ビデオカメラのカタチが変わらない理由って?
テクノロジーに基づく理論があったのです。
「なぜビデオカメラはこのカタチ?」きっと多くの人は、今まで考えたことも無かったのではないでしょうか。最近では動画を撮影できるのは専用のビデオカメラに限りません。小型のアクションカムをはじめ、それこそスマホでも4K対応のモノも増えています。
その中でこんなガッチリとしたカタチの専用機を用意する理由なんてあるのでしょうか?
答えはYes。アリアリです。
その理由と理論を、動画専用機の最先端技術がギュギュっと詰まっているソニーの最新デジタル4Kビデオカメラ ハンディカム「FDR-AXP35」を例に紐解いていきましょう。
ビデオカメラはハイクオリティに撮れなくてはならない
2012年に4Kテレビが発売されて以降、既にテレビやネット動画の世界でも4K化の大きな波が来ています。それに対応して動画を撮影する機器も次々と4K化が進んできて、撮るのも、見るのも4Kという時代がもう始まっているのです。
そんな4K動画の流れの中で、やはりコダワリたいのが「画質」。そして動画の質を決める要素で、最も重要なのはなんといってもレンズ。「FDR-AXP35」にはカメラファンの憧れの的とも言われるカール・ツァイスのレンズが搭載されています。それだけで十分に魅力を感じるのではないでしょうか。
「レンズ」と一言で言っても「FDR-AXP35」にはレンズユニットの中に10枚以上のレンズを搭載しています。「ピントを調整するレンズ群」、「フレアやゴーストを補正するレンズ群」、そして「ズームのためのレンズ群」、それらのさまざまなレンズを使って、映像をより鮮明に、より美しく残せるのです。
このレンズ構造だけとってみても、実は一眼レフのズームレンズと同じような構造なんですよ。ただ、一眼レフ用レンズが静止画を美しく表現するために作られているのに対し、ビデオカメラは動きのある映像を。すなわち世界そのものを美しく記録するために特化したレンズになっているわけですね。
そして美しく動画を撮るために、もうひとつ。「FDA-AXP35」にはソニー独自の「空間光学手ブレ補正」が搭載されています。レンズユニットが空間に浮いているかのように動き、手ブレを補正する構造になっているんですよ。もうこれがホント凄いんです。
どのくらい凄いかというと、どうやって作っているのかわからないレベルで、もうほんとグヨングヨンと被写体を追従するような動きをするんです。言葉で説明するのは難しいところなので、以下動画を見てください。
ね、ちょっとびっくりする動きですよね…。
もちろん、本当に浮かんでいるわけではなく、本体の動きに合わせてサーボモータでレンズ部の動きを精密制御しているんです。アナログ的に見えて、凄い技術が集約されているわけですね。
この構造にすることで、レンズやイメージセンサーを含めた光学系全体の配置を、入ってくる光の角度に合わせて動かすことができます。その結果、通常の手ブレ補正に比べて、約13倍という高い手ブレ補正能力を発揮してくれるんです。
この機構が初めてソニーのビデオカメラ ハンディカムに搭載されたのは2012年。毎年アップデートされているので、今年で4世代目です。こんなにも複雑な構造が、この小さな筐体に収まっているのは、にわかに信じられませんよね。
でも、それは現実なんだ!と表しているのがこちらです。
これは「空間光学手ブレ補正」を搭載した旧モデルのスペシャルクリアバージョン(※非売品)。世代こそ違いますが、隣にあるレンズユニットと同様の機構を内蔵しつつ、ぎっしりと基板やチップが配置されています。液晶を開くと、レンズユニット部の「軸」を確認できました。
こうしてギュっと詰め込まれた中身を覗くと、プロダクトとしての完成度の高さを感じさせられますよね。余分な隙間が全然無いところに驚きます…。
そして「FDR-AXP35」の心臓部には10枚以上にも及ぶレンズ群、それらがまるで意思を持ったかのように動き、手ブレを防ぐ「空間光学手ブレ補正」。これら最新のテクノロジーが詰まっていてあなたの撮影シーンを強力にサポートしてくれるのです。
