2015年05月20日
基本的には一作家につき一冊ね
これだけ押さえておけばまぁ大きい顔してられるかなって十冊を選定した
読書の参考にしてみて
新潮文庫『眠れる美女』
著者 川端康成
表題作のほかに『片腕』『散りぬるを』を収録した中短編集
解説に著者の弟子三島由紀夫を迎えている豪華な文庫本
表題作は老人が様々な美少女と添い寝する様を描いた耽美もので解説者をして『文句なしの傑作』と言わしめる凄い作品
謂わば“芸術の域にまで高められた美少女博物館”
昨今のハーレムものを叩くにあたっては基礎教養として必読
そもそも美少女のたくさん出てくることが何故いけないのかを考えるにあたってこれを読んでないのはどうかと思う
文学か
期待しとくわ
文春文庫『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス外七篇』
著者 太宰治
これ一冊で太宰の大方の有名作を網羅できるわがままな本
俺ガイルの作者も大好き太宰治は戦後の様々な作家に影響を与えた
『太宰すらまともに読んでない奴に垂れられる講釈などない
なぜならラノベ作家含め小説家のほとんどはきちんと太宰を読んでいるから』とは俺の通ってた大学のある教授の言
ことに斜に構えている系ラノベ主人公には少なからず太宰の思想が流れている
そういうのを批判するに当たってやっぱり基礎教養として太宰を知る必要はあるだろう
ちなみに新潮文庫と違って注釈が同じページ内にあるのがとても便利
トンネルを抜けたしか知らんわ
岩波現代文庫『小説 太宰治』
著者 壇一雄
太宰の盟友壇一雄が書いた彼との交流の日々、その小説
上の太宰の作品と合わせて読みたい
というのも太宰初心者のよく抱きがちな誤解に
『彼の小説の主人公を太宰治本人と完全に一緒くたにしてしまう』
というのがあって、そういうのをこじらせるとほんと酷い解釈が生まれたりする
きちんと当の太宰の人間性とかを客観的に評価できる教科書として必読
太宰がかっこつけの猿面冠者であるということを忘れてはならない
ちなみに絶版なので欲しかったら古本屋をめぐりましょう
太宰は読んだ
新潮文庫『檸檬』
著者 梶井基次郎
これ一冊で梶井の習作以外の全小説を網羅できるお得な本
夭折寡作の人だった梶井は31歳でこの世を去っている
ためか生や性の描写には目を瞠るものがあって、ことに274ページからの『交尾』なんかはわかりやすい
昨今のラノベを「軽い」と叩く前にきちんとどんな小説が重いのかを知っておきましょう
>>11
梶井は顔から全く想像できないような小説を書いてるな
>>11
檸檬は良いよな読んでると匂いがしてくる
金閣寺
舟を編むとかオムムメ
白水Uブックス『ライ麦畑でつかまえて』
著者 JDサリンジャー
不良のホールデン少年が学校の寮から三日かけてうじうじ実家に帰るお話
あらゆる饒舌体小説の原点にしてマスターピース
つまりは一人称やれやれ系の始祖
「ハルヒのぱくりかよwww」
とか恥ずかしいこと言う前にとにかくこれを読んでおきましょう
村上春樹訳のと野崎孝訳のとがあるんだけど断然後者をおすすめする
妹萌えの要素もあるから肩肘張らずに気軽に手にとってみて
>>15
攻殻で引用されてるからどんなもんかと思って買ってみたらただガキがウジウジとガキらしい常套句を呟いてるだけの本で失望した
ホールデンがどんな奴かと思ったら、やれやれ系というよりはクラスに一人はいた愚痴っぽくて僻みっぽい言い訳めいた口だけの根暗ヘタレなんだもの
読み進めるのが嫌になる
>>52
終盤にまで辿り着ければフィービーちゃんを愛でることができる
>>52
俺が高校生位の時はほーるでん何こいつwwwwだったけど大人になってからだと意外と共感出来た
>>67
カッコいいとか賢いとか、何かしら魅力的であって欲しかった
これ落ちこぼれで根性ない青少年が自分の仲間欲しさに読む本だわ
といってもまだホテルで娼婦とだべるとこまでしか読んでないけど
梶井基次郎の檸檬はいつか四だけど意味がわからんかった
人間失格読んで俺は太宰だ!って思うところまではいってる
>>18
みんな同じこと考えるんだな
>>18
冒頭で俺っぽいけどモテモテなのが分かる辺りでイラつき始める
新潮文庫『春琴抄』
著者 谷崎潤一郎
あらゆるツンデレの原点にしてマスターピースの春琴ちゃんと丁稚の佐助とのサドマゾ関係を描いた耽美小説
これを読まずしてツンデレを語ることなかれ
最近のラノベ主人公をなよなよ優柔不断野郎と謗るやつは多いが、かといって真の男気が何なのかを知る人は少ない
とりあえずこれを読んでおけばその答えの一端くらいは知れると思う
ちなみに本編91ページとすごくペラいからすぐ読み終えることができると思うよ
