暁「本当のレディーを目指して!!!」
電「また暁のレディ病?前もそんなこと言って三日もたたずに諦めちゃったじゃない!」
響「私たちにレディーはまだ早いと思うけどね」
電「憧れる気持ちもわかるけど、厳しいものがあるのです」
暁「違うわ!何も分かってない!本当の、真のレディというものは、年齢や見た目なんかに左右されないものだと思うの!」
響「じゃあ、真のレディってなんなんだい?」
暁「それは…そのう…」
電「ふりだしなのです」
雷「それじゃあ、暁がレディだと思う人に、レディとは何なのか、聞いてくるのはどう?」
暁「足柄さん!」
響「う、うん…まあ大人だよね…」
電「レディへの道が険しいのはきっとそういうところなのです」
暁「そういうわけで、真のレディとは何なのか、教えてほしいの!」
足柄「う、ううん…人それぞれだとは思うけど…」
暁「そんなはずない!この世の真理は一つだけなのよ!」
足柄「そうねえ…他人に迷惑をかけずに、自分の道を突き進むような人って、大人でも憧れると思うわね。」
暁「他人に迷惑をかけず…?ということは、他の人を守ったりできれば真のレディを越えた真のレディになれるというわけね!」
足柄「えっ」
暁「ありがとう足柄さん!今度会う時を楽しみにしててちょうだい!」
足柄「……えっと…………うん……若いって、いいわね。」
暁「司令官!!暁は本当のレディになるためにしばらく旅に出るわ!!」
提督「ええっ!?何いってんだ!お前のような子供を一人にするなんて危ないだろう!!」
暁「ああっ!!言った!!!言ったわね!?見てなさい司令官!!司令官もおったまげるような、そんなレディになってやるんだから!!」
提督「お、おい待て暁!お前たちも止めてくれ!!」
響「今のはバッドコミュニケーションだね」
電「あの返答は暁ちゃんがかわいそうなのです」
雷「いっしょうけんめいなのを見守ってあげるのも、一つの親心というものよ!」
提督「なるほど、さすが雷、一理どころか百里ある!」
雷「ふふーん!」
響「肝心かなめの暁はどこかに行ってしまったようだが」
電「きっと一人の寂しさに泣いて帰ってくるのです」
~半年後~
暁「みんな!!!暁は、本当のレディになって帰ってきたわよ!!!!!」
提督「おお、暁!心配したんだ………………ぞ………………」
雷「もう、だめじゃない!皆を心配させ……………て…………」
響「な、なんだ?暁が帰ってきたんだろう?ならもっと喜ん…………で……………」
電「…?皆どうしたので………………へ?」
レディ暁「これがッッッレディを追い求めた先にあった答えよッッッ」(まるで戸愚呂弟100%のようなキンニクー)
提督「え………あの………その………え…?ど、どちらさまですか………?」
レディ暁「何言ってるの司令官……暁よッッッ本当のレディにたどり着いた……あの暁よッッッ」(まるでビスケットオリバのようなキンニクー)
提督「シラナイ、オレハコンナアカツキシラナイ」
雷「現実と立ち向かわなきゃだめよ司令官!私に頼られてもなんとかなるものでも無いけど!!」
一体誰が彼女を責められようか
一体誰が彼女の純粋な願いを否定できようか
彼女の根底にあるのは
皆を守りたいという優しさだった
レディとは 大人であること
大人とは 皆を守るということ
彼女を動かしたものは そんな当たり前のこと
彼女は山にこもった
熊に襲われ泣きべそをかきながら
彼女は鍛錬を続けた
彼女は自覚していた
並の鍛え方では本当のレディなどいつまでもたどり着けないと
彼女は閃いた
無知な科学者にはたどり着けぬ極地がある
薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果て
薬物を凌駕する例外の存在
日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体
半年間その拷問に耐え
彼女はステロイドを超えた
いつしか熊は 彼女の身体に傷一つつけられなくなっていた
彼女が山から下りると 砲撃の音が聞こえてきた
艦娘と深海棲艦の戦い
彼女が悠然と近づくと
戦いは止んだ
近づいてくる筋肉 迫りくる異形
艦娘と深海棲艦のどちらもが思った
ここで死ぬ
近づいてきた恐ろしい何かはこう言った
「これ以上戦うのなら私が相手になる」
艦娘と深海棲艦は互いを見てうなづき、そしてある規定を定めた
「この海域では一切戦闘を行わない」
暁は敵も味方もどちらも傷つけずに戦いを止めたことで確信した
ついに私は真のレディになったのだと
弱いことは女々しい
女々しい女がレディと呼べるものか
否
ここに 誰も到達する事ができなかった真のレディが
誕生したのだ
暁が自身に対して確信をもった時
彼女はこれまでの自分の不明を恥じた
本当のレディとは 見た目一つで揺らぐような軽い物ではない
本当のレディとは 不動である
極論を言えば 性別が男であっても
真のレディに到達することは可能
えてして真のレディとはそういうものであると
彼女は境地に至り、答えを得た
こんなことは 本当のレディに辿り着かなければ出せぬ結論
レディとは強く レディとは揺るがない
レディとは優しく レディとは傷つけない
この筋肉なくしてこの境地には辿り着けなかったと
暁はそう確信した
筋肉があるからこそ 真のレディ足り得るのである
長門「おい!!暁が変わってしまったと聞いたんだが!!」
暁「長門さん……小さくなったのねえ……」(ニィィ……)
長門(な…なんだこの馬鹿でかい漢娘は…!!天使のようだった暁が見る影もない!!
