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雪歩「私の最強伝説です!」黒沢(大丈夫かこのお嬢ちゃん) 後編


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※この記事は雪歩「私の最強伝説です!」黒沢(大丈夫かこのお嬢ちゃん) 前編の続きです。









60: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 00:53:12.93 ID:wFYQDB4c0

雪歩「えっ?あの……?」

黒沢「ちょっと考え事を・・・・・・

  おはようございます・・・」

雪歩「あの……昨日、嬉しかったです。これからよろしくお願いします」

黒沢「・・・おおっ!もちろんっ・・・もちろんだともっ・・・!」


P「あ、雪歩、社長が呼んでるよ」

雪歩「は、はい~、それでは」

黒沢「お、おうっ」




61: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 00:54:20.76 ID:wFYQDB4c0

―社長室―

雪歩「そ、そんなぁ~!!」

黒沢「ど、どうしたんすかっ・・・?」

社長「何・・・萩原君に・・・新たな仕事をお願いしただけさ・・・・・・!」

P「新たな仕事……?」

社長「作詞をしたまえ・・・・・・」

P「なるほど……雪歩の趣味は……詩を書くことか……」

黒沢「いやっ・・・でも、そう簡単に書けるもんではないんじゃ・・・?」

雪歩「そ、そうです~」




63: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 00:56:52.16 ID:wFYQDB4c0

社長「・・・萩原君は、いまいちアイドルとして伸び悩んでいる・・・」

P「……」

黒沢「そんなことはないでしょ・・・?」

雪歩「……そのとおりですぅ……

  他の皆と違って、アイドルランクも伸び悩んでるし……」

黒沢「そ、そんな・・・・・・」

社長「・・・少し、これまでとは違った売り出し方を模索したいと思ってね・・・」

社長「・・・そうだな・・・2週間・・・・・・

  2週間で何本か・・・書いてみたまえ・・・!!」

雪歩「そ、そんなあ……」

P「雪歩、これはチャンスだ……。俺はやってみるべきだと思う」 

黒沢「ぐぐぐ・・・・・・」




65: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 00:58:23.43 ID:wFYQDB4c0

社長「まあ・・・本決まりの企画というわけではない・・・

  可能性を広げる意味でも・・・やってみたまえ・・・・・・!」

雪歩「……わかりました……」


アイドル萩原雪歩・・・早速の難局っ・・・!!


黒沢(手伝うと言った手前・・・何か助け船を出したいが・・・)

黒沢(作詞だあ・・・?国語の授業かよっ・・・・・・)


黒沢にとっては未知の領域・・・当然、行き詰まる・・・!!  


黒沢(大体、オレは詩なんか書いたことねーぞ・・・・・・)

黒沢(どうすりゃいいんだ・・・・・・)




67: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 00:59:45.21 ID:wFYQDB4c0

―仕事終わり―

黒沢「お、お疲れ様っ・・・・・・!!」

雪歩「…………はっ、はい、お疲れ様です……」

黒沢「あのっ・・・あまり思いつめないで・・・・・・」

雪歩「は、はいっ……」フラフラ

黒沢「ああっ・・・危ない・・・フラフラしてるっ・・・!!」

黒沢(こりゃ、早く何とかしないと、仕事にも影響でるぞ・・・)




69: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:01:55.65 ID:wFYQDB4c0

黒沢(書いたことが無い人間が何か言おうったって無理な話だ)

黒沢(これはひとつ、書いてみるしかない・・・)

黒沢(しかし・・・どうすればいいのか全く分からない・・・!!)

黒沢「・・・・・・」チラッ

律子「……」ゾクッ

律子「何ですか……?じろじろ見ないで下さいよ……」

黒沢「・・・・・・」

律子「ちょ、ちょっと……なんですか?」

にじり寄る黒沢・・・・・・!




71: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:04:03.00 ID:wFYQDB4c0

律子「きゃっ……」

黒沢「・・・・・・頼むっ!!詩はどうやって書けばいいんだっ!!

