上鳴「そろそろハッキリさせとかねーとな」
上鳴「決まってんだろ」
上鳴「それは……」
上鳴「誰が一番モテるのか!!!」
デク「で、出たあああああ!!」
峰田「バカヤロー! これより大事な話があるか!?」
上鳴「体育祭も終わってスタジエール編に突入した頃合いだしな」
切島「スタジエールってなんだ?」
上鳴「ここらで誰がもて王なのかハッキリさせよーぜ!」
勝己「くだらねー。帰る」
上鳴「お? 逃げんのか?」
勝己「は?」
峰田「いや、その逆でめっちゃ自信あんのかもしれねーぞ!」
勝己「んだと?」
上鳴「一位入賞おめでとう!」パチパチ
峰田「おめでとう」パチパチ
瀬呂「おめでとう」パチパチ
切島「おめでとう」パチパチ
飯田「おめでとう」パチパチ
デク「お、おめでとう……」
轟「……おめでとうなんか言える立場じゃねえが……」
勝己「てめえらは俺をどうしてえんだよ!!!」フーフー
上鳴「そうだな、一番多く女子をお茶に誘えた奴が優勝でよくね?」
切島「ナンパなんか男らしくねーぞ!」
上鳴「なーに言ってんだ、高校デビューが!」
切島「な、何で知ってんだよ!」
上鳴「それじゃ早速女子探してくるか……」キョロキョロ
上鳴「……」
峰田「……」
峰田「女子はどこ行った?」
障子「何故俺に訊く」
発目「カワイイはつくれるんです!!」
発目「ということで、誰が一番女子力が高いのか決めましょう!」
耳郎「なんでサポート科が仕切ってんの……」
八百万「女子力……?」
梅雨「端的に言えば女の子らしさのことだわ」
葉隠「料理とかオシャレとかだね!」
お茶子「うー、勝てる気せえへん」
芦戸「それで、どうやって勝負するの?」
発目「フフフ……」
発目「まずは皆さんの色恋沙汰について聞かせてください!」
お茶子「下世話や!!」
峰田「どーする? 女子みんな帰っちまったぞ」
上鳴「んー明日にすっか……でも今日やりてえ気分なんだよなー」
上鳴「んじゃシミュレーションしてみようぜ! 女子のオトし方!」
上鳴「俺の場合はあれだなー、まず静電気でピリッとさせて」
上鳴「女子がフラっときたとこをキャッチする! 大丈夫ですか? お茶しよ! コレ完璧!」
デク(どこかで聞いたことあるような)
飯田「念のため病院に連れて行ったほうがいいのではないだろうか」
常闇「そもそも守るべき存在を攻撃するとはヒーローとしていかがなものか」
上鳴「いやお前らさあ……それ言っちゃう?」
デク(かっちゃんはこの話題についていけてるのかな?)チラッ
勝己「………………」
デク(駄目だ……考えることを放棄している……!!)
デク(あまりにも次元の違いすぎる話題だからか……)
デク(とにかくこのままじゃダメだ!)
デク「かっちゃん! 起きてる?」ブンブンッ
勝己「フンッ!!」BOOM
デク「よかった、僕への純然たる悪意だけは忘れてないみたいだ……!」ホッ
轟「自分で言ってて悲しくならねえのか?」
勝己「落とす……?」
上鳴「オトしたい女子がいた場合お前ならどうする?」
勝己「首をしめる」
上鳴「ちょっwwwいきなりマニアックなの来たなwww」
勝己「つーか落とし方に男も女も関係ねえだろ」
上鳴「ぶふっwwwまた問題発言いただきましたーwww」
デク「ダメだよかっちゃん、アンジャッシュのコントみたいになってるよ……」
尾白「上鳴の方はわざとやってそうだけどね」
耳郎「色恋沙汰……? 勘弁してよ」
葉隠「耳郎ちゃん上鳴くんと仲良いよね!」
耳郎「上鳴……? いや、ない」
お茶子「即答!!」
耳郎「うん、ない」
お茶子「それも二回!!」
耳郎「まあ、面白いしいい奴なんだろうけど……チャラいし」
梅雨「確かに将来のことを何も考えてなさそうなのは困るわね」
八百万「シビアですわ……」
芦戸「青山面白いよね! すぐお腹壊すけど!」
芦戸「でもクラスのみんなともっと仲良くなりたいなー」
芦戸「爆豪とか未だに名前覚えてくれないんだよ! ひどくない?」
