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上田文人 最新作『人喰いの大鷲トリコ』、PS4ゲームとして2016年発売 - Engadget Japanese


ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、『人喰いの大鷲トリコ』を、PlayStation 4専用タイトルとして2016年に発売することを明らかにしました。

『人喰いの大鷲トリコ』(The Last Guardian)は、著名なゲームデザイナー上田文人氏による「最新作」。2009年の発表以来、延期や上田氏の退社など一時は完成が危ぶまれたものの、プラットフォームを変えて今度こそ復活します。

PS4『人喰いの大鷲トリコ』 (E3 2015)

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8 枚






上田氏の作品といえば、角の生えた少年が女の子の手を引いて古城を脱出する『ICO』や、各地にある巨像を探して戦う『ワンダと巨像』など、どことも知れぬ絵画的な異世界や、言葉を介しない動きやしぐさで伝える切なさ、それでいて骨太なアクションが国境を超えた尊敬を集めました。特に『ICO』はコアなゲーム好きの宮部みゆき氏が、自らノベライズの企画を持ちかけたエピソードもあります。



一方、本タイトル『人喰いの大鷲トリコ』の構想が明かされたのは2009年で、6年前のこと。振り返れば色んなことがありました。2009年にE3で映像出展されたのが初のお披露目で、当初の発売予定は2011年冬のはずでした。

しかし制作上の都合で発売延期とされ、そのまま開発中止が心配されたものの、SCEゲーム開発事業の責任者・吉田修平氏は開発は大きく前進していると明言。が、さらに2013年には上田文人氏のSCE退社が報じられ、やはり......と危ぶまれるやいなや、またも吉田氏によって開発中止は否定された経緯があります。逆に言えば、これほど開発の進捗を真摯に報告されたゲームも珍しいのではないでしょうか。



今年のE3で公開された動画は、あえて「PV」ではなく「プレイ動画」と銘打たれています。内容は「今度こそ本当に遊べる」と思わせるに足りるもの。プレイヤーは少年を操作し、人喰いと恐れられる「大鷲」のトリコと共に忘れ去られた巨大遺跡を冒険するアクションアドベンチャー作品です。

「大鷲」とカッコ書きにしたトリコは、羽毛に覆われた身体や鉤爪は鳥っぽいものの、顔つきは猫か犬のようでもあり、様々な生物の混ざりあった架空のクリーチャー。動きは小動物を思わせるのに、小さい少年がより小さく見える巨体は不思議な感覚です。




舞台となる巨大遺跡は謎の超文明パワーで空中に浮いているようでありながら、やはり『ラピュタ』的に長年メンテナンスはされてないらしく、いつ崩れてもおかしくなさそう。そこで主人公の少年に呼ばれると、建物の中からぬっと現れて走り出すトリコ。積まれた石を崩すわ、跳躍した先にあった木の足場をメリメリと落とすわ、レベルデザインを動的に変えるまっしぐらぶり。主人公も命知らずで、鉄骨渡りならぬ朽ちた木材渡りをして高所恐怖症の視聴者を震え上がらせ、大ジャンプ! トリコが口でキャッチしなければ終わるところでした。

言葉が通じないバディものは『ICO』を思わせ、トリコの巨体にしがみついてよじ登るさまは『ワンダと巨像』の延長にあり、滑車付きの鉄の檻を落として道を作るアクションパズル性も伺えて、まさしく上田氏の最新作と思わせます。

非力な少年が小動物のような巨大生物との「信頼」に身を委ねる、ゲームのエッセンスを詰め込んだ7分弱の映像でした。 と同時に、「こりゃあ6年かかるわ」という技術的なハードルの空恐ろしさに頷かざるを得ません。トリコの可愛らしくも大きな物理力で刻々と変化する地形や、巨体の細かなしぐさだけでも、いくら『God of War』の高い技術を持つサンタモニカスタジオがヘルプに入ったとはいえ、当初予定のPS3からPS4に移行して正解と思えます。続報が待たれますが、SCE吉田氏が満面の笑顔でプレイアブルな体験版を紹介される日を心から祈っております。
上田文人 最新作『人喰いの大鷲トリコ』、PS4ゲームとして2016年発売

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