  教えてくれっ・・・!!!」

律子「は?詩……?」

律子「よ、良くは分かりませんけど……当事者の気持ちになりきって、

  当事者の気持ちを書きつづればいいんじゃないですか……?」

律子「資料として詩集なんか本棚にあったはずですから!それじゃ失礼します!!」

黒沢「なりきる・・・・・・

  すまないっ!!恩にきますっ・・・!!」

律子(何なのよ……もうっ……)
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72: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:05:29.29 ID:wFYQDB4c0

黒沢「さて・・・本棚にあった詩集を読んだところ、色恋沙汰絡みがほとんど・・・」

黒沢「しかし今回は、萩原さんが歌う歌・・・即ち、若い女の子の気持ちになる・・・」

黒沢「オレが若い女の子だったら・・・・・・」

女黒沢っ・・・!!

黒沢「オエエっ・・・・・・馬鹿っ・・・!!」

黒沢「オレが女になるわけじゃないっ・・・!!」

黒沢(しかし・・・考えてみれば・・・不憫っ・・・

  オレ子っ・・・不憫っ・・・!!!)

黒沢(若い女の子だ・・・恋の一つもしたいだろうに・・・

  顔がオレなせいでっ・・・!!)




77: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:07:21.03 ID:wFYQDB4c0

男子A「恐竜が通るぞー」

オレ子「・・・・・・」

男子B「オラっ、何か言えよ恐竜!!」ゲシッ

オレ子「あっ・・・!」

男子A「げー、オレ子菌が付くじゃん」

男子B「ほーらオレ子菌だぞー!」

男子A「ひゃー!」

オレ子「・・・・・・」




78: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:08:51.75 ID:wFYQDB4c0

オレ子「あの・・・・・・これ、読んでください」

男子C「は?」

男子D「ヒュー、ラブレターじゃん」

男子C「手前っ、ふざけんなよっ・・・!!」

オレ子「え・・・・・・?」

男子C「オレがお前みてーなの相手にするわけねーだろっ!!」

オレ子「そ、そんな・・・・・・」

男子C「俺に近寄るんじゃね―ぞ」






79: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:10:17.53 ID:wFYQDB4c0

黒沢「ふざけるなっ・・・!!馬鹿ども・・・」

黒沢「それは禁じ手っ・・・人として・・・そればっかりは

  やっちゃいけない行為っ・・・・・・!!」

黒沢「大体、お前らの何人かは・・・大人になって思う・・・

  あんとき、オレ子にいっときゃよかったっ!!・・・と・・・」

黒沢「泣くなっ・・・泣くんじゃないっ・・・オレ子っ・・・」

黒沢「お前の良さ・・・分かる男が・・・きっと現れるっ・・・!!」

黒沢「・・・自分を・・・否定するんじゃないっ・・・!!」




81: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:12:12.04 ID:wFYQDB4c0

―次の日 事務所―

P「黒沢さん、黒沢さん!!」

黒沢「・・・ん・・・?ああっ?!寝てたのかっ・・・?!オレは?」

P「ええ、ちょっと寒いので、起こしておこうかなと」

黒沢「そ、それはありがとうございます・・・い、今は何時だ・・・?」

P「あ、まだ始業には時間がありますよ。

  事務所が温まるまで朝ご飯でも食べてきては?」

黒沢「・・・ではお言葉に甘えて・・・」

P「……それは……?」




83: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:13:38.96 ID:wFYQDB4c0

黒沢「風呂道具です・・・近所で朝からやってる銭湯を見つけまして・・・」

P「はあ……」

黒沢「・・・・・・加齢臭がですね・・・・・・」

P「そんな……そんなの誰も気にしませんよ……」

黒沢「いえ・・・加齢臭ってのは・・・疲れい臭だから・・・」

P「は……?」

黒沢「齢を重ねてしまうと・・・日頃の疲れが臭いになって出てくるっ・・・

  だから若い人間は加齢臭を嫌うっ・・・!!そう、思うんですよ・・・」

P「はあ……」

黒沢「ちょっと、行ってきます・・・」

P「いってらしゃい……」


P「ふーむ、何を言っているか分からなかった……」

P「おや……?このノートは……」




84: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:15:05.17 ID:wFYQDB4c0

