247 名前:ななしのいるせいかつ[sage] 投稿日:2008/10/17(金) 16:29:28
ある夜、仕事ですごく遅くなって、
街灯のない暗い道をビクビクしながら歩いて帰っていたら、
横からすうっと一匹の猫が現れた。少し小さめの、まだ若そうな茶トラ。

こちらが手招きした後か前か、向こうから駆け寄ってきて、
私の足にゴチンしてきて、ひとしきり撫でさせてくれた。
首輪はしてなかったけど、綺麗な毛並みで飼い猫にも見えた。
それと、立派なタマタマを確認したw

「食べ物は持ってないよ」とは言ったが、何かねだる様子はなくて、
歩こうとする私の足に、スルスルと8の字に纏わりつきながら一緒に歩いた。
「ちょw 危ないよ、踏みそうw」と焦りつつも、可愛くて心強くて、嬉しかった。
ときどき足から離れて、先導するように私の前に立ったりもした。

どこまでついて来るのかな~と思ってたら、
街灯が見えてきた所で彼はピタリと立ち止まった。
縄張りがそこまでだったのか、俺の仕事はここまで、ということなのか。

「ありがとね。あんた紳士だね」
そう言って撫でて別れて、一度振り返るとまだ座って見ててくれた。
二度目振り返ると、颯爽と去っていく後姿だった。