新潮文庫『白痴』
著者 坂口安吾
恵まれた作品から馬クソのような表紙
ほんっと酷い装丁デザインをしているから本屋寄ったら見てみて
表題作のほかにプラス6編
池沼ヒロインの魅力を語るのにこの小説は外せない
よく「ヒロインの頭がおかしい」ってそのキャラクタを叩く人がいるけど、その頭のおかしさが可愛いんだってことに気付いてほしい
新潮文庫『女神』
著者 三島由紀夫
三島由紀夫入門篇
表題作のほか10篇の短編を収録
読みづらさに定評のある三島だけどこの文庫は比較的読みやすいのばかり集まってるから気軽に手にとれると思う
男の理想の詰まった女キャラクターをあざといと叩く輩がいる
けれどそういう輩のほとんどがなんで理想ばかり詰まった女が悪いのか説明することができない
表題作を読めば完璧な女性キャラクターに本来求められているものは何なのかを知ることができて、ラノベの女キャラを叩くのにも説得力が生まれると思うよ
岩波文庫『腕くらべ』
著者 永井荷風
文壇の中では珍しくサデストの性癖を持っている荷風が、その筆力のままにヒロイン駒代をこれでもかと痛めつける大傑作
「最近のラノベがほとんど官能小説と化してるんだがwww」
とかスレ立てるやついるけどそれを言ったら文学なんて一世紀以上も前からわいせつをやっているわけで……
ことにこの腕くらべは思いっきり正面からごりごり性行為を描写しているんで、ちょっと最近おかずに悩んでいる人にもオススメできる
俺の好きな志賀直哉は?
新潮文庫『雁』
著者 森鴎外
鴎外入門篇
『阿部一族・舞姫』を手にとって挫折するよかこれ読んだほうがいい
多分鴎外の作品のなかじゃ一番エンターテイメントやってると思われる
ラノベの恋愛描写を児戯と謗るやつ多いけど、じゃあ大人の本物の恋愛とは何なのか答えられる奴は少ない
この作品は学生の恋愛を描いておきながら全然遊んでいる雰囲気がないから、真剣な空気が如何なるものかを知りたいDTにオススメする
むちゃくちゃメジャーなやつ挙げてるだけじゃねぇか
読書好きじゃなくても絶対読んだことあるようなやつ
>>34
そりゃあんた
スレタイをよく読んでみてくれよ
以上10冊
ほんとは藤村とか花袋とか志賀とか宮沢賢治とかも入れたかったけど妥協
どうしても耽美派が多くなっちゃうのは趣旨的に仕方ないか
こういうスレには出てこないんだよなぁ 北杜夫
スマホで読めるようになってから出直してこい
>>37
大概読めるじゃん
風の歌を聴けがない。やり直し
>>39
うるせぇ!
サリンジャーがあるんだから春樹いれなくたっていいだろうがよ!
ラノベ好きだけど春琴抄は確かに面白い
個人的には文体固いラノベと言っても過言では無いと思ってる、異論は認める
乱歩とか夢野とかミステリー方面はどうよ
>>44
少女地獄はいれてもいいかなって悩んだんだけどちょっとマイナーだからやめておいた
あくまで「ラノベ叩くんだったらこれくらい読んだことあるよね???wwww」って趣旨だし
夢野久作がない。やり直せ
神様のボート
江國香織著
年に一度は読み直す
落下する夕方も好きだけど神様のボートの凄みにはかなわない
ラノベ読んでる人は金色夜叉読んでみると何かがわかるよ
夏目漱石が一冊もない理由がわからない
>>60
お上品すぎるかなって
檸檬は読んだけど何が面白いのか全く分からなかった
俺に近代文学は合わないということだけが分かった
割と的確でワロタ
ラノベ豚の完成形でも育てるつもりかよ
読むはいいんだけど自分が何かを得たとは思えないんだよなぁ
余韻は感じるけど為になる気はしない
余韻が好きで読んでるんだけどさ
ファイアボールブルース
桐野夏生著
桐野夏生作品の中ではあんまり触れられないけど一番面白い
柔らかな頬は凄い作品だけど面白さならこっち
ファイアボールブルース2とあわせて読むべし
面白いんだろうなとは思っても日本語のルールが今と違いすぎて上手く内容が入ってこない
>>66
谷崎はルールとか感じさせないから向いてるかもよ
太宰はルールブレイカーな部分があるけど、不良っぽくてかっこいい
>>66
この10冊の中だと太宰と荷風はわかりやすいと思う
ただ言っちゃ悪いが春琴抄は失敗作だと思う
>>72
やはり『刺青』最強か
>>72
春琴ちゃんが可愛いんだからそれでもういいじゃないですか!!!
>>74
初期は『幇間』も良いねぇ
春琴抄と同時期の作品なら吉野葛か蓼喰う虫かな
>>79
『少年』も忘れちゃいけねえ
つくづく「谷崎は挿絵つけたらラノベ、4コマにしてきらら連載可能」ってのが沁みるぜ
鴎外なら渋江抽斎がオススメだよ(ゲス顔)
つーか谷崎が手を出してないテンプレラノベヒロインのジャンルって何があるんだ?