―始業時間―

黒沢「いやー、すっかりギリギリになっちゃって・・・

  遅れてスンマセン・・・・・・」

雪歩「このフレーズがすごくいいですぅ!!」

P「ああ、ストレートな思いが伝わってくる」

黒沢「・・・?何を見てるんですかっと・・・・・・」

雪歩「このノートですぅ」

黒沢「ん?それどっかで見たことあるような・・・・・・」

黒沢「ってオレのかいっ・・・!!」




85: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:16:37.83 ID:wFYQDB4c0

P「黒沢さんっ……雪歩の参考になるようにわざわざ自分で作詞を……」

雪歩「…私、感動しました……

  特にこの、自分を否定するな……っていうところ……」

P「女性視点なのに、普遍的なメッセージを込めているんだね」

黒沢「ぐわわわわ・・・・・・冷静に解説しないでくれっ・・・!!」

小鳥「へぇ……どんなのですか?」

真「興味あるなあ」

律子「昨日の話はコレだったんですね……」




86: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:18:01.61 ID:wFYQDB4c0

雪歩「あ、皆、凄いんだよ!これとか!」

黒沢「止めろーっ・・・!!」

あずさ「こんな繊細な詞を書けるなんて……」

伊織「……ふんっ、まあよくある内容だけど悪くは無いんじゃない?」

亜美「ゆきぴょんのために恥を捨てましたなー」

真美「ラブアンドピースですなー」

やよい「学校で配ってもいいですかー?」

黒沢「止めてくれっ、褒めるなっ・・・・・・!!」




88: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:19:29.70 ID:wFYQDB4c0

雪歩「黒沢さんっ……ありがとうございます……

 私、頑張ってみます!!」

黒沢の長年積み重ねた妄想癖・・・!!

産まれて初めて役に立つ・・・・・・!!

しかし、黒沢には、精神的外傷・・・いわゆるトラウマ・・・

トラウマ級の出来事っ・・・




90: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:21:27.24 ID:wFYQDB4c0

―作詞締切日―

社長「・・・萩原君、どうかね・・・?」

雪歩「はいっ……出来ました……」

P「……」ゴクリ

黒沢(頼むっ・・・・・・)

社長「ほう・・・見せてもらおうか・・・」




92: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:23:00.58 ID:wFYQDB4c0

…………

……



社長「これは・・・いけるな・・・」

雪歩「っ!!本当ですか?」

社長「ああ、どこか懐かしい気分になる歌詞だ・・・」

P「では社長!!」

社長「早速、作曲家に打診だっ・・・!どこか懐かしい雰囲気の曲を付けよう・・・」

P「ええ、そうですね!!」

雪歩「黒沢さんのおかげですぅ!!」

社長「ほう・・・・・・」

黒沢「いや・・・オレは何にもしてないっつーか・・・

  あの話は蒸し返さないで欲しいっつーか・・・」




94: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:25:14.34 ID:wFYQDB4c0

社長「往年の名曲のカバー・・・なども当たるかもしれんな・・・」

黒沢「・・・・・・いえ・・・

  それは止めときましょう・・・・・・」

社長「・・・ほう・・・?」

黒沢「昔の曲ってのは・・・それぞれの時代ごと・・・

  聞く人間によって思い出が・・・パンパンに詰め込まれてます・・・」

黒沢「萩原さんが・・・そういうのを歌うと・・・イメージが・・・

  昔の思い出に引っ張られるっ・・・!!」

黒沢「昔の曲は・・・素の萩原さんというか・・・その萩原さんが浸透してからでも遅くないっ

  ・・・と・・・思うんですが・・・」

雪歩「黒沢さん……」

P「なるほど……」

社長「・・・ふむ・・・君の熱い思いは分かった・・・

  萩原君の歌が売れるように・・・精進したまえっ・・・・・・!!」






95: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:27:29.62 ID:wFYQDB4c0

―CDリリース後―

P「売れたなー!!」

社長「・・・売れたね・・・」ニヤリ

雪歩「し、信じられないですぅ……皆さんのおかげですぅ……」

律子「何言ってるの。雪歩の実力の勝利よ」

黒沢(良かったっ・・・・・・!!)


