任天堂の『スーパーマリオ64』は今遊んでも十分楽しめる名作中の名作ですが、1人プレイ専用なのが玉にキズでした。というわけで、2Pできるように改造してしまったハックロムが『Super Mario 64 Multiplayer』です。

2P側ではおなじみの緑弟「ルイージ」を操作でき、2人同時に冒険が楽しめます。ルイージ側は「ノコノコレース」で先にゴールに到着してもマリオが到着しないとゴールと認められないなど一部制限はありますが、基本的にはしっかりと2人同時に遊べる模様。

じゃあ、2人プレイの両方でTAS（ツールを使ってフレーム単位で操作すること）したらどうなってしまうのでしょうか？　実際にやった人が現れましたので、ご覧ください。

普通のTASでもやりたい放題なのに、2人に増えたらそりゃこうなりますよね。通常版と仕様が違う部分もありますので、その点も踏まえて見て行きましょう。

まず、『マリオ64』といえばゲーム開始時にマリオの顔を引っ張るミニゲームがありますが、マルチプレイ版ではカットされています。さらに、ニューゲーム時のオープニングムービーもカットされていますので、開幕から兄弟が飛び跳ねていました。

飛び跳ねる兄弟

また、通常版では橋の上でジュゲムに話しかけられますが、こちらもカット。橋のフチ部分をジャンプしていき、ジュゲムの話をカットするテクニックを使っているのではないようです。

城に入ったら、早速ケツワープ（幅跳びを壁に向かって後ろ向きに連打することで超加速するテクニック）を駆使し、即最初のクッパエリアに突入します。実にTASらしい光景ですね。

ステージ入ってからは、2人のオンステージです。1人プレイではできない、連携を生かしたテクニックを連発します。

なお、タイムアタックにはバグを最大限活用した「スター0枚」のルートもありますが、今回は比較的メジャーと思われる「スター16枚」ルートとなっています。赤コインを集めているのは、そのため。

この後の道中は2人そろって飛び回り、サクッと赤コインを集めてスター獲得。クッパは例によって10秒で倒されました。

続いて、バッタンキングのとりでに向かいます。息のあったバッタンキング狩りシーンも面白いですが、マルチプレイ版の特徴を生かしたスター集めルートが興味深いところ。

このマルチプレイ版では、一部のスターは取ったあとマップの外に出ることなく、そのままプレイが続けられます。さらに、取ったあとマップの外に出てしまうスターでも、スターを手に入れてから画面が切り替わるまでの間に、もう1人が別のスターを取れます。

この2つの特徴を生かし、一回のプレイで「いかりの バッタンキング」「とりかごへ ストーン」「たいほうで ひとっとび」「たいほうで ぶっこわせ！」と4枚のスターを乱獲。荒らしまわるだけ荒らしまわって、次の「ボムへいのせんじょう」へと向かうのでした。

図解：乱獲兄弟

「ボムへいのせんじょう」では、「そらのしままで ぶっとべ」のスターをルイージがケツワープでぶっとんで手に入れ、「ワンワンの いぬごやで」のスターをマリオがケツワープで不法侵入して獲得。もうやだこの兄弟。

ケツワープのせんじょう

地下に進み、「あっちっちさばく」では二人で手分けして「いたずらはげたか ジャンゴ」と「ピラミッドの てっぺんで」をほぼ同時に獲得します。ここはわりと普通な感じですね。

続いて「ファイアバブルランド」。開幕でルイージがマリオを踏み台にしてマグマの向こう側に渡り、マリオが蹴落とされてケツを焼くシーンが衝撃的です。まあすぐにコインで回復しますからね。ダメージなんかどうでもいいですよね。

マリオにも踏み台にされるヨッシーの気持ちがわかったはず

サクッと赤コインを集めたあとは、「ボスどんけつ」と「どんけつたい」をサクッと瞬殺。計3枚のスターを獲得しました。

「やみにとけるどうくつ」の前でキノピオからスターを1枚手に入れ、ステージ内へ。アクロバティックに飛び回り、「ゴロゴロいわの ひみつ」と...どこのスターだこれは...？

こんな取り方したことないからわかりません

「ケムリめいろを ぬけて」か「ケムリめいろの ひじょうぐち」のどちらかのスターを手に入れます。

スターが15枚になったので、ウサギのミップが出現。捕まえますがスターは取らず、第2クッパエリアへの壁抜けに利用します。ウォーターランドでは、普通に「クッパの せんすいかん」のスターを手に入れ、これで16枚になりました。

「ほのおのうみのクッパ」では途中でルイージが完全に行方不明になりながらも、クッパを無難に撃破。鍵を手に入れて2階へ進みます。途中、2人合体しながら2本鍵を挿していますが、あんまり気にしないでおきましょう。

完全に合体しています

2階では、2人で壁抜けとケツワープを駆使して3階へ。スターがないと無限に続く階段もケツワープで加速しまくると抜けられるテクニックを活用して、ラストステージへ強行突入します。どれも、TASではおなじみの光景。

ラストステージでは、例によってルイージが途中で行方不明になりながらも最後の戦いへ。あとはいつもどおり3回投げて終わりか...と思いきや、2人同時にクッパをつかんだら増殖したぁ!?

クッパが2匹！

さらに、2人別々の方向の爆弾へぶつけたと思ったら、片方のクッパは消滅。しかし、きっちり2回分ダメージが通っています。そんなのありか...。

最後の巨大なスターはルイージが取り、空へ飛び立って行ったのでありました。マリオはどっか行った。

マリオのほうががんばってたのに...

いやあ、すごいやりたい放題ぶりでした。2P同時TASは、おそろしいですね。

Super Mario 64 Multiplayer - "16 Stars" TAS in 10:49.50［YouTube］

（コンタケ）