Android 5.0 Lollipop に続く次期バージョン Android M では、エンタープライズ向けの機能や音声入力の強化に加えて、新たに指紋認証を標準サポートするようです。

サムスンの Galaxy や富士通の Arrows といった一部のAndroid 端末ではサポートされてきた指紋認証機能ですが、これは各メーカーが独自にサポートしたもの。Arrows NX 2015年夏モデルでは虹彩認証もサポートするものの、Android OS としてはこれまで指紋認証を正式にはサポートしていませんでした。
　
一方、ライバルであるアップルの iPhone はすでに iPhone 5s および iOS 7 以降において指紋認証機能 Touch ID を搭載し、ボタンに触れるだけでロックを解除したり、決済サービスの Apple Pay などでの本人確認にも利用しています。 Google がモトローラと共同開発したスマートフォン Nexus 6 は発売前、指紋認証機能が搭載されるのではと噂されました。しかし蓋を開けてみればその機能は影も形もなく、がっかりした人もいたかもしれません。当時モトローラの CEO を務めていたデニス・ウッドサイド氏は、モトローラと協業していた指紋認証センサーの開発企業を Touch ID 開発中のアップルに買収されたと語っていました。

Android M での指紋認証標準サポートを関係者からの証言として伝えたのは Ars Technica など。Google は噂についてコメントしていません。ただ、今週5月28～29日にはサンフランシスコにて開発者向けイベント「Google I/O 2015」が開催されます。もしかしたら、その会場で なにか発表があるかもしれません。

ちなみにマイクロソフトは開発中の Windwos 10 において生体認証機能「Windows Hello」を搭載します。これはWindwos 10 搭載の PC、タブレットおよびスマートフォンに 指紋 / 顔 / 虹彩認証機能を提供するもの。機器が搭載するセンサーに依存するものの、赤外線奥行きセンサによる顔認証や虹彩認証が使えるデバイスならば端末にふれずともロックの解除などが可能となります。

Android M が指紋認証を正式サポートしたとしても、依然として先行する技術を追いかける必要はありそうです。なお、Android はすでに通常のRGBカメラを使った顔認証ならば標準でサポートしています。