アメリカ警察官に殺害された人をカウントするサイト。公式件数との差は?
思ったよりも大きかった。
日本でも最近よく取り上げられるアメリカ警察官による殺人。頻繁に起こっていることが問題になっているにも関わらず、まだまだ見過ごされているケースはなんと数十件にものぼります。そしてアメリカ政府でさえ警察官が起こす殺人を公式に記録していない今、正確な記録の必要性が切実に求められているのです。
こうした背景もあり、イギリスの大手新聞ガーディアンが先週から独自の記録を開始しました。件数はソーシャルメディアや地元のニュース記事、公表されている記録などを使用して算出しています。「The Counted」と名付けられたこのプロジェクトはオープンかつインタラクティブなデータベースとして、今年警察官によって殺害された男女を記録し続けています。479件の時点で、ガーディアンのその算出件数はFBIより公表されている件数の約2倍にのぼりました。
このWebサイトでは人種、民族、国籍、性別、年齢、死因といった情報でフィルターをかけ、誰でも特定の人物の殺人を検索することができます。このデータベースに記録された人々は皆、元ソースへのリンクと一緒に、さらに詳細な死に至った状況と、その人が関わっていた事件の状況が記されています。そして、誰でも追加情報を送れるのもこのサイトの特徴。すでに記録されている件でもまだ記録されきれていない件でも、誰でも情報を送ることができ、送られた情報は記録として追記、場合によっては削除され、そしてさらなる追加情報が到着次第すぐに更新されます。
ガーディアンの記者Jon Swaine氏がアメリカのラジオNPRに以下のように語っています。
私たちが地元メディアのレポートを確認しても、そして警察と検死官による報道発表を確認しても、時折メディアに報道されていない人がいます。我々は「The Counted」を通して人々に伝えたいのです。友人や知人、もしくは単に何かが起きている現場を目撃しただけであっても、何かしら知っている情報やニュースを送る場所が作られたのだということを。だから我々は本当に…つまり、国中に目を配ろうと試みているのです。しかしまだまだ見落とされ、報道されずにいる人々の存在がいるでしょう。しかし我々はそのひとつひとつを探し出すよりも、より包括的なデータベースを作る努力をすることが先決だと考えたのです。
サイトを訪れるにはこちらからどうぞ。目を背けたくなるほど非情な事件の数々ですが、今、真摯に向き合わねばならないときが来たのです。
source: The Guardian
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(SHIORI)