基地の街から「戦争ノー」　女性ら赤まとい「人間の鎖」

赤い物をまとい、女性の目線で平和を訴える活動「レッドストッキング横須賀」が三十日、横須賀市で行われる。賛同者でつくる実行委員会の岸牧子さんは「横須賀は自衛隊員とその家族が多く住み、米軍基地もある。今の安全保障法制をめぐる動きに関係の深い街。誰も戦争に行かせないために、ノーの意思表示をしたい」と、参加を訴える。　（中沢佳子）

参加には、服やスカーフ、帽子、アクセサリーなど赤い物を身に着けるのが条件。アイスランドで一九七〇年代、女性が赤いストッキングをはいて地位向上を求めた運動にちなむ。今年一月には、赤い物を身に付けた約七千人が国会周辺を「人間の鎖」で囲んで戦争反対を主張した。

その後、運動は全国に広がり、基地の街・横須賀でも行動しようと、国会前活動に参加した人が中心になって賛同者を集め、実施を決めた。呼び掛け人はすでに二百二十人を超えたが、当日に向けてさらに募っている。当日の「鎖」は参加千人を目指す。

「人とつながるには言葉が必要だと、子育てを通じて実感した。武力で威嚇する政治は違和感がある。言葉での対話が平和の道」と話すのは、呼び掛け人の一人で、六歳、三歳、二カ月の息子と娘を育てる産休中の会社員大森亜希子さん（３３）。安保法制をめぐる動きに「夫が自衛官のママ友が『災害救援をしたくて入隊した夫が、転職を考えている』と言っていた。一人一人の小さな声を発信して社会を変えたい」と訴える。

明大法学部一年の遠藤咲さん（１８）は「安保法制や改憲の動きは、大学の友だちとも話題になる。戦争になれば、私たち若い世代が真っ先に戦地に行かされる」と不安をにじませる。

当日は赤い物を身に着ければ、男性の参加も可。午後二時半に横須賀市汐入町のヴェルニー公園で集会をした後、京急線横須賀中央駅に向かって歩き、駅近くで「赤い人間の鎖」をつくる。問い合わせは、実行委の岸さん＝電０９０（１０５１）１８１２＝へ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150523/CK2015052302000137.html