亜美「十面相」
「おはようございます!」
P「おはよう」
「プロデューサーさん!」
P「なんだ?」
「私、お菓子作ってきたんです! 食べてください!」
P「……いただくよ」
「おいしいですか?」
P「……あぁ、おいしい。得意なのか? お菓子作り」
「そりゃもう! それくらいしか、私に取り柄はないですから!」
P「そんなことないと思うぞ」
「えへへ、ありがとうございます」
「あの、プロデューサーさん。ちょっといいですか?」
P「あぁ」
「私、プロデューサーさんのことが好きです」
P「そうか」
「…………私じゃダメですか?」
P「残念だがお前の気持ちに俺は答えることはできない」
「どうしてですか?」
P「そりゃ色々あるさ。年齢とか今の状態とか……」
「アイドルだったらすぐにやめます。年齢もプロデューサーが適齢と思う時まで待ちます」
P「そういうことを言ってるんじゃない。第一俺はプロデューサーだぞ? お前に手でも出したりしたら信頼して一人娘を預けてくれた親御さんにどんな顔して……」
「両親のことならなんとかして説得します。最悪、縁を切る覚悟もできてます」
P「…………」
「プロデューサーさん。私のことが好きじゃないならちゃんと言ってください」
P「……わかった。俺はお前のことが好きじゃない。だからお前の気持ちに答えることはできない」
「わかりました。ありがとうございました」
P「諦められたか?」
「そんなわけないじゃないですか。私、諦めませんから」
「はいさーい!」
P「……おはよう」
「プロデューサー!」
P「なんだ?」
「はい、これ」
P「これは……マフラー?」
「うん。最近寒くなってきたでしょ? だから、自分からの贈り物」
P「へぇ、得意なのか? 編み物」
「うん。まぁ、自分カンペキだからな!」
P「そうか」
「ねぇ、プロデューサーちょっといい?」
P「あぁ」
「自分、プロデューサーのことが好きだぞ」
P「そうか」
「…………自分じゃだめか?」
P「あぁ、俺はお前のことが好きじゃないからな」
「わかったぞ」
P「諦められたか?」
「そんなわけないでしょ。自分、諦めないからね」
「うっうー! プロデューサー、おはようございまーす!」
P「…………おはよう」
「プロデューサー!」
P「なんだ?」
「これ、昨日お家で作りすぎちゃったので。おすそわけです!」
P「お、そうか。なんか悪いな」
「いえ!どうせ私たち家族でも食べきれないので」
P「なら、ありがたく受け取っておくよ」
「あの、プロデューサー。ちょっといいですかー?」
P「あぁ」
「私、プロデューサーのことが好きかなーって」
P「そうか」
「…………私じゃダメですか?」
P「ごめんな。俺はお前のことが好きになれないんだ」
「わかりました!」
P「諦められたか?」
「うーん。それはないかなーって。私、諦めません!」
「お、おはようございますぅ」
P「…………おはよう」
「プ、プロデューサー!」
P「なんだ?」
「こ、これ」
P「ん? お茶か。どれどれ」
「ど、どうですか?」
P「あぁ、おいしいぞ」
「あ、あの……プロデューサー。ちょっといいですか?」
P「あぁ」
「私、プロデューサーのことがす、好きですぅ!」
P「そうか」
「…………私じゃダメですか?」
P「ダメだ。俺はお前のことを好きになれそうにない」
「そうですか……」
P「諦められたか?」
「……いえ。私、諦めません」
「おはようございます。今宵もよい月が見れそうですね」
「………………おはよう」
「プロデューサー」
「なんだ?」
「少しお時間をよろしいでしょうか?」
「あぁ」
「私、恥ずかしながらあなた様に恋をしてしまったようです 」
「そうか」
「…………私ではダメでございますか?」
「あぁ、俺はお前を好きになる理由がないからな」
「そうでございますか」
P「……なぁ、お前ここ一週間の記憶はあるか?」
「? はい、あなた様と過ごした日々は一瞬たりとも忘れたことはございませんが」
P「……俺がお前から告白されるのは今回で五回目だ」
「……」
P「しかも五回とも全然性格が違うときた」
「…………」
P「正直そろそろ限界だ。やめてくれないか?」
「そうでございますか」
P「諦められたか?」
「いえ。私、往生際が悪いもので」
「おはようなのー! アハッ⭐︎」
P「…………………………おはよう」
「プロデューサー!」
