インターネット上に飲食店の評判などを投稿できる口コミサイト「食べログ」に、悪評を書かれた

とする飲食店が、裁判に訴え出た二審判決が出ました。

画像:【「食べログ」】
「食べログ」
http://tabelog.com/

「食べログ」・・・2005年3月に価格比較サイトなどを運営するカカクコムがサービス開始。
多様な料理ジャンルごとに店が区分けされ、検索すると口コミによる「料理・味」「サービス」「雰囲気」「CP(コストパフォーマンス)」「酒・ドリンク」の5項目で評価された店がスコアや人気順のランキング形式などで表示される。

北海道北広島市で飲食店を経営する男性は、2012年の2月ごろ、知り合いの取引業者から勧められ、

「食べログ」に情報を掲載。

同年8月と翌年3月に2件、

「料理が出てくるのが遅い」
「おいしくない」

などと事実と異なる内容が書かれたため、客が激減したと主張。

同サイト運営会社カカクコム(東京)に削除要請をしましたが、応じなかったため、2013年5月、裁判に

訴え出ました。

2014年9月、札幌地方裁判所は原告(男性側)の訴えを棄却。

判決の理由に

「原告の会社は法人であり、広く一般人を対象に飲食店を営業しているのだから、自己の情報を『個人』と同じようにコントロールする権利はない」
「原告の請求を認めれば、情報が掲載される媒体を選択し、望まない場合は掲載を拒絶する自由を原告に与えることになる。他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることにもなり、容認できない」

と述べました。

しかし、男性側はこの判決を不服とし、高裁へ控訴。

今月23日、札幌高等裁判所は男性の控訴を再度棄却。

判決の理由に

「社会的に相当性を有する口コミ投稿ならば、営業上の損失が生じたとしても甘受すべきだ」

と述べました。

男性の代理弁護士は

「飲食店の意向を無視する『食べログ』の利益を偏重する判決で容認できない」

と語り、最高裁へ上告する方針。

カカクコムは

「弊社の主張が理解されたものと受け止めている」

とコメントしています。

『飲食店の意向』と『表現の自由』。

どちらも無制限ではありませんし、店側も根拠なく悪評を書かれては困りますし、かといって客側も悪い評価

が一切出来ないのだとしたら、評判サイトの意味がなくなり、役立ちません。

一概に判断はできませんが、高裁レベルでは後者を優先しているようです。

ただ最近では、これらの評判を逆手に取り、良い評価ばかり書く悪質な代行業者も出てきています。