結衣「一日一万回、感謝のやっはろー!」雪乃「勘弁してくれないかしら」
- 2015年06月06日 21:40
- SS、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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俺ガイルのSSです。
前作:結衣「一日一万回、感謝のやっはろー!」八幡「は?」
原作 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。②
① こうして由比ヶ浜結衣は勉強することにした。編
思えば、二年生になってから濃い一ヶ月を過ごした。
平塚先生に無理矢理奉仕部などというものに入れられ。
そこで雪ノ下雪乃という、学年一の才女と出会い。
そして。
そして、歩く災厄・由比ヶ浜結衣と出会った。
八幡「……」
あいつの作るクッキー作りを手伝わされ、
材木座の書く主人公があいつになり、
戸塚と一緒にやっはろーと叫び、
そして先日なんかは三浦が空に向かって吹き飛ばされているのを眺めていたものだ。
あ、その時の俺の活躍は過去スレ(結衣「一日一万回、感謝のやっはろー!」八幡「は?」)を読んでくれよな!!
そーんなプロローグを頭の中で思い返しながら、俺は屋上で昼休みを過ごしていた。
八幡「……」
由比ヶ浜と関わらなくて済むため、非常に穏やかに過ごすことが出来たゴールデンウィークも過ぎて(最終日に至っては涙を流しながら学校に行きたくないと雪ノ下と電話をしていた)、じわじわと暑くなりはじめてくる今日このごろ。昼休みともなると生徒のざわめきも大きくなり、余計に暑く感じる。
元来、クールでハードボイルドな俺は──
(中略)
川なんとかさん「あ、あたしの出番は!?」
まぁ、そんなことあって。とある女生徒の黒のレースを眺めた昼休み、そして職業見学のなんちゃらがあって放課後に至る。
職員室の一角に設けられている応接スペースに、二人の目が腐っている人間が顔をしかめていた。
八幡「……」
ちなみに一人は俺だ。由比ヶ浜と出会って以来さらに腐っているような気がする。気苦労が絶えないせいだろうな。
平塚「……」
そして、もう一人は俺が渡した報告書を読みながら涙を流している平塚先生だ。
先日説明した通り、俺たち奉仕部には由比ヶ浜のことを書いた報告書の提出が政府によって義務付けられている。
その分それ相応の部費が国から奉仕部に支給されているはずなのだが──まぁ、それの大半が何に使われているかと言うと、それも先日説明した通りだ。
そして、今回どのようなことを報告書に書いたかというとだ。
平塚「先日、ニュースで北海道に隕石のようなバスケットボールが落ちたと報じられたな。あれの正体はなんだと話題になっていたが……まさか、由比ヶ浜が体育の時間に投げたボールだとはな……」
八幡「ええ、三浦が由比ヶ浜に本気でシュートを打てと言うもんですから、由比ヶ浜がそれに応えちゃって……全力で」
あのテニスの時もそうだが、どうも三浦だけは由比ヶ浜を普通に受け入れている節がある。
いや、それ自体はいいのだ。たとえ、あいつが由比ヶ浜に数百メートル吹き飛ばされた後に普通に一緒に遊びに誘ったりすること自体は別にいいのだ。三浦の器がアホなほど広いっていうだけだから。
だが、せめて変に由比ヶ浜を煽らないで欲しい。由比ヶ浜がシュートしたボールが体育館の屋上を突き破った瞬間、葉山が『俺に……俺にもっと力があれば……』とかすごい落ち込んでたし。いや、あれを止めるのはさすがのお前でも無理だって。まさか北海道にまで行ってるとは思わなかったけど。
とりあえず、あいつが本気を出せば千葉から北海道にまでバスケットボールを飛ばすことが出来るということが分かった。よくバスケットボール原型を保ってたな。
平塚「……そういえば、職業体験だが君はどうするんだ?」
無理矢理にでももう由比ヶ浜の話題から変えたいのか、平塚先生は全く別の話に切り替えた。
まぁ、俺も正直これ以上由比ヶ浜の話をしていたくはない。
出来ることなら、今この時だけでも由比ヶ浜のことを忘れたい。
八幡「俺っすか。俺は──」
ドスンドスンドスンドスン!!