>>78
え、谷崎読んだことないけどそんなに網羅してんの?
ちょ、ちょっと詳しく
>>81
代表作が胸クソntrの谷崎センセやで?
コミカライズは是非きづきあきらでお願いしたい作品。
『少年』はおねショタ(逆転要素アリ)、『刺青』は不思議ちゃんからのミステリアスクール転身
>>92
うっひょサンクス。読むの遅いけど近々取り掛かるわ
>>96
短編多いから息抜きにどうぞ
「谷崎で頂点じゃん、もう日本語も先が見えたな」って真顔で言えるくらい完璧な日本語で心ぴょんぴょんさせてくれる変態なんじゃよ
ここまで武者小路が出てないとか
>>82
実篤は大した作家じゃないだろう
>>82
『友情』はいれるかどうか悩んだ
卓球勝負のあたりとかラノベとの対比にかなりいい素材だと思う
鴎外の雁って何が面白いのかわからない
>>88
幸薄そうなお妾さんに恋するとかこう・・・いいじゃん?
ちなみに俺の一番好きなラノベは『鬼哭街』です
あれに影響されて『多情剣客無情剣』まで買っちゃった
こらから学園系ラノベ書く俺にオススメの本教えろ下さい。
人の内面を掘り下げたドロッドロのやつが見たい
>>109
チャンドラーはわかりやすい
>>109
それなら桐野夏生『グロテスク』一択
もうほんとドロッドロ
>>109
三島の『音楽』は如何だろう
精神科医が主人公である女の人の不感症を治すお話
>>109
島尾敏夫 死の棘
田山花袋 布団
有島武郎 或る女
近松秋江 別れたる妻に送る手紙
林芙美子 浮雲
あまり読まない、普段読まない、のハードル低すぎだろww
一般教養レベルの本も読んでない奴は「読書してない」という
読書に興味がなくたって耽美派くらい知ってるし、永井荷風や谷崎潤一郎は当然知ってるし、代表作も知ってる
>>118
永井荷風の代表作って何
>>118は知ったかってことでfa?
読書興味無かったら谷崎はギリ知ってるかもしれんが永井荷風は誰それって感じだろ
永井荷風も現国の教科書に載ってたよ
俺が10年前に通ってた歯医者の兄ちゃんは宮部みゆきを知らなかったぞ
小説というものは知らないで過ごすとマジでなにも知らいことになる
ちょうど檸檬読んでた
思春期の中高生にはぴったりなんじゃないだろうか
ネットで話題になってたから阿修羅ガール読んでみたけど主人公の心理描写が吐き気するほど馬鹿で読んでられなかった
確かにあれを狙って書けるなら天才だわ三島賞も納得ですわ
>>155
小説スレで定期的に阿修羅ガール嫌いマン出てくるな
SFと言えば小松左京でお勧めはなに?
10年以上前に「神への長い道のり」みたいなタイトルのは読んでそこそこ面白かった
>>156
普通に日本沈没面白い
>>156
「神への長い道」か?
あーいうの好きなら『結晶星団』でいいんじゃねーの
ホラー選集『夜が明けたら』とかギャグ選集『日本売ります』とかハルキ文庫にはいってる短編集はどれも面白いと思うが
長編は『果しなき流れの果に』か『継ぐのは誰か?』で
小松左京で短編一作選べって筒井康隆の選ぶより難しいが個人的には「汚れた月
SF要素まったくないが異様なインパクトがある
SF短編だと「星殺し」とか「BS6005に何が起こったか」とか
小松左京は「影が重なる時」を読んでみたいんだけど収録された本絶版?
>>173
小松左京は新刊で全集でてるから一応全作新刊で読める
ただし高い
小松の短編だと「宗国屋敷」も好き
受験失敗して和風美少女アバター二人とネットにひきこもる話
それを時代小説っぽい文体で書いてるのが面白い
時代を先取りしすぎた
小松左京コレクション
この記事へのコメント
『カインの末裔』とか『生まれいずる悩み』と全然テイスト違うのに
マイナーだけどゴンチャロフも恋愛の過程かくのが凄く上手い
盛り上がりから破綻まで丁寧に描写してる
『平凡物語』はラノベ主人公みたいだし
色々と捗るぞ
みんながそう言ってるから、そう言ってるだけじゃねえのと
ハッキリ言ってもう野崎の訳は古びてるよ
まだ村上訳のほうが原文のヒョロイ感じが出てて良い
海外文学は訳で揉める
SF界隈とかマジすごいよ、儲同士の罵りあいだよ
太宰は「皮膚と心」がほんとすこ
こんな萌えるヒロインは他にない
年取ってからが初読とか論外。
これ読んで、ちょっとでも語れれば文学通っぽくなれる
間違ってもホモっぽい二人の観光日記なんて解釈はするなよ
川端康成作品と坂口安吾作品は好き
なかなか読めないでいたからきっかけとして参考にさせてもらう
好きなジャンル苦手なジャンルってあるから、世間で評価されててもなかなかページが進まない本もあるし
みんなが見てる
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