P「なんだ?」
「これ、あげるの」
P「おにぎりか。中身はなんだ?」
「入ってないよ? おにぎりは塩が一番なの!」
P「そうか、確かにおいしいな」
「それでね、プロデューサー。ちょっといい?」
P「あぁ」
「……プロデューサーのこと、好きになっちゃったかも」
P「そうか。ところでお前ここ最近の記憶はあるか?」
「? あるよ?」
P「例えば?」
「う~ん。プロデューサーと営業に行ったり、フェスに出たり……」
P「そこら辺の記憶は確かなようだな。だが、実は俺がお前から告白されるのは六回目なんだ」
「そうなの? 大変だね」
P「あぁ大変だ。しかもその六回ともお前の性格は全然違うんだよ」
「すごいの」
P「そうだな、凄いな。だが俺もいい加減疲れてきた。そろそろ諦めてくれないか?」
「……無理なの。オンナはしつこい、んだよ? プロデューサー」
「おはようございます~」
P「………………………………おはよう。10 分の遅刻だ。気をつけろ」
「はい~。あ、プロデューサーさん」
P「なんだ?」
「これ、お土産です~」
P「……これ、どこの名産品だ?」
「それが私にもわからないんです~。気づいたら帰ってきてましたから~」
P「まぁ、おいしいから大丈夫か」
「それと、プロデューサーさん。ちょっといいですか~?」
P「恋人になれという話なら無理だぞ」
「あらあら~。どうしてですか~?」
P「俺はお前のことが嫌いだからな」
「そうですか~」
P「なぁ、お前はここ最近の記憶を鮮明に思い出すことができるか?」
「そうですね~。鮮明にと言われれば自信をなくしてしまいますが、だいたいのことは覚えてると思いますよ~?」
P「そうか、実は俺がお前から告白を受けるのは七回目なんだ」
「あらあら~。大変ですね~」
P「あぁ、凄く大変だ。だからやめてくれないか?」
「う~ん」
P「諦められたか?」
「無理ですね~。だって私はプロデューサーさんが運命の人だと思ってますから~」
「おっはようございーます!」
P「…………………………………………おはよう」
「プロデューサー!」
P「なんだ」
「ちょっと話があるんですけど。いいですか?」
P「あぁ」
「ボク、プロデューサーのことが好きです」
P「そうか」
「…………ボクじゃだめですか?」
P「ダメだ。俺には好きな人がいるからな」
「……それって誰のことですか?」
P「真美だ」
「え?」
P「もう一回言うぞ。俺は真美のことが好きだ」
「……ウソ、ウソだよね?」
P「本当だ。俺は真美のことが好きだ」
「ウソ、だ。ウソに決まってるよ!」
P「…………」
「だって、だって兄ちゃんは……」
P「………………」
「う、うわあああああああああああ」
(…………!)ハッ
(ここって……トイレの洗面所?)
(なんでこんなところに……!)
(そっか。確か兄ちゃんに振られちゃってヤケになって飛び出して)
(それでここに……)
(でも、なんで、兄ちゃんはあんなこと……)
『どう? 目的は達成できた?』
「!?」クルッ
『ふふーん! まぁ、カンペキな自分の人格なら上手くいくに決まってるさー!』
「か、鏡の中で……。喋ってる!?」
『でもでも、あんまり嬉しそうな顔してないかなーって』
「な、なんで……」
『も、もしかして、私のせいで失敗しちゃったとか……? ヒエーン! ごめんなさーい!』
「…………」ハァハァ
『落ち着くのです。主人はまだ何も言っていませんよ?』
「…………」
『答えないってことは、振られちゃったんじゃないの? アハッ☆』
『コラコラ、そんな勝手に決め付けちゃダメじゃないか』
「……その通りだよ。振られちゃった」
『あら~。残念だったわね~』
『じゃあ、次はどの人格でいくんですか?』
『ここは、私が』
『じゃあボクが!』
『それなら自分が!』
『『どうぞどうぞ』』
『うぎゃーっ! なんなのもー!』
「……もういいよ」
『いいって……諦めちゃうの?』
「うん。兄ちゃんが好きなのは、真美なんだって」
『『『…………』』』
「だから、もう
コメント一覧
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- 2015年05月22日 23:48
- 亜美なんていなかったんやで
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