結衣「あー! こんなとこにいた!」
忘れたかった。
平塚「…………由比ヶ浜か、悪いが比企谷を借りているぞ」
結衣「べ、別にあたしのじゃないです! ぜ、全然いいです!」ブンブン ドシャーン!!
あ、職員室の壁が全部ぶっ壊れた。とうとうここも奉仕部と同じように扉も壁も無い部屋になりましたね。
放課後だったからか廊下に人はおらず、人的被害が出なかっただけ僥倖だろう。平塚先生はもう涙さえ枯れてしまっているようだが。
八幡「……なんか用か?」
たとえどんな用だろうと会いに来て欲しくなかった。
俺のその問いかけに答えたのは由比ヶ浜ではなく、その巨体の後ろからひょいと現れた少女だった。
前に出る動きに合わせて黒髪のツインテールがぴょこっと跳ねる。
雪乃「あなたがいつまでたっても部室に来ないから捜しに来たのよ、私が」グスン
あー、ごめんね雪ノ下さん。もうなんかすげー涙流してるけど。由比ヶ浜と二人きりにしてごめんね。怖かったねーよしよし。
結衣「わざわざ聞いて歩いたんだからね。そしたら、みんな『ひいぃ命だけは!』って逃げちゃうし。超大変だった」
だろうね。
その時の光景を思い浮かべているのか、雪ノ下はうんうんと力強く頷いていた。
結衣「超大変だったんだからね」ゴゴゴゴゴゴゴ
何故か不機嫌そうに二度もそう言われた。あいつが不機嫌になったせいか、また近くに異次元への扉が開いていたので、葉山に教えてもらった対由比ヶ浜用の印を結んだ。あっ、異次元への扉閉じた。やっぱ葉山すげー。
雪乃「比企谷くん……すごい……」ポッ
結衣「だ、だからさ、ヒッキー……」
八幡「な、なんだよ」
結衣「け、携帯教えて?『ダッ』ほ、ほら!『逃げるな、比企谷』わざわざ捜して回るのもおかしいし『離してください平塚先生、あいつに連絡先なんて渡したらどうなるか!』恥ずかしいし……。『ここで由比ヶ浜が走って追いかけたらまた学校に被害が出るだろう!』どんな関係か聞かれるとか、ありえ、ないし」
そんなこんなで。
俺は由比ヶ浜と連絡先を交換する羽目になりましたとさ。まる。
……携帯、変えようかなぁ。
× × ×
特別棟の四階、東側。グラウンドを眼下に望む場所にその部室はある。
扉も壁もないので風通しが非常にいいこの部屋に入り込むのは青春の音楽。
部活動に励む少年少女たちの声が木霊し、金属バットが鳴らす音や高らかなホイッスルと混じりあい、そこへ吹奏楽部のクラリネットやトランペットが華を添えた。
そんな素敵な青春BGMを背負いながら、俺たち奉仕部が何をしているかといえば──
雪乃「そこよ、そこ、ええ肩の力を抜いて」
八幡「よしっ、いけるそこだ、いけるいけるそこだよっしゃいけたぁ!!!!」
結衣「やったぁ!!!」
ジェンガだった。
俺は家からジェンガを持ってくると、由比ヶ浜にそれを一人で組み立てさせたのだ。
それを一人で組み立てさせることによって、由比ヶ浜に手加減の練習にさせられると考えたのだ。
そして今、由比ヶ浜はジェンガのパーツを一つも壊すことなくジェンガを組み立てることに成功したのだった。
良かった……これなら報告書にもそれなりに良いことが書ける……!!