小さなボディに、強力な手ブレ補正を内蔵するためにも、4Kビデオカメラ ハンディカムはカタチにこだわる必要があったのですね。また、これは個人的な感想ですが、小さなところに高性能を詰め込むことに関する技術と意地は、さすがソニーだぜ!と思うわけです。
ビデオカメラは安心して撮れなくてはならない
スマートフォンでも4K動画の撮影に対応したモデルもあります。サッと取り出せて手軽に撮れるという面では優れていますが、長時間撮影というよりも、どちらかと言うとスポットごとでの撮影に向いているといえるでしょう。
一方でビデオカメラなら、記録容量とバッテリーが許せばずーっと撮影していられます。確かに4K撮影はパワーを使いますが、専用機であるゆえ放熱構造もしっかり考えられています。安定して、長時間の撮影ができるように作ってあるんですね。
しっかり安定して持てる。
キレイな映像を残すならそこも重要。もちろん「FDR-AXP35」でもちゃんと考えられています。バンドに通せば、まるで手とカメラが一体化したようなホールド感を得ることができるんです。
実はこのボディ、ただ円柱状になっているだけではありません。持ち手側のボディはほんの少し、ほんの少しだけですが斜めにカーブしているんです。
そうすることで、手の形にピッタリと沿うように、しっかりと持てるようにと計算されているんですって。その辺のコダワリはさすがの専門機というところではないでしょうか。
そんな「長時間でも安心。動きながらでも安心」という安心感を生み出すためには、このカタチがベストなんです。
ビデオカメラは狙い通りに撮れなくてはならない
「FDR-AXP35」は光学で10倍までズーム可能です。デジタルズームを併用すれば4K記録時には最大15倍、HD記録時では最大20倍まで対応。でも、重要なのは最大倍率ではなく「光学ズームで寄れるか?」がポイントなんです。
スマートフォンでよく使われているデジタルズームは、センサーを使う部分が小さくなる(クロップしている)ため、どうしても画質が下がってしまうんです。一方で、光学ズームはズームレンズでの倍率変更。センサーは全面を利用できるため、画質の劣化は起こりません。ズームしても4K本来の美しさを保てるんですね。
もちろん、10倍もの光学ズームを内蔵するには、稼働する複数枚のレンズをユニットに内蔵する必要があるため、どうしてもレンズユニット部は長方形になってしまいます。それを効率よくボディに納めるためには? そう、このズームでも美しく撮れるというコダワリもまた、このカタチたる所以です。
そうそう。ズームといえばこの機能も忘れてはなりません。「FDR-AXP35」のレンズ上部には、5.1chで録音できるサラウンドマイクが付いています。これもズームと密接な関係があります。
なんとこのマイク、ズームするとその地点の音を集めるんです。
集音領域が広い大型のマイク部ゆえ、ズームと連動して集音領域を絞り込みます。近場を撮影するときは、周囲の音を。ズームで遠くを撮影するときは、被写体近くの音を効率的に拾ってくれるというわけですね。
これは遠くからの撮影を余儀なくされるシチュエーションには最適かも? 例えば乗り物のイベントや、ヒーローショー、はたまた子どもの発表会などには大活躍するのではないでしょうか。
専用機だからこそ撮影できる、美しい映像
「高画質に撮る」「安定して撮る」「狙いに合わせて撮る」
4Kという素晴らしい表現力で、これらを実現できた理由は「より美しく映像を残す」というところに、ただひたすらに技術とテクノロジーを集中することができたからゆえ。
それらのテクノロジーは、まさにエンジニアたちが研究を重ねた映像美への理論。ソニーの4Kビデオカメラ ハンディカムのカタチには、高画質撮影を追求するとんでもない技術力が集約されているんです。
ぜひその手に取って、そのカタチをじっくりと堪能してください。そのカタチは理想型。ソニーが生み出した、映像美への答えです。
source: ソニー , FDR-AXP35 , FDR-AX30
(小暮ひさのり)