転載元:ゾーマ「なになに?大魔王募集?」
ゾーマ「あなたの大魔王としての経験を活かし、弊社でお力を振るってはみませんか?だと?」
ゾーマ「へぇ〜、部長待遇で年俸は1千万ゴールド〜か、わるくないな」
ゾーマ「この時期にこんな良い中途採用なかなかないよなー、ちょっくら応募してみるか」
ゾーマ「まずはエントリーシートでも書くか・・・」
ゾーマ「ええと、特技資格か、氷系魔法全般と、闇の衣、と」
ゾーマ「自己PRねえ・・・俺苦手なんだよなあこういうの」
ゾーマ「ええと・・・私は人々の死や苦しみを何よりも大切にしておりますので云々」
ゾーマ「前職では地下世界をほぼ掌握し、また地上世界までテリトリーを広げる事に成功しました」
ゾーマ「んーと、次は、死亡理由?」
ゾーマ「光の玉で闇の衣を剥がされ、初代ロトの勇者に手にかかり死亡・・・と」
・【R-18】兄「女装してたら弟に告白された」【胸糞注意】
・男「俺のち○こはこの世で最も強い」
・ヴォルデモート「ポッターを倒して俺様が勝った」
・魔法使い「勇者さんは、私の命の恩人ですから」勇者「いいえ」
・【閲覧注意】貞子「俺!!お前の事好きだぜ!!ビデオ見てくれたから!!」
ゾーマ「書類審査は通ったけど、面接とかキンチョーするなー」
ゾーマ「あ、闇の衣は脱いでおいた方がいいか」
ゾーマ「ええと、受付でもらった番号札を胸につけて、と」
ゾーマ「会場は第二会議室・・・こっちか」
ザワザワ
ゾーマ「うわ、結構いるな、大魔王経験者って意外と居るんだな」
ゾーマ「なんかみんな凄いデキそうに見える・・・うー胃が痛い」
ゾーマ「トイレ行ってこ『では次、10番から13番までの方お入り下さい〜』
ゾーマ「げ、呼ばれちまった」
ゾーマ「(集団面接って初めてだな、マジおしっこ漏れそう)」
ゾーマ「(うーん、他の3人も禍々しいオーラ放ってるなあ・・・いや、右隣のヤツはそうでもないか)」
面接官「では、左端から順に、自己PRをお願いします」
大魔王A「はい、私は一度世界征服を成功させており、警察の廃止や、私の名を冠した記念日を制定するなどの実績があります」
大魔王A「また、戦闘力においても自信があり、特に四肢程度であれば瞬時に再生できる回復力に秀でております」
大魔王A「自分自身で部下を産む事も可能で、絶対の忠誠心を持つ部下を、高いコストパフォマンスで動かす事が可能です」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
面接官「では、お次の方、お願いします」
大魔王B「ふ、余…いや、私は魔界を数千年にわたって支配し、すでに神を超える力を身につけております」
大魔王B「私の信条は『力こそ全て』であり、実力主義をかかげておられる御社には有益な人材となれると信じております」
大魔王B「また、建設関係についても従事しており、魔界や地上にいくつもの宮廷や城を建てた経験があります」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
面接官「では、3番目の貴方、どうぞ」
ゾーマ「(やべ、俺の番だ、どうしよう・・・いや、ここは一番得意なパターンで行こう)」
ゾーマ「私は全てを滅ぼすもの、ゾーマともうします」
ゾーマ「全ての命を私の生贄とし、絶望で世界を覆いつくす事をモットーとしております」
ゾーマ「前職においては、ラダトームを含むアレフガルド全体を闇に閉ざすなどの業績を積んでおり」
ゾーマ「今でも魔王業界においては高い評価を受けていると自負しております」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
ゾーマ「(ふう、なんとか噛まずに言えた・・・)」
面接官「では次の方、お願いします」
大魔王C「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン!!わたしゃハクション大魔王でごじゃるよ〜」ボワワン
ゾーマ「ゲホゲホゲホ(うわ、けむっ!!てゆーか何だよその自己紹介はよ!)」
大魔王C「面接カンちゃん、わしゃもうか〜なわんよ〜〜、アラビン、ドビン、はげちゃびーん」
面接官「あ、ありがとうございます、お座り下さい」
大魔王C「ハイチャラバ〜イ」
ゾーマ「(やべぇ、コイツ面接クラッシャー確定だ)」
面接官「さて、では大魔王Aさん、経歴に空白期間があるようですが、この期間はどうされていたのでしょうか?」
大魔王A「ぐっ、その期間は・・・電子ジャーの中に封印されておりました・・・」
面接官「なるほど、それはどういった理由で?」
大魔王A「その、とある武道家の技によって封印され、長期に渡り出ることが出来ない状態でした」
大魔王A「しかし、その後私は返し技を身につけ、すでにその魔封波は克服したと自負しております」
面接官「そうですか、ありがとうございます」
面接官「大魔王Bさん、こちらには魔界で6つの軍を率いて、組織運営力にも自信アリ、とありますが」
大魔王B「はい」
面接官「前職を退かれる時、そちらの軍はいかがされたのでしょうか?」
大魔王B「ぐっ、3人は戦死し・・・3人には裏切られました」
面接官「なるほど、裏切られたとの事ですが、何故そのような事になったとお考えですか?」
大魔王B「はい、私は力こそ全て、と考えるが故に忠誠心をあまり重視しなかった事が原因と思われます」
面接官「ありがとうございます」
ゾーマ「(うわあ、この面接官、イヤな所をついて来るなあ・・・)」
面接官「ええと、ではゾーマさん」
ゾーマ「は、はいっ!!」
面接官「特技はマヒャドとありますが?」
ゾーマ「はい。マヒャドです。」
面接官「マヒャドとは何のことですか?」
ゾーマ「魔法です。敵全員に大ダメージを与えます。」
面接官「で、そのマヒャドは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
ゾーマ「はい。敵が襲って来ても守れます。」
面接官「この度、当社では管理職としての募集をしているのですが、管理職の立場でマヒャドを使う機会がありますか?」
ゾーマ「(うっ、ヤな質問・・・)」
ゾーマ「もちろん、私が前線に出るという事は考えておりませんが」
ゾーマ「組織をスムーズに運営する上で、大魔王が誰よりも強いという事はとても重要です」
ゾーマ「故に、実際使う機会が無くとも、大魔王というポストにおいて戦闘力は必須と思われます」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
ゾーマ「(心臓に悪いわ・・・)」
面接官「ではもう一度大魔王Aさん」
大魔王A「はい」
面接官「経歴に、神と融合、とありますが、こちらはどういった事情でしょうか?」
大魔王A「はい、元々私は一人のナメック星人が自分の邪悪な部分を切り離した際に分離した一部分でした」
大魔王A「そのため、戦闘力が半減していた状態でしたので、強さを求めるために融合致しました」
面接官「なるほど、しかし、そうすると今は貴方は神と融合した状態ですね?それは大魔王とは呼べないのでは?」
大魔王A「ぐっ・・・それはお言葉の通りかと思いますが、それにより私の戦闘力は飛躍的に増大致しました」
大魔王A「また、神と一体化した事によりZ戦士などとの交流により、多数の人脈を築く事に成功し」
大魔王A「更には神の特殊能力であった神龍の呼び出しなども可能になりました」
大魔王A「ですから、最終的にトータルではプラスになったと考えております」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
大魔王B誰だ…?分からないな
>>9
ダイの大冒険の大魔王バーンだろ
面接官「では大魔王Cさん・・・はいいや、大魔王Bさん」
大魔王B「はい」
大魔王C「スカンタコメラ、ホゲチョメラ」
ゾーマ「(何なんだコイツは・・・)」
面接官「貴方の前職での経歴に、魔界に太陽の光を降り注がせるべく尽力した、とありますが」
面接官「太陽の光を求める、というのは大魔王のイメージとしてはいささか相応しくないのでは?」
大魔王B「くっ・・・おっしゃる通りかとは思いますが、しかし、実際のところ太陽が強力なエネルギー源である事は間違いありません」
大魔王B「大魔王という職種が一般的となってきた昨今、厳しい競争に打ち勝つにはステレオタイプのイメージに囚われず」
大魔王B「柔軟に動くことのできる、現実的な魔王が求められていると思います」
大魔王B「故に、太陽を求める魔王、というユニークさはむしろ私自身の武器でもあると考えております」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
面接官「では次、ゾーマさん」
ゾーマ「はい」
面接官「死亡理由の欄に"光の玉を奪われ闇の衣を剥がされた"とありますが」
ゾーマ「はい(何が来るんだよ・・・寿命ちぢむわー)」
面接官「闇の衣がある状態と、無い状態ではそれほど防御力に差があるという事でしょうか?」
ゾーマ「は、はい、闇の衣はほとんどの攻撃を無効化しますので、よほど高レベルの勇者でもなければ退ける事ができます」
面接官「という事は、光の玉は貴方にとってのアキレス腱だったという事ですね?」
ゾーマ「はい」
面接官「では、光の玉に勇者が近づけないように措置を講じるべきだったのではないでしょうか?」
ゾーマ「(うげっ、そこ突いてくるかよ・・・)」
ゾーマ「当時、光の玉は地上世界の竜の女王の城にありまして、地上世界の進出が遅れたため、対策が間に合いませんでした」
ゾーマ「根本的な原因としては、当時地下世界の地盤強化に重点を置いていたために」
ゾーマ「地上世界への戦力強化がままならず、勇者を成長させてしまい、光の玉まで奪われた、という事態に陥ってしまいました」
ゾーマ「結果として、戦力の逐次投入となってしまい、事態を収拾できなかった事は、私の大きな反省点です」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
面接官「ひき続いてゾーマさん、もう一つ」
ゾーマ「はい(また俺かよおおおおおおお)」
ゾーマ「(いや、でも質問を多くされるという事は、向こうも俺に興味があるという事!)」
面接官「あなたのモットーを教えて下さい」
ゾーマ「は、はい、私はかねてより、人はなにゆえもがき生きるのか?という問いひついて考えておりました」
ゾーマ「その答えとして、やはり、滅びこそ私の喜び、死にゆくものこそ美しいというのが私の考えです」
面接官「なるほど、良いモットーですね」
面接官「そろそろ時間ですが、何か最後に質問などありましたらご自由にどうぞ」
大魔王A「あの、新事業の立ち上げにあたり、大魔王募集とありましたが」
大魔王A「実際にスタートした場合、どの程度の規模の部署となるのでしょうか」
ゾーマ「(あっ、そうだそれ気になってた)」
面接官「そうですね、最初は100人程度のチームでスタートしたいと考えております」
面接官「次の異動で、既存の部署からある程度の人員を確保した上で」
面接官「現在は平行して中ボスの方の募集も行っておりますので、そちらも併せて適正を考えて配置を決めようと思っています」
大魔王A「わかりました、ありがとうございます」
ゾーマ「(なんだ、100人程度ならアレフガルド時代に比べりゃ統率も楽なモンだ)」
面接官「では皆さんお疲れ様でした、結果はまた後日お送り致します」
大魔王A「失礼致します」
大魔王B「失礼致します」
ゾーマ「失礼致します」
大魔王C「エンヤ、トット」
ゾーマ「(最後の最後までワケわからんヤツだったな)」
ゾーマ「(どうなんだろう、面接官の人、全然表情変えないから感触つかめないや)」
ゾーマ「(いや、俺だって立派に大魔王やってたんだ、自信を持たなきゃ!)」
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面接官「この方は、ちょっと良くわかりませんでしたねえ」
社長「そうだね、語尾がいちいち『ぞう〜』ってなんだかあんまり威厳も無かったしねえ」
専務「特技が重量級スライムを降らせるだけ、というのも地味ですな」
社長「うん、コイツは落とそう」
面接官「分かりました、次は9番ですね」
社長「ああ、コイツは良かったね、いかにも絶対悪って感じで」
面接官「そうですね、戦闘力に関しては間違いなく特A評価です」
専務「ただ、アレですな、征服力に関しては少々疑問が残りますな」
社長「まあねえ、結局ほとんど封印されてるからね、実働期間についても疑問は残るねえ」
面接官「どういたしますか?」
社長「うーん、でも個人的にちょっとあの『悪さ』には期待したいな、一応残そうか」
面接官「はい、分かりました、次は10番です」
社長「ああー、うーん、業績は立派だし、業界で知名度も高いんだけどねえ」
面接官「個人的には組織運営力には少々疑問が残りますね」
社長「そうだねー、ほとんど一人でやっちゃうワンマンプレイヤータイプだね」
専務「それに、大々的に大魔王募集、と言っておいて半分神です、というのもいかがなものかと」
社長「うん、今回はご縁が無かったって事で」
面接官「11番はいかがでしょう?」
専務「彼は良いと思いますよ、戦闘力、統率力、実行力ともに高評価です」
社長「そうだねー、まあ、統率力についてはちょっと疑問も残るけどね」
面接官「そうですね、調べてみたところ、主だった部下の半数以上に裏切られています」
専務「うーん、信頼関係を築くのが苦手なタイプですかね」
社長「まあでもとりあえず候補かなー」
面接官「わかりました、次は12番です」
社長「ゾーマ君かあ、彼ねえ、業界は長いし、業績も申し分ないんだけどさあ」
社長「ちょっと古くないかな、なんというか、後発の魔王に比べて地味な気がするんだよねえ」
専務「とはいえ、大魔王としてもバランスは取れていますし、やはり知名度があるのは大きいと思いますが」
社長「そうだね、彼も残しで」
面接官「はい、あ、次は13番ですね・・・・」
専務「ああ、彼ですか・・・・」
社長「いやね、そりゃあ大魔王といえば彼が最古参だからね、わかるんだけどね」
社長「しかしねえ、やっぱり、ちょっとウチの社風には合わないかなあ・・・・・」
面接官「そ、そうですよね、では落としで」
面接官「ええと、では次は14番で」
社長「ああ、コイツはちょっと他には無いタイプの大魔王だったね」
社長「それに人間型じゃないってのがいい、とりあえず残そう」
面接官「はい、では次は・・・・・」
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面白い
面白い
亀一族の長や破壊神に頼りっぱなしの人はよく喋るし有利そう
しかしこの場合、大魔王じゃないとダメなのか
魔王ってだけなら結構いるよな
やっぱ大魔王って言ったらゾーマだよな
ファミコンのゾーマすげぇ強かったし
ゾーマ「いよいよ最終試験かあ」
ゾーマ「それにしても、私服でおいで下さい、って何着てったらいいんだ」
ゾーマ「基本俺これしか持ってないしなあ・・・」
ゾーマ「まあ一張羅の闇の衣着てくしかないよな」
ピーピーピー
ゾーマ「お、乾燥終わったかな?よし、乾いてる乾いてる」
ゾーマ「うー、闇の衣は天日干し出来ないのが不便だよなあ」
ゾーマ「梅雨時は乾燥機つかわないとすぐ臭くなっちゃうし」
ゾーマ「よし、書類は持ったし、身分証もOK、明日は早いからそろそろ寝るかー」
ゾーマ「あ、やべ、アイロンかけなきゃ」
面接官「皆さん、ご足労ありがとうございます」
ゾーマ「(なんだ?前回の会場とは随分雰囲気が違うな)」
ゾーマ「(なんか色々機器とか書類とか用意されてるし・・・)」
面接官「本日は、皆さんの実務能力を見せていただきたいと思います」
ゾーマ「(まさか実技試験!?)」
面接官「実際に大魔王としての業務をどう執り行うか」
面接官「それをシミュレーションで拝見させていただきます」
ゾーマ「(何をやらされるんだろう)」
面接官「では、今から名前を呼びますので、そのグループでこちらの出す課題に取り組んで下さい」
ゾーマ「(まさか最終試験でGDかよ?)」
面接官「ではまずAグループ、バーンさん、古坂さん・・・〜〜〜」
ゾーマ「(うわー、俺人見知りなんだよなあ・・・大丈夫かなあ)」
面接官「Bグループ、ゾーマさん、クッパさん、ケストラーさん」
ゾーマ「ひゃいっ!!(やべ、声裏返っちまった)」
面接官「はい、ではグループ分けが終わりましたので、資料をお配りします」
面接官「各グループで、その資料にある征服プロジェクトをいかに進行するかを考えて下さい」
ゾーマ「(うわ、結構ブ厚いなー、どれどれ)」
面接官「資料も行き渡りましたね?何かご質問はございますか?」
ケストラー「はい」
面接官「ケストラーさんですね、どうぞ」
ケストラー「実際の業務でも、こうして複数の大魔王でチームを組んでの業務という事になるのでしょうか?」
面接官「いいえ、実際には新部門の部長としての募集ですので、お一人で責任者を勤めていただく事になります」
面接官「今回の試験はあくまで今回のみの形、と考えていただいて結構です」
ゾーマ「(なるほど・・・多分大企業だからな、他部門や経営陣との調整能力なんかも見られるって事か)」
ゾーマ「(それに、新規立ち上げで、寄せ集めの人材によるプロジェクトだ)」
ゾーマ「(それらをまとめあげるリーダーシップも試される、って事なのかな)」