げる用途はゲームで視線による照準合わせ、仮想インターフェイスのメニューをボタンを注視して拡大や選択、さらにVR空間中のキャラクターと目を合わせたり逸したり、相手がこちらの目線を読むことを通じたアイコンタクトによるコミュニケーションなど。
FOVE株式会社のCEO 小島由佳 氏はソニー・コンピュータエンタテインメントでPS3やPSP、PS Vita などのゲームプロデューサーを務めた人物。ゲーム内キャラクターとのアイコンタクトを通じた新たなインタラクションや物語の可能性を信じてFOVEプロジェクトに取り組んだと語っています。
また視線追跡はエンターテイメントやプロダクティビティだけでなく、四肢障害など意思の疎通やコンピュータとのやりとりが難しい場合のアクセシビリティにも貢献します。
Kickstarter での資金調達キャンペーンは目標25万ドル。出資額に応じて、早い者勝ち200台限定で349ドル、400台限定で375ドル、以降は399ドルで一台がプロジェクト成功時の見返りとして用意されます。出荷は順調に進んだと仮定して2016年5月。