曲の完成後・・・事務所を挙げての奔走・・・!!

それが効いたか・・・詞の力か・・・

遂に事務所で一番の売り上げを記録っ・・・!!




98: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:28:42.60 ID:wFYQDB4c0

P「それでな……次の曲と……」


雪歩「?」

P「年末のスーパーLIVEの出演が決まったぞ!!」

雪歩「ひ、ひえぇ!!」

黒沢「なーに、今の萩原さんには勢いがあるっ・・・!大丈夫っ!!」

雪歩「そ、そうですか……?まだまだ自信はないんですけど……」

黒沢「・・・大丈夫っ・・・いつもオレ達が付いてる・・・

  萩原さんがっ・・・実力を発揮できるようにっ・・・・・・!!」

雪歩「そ、そうですね……」




101: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:30:24.10 ID:wFYQDB4c0

―スーパーLIVE当日―

雪歩「ふぇぇ……や、やっぱり緊張しますー……」

P「これだけ規模の大きい生放送は初めてだからな

 緊張するなと言っても無理な話さ」

雪歩「そ、そういうものですか……?」

黒沢「萩原さんっ・・・オレ・・・ライブ中でも分かるように

  デカい声で応援するっ・・・!!」

雪歩「は、はい!」

黒沢「オレに気づいたら手を振ってくれ」

P「さて……そろそろスタンバイも近いかな……」

雪歩「その……もう少しだけチェックを……」

P「分かった分かった」




102: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:31:53.67 ID:wFYQDB4c0

―会場―

黒沢「行ったか・・・ふーむ、

 この段階に至るとあとは応援しかすることが無い・・・」

浅井「黒沢さーんっ・・・!!」

坂口「本当だったんですね・・・アイドル事務所に就職したって・・・」


穴平建設・・・黒沢の人脈・・・かつての黒沢一派集結っ・・・!!




