米Googleは29日(現地時間)、端末への「パスワード入力」の作業を不要にするための技術開発プロジェクト「Project Abacus」を正式に発表しました。
現在、端末のロックを解除するにもアプリやサービスなどにログインする際にも、パスワード入力あるいは生体認証という行為はほぼ必須となっています。しかし今回、Googleにおいて先進的な技術の研究開発を担う “ATAP(Advanced Technology and Projects)” が発表した新プロジェクトは、そんな従来的なパスワードシステムを排除するものとなる見通しです。
Project Abacus(アバカス)においては、端末は ”現在端末を使用している人間が、本当に真の所有者であるかどうか” を常に判別するとのこと。各種センサーを駆使することで、操作者のタイピングやスワイプ、動き方の癖や日常的に利用するアプリなどを解析。また、それと同時に顔認証や声紋認証などの認証システムを組み合わせることで、操作者の特定が行われます。
この高度かつ複雑な ”複合的判定(認証)システム” は、現在のスマートフォンにおいて一般的に利用される4桁程度のパスワード入力や指紋認証システムのような方式と比較して、所有者を偽ることが遥かに難しいものとなるとのことです。
「Abacus(アバカス)」とは、日本語で言うところの「そろばん」に相当するアジア独自の計算器具
ただし、操作者の判別を行うべく定常的にデータの収集を行うため、現時点ではバッテリーの消耗に悪影響を及ぼすという弱点も。しかしながら、製品化の際にはその課題も最大限クリアされている見通しである、とATAPは主張しています。
なお、今回Google I/Oの会場においては実演デモも行われたものの、実際の製品に実装される時期について言及されませんでした。実現すれば、今以上に快適な使用感と堅固なセキュリティが実現されるであろうだけに、一日も早い製品化に期待したいところです。
[Android Central via Phone Arena]
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著者
2014年10月1日より、縁あってGGSOKUメインライターに正式に就任。ここ最近は、スマートフォンやタブレットを始めとするガジェット類全般から、各種周辺機器にデジタルカメラ。果ては自作PCパーツやソフトウェア類にまでも食指を動かすに至る始末。イロモノ・キワモノガジェットもこよなく愛する、興味と好奇心の赴くままに生きる元人力車夫。2015年元日より、Twitterアカウント開設。
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