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朋也「俺の子供が生まれるぞ!」



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2:SS速報:2009/12/07(月) 01:52:34.27 ID:nXrPhOol0


それは汐が6歳の秋ごろのことだった。
渚が体調を崩し気味になり、心配になって病院に連れて行って分かったことだ。
汐の誕生以来、滅多に体調を崩さなかった渚がまた以前のように遠くに行ってしまうのではないかと気が気でなかった俺は思いがけないそのニュースが嬉しくてしょうがなかった。
また家族が増える。
父親にとってそれはとてもうれしいことだ。
汐 「弟?」
汐も嬉しそうに渚のお腹の中で眠る赤ん坊のことを聞いてきた。
朋也「まだ分からないんだ。汐は男の子がいいのか?」
黙って、コクコクと、力強く首を縦に振った。
朋也「だったらママにお願いしなきゃな。もうすぐ帰ってくるぞ」
そういうと汐はそわそわとドアの方を見る。
朋也「汐ももうすぐお姉ちゃんだ。いい子にしなきゃな」
そういって汐の頭を撫でてやった。嬉しそうに笑う汐を見て、俺はまた嬉しくなった。


3:SS速報:2009/12/07(月) 01:54:52.84 ID:nXrPhOol0


春原「渚ちゃん。妊娠おめでとう!」
それから二ヶ月後、どこからか情報を手に入れた春原が家に現れるなり相変わらずの能天気な声でそういった。
春原「はい、これ。お祝い」
そういっておそらく芽衣ちゃんから渡されたのであろう、箱に入ったお菓子と祝儀袋を渡された。
渚「ありがとうございます」
朋也「芽衣ちゃんにありがとうと伝えておいてくれ」
春原「僕には何か言うことないんですか?」
朋也「そうだな、わざわざ持ってきてもらってすまないんだがそうそうに帰ってくれ」
春原「ちょっとひどくない、それ」
朋也「いや、今久しぶりの一家団欒の途中なんだ。邪魔しないでくれ」
春原「アンタ鬼っすね!」
渚 「あたしたちは大丈夫ですからゆっくりして行ってくださいね」
もう何年も連れ添っていれば俺と春原のやりとりにもなれたらしく、渚もおかしそうに笑いながら春原にお茶を出していた。


4:SS速報:2009/12/07(月) 01:56:32.50 ID:nXrPhOol0


朋也「で、お前からのお祝いは?」
春原「だからこれだって。お金は芽衣から、お菓子は僕から」
朋也「普通逆だよな」
春原「うるさいな、今月はたまたまお金がなかったんだよ」
春原「それに、汐ちゃんはお菓子の方が嬉しいだろ」
そういって春原は汐に声をかけた。
今日はどこかに出かけるつもりだったらしいが、春原が来ると聞いて家に残っていた。
春原が渡したお菓子を嬉しそうに受け取る。
汐 「ありがとう」
春原がそれを聞いて満足げな表情で汐の頭をなでる。
汐 「おじちゃん」
春原が完全に固まった。
朋也「そういえば、芽衣ちゃんは来ないのか?」
春原「あ、あぁ、あいつは忙しいからって」
春原「僕も忙しい中、わざわざお祝いに来たんだぜ」
朋也「そうか、それじゃぁ、早く帰ってくれ」
春原「他にもっと言うことないの?」
朋也「そうだな、次はもっと高級なやつ頼むな」
春原「お礼ぐらい言えよ!」
その後も春原は居座り、昔話をしたり、汐と遊んだりしていた。
春原「汐ちゃんももう小学生かぁ」
さっきの『おじちゃん』がよっぽどきいたのか、しきりに自分のことを『お兄さん』と呼んでいた。
哀れ、春原。発言がおっさんだ