しかし……何故だ…!忌み嫌うべき対象から目が離せない……!!まさか今の暁は!!
人として…いや、生物としての理想像になっているのではないか!?
ミロのヴィーナス、最後の晩餐、ダヴィデ像……
芸術は色あせない…いつの時代でも、その価値は不変…
まさか…暁自体が…!!一つの芸術作品となっているのか…!?)
長門は戦慄した 同時に感嘆の息を吐いた
何故だ
自分は小さく 守ってあげたくなるようなものを愛していた
しかし今は この異形から目が離せない
魅かれている
胸が高鳴っている
それはまるで初めて恋をした生娘
長門がこうなったのは 暁が真のレディとなったからに他ならない
提督も 同じ第六駆逐隊も
暁から目を離せないでいた
本当のレディとは
そういうものである
たまげたなあ
「お前のような艦娘がいるか!お前のような駆逐艦がいるか!
まったく余計な事をしてくれた!俺はあの小さくて可愛い暁が好きだった。お前のような奴は暁じゃない!」
提督は、そう声に出そうとした
しかし、声を出す事は叶わなかった 何故?
神は果たしているのか、いないのか
その論争に終わりはない
神がいるとしよう
何故そんな論争は続くというのか
人は 人を越えた存在を言葉に出来ない
声にした時点で 人の領域に落とした時点で
その聖なる存在は汚される
提督も同じであった
この聖なる存在を
矮小な自分のちっぽけな言霊で汚していいものか
否 断じて否
何を馬鹿な 筋骨隆々なレディ? 片腹痛い
そう思うかもしれない
しかし暁には説得力があった
虎を一目見ただけで強いと思うように
彼女を一目見ただけで ああ、真のレディとはこういうものなのだなあ と思わせる
不思議な説得力があった
神とはこういうものなのだろうか と思わせる神聖さがあった
真のレディとは 神聖である
真のレディとはそういうものである
ここで一つ 宗教のようだと思ったかもしれぬ
それは語り部の力不足が故
海は広い 海を見て これを否定出来る者などいようか
スカイツリーは高い 実物を見た上で これを否定など出来ようか
それらより優れたものはあるかもしれぬ
しかし我らにしてみればはるか彼方 優れているという事は理解出来る
銀河は大きい 宇宙は大きい
これらも周知の事実ではある 我々にこの二つが途方もなく大きい事は理解出来る
しかしこの二つの明確な差異に実感を持つことは出来ぬ
あまりにも次元が違いすぎるのだ
暁にしてもそうだ
我々とは圧倒的に違う 違いすぎる
もはや比べる対象が神くらいしかないのである
真のレディとは 人でありながら 人ではない
真のレディとは 我々とは次元が違う
真のレディとはそういうものである
赤城「あいたたた…」(中破)
提督「あ………赤城か………おかえり………」
赤城「どうしたんですか提督?何だか放心…………」
レディ暁「あら久しぶりね赤城さんッッッ」
赤城「え……………誰………?こわ………」
レディ暁「大丈夫?本当のレディになった暁に任せてッッ!ぬうん!!!!」(ネンテキナナニカヲオクルー)
赤城「え…傷が…治っていく…?」
レディ暁「これくらい、レディの嗜みよ」
説明しよう
本当のレディにかかれば 傷の治療など実に造作もない事である
それも当然
本当のレディの力とは 争うためのものではないのだ
戦いなどを起こさせないからこそ
真のレディ足り得るのだ
レディって…なんなんですかッ…!
レディ暁「そうだわ、本当のレディになったのだから戦いを止めないとッッッ!!!!!司令官!!!!!私出撃してくるわッッッ!!!!!」
提督「え…生身で行くのか…?」
レディ暁「レディに艦装など不要ッッッ!!!!!!」
バシリスク
コメント一覧
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- 2015年06月07日 23:18
- すげえ。
-
- 2015年06月07日 23:21
- なるほどこれが改2か(白目)
-
- 2015年06月07日 23:24
- 『漢』娘は止めてくれw例のやつを思い出すw
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- 2015年06月07日 23:27
- まさか板垣理論にたどり着くとはなぁ
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- 2015年06月07日 23:31
- 世界よ、これが真のレディーだ
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- 2015年06月07日 23:32
-
レディってスゴイ!
改めてそう思った。
-
- 2015年06月07日 23:37
- これがレディか…
-
- 2015年06月07日 23:42
- 心と筋肉
俺も真のレディに…
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- 2015年06月07日 23:42
- レディの暁がこうなるなら熊野もこうなるのだろうか
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