来日した中国人実習生が、就業先の農家でセクハラと賃金未払いがあった
として、裁判に訴えました。
画像:【中国人女性と弁護士ら】
http://news.livedoor.com/article/image_detail/10279389/?img_id=8623898
26日に報じられたもので、外国人技能実習生として来日した中国人女性(29才)は2013年9月に
来日。
同年10月から茨城県にある大葉生産農家と雇用契約を結び、働き始めました。
労働条件は「時給713円で平日の朝8時~夕方5時」まで。
しかし、実際には朝8時~夕方4時まで働き、夕食と入浴を済ませた後、ふたたび夕方5時から深夜
まで日によっては深夜2~3時まで連日働かされたとのこと。
夕方5時からの作業は大葉を10枚ごとにゴムで束ねる「大葉巻き」と呼ばれるものでしたが、農家か
らは
「これは労働というより、内職だ」
と説明され、1束につき、2円しか支払われなかったそう。
「大葉巻き」は手慣れた人でも1時間に150束程度が限界で、時給換算は最高でも300円程度。
また農家の経営者の父親からは体を触られるなどのセクハラも受け、次第にエスカレートしていった
と語っています。
さすがに耐え切れなくなった女性は実習生を受け入れる管理団体に相談しましたが、
「黙っておくように」
と逆に恫喝され、対応してくれなかったとのこと。
さらに2015年1月からは雇用契約期間にもかかわらず、仕事を与えられなくなったとしています。
また女性から相談を受けた管理団体の男性職員も
「女性へのひどい待遇に私も良心が耐えられず、管理団体の意向に反して女性をサポートしようとしたら、私まで管理団体から脅され、解雇されてしまった」
とのこと。
女性は弁護士を立て、農家の親子と管理団体に対し、慰謝料300万円と未払い賃金183万円を
求めて提訴。
男性職員も解雇無効や賃金支払いを求めて、管理団体を提訴しました。
女性は現在、労働組合のサポートを受け、用意された住まいで仮暮らしをしています。
「外国人技能実習制度」は発展途上国の労働者を受け入れて、技能を身に付けてもらい、母国で
役立ててもらう”国際貢献”の趣旨で設けられましたが、実習生の多くが出国資金や保証金などで
借金をして来日しており、帰りたくても帰れない状態を悪用した受け入れ先が、労働法を守らない
劣悪な条件で実習生を奴隷のように酷使している実態が度々指摘されています。
裁判の行方が気になるところですが、事実だとしたら本当にひどい話です。