7:SS速報:2009/12/07(月) 01:59:44.19 ID:nXrPhOol0


それからすぐに高校時代の旧知の連中にも話が伝わったらしく、藤林姉妹が家を訪ねてきたりもした。
流石に、智代やことみは忙しかったらしく、それでも手紙で「おめでとう」と送られてきたりもした。
杏「二人目の子ができるんだったらなおさらしっかりしなさいよ」
ある日、杏が来たときにそんなことを言っていた。
杏「あたしも双子だけど妹いるし、保育士やってるから分かるのよ」
杏「汐ちゃんをほったらかしたりしちゃダメよ?」
渚と一緒に杏の話を聞いていた。汐はまだ学校から帰っていなかったからそんな話をしたのかも知れない。
渚は熱心に杏の教育論を聞いていたが、俺は半分上の空で、何度か注意された。
結局、頭に残った情報は、藤林妹、つまりは椋が長らく付き合っていた彼氏と結婚するらしいことだった。
杏「周りはおめでた続きなんだけどね」
そういって深くため息をついた姿が、どことなく昔世話になった寮母にそっくりだった。


8:SS速報:2009/12/07(月) 02:01:53.55 ID:nXrPhOol0


やがて、渚のお腹が大きくなると、医師からは強く入院を勧められた。
前回のお産で、命を落としかけたことや、以前世話になった産婆さんが違う街へ引っ越してしまったことも原因だった。
俺と渚、おっさんも自宅で、と言ったのだが、早苗さんがいつになく真面目な表情で反対し、とどめに汐が
汐「ママがずっといなくなるのは、やだ」
と渚に抱きついたのを見て諦めた。
医者「別に病院で生まれた子が悪く育つということはありませんから」
医師が柔らかい表情でそういったのを聞いておっさんと二人で苦笑いをしていた。
渚「お父さんと朋也くん、同じ顔をしています」
渚がそう言って笑うのを見て、表情を硬くした。今度は俺とおっさん以外が全員笑っていた。


9:SS速報:2009/12/07(月) 02:03:49.24 ID:nXrPhOol0


渚が入院してからは、杏が汐の世話をしに家に来てくれるようになった。
杏「どうせヒマだから。あんたが仕事で渚が病院じゃぁ汐ちゃんが寂しいでしょ」
主に渚が杏に申し訳ないと伝えると杏はそんなことを言った。
杏 「それより、あんたは忙しくても渚ちゃんや汐ちゃんのこと気にかけてあげなさいよ」
朋也「分かってるよ」
幼馴染とはいえ、正直ここまでやってもらうのは俺も心苦しい。
朋也「なぁ、家事なら俺もできるし、あんまり無理しなくていいぞ」
杏にそう言ったことがあったが、
杏「いいから、あんたはあんたの仕事をしなさい」
と、怒られてしまった。頼もしい姉ができた。そんな気分だ。


10:SS速報:2009/12/07(月) 02:06:13.21 ID:nXrPhOol0


だんだん臨月が近づくと、汐の誕生日ももうすぐだった。
朋也「汐、誕生日プレゼントは何がいい?」
汐 「えーっとね、弟」
そういえば、汐に渚の妊娠の話をした時にそんなことを言っていた。
もうどちらか調べられるんだろうが、今回もそれはしないことにした。
朋也「あー、他には?」
さすがに、こればかりは約束できないから他にないかをきいた。
汐 「・・・妹?」
どうやら今はあまり欲しいものがないらしかった。
朋也「そうだな、それはもうちょっと待ってくれ」
何か本でも買ってやろう。それ以外に特に何も思い浮かばなかった。


11:SS速報:2009/12/07(月) 02:08:19.79 ID:nXrPhOol0


出産予定日があと数週間に迫ったころにそれが起こった。
朋也「渚っ!」
知らせを聞いてあわてて飛びこんだ病室には、頬を赤くして苦しそうに笑う渚がいた。
渚「大丈夫ですよ、朋也くん。ただの風邪だそうです」
そう言って小さく咳をした。
杏「朋也、あんた急ぎ過ぎ」
少し遅れて、汐を連れた杏が病室に到着した。
病院までは、杏の運転する車で来ていた。
俺も免許を持っていたのだが「今のあんたが運転したら何が起こるか分からない」と言う理由でハンドルを握らせてもらえなかった。
移動中も気が気でなかったから、病院についてすぐに病室へと走って行った。