104: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:33:29.00 ID:wFYQDB4c0

黒沢「例のものは用意してきただろうな・・・?」

浅井「もちろんっ!!」

黒沢「・・・よしっ!!頼むぞ・・・お前らっ・・・!!」

小野「まかしといてくださいっ・・・!!」

黒沢「・・・仲根は・・・?」

小野「あのデカい中学生なら・・・中に知り合いがいるとかで・・・

  中に入って行きましたけど?」

黒沢「はあっ?くそっ・・・困るじゃないか・・・ちょっと見てくる」




106: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:35:22.97 ID:wFYQDB4c0

―関係者以外立ち入り禁止―

黒沢「仲根の知り合いっつーと・・・いつかのスタッフの兄ちゃんか・・・?」

仲根「兄さんっ・・・」

黒沢「仲根っ・・・だめじゃないか」

仲根「静かにっ・・・!」

黒沢「・・・?」

仲根「聞いてください・・・」




108: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:36:53.72 ID:wFYQDB4c0

黒井「頼むよー」

スタッフ「そ、そんなこと・・・できませんっ・・・」

黒井「ははは、何もずっと止めろって言ってるわけじゃないんだよ」

黒井「ほんの一分…いや、30秒…萩原雪歩の曲を止めてくれればいいんだ」

黒井「あのメンタルの弱いアイドルのことだ、その程度でも実力を発揮できまい」

スタッフ「しかし・・・」

黒井「なーに、この程度のトラブルは、あとで取り返しがつくように

  スケジュールは組んである。心配はいらない」

黒井「君の仕業だとばれないように…私が上に口添えするから……」

スタッフ「でもっ・・・!!」

黒井「……一スタッフのクビくらい…飛ばすのは簡単なんだよ……?」

スタッフ「くっ・・・」

黒井「じゃあ、頼んだよ……」




109: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:38:56.17 ID:wFYQDB4c0

黒沢「・・・あの野郎っ・・・いつかの嫌な社長じゃねーか・・・!!」

スタッフ「く、黒沢さんっ・・・・・・!!」

黒沢「おうっ・・・」

仲根「あの野郎・・・許せねえ・・・追いかけてぶん殴ってやるかい?」

黒沢「いや・・・・・・」

黒沢「それだと・・・この兄ちゃんの仕事はどうなる・・・」

スタッフ「・・・!!」

黒沢「この兄ちゃんは指示通りにした・・・しかしライブは無事終了・・・

  こういう筋書きが一番いい」




111: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:41:11.80 ID:wFYQDB4c0

黒沢「もし何か起こっても・・・見学の中学生のちょっとした悪戯っ・・・

  厳重注意で済む・・・こういう感じがいい・・・」

仲根「ちゅ、中学生って・・・オレ・・・?」

黒沢「他に誰がいる・・・?」

スタッフ「し、しかし・・・黒沢さんの・・・萩原雪歩ちゃん・・・

  大丈夫なんですか・・・?」

黒沢「・・・大丈夫にするっ・・・!!聞けっ、お前らっ・・・!!!」




112: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:42:42.81 ID:wFYQDB4c0

―ライブ 雪歩の出番―

雪歩「ううう……」

P(予想以上に緊張しているな……)

P「雪歩、普段通りだ」

雪歩「は、はいい……」

雪歩(駄目だ……全然緊張が取れない……

  こんな大舞台で……失敗……そんな……)

AD「萩原雪歩さん、スタンバイです」

P(くそっ、もう出番か……)

雪歩「はははいぃ……」






114: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:44:10.06 ID:wFYQDB4c0

―舞台上―


ワーワー!!! ユキホチャーン!!!

雪歩(凄い人……)

雪歩(あれ……私……何してるんだろう……)

雪歩(歌……歌わなきゃ……え?歌……?)

雪歩(こ、声が……出ないかも……)


客「あれ……?何か曲始めるの遅くね……?」

客「雪歩ちゃん出てきてるけど……」




117: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:46:29.00 ID:wFYQDB4c0

ユキホー!!! ユキホー!!!

雪歩(……!!)

黒沢「雪歩ぉー!!!」

雪歩「黒沢さんっ!!!」


黒沢の出で立ち・・・

萩原雪歩Tシャツ・・・!

萩原雪歩ハッピにバンダナ・・・!!

さらにはのぼりっ・・・のぼりには・・・『ラブリー雪歩』の文字っ!!!




120: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:47:52.65 ID:wFYQDB4c0

黒沢「お前らっ!!」

浅井「はいっ!!」

黒沢組・・・!!垂れ幕を準備・・・!!!

そこに書かれた文字は・・・


『君が目指したアイドルにきっとなれる』


黒沢に気圧され・・・

大人数が集まるライブとは思えないほどの静寂っ・・・・・・




121: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:50:01.78 ID:wFYQDB4c0

黒沢「雪歩っ・・・!!!思い出せっ・・・!!!

  アイドルに賭ける思い・・・曲に込めた思いをっ・・・!!!」


黒井(高木め……!!)

黒井「くそっ……何をしてる……警備員っ…!!」


雪歩「……」キリッ

雪歩「いええええええええええええい!!!」

観客「うおおおおおおおおおおおお!!!」


黒沢(今だっ・・・!!!)


仲根「合図だっ・・・」

スタッフ「良い頃合いですっ!」


黒沢(行けっ!!『自分REST@RT』!!!)


このタイミングでっ・・・音楽スタートっ・・・!!




123: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:51:57.05 ID:wFYQDB4c0

―昨日までの生き方を否定するだけじゃなくて

これから進む道が見えてきた

弱いだけの女より我慢とか背伸びしても

カッコつけた自分が好きだから―


警備員「こらっ、お前っ、こっちにこいっ!」

黒沢「ああ・・・分かってるよ・・・」


―会場外―


警備員「進行を止めやがってっ・・・不届きものっ・・・!!」

黒沢「すまねえな・・・」




125: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:53:13.37 ID:wFYQDB4c0

北斗「……離してあげなよ」

警備員「ん?」

北斗「さっきのは、演出の一部さ」

北斗「ウチの社長が勘違いしただけでね」

警備員「そ、そうなんですか?」

北斗「出演者が言ってるんだ、間違いはないよ」

警備員「そ、そうですか・・・失礼しました・・・」




127: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:55:47.39 ID:wFYQDB4c0

style="padding-left:15.0px;margin-bottom:50.0px;margin-top:30.0px;line-height:1.0;">黒沢「助かったっ・・・ありがとうっ・・・」