お茶子「天真爛漫や……」
耳郎「葉隠は尾白とよく喋ってるよね」
葉隠「尾白くん? すっごくいい人だよ!」
梅雨「いい人で終わりそうな感じが拭えないわ……」
八百万「……」
発目「どうしました八百万さん!? どんどんぶっちゃけちゃって下さいよ!」
八百万「いえ、こういった話題はあまり……」
発目「それじゃあ女子力が高いとは言えませんね!」
耳郎「でもいいじゃん、八百万には最強の武器があるんだから」ジーッ
八百万「ええ、武器ならいくらでも作れますけれど……」
耳郎「いや、そうじゃなくて……」
お茶子「えっ!?」
梅雨「どうしてそう思うの?」
葉隠「梅雨ちゃんと呼んでっていつも言ってるから!」
耳郎「よく見てるねあんた」
梅雨「そうね……彼なりに頑張ってくれてるようだけど」
梅雨「できればみんなに梅雨ちゃんと呼んでほしいわ」
耳郎「うーん、上手くはぐらかされた感じ?」
お茶子「……」ホッ
お茶子(あれ? 何で今ほっとしたんやろ)
梅雨(さすがに相澤先生は無理かしら……)
お茶子「う、うん! デクくんいつも頑張ってるよね――」
発目「緑谷さんですか! 体育祭では色々と利用……お世話になりましたねー」
お茶子「……」
梅雨「どうしたの?」
お茶子「いや、何でもないんよ!」ブンブンッ
発明「悩み事ですか!? そんなときには私の発明品がお役に――」
耳郎「あっ、この展開は……」
上鳴「とまあ冗談はこのくらいにしてな、こっからは真面目な話だぜ!」
上鳴「まず俺に意中の女子がいるとするだろ?」
上鳴「そいつをどうやったら振り向かせられるのか、みんなでジャンジャン意見を出し合ってくれ!」
デク「なんだか主旨が変わってるような……」
デク(でも真面目に考えると結構悩むなあ……)
デク(例えば僕に意中の女子がいたとして……彼女を喜ばせるには……)
デク(いやいや! 何を考えているんだ僕は!)
デク(特定の人のことを考えちゃダメだ! 誰にでも通用する方法は――)
尾白「やっぱりプレゼントかな?」
デク「あっごめん、被っちゃった……」
尾白「いや、僕の方こそ」
上鳴「おいおい! 地味ーに被ってんじゃねえよ!」
瀬呂(俺も同じこと言いそうになったわ、あぶねー)
飯田「贈り物もいいがやはり大事なのは気持ちだな。夫婦生活を長続きさせるためにも――」
上鳴「どこまで先を見越してんだよお前は!」
口田「……」モジモジ
上鳴「まあそう照れんなって!」
口田「……」
上鳴「ほうほう、そうかそうか」
口田「……」
上鳴「へー、結構やるじゃねえかお前!」バシバシ
デク(どうやって意思の疎通を……!?)
デク(上鳴くんのコミュ力、僕も見習わなきゃ……)メモメモ
飯田「勉強熱心だな」
障子「想いは心の内に秘めるものだ」
峰田「相手がドン引きするまで粘りまくる!!」
切島「拳で語りあうとかどうよ!?」
上鳴「いいねいいね! どんどん行こうぜ!」
青山「何もせずとも、自然と光のもとに人は引き寄せられるのさ☆」
常闇「光あるところに必ず影がある」
青山「陰のある男……それはそれでミステリアス☆」
常闇「強すぎる光は濃い影を生む。だが同時に影こそが光を際立たせる……」
上鳴「さすがの俺でも何言ってるか分かんねえわ……誰か通訳してくれ」
上鳴「引っ張ってそれかよ! まあいいわ」
上鳴「爆豪もなんか意見出せよ」
勝己「……」
勝己「そらをとぶ」
デク(かっちゃん……!! もういい……! もう……休めっ……!)
切島「それお前しかできねえじゃねえか!」
勝己「みんな俺になればいいんだよ」
上鳴「じゃあ俺爆豪はじめまーすwww死ねカス死ねカスゥ!」
勝己「俺以外俺じゃねえの!!」ドスッ
上鳴「当たり前だけどねっ!!」コポゥ
飯田「爆豪くん! 暴力行為はイエローカードだぞ!」ピーッ
デク(これぞかっちゃニズム……!!)
轟「……最近よく聞くのはあれだな」
轟「壁ドン」
デク(少女漫画だ……!!)