寒いし人来ない・・・二重に寒いorz





13:SS速報:2009/12/07(月) 02:10:46.83 ID:nXrPhOol0


ウィーン、ガコン
自販機から缶コーヒーが出てきて、それを手にとった。
朋也「で、いったい何の用だ」
連れ出したからには理由があるのだろう。そしてそれはおそらく
朋也「たしかに汐を置いてけぼりにしたのは悪かったと」
ゴツン
最後まで言い切る前に、中身入りのペットボトルで思い切り頭を叩かれた。
杏「それだけじゃない」
杏の表情は真剣に怒っていた。
杏「気持ちは分からなくもないけど、あんた動揺しすぎよ」
呆れたようにため息をついた。
杏「あんたがあれじゃ、汐ちゃんは必要以上に心配するでしょ?」
杏「あれじゃ、渚は今にも死にそうです、って言ってるようなものじゃない」
そう言って、近くのソファーにドスンと腰を掛ける。
杏「アンタ父親なんだからもっとどっしりと構えなさい、いいわね?」
朋也「あぁ、悪かった」
杏の説教で少し目が覚めた。確かにあれじゃあ汐を心配させないわけがない。
杏「分かったなら、とっととそれ飲んで戻るわよ」
そう言うと杏は立ちあがって渚の病室に向かった。
俺はすぐに戻る気にはなれず、コーヒーをチビチビと飲みながらさっきの行動を反省した。




14:SS速報:2009/12/07(月) 02:13:05.76 ID:nXrPhOol0


それからすぐに渚の風邪は治り、経過は順調だった。
もうすぐ生まれる新しい家族への期待と、やっぱり不安な渚の体のこともあり、見舞いの回数が少し増えた。
もちろん汐も一緒で、同じく見舞いにきたおっさんや早苗さん、勤め先だからか藤林妹とも会うことが多かった。
汐「パパ、ジュースのみたい」
見舞いに来る回数が増えてから、汐がジュースやお菓子を病院の売店に買いに行きたがることが多くなった。
秋生「よぉし、俺が買ってやろう」
汐「アッキーよりパパがいい」
このやり取りもそれなりの回数があって、その度にオッサンが悔しそうな顔をしていた。
朋也「分かった、好きなのを帰りに買ってやる」
汐「うん」
朋也「ただ、もうすぐお姉ちゃんだからな。あんまりわがまま言わないようにしないとな」
そう言って俺は汐の頭を撫でてやった。
汐「・・・うん」
汐は小さく頷いた。
もともとそんなにわがままを言うような子ではないから、こんなことを言わなくても立派なお姉ちゃんになるだろう。
そう思うと鼻が高かった。
結局汐は、帰りに買ったジュースの半分を飲まないうちに口をつけなくなった。
子供には缶ジュースは少し大きいのだろうか。