八幡「いいか、由比ヶ浜。普段もジェンガを組み立てるくらいの力で動くつもりで生活するんだ」
結衣「うん、分かった!」ガシャーン
うーん、たった今ジェンガを乗ってる机ごと破壊した時点で分かってるかは怪しいところですねー。
そんな時ぴろぴろと誰かの携帯電話の着信音が聞こえた。俺の物の音ではなかったので雪ノ下の方を振り返ってみると、彼女も俺の方を見ていた。つまり俺たちのものではない、と。
見れば由比ヶ浜が携帯を取り出してポチポチやってた。ていうか、もの凄い速さで打ち込んでいる。
なんで扉は破壊せずには開けられないのに、その携帯は壊さないでポチポチ打てるんだろう……。これも報告書に書いておいた方がいいだろうか。
ふと由比ヶ浜の顔を見てみると、少々複雑そうな笑顔を浮かべながらため息をついていた。お前は軽いため息をついたつもりなんだろうけど、教室中に結構強めの風が吹き荒れているからやめてくれな? ほら、雪ノ下のスカート捲れ上がってるし。白か。
八幡「どうかしたのか?」
少々気になって、由比ヶ浜にそう尋ねる。
いや正直こいつがなんか悩みを抱えていようが心底どうでもいいのだが、かと言って俺たち奉仕部のいないところで変な問題を起こされると何故か俺たちの責任問題になりかねない。
なので、何かをするなら出来るだけ俺の目の届く範囲で動いてもらいたいのだ。いや、ほんとは動いてくれないのが一番なんだけどね?
結衣「……いや、ちょっと変なメールが来たから、うわって思っただけ」
よし、由比ヶ浜に変な刺激を与えた奴がいるって報告書に書いておこう。こいつにうわって思わせたら何が起こってもおかしくないって分かっていないのだろうか。
結衣「んー……」
そうして携帯を閉じると(どうして携帯は壊さずに閉じられるのに扉は壊すのか)、それをしまってから椅子に座った。おー壊さずに椅子に座れた偉いなー。
結衣「……暇」
ジェンガも吹き飛び、暇つぶし用の携帯も封じられたことにより、由比ヶ浜はだらーっとだらしなく椅子の背もたれに寄りかかる。(バキッ)あ、椅子の背もたれ折れた。
だが、こいつをあんまり退屈にさせ続けているとまた何か変なものを呼び出しかねない。
適当にでも話題をひねり出そうと思うと、ふと近々ある中間試験の存在を思い出した。
八幡「……中間試験の勉強でもしてりゃいいんじゃねぇのか、もうそろそろだろ」
まさか、また俺が積極的に女子(とは認めたくないが)とコミュニケーションを取ろうとする日がやってくるとは思わなかった。でも雪ノ下さんガン無視決め込んで本に集中してるし、俺がなんとかするしかないのだ。もしこいつが暇だからどっか出かけてくるとか言い出したら全部俺のせいにされるし。
結衣「勉強とか、意味なくない? 社会に出たら使わないし……
コメント一覧
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- 2015年06月06日 22:15
- やはりこのSSはまっちょしい感がする
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- 2015年06月06日 22:17
- ゴリヶ浜人間やめすぎ
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- 2015年06月06日 22:26
- くっそwwwこんなん草生えるわwww
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- 2015年06月06日 22:34
- サキサキつれてかれたってことは次でたときムキムキになってしまうん?
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- 2015年06月06日 22:50
- これはひどい...
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- 2015年06月06日 23:24
- 相変わらず葉山は何者なんだよw
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- 2015年06月06日 23:27
- 矢ッ覇朧第弐話キタ──(≧∀≦)──ッ!!!
自室で独り声出して笑った俺キモスwww
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- 2015年06月06日 23:36
- まさかヒッキーのスカラシップの手柄も奪うとは半端ねえwwww
千葉村行く前の集合シーン戸塚と小町のやっはろーにニヤけるシーン、どうなるか気になるから続編期待…
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- 2015年06月06日 23:50
- 雪ノ下さん若干病んでません?
まあ、唯一助けてくれる人だからな
そりゃ依存するよな
この由比ヶ浜が力のコントロールを覚えたら郭海王になるのか勇次郎になるのか…
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- 2015年06月06日 23:50
- このSSのゆきのん可愛すぎてホント好き
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