北斗「いや……ウチの社長が原因だから」

黒沢「あ・・・あんた・・・あの社長の所の・・・・・・」

北斗「ええ……」

黒沢「・・・いいのか?こんな・・・社長に知れたら大変なんじゃ・・・?」

北斗「何、分かりはしないよ……」

黒沢「そうか・・・恩にきるっ・・・」

北斗「ほら、早くしないと、歌が終わっちゃうよ」

黒沢「お、おおっ、そうだっ・・・それじゃあ、ありがとうっ・・・!!」


北斗(765プロ……いいスタッフがいる……)




129: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:57:17.16 ID:wFYQDB4c0

―ライブ後―

P「雪歩っ、最高だった!!」

雪歩「あ、ありがとうございますっ」

雪歩「え、えっと……?」

P「黒沢さん?」

黒沢「・・・いやー、その、この度は・・・大変なことをしでかしまして・・・」

雪歩「黒沢さーん!!」

黒沢「うおっ・・・!!」

雪歩「ありがとうございました…!!」




130: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 01:59:21.75 ID:wFYQDB4c0

黒沢・・・齢40を過ぎて・・・初めて・・・

初めて女の子に抱きつかれるっ・・・!!


社長「・・・やはり雇って良かったろう・・・?」

律子「……まだまだ……トップアイドルの道はここからですよ」

小鳥「ふふ……素直じゃないんだから」

律子(この人私と一緒に陰口言ってたのに……)




131: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 02:01:00.32 ID:wFYQDB4c0

―その後―

坂口「萩原雪歩ちゃんの仕事の成功を祝って・・・」

皆「かんぱーい!!」

黒沢「いやー・・・どうもどうも・・・」

黒沢「オレは幸せだっ・・・お前らのような仲間を持って・・・」


しかし、黒沢は知らないのだった・・・

ライブの際の黒沢の格好、行動・・・

そして、警備員に連行されたこと・・・

これらから導き出される答え・・・

それはっ・・・黒沢は、再就職などしていないっ・・・

そして、辛い現実から逃げるために・・・アイドルにハマった・・・!!

黒沢一派が、このように勘違いしていることを・・・






133: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 02:02:58.58 ID:wFYQDB4c0

浅井「でも、黒沢さん、本当に雪歩ちゃんのこと好きになってたりして~」

黒沢「馬鹿野郎っ・・・・・・!

 まあ、でも・・・・・・確かに惚れる・・・!」

坂口(重症だっ・・・・・・!!)

黒沢「オレが・・・中学生だったらな・・・・・・」

浅井(まあ・・・)

坂口(・・・ギリギリ踏みとどまってる・・・犯罪行為はしないだろう・・・)




136: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 02:05:53.18 ID:wFYQDB4c0

黒沢「がはははははっ!!」

黒沢「それでな、そのときオレの雪歩がっ・・・・・・」

坂口(いつの間にか・・・オレの呼ばわり・・・これはいかん・・・!!)

浅井「く、黒沢さん・・・飲んで飲んで・・・

  チケット代だって馬鹿にならないんだから・・・・・・」ボロボロ

坂口「そうですよ・・・飲んで飲んで・・・」ボロボロ

黒沢「お前ら・・・オレと雪歩の成功を泣いて喜んでくれるとは・・・

  オレは幸せだっ・・・ありがとう・・・・・・!!」

結局、この誤解が解けるのは更に3か月後のことであった・・・!!


終わり




141: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 02:07:44.12 ID:hA+rcgO60

おもろかった




147: SS速報 投稿日:2012/12/31(月) 02:09:45.44 ID:mVXTpXdM0


アジフライが食べたくなった










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