16:SS速報:2009/12/07(月) 02:15:06.94 ID:nXrPhOol0


予定日がだんだん近くなる。
予定日きっかりに生まれるわけでもないのだが、それでも目安の日程は気になるものだ。
春原はうまい具合に休みがとれたらしく、芽衣ちゃんと一緒に見舞いに来ていた。
芽衣「この度はおめでとうございます」
相変わらずしっかりとした子だ。
もうれっきとした社会人なだけあって、大人らしい顔立ちになっていた。
朋也「妹が大人になっても兄貴の方は相変わらずなのな」
春原「へへん、まぁね」
何故か誇らしげだ。別に褒めたつもりはない。
汐「パパ、おなかすいた」
ちょうど昼時だったから、俺も腹は減っていた。渚も寝ているようだったし、汐も退屈しているのだろう。
朋也「そうだな、何か食いに行くか」
たしか病院の中に喫茶店があったはずだ。そこでいいだろう。
朋也「ただもうちょっと我慢な」
もうすぐ医者が来て渚の経過の報告を聞くことになっていた。
最近陣痛が多くなっていると言う話だったから出産が近いのだろう。
何も悪い報告を聞くわけではないので、すぐ終わるはずだ。
朋也「もうすぐお姉ちゃんだ。我慢できるな」
汐「うん」
汐は大人しく頷いた。


20:SS速報:2009/12/07(月) 02:21:42.17 ID:nXrPhOol0


春原「なぁ、岡崎」
タバコに火をつけて一呼吸した後、春原が話し始めた。
春原「汐ちゃんのことほったらかしにしたりしてないよな」
少しきつい口調でそう言われた。
春原「気のせいならいいんだけどね、汐ちゃん、お前にかまってほしそうだったからさ」
汐が?とも思ったが確かに最近わがままが多い気がする。
春原「汐ちゃんだってしっかりしてるって言っても小学一年生だろ?」
春原「さみしいんじゃないの?おまえ、渚ちゃんに付きっきりみたいだし」
岡崎「……あぁ、確かにそうだな」
まさか春原にまで説教をされるとは思わなかった。
確かに汐のことを放っておきすぎたかもしれない。
渚のことも心配だが、汐のことだって心配だ。もっと気をかけてやるべきだったな。
春原「分かったんだったらもういいんじゃない?早く戻ってあげないと汐ちゃんがかわいそうじゃん」
岡崎「お前に連れ出されたんだけどな」
俺は煙草の火を消して喫茶店に戻った。




18:SS速報:2009/12/07(月) 02:17:45.19 ID:nXrPhOol0


春原「なぁ、汐ちゃんお腹すいてるんだったら先に行ってこいよ」
春原が突然そんなことを言った。
朋也「あと五分もすれば医者が来る。そんなに急がなくてもいいだろ」
春原「いいから行って来いって」
何を考えているのかのんきに笑いながら俺にそう勧めてくる。
医者「お待たせしました」
そんなことを言っているうちに医者が到着した。
汐「パパ、おトイレ行ってくる」
朋也「一人で行けるか?」
汐「うん」
俺達が医者の話を聞いている間、汐はトイレに行っていた。
「順調です」の一言と今後のちょっとした注意を聞いただけで話は終わり、汐が戻ってくるまでには出発する準備も出来ていた。
朋也「それじゃ、行くか」
俺は汐と手をつないで喫茶店に向かった。


19:SS速報:2009/12/07(月) 02:20:07.38 ID:nXrPhOol0


「おなかがすいた」と言ったわりに汐の食べた量は少なかった。
大量に残したわけでもないが、いつもならぺろりと平らげてしまう量だ。
朋也「体調が悪いのか?」
汐にそう聞いてみたが、首を横に振っただけだった。
春原「なぁ、岡崎、たばこ吸いにいかね?」
食い終わってひと段落したころに春原が俺をそう誘った。
店内は全席禁煙で、病院も喫煙所以外は当然禁煙。その喫煙所も少し遠い所にある。
春原「んじゃぁ、芽衣、汐ちゃんをよろしく」
朋也「いい子にしてるんだぞ」
それぞれそう言い残して店を後にした。





22:SS速報:2009/12/07(月) 02:25:22.06 ID:nXrPhOol0


出産予定日を過ぎても、顔を出さない我が子の誕生を今か今かと思うと落ち着かない。
そんな様子は周りにはおかしいらしく、渚はにっこりと、杏は呆れて、春原は大袈裟に笑っていた。
渚「この子にはこの子のペースがありますから」
そう言って微笑む渚を見て落ち着いては、またそわそわとし始める。
汐ももうすぐ生まれる弟、もしくは妹の誕生が待ち遠しいらしい
杏「何だかんだ言っても親子よね」
と、言われるくらいには同じようなことをしているらしかった。




24:SS速報:2009/12/07(月) 02:27:19.80 ID:nXrPhOol0


予定日を三日過ぎて、仕事から帰ってすぐに家の電話が鳴った。
看護婦「奥様が破水しました。もうすぐ生まれそうですので」
その言葉の先を待たずに受話器を置いて出かける支度をする。
岡崎「汐っ!」
まだ帰ってないのか?杏に連絡して後でこさせたほうがいいのか?
フル回転させているつもりの頭は、空回り気味で何か考えているような、何も考えられていないような状態だった。
汐「ただいまっ!あのね、パパ」
アパートを出てキョロキョロとあたりを見渡していると嬉しそうに笑いながら帰って来た汐を見つけた。
岡崎「汐、すぐ出かけるぞ」
呼んだタクシーももうすぐ着くはずだ、いいところに帰って来た。
汐「あのね、パパ」
岡崎「もうすぐ生まれるらしい。すぐ行けるか?」
汐「う、うん」
少し困ったように汐が返事をした。
岡崎「どうした?具合でも悪いのか?」
汐「違うの」
汐はうつむいて首を振った。
よく見れば手に何かを握っている。よく広い空地や公園の隅で見かける一輪の小さな花だった。
岡崎「何かあったんだったらちゃんと言うんだぞ」
汐「うん」
岡崎「それからな、病院に行くからそれ置いていこうな」


25:SS速報:2009/12/07(月) 02:29:08.96 ID:nXrPhOol0


汐の前にしゃがみこむと同時に丁度タクシーが到着した。
間に合うだろうか?それが少し不安だった。
不安だったのだが。
汐「・・・行かない」
汐が小さく、少し震える声でそう言った。
震えていてもはっきりと。短く
岡崎「え?」
突然のわがままに少し戸惑った。
汐「あたし、おるすばんしてる」
言葉に少しの怒りを感じた。
岡崎「どうした、わがまま言って。やっぱりどこか具合悪いのか?」
俯いての否定。表情が見えない。
汐「・・・わるい子だから」
そう小さくつぶやいたように聞こえた
驚いている隙に、汐はさっと駈け出してどこかへ行ってしまった。
あわてて立ち上がって汐を追いかけようとしてタクシーを待たせているのを思い出した。
タクシーの運転手は迷惑そうにため息をついて
運転手「ここで待ってますから」
と言って、顎で追いかけるように促した。
一体どうして汐がわがままを言ったのか。見当もつかない
俺は混乱する頭を一度止めて汐を追いかけることに専念した。


26:SS速報:2009/12/07(月) 02:30:19.54 ID:nXrPhOol0


大人と子供のかけっこなんて多少のハンデがあっても結果は見えているようなものだ。
すぐに汐に追い付いて手をつかみ、なんとか汐の足をとめた。
岡崎「どうしたんだ、汐。いつもはいい子だろ」
何もこんな時に、と続けたかったが、その言葉は呑み込んだ。
汐は目に涙を浮かべていた。
昔から、変なところでも渚に似て頑固で、よほどのことが起きなければ泣くようなことはしないのだ。
だからこそ、今、その『よほどのこと』が起きていることが分かった。
岡崎「汐・・・」
汐「ゴメンナサイ」
震える声で、わがままを言ったことを謝るのを聞いた。
いや、謝るのは多分俺のほうで、それを先に、まだ幼い娘にされて情けなくなる。
ただ、何を謝ればいいのかが今はわからない。
それも悔しくてやりきれない気持ちになった。
杏「ちょっと、あんた達何やってんのよ」
タクシーを止めている辺りから杏が駆け寄ってきた。
杏「電話が鳴ってるのに家にいないし、タクシーの運転手さんに聞いてみたらすぐそばにいるし」
そう言って俺と汐を交互に見て
杏「あんたが悪い」
と、頭にげんこつを落とされた。
杏「事情は後で聞くから、まずは待たせてるタクシーを帰すなり乗るなりするわよ」
そう言ってため息をつく。タクシーの運転手は無愛想にタバコをふかしていた。


29:SS速報:2009/12/07(月) 02:33:07.79 ID:nXrPhOol0


病院に向かうタクシーの中で杏に事の成り行きを説明する。
大きくため息をついて杏は
杏「アンタ、理由が分かるまで自分の家に帰るの禁止」
と、怒りをあらわに言って俺をにらんだ。
杏「こんなこと、多分春原でもわかるんじゃないの?もっとしっかりしなさいよ」
と、病院に着くまでの間延々と説教された。
汐はただ黙って、杏の膝の上に座っていた。


31:SS速報:2009/12/07(月) 02:35:38.74 ID:nXrPhOol0


病院に着くと渚は分娩室に入った後で、看護婦さんに渚を励ますように言われたが
杏「今そんな顔して入るんなら行かないほうがいいわよ」
と、言う杏の少しきつめの制止を受けた後、
汐「あのね、ママがんばれって言ってきて」
という汐の言葉を聞いて、俺は自分の顔をはたいて案内された部屋へと移動した。






32:SS速報:2009/12/07(月) 02:37:41.76 ID:nXrPhOol0


できるだけ、今は渚を不安にさせないように、励ますようにと考えて声をかける。
苦しそうにしながらもなんとかお産を終えて互いに笑顔になった。
生まれた子供と渚は別の病室に移されて、俺は汐と杏の待つ廊下に戻った。
岡崎「無事に生まれた」
短く、安心した笑顔で報告したのだが、杏は相変わらずのむっつり顔だった。
杏「それじゃ、家のカギ渡しなさい。あたし先に汐ちゃんと帰るから」
にっこりと笑って、それでも明らかに笑ってない表情なのだが、とにかく手を差し出してきた。
家のカギを渡すと満足げに微笑んで
杏「それじゃ、せいぜい頑張って宿題を解いて帰ってきなさい」
杏「渚ちゃんが帰ってくるまでに家には入れればいいわね」
と言って汐の手を引き背を向けられた。
岡崎「お、おい、ちょっと待てよ」
てっきり、「汐の面倒はあたしが見るからあんたは渚ちゃんを見てあげなさい」という意味だと思っていた。
困惑しながらも、そうだ、汐がわがままを言った理由を考えないといけないんだ、などという当たり前のことを思い出す。
二人を見送りながらも必死に考えたが全く思いつかなかった。


34:SS速報:2009/12/07(月) 02:42:21.93 ID:nXrPhOol0


春原「で、なんで僕のところに来るわけさ」
春原の泊っているホテルの部屋を訪ねて事情を話し、一晩泊めてもらうことにした。
岡崎「仕方ないだろ、家に帰れないんだ」
春原「いやね、単に家に帰りづらいとか、気分でこっちに来るんならいいんだけどさ」
春原「まさか、まだわからないから僕のところに来たわけじゃないよね?」
言われてどきりとする。
岡崎「お、お前はわかるのか?」
春原「岡崎、一つ言いたいことがある」
春原「もしかして頭悪くなったんじゃない?」
何よりも春原にそう言われたことがショックだった。
あまりのショックに春原の頬を思いきり引っ張る
春原「イタタタっ!ちょっと何するんっスか!」
岡崎「いや、あまりの出来事に夢じゃないかと」
春原「お前そんなんだといつまでたっても家に帰れないだろ」
まさか春原にこんなことを言われるとは思わなかった。
春原「ま、僕は優しいからね、教えるけどさ」




36:SS速報:2009/12/07(月) 02:48:03.80 ID:nXrPhOol0


春原「汐ちゃんは寂しかったんだろ。あんまりにも気にしてもらえなかったからさ」
岡崎「あ」
その一言で思い出した。前々から言われていたじゃないか、汐を放っておくなと
春原「分かったんだったら、さっさと帰って謝りなよ」
春原「僕、明日帰るから朝早いんだよ」
岡崎「それじゃ、朝までなんかしようぜ」
春原「いや、帰れよっ!」
岡崎「実際この時間はもう汐も寝てるだろうしな。帰りづらいんだよ」
春原「この時間に訪ねて来るのもどうかと思うけどね」
岡崎「いや、それは全く気にならなかったな」
春原「僕は気にするんですけど!」
春原が叫ぶようにツッコむ。
宿泊客「オイ!うっせーぞっ!」
ドンドンドン
扉を強く叩く音が聞こえる。
春原「ひぃっ」
それを聞いた春原は反射的に悲鳴を上げて
春原「…フン、そっちのほうがうるさいじゃないか、文句言ってやる」
と、強気な表情で部屋の扉の覗き穴からホテルの廊下を見て
春原「……」
と、何とも言えない顔をして。
春原「ま、まぁ今回は叫んだ僕が悪かったと思うよ」
と妙に聞き分けのいいことを言い出した。

これ書き終わってたと思ったら書き終わってなかったんだぜorz
続き少し待ってください


38:SS速報:2009/12/07(月) 02:56:15.90 ID:nXrPhOol0


岡崎「何だ?文句を言うんだろ?」
春原「いや、もめ事は良くないと思うんだ。僕は平和主義者だからね」
いささか強すぎるノックの音をBGMに春原は冷や汗を流しながら笑っている。
岡崎「そうか、まぁ、今ノックしてる人もお前に用があるみたいだし、俺はお前の言うとおり帰ることにするかな」
春原「い、今はいいだろ。もうちょっとここにいろよ、な?」
あわてて俺の帰宅を阻止しようとする春原。
十中八九ドアの向こうの人物はいかつい強面の男なのだろう。
岡崎「そうか、お前がそういうなら泊っていくか」
春原「ゲ、結局泊るのかよ」
岡崎「悪かった、それじゃ、俺帰るな」
ドンドンドン!
春原「あ、待った。ほら、何かおごるからさ」
岡崎「何か悪いな」
春原「……何か納得いかないな」
岡崎「それじゃ」
春原「いや、頼むから今はやめてくれよ」
ドンドンドン!
春原「ひぃっ」
そんなやりとりを何度か繰り返すうちに相手は部屋に戻って行ったらしい。
ノックの音が止むと春原は大きくため息をついた。
岡崎「怖かったな、仕返しに壁でも蹴ってやろう」
春原「ちょっ、ヤメロって、やめてくださいっ!」
ドンドンドン!
こうして、夜は更けていった。


40:SS速報:2009/12/07(月) 03:04:34.31 ID:nXrPhOol0


翌朝
春原「よくよく考えたら、全部お前のせいだよな」
あの後一睡もできんかったらしい春原は、眼の下にクマを作っていた。
岡崎「そうだな、汐にもちゃんと謝らないとな」
春原「僕には何もないんですか?」
岡崎「特に何も」
春原「お前少しは感謝しろよっ!」
岡崎「あ、そうだ、芽衣ちゃんにもよろしく言っておいてくれ」
春原「それだけっスか!」
岡崎「元気でな春原」
春原「あぁ、分かったよ」
そういって春原は力なくため息をついた。
冗談はここまでだな
岡崎「春原、ありがとうな」
そう言って俺は片手をあげて軽く振った。
春原「しっかりやれよ」
そう言って、不敵に笑うと春原は手を小さく振り返してきた。


41:SS速報:2009/12/07(月) 03:18:08.42 ID:nXrPhOol0


アパートの玄関前まできて呼び鈴を鳴らそうとして、すぐに手をとめた。
もしかしたら、カギは開いていて中に入れるんじゃないかという考えがよぎって、そのままドアノブに手をかける。
何度か回してみたが、カギをかけられているらしい。本気で締め出されていた。
仕方がないか。
指を再びインターフォンに戻してボタンを押す。
杏「はーい」
出かけている可能性もないわけではなかったが、杏は汐と一緒に家の中にいたようだ。
ほっと溜息をついて
岡崎「その、悪かった。俺だ」
と、扉に話しかけるように謝った。
杏「で、それは誰に対する何の謝罪なわけ?」
杏の声だ。
岡崎「汐に、何というか、かまってやれなくて悪かった…」
杏「30点」
言葉を探しながらなんとか言おうとする言葉をさえぎって杏が刺すような一言でそういった。
杏「まず、俺に落ち度はなかったけど、とりあえず悪かったー見たいなセリフなのがダメ」
杏「次に、声が小さくて何言ってるか分からないのがだめ」
杏「最後に、全く誠意が伝わらないのよねー」
杏「あと、汐ちゃんの面倒見てたあたしへの感謝もなし。減点して5点ね」
ドア越しに落第を告げられて、いつからお前はそんなに、とも思ったが、非があるのは俺のほうだから言い返せない。
岡崎「その、汐、ゴメンな」
と、なんとかドアの向こうにとどくくらいの音量を絞りだした。


43:SS速報:2009/12/07(月) 03:32:19.75 ID:nXrPhOol0


汐「あのね、あたしもゴメンナサイ」
ドアの向こうの汐が申し訳なさそうに謝る声だった。
子供のほうが、悪いことをしたときに素直に謝れるものだ。
うまく謝れない俺が何とも惨めというか、むしろ悔しかった。
汐「それとね、お花、ママのところに持っていってもいい?」
そう言われて、本当にいまさら気づいた。
そうか、あの花はお見舞いの花だったのか。
そんなことに気づけないほど、汐のことが頭から離れていたんだな、そう思った。
岡崎「あぁ、もちろんだ」
花を一輪だけ、花瓶に挿すのも悪くはないだろうし、何より渚が喜びそうだ。
そう思うと、自然に顔がほころんだ。
そして、不意に鍵の外れる音が聞こえて扉が開く。
杏「寒いでしょう。さっさと入んなさい」
そう言って杏は呆れたように溜息をついて俺を見た。
杏「大の大人が自分の家の外に立たされて娘に謝らされるなんて情けない」
岡崎「その、悪かった。ありがとうな」
杏「お礼はいいから。さっさとシャワーでも浴びてきなさいよ。今から渚ちゃんのお見舞いに行くんでしょ?」
岡崎「そうだな、やっぱり気になるしな」
汐「ママ元気?」
岡崎「あぁ、元気だ」
俺は汐の頭をなでる。
杏「そういえば、赤ちゃんはどうだったのよ?」
杏「男の子?女の子?」
岡崎「あぁ、そういえば言ってなかったな」
汐「弟?ねぇ、弟?」
汐が俺の袖を引いた。
岡崎「あぁ、今度生まれた俺の子供は……」




44:SS速報:2009/12/07(月) 03:37:27.90 ID:nXrPhOol0


おしまいです。遅くまで付き合っていただいてありがとうございました

新しい子供の性別はわざと出してないです(・ω・`)
ってか、後半がグダグダですね、サーセンorz

しつこいかもですが、つたない文章ですいません、ありがとうございました


45:SS速報:2009/12/07(月) 04:26:57.69 ID:g6w1Y86AO





47:SS速報:2009/12/07(月) 06:08:37.87 ID:McvxOV3gO


面白かった、乙!



53:SS速報:2009/12/07(月) 11:00:31.11 ID:5z88EYZ6O


読み終わった改めて乙




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