もうひとりのスティーブがイーロン・マスクを認めた日
もうひとりのスティーブ、それはスティーブ・ウォズニアック。
アップルは、1976年にふたりのスティーブによって創られました。ひとりはテクノロジーとビジネスの両方で伝説的な人物であるスティーブ・ジョブズ。そしてもうひとりはウォズの魔法使いと名高いスティーブ・ウォズニアックです。
ふたりのスティーブによって創業したアップルは、その後ジョブズの天才的な手腕で世界で最も価値のあるブランドへと成長を遂げました。いま、テクノロジストや起業家の中で次のジョブズを目指している人は多いでしょう。
それに対してウォズニアックは、すでにジョブズに近い人物がいるといっています。それはイーロン・マスクです。
ウォズニアックはナショナルジオグラフィック誌に、誰がジョブズの後釜となるかを尋ねられた際、こう答えました。
私たちの生活を変えてくれるようなイノベーター、次期スティーブ・ジョブズを待ち望んでいる人は何百万人もいる。私もそのひとりなんだ。イーロン・マスクはジョブズに一番近い人物だと思うよ。なぜなら、彼はSpace Xや、テスラの電気自動車や、ハイパーループ構想っていう、私たちには到底思いつかない理想を追い求めているからね。
ウォズニアックは、イーロン・マスクをジョブズに似せているものは、製品の裏に隠された情熱だと伝えています。ジョブズとイーロン・マスクは、生活に密着した革新的な製品をつくりました。マスクは、家族全員が乗れる電気自動車を、ジョブズはiPhoneを。
私は良い製品、良い技術製品が好きだ。スマホであれコンピューターであれ。テスラの考えは非常に優れている。なぜなら、家族全員が乗れる電気自動車を作ろうなんて誰も考えなかったからだ。どこからそれがきたと思う?イーロン・マスクが大家族だったからなんだよ。一方iPhoneは、それ以前の電話を使いにくいと感じていたジョブスが細部までこだわって作ったもの。そういった生活に根ざしたマインドを持った人が製品をコントロールすると、それは例外的に素晴らしいものになるんだよ。
確かに、どんな革新的で技術的に優れた製品であっても、実際に消費者の生活に溶け込むものでなければ真のイノベーションとは言えないでしょう。それを成し遂げるネクスト・ジョブズはイーロン・マスクなのかもしれません。ジョブズと共にアップルを立ち上げたもうひとりの天才が口にする言葉には非常に説得力がありますね。
source: BUSINESS INSIDER
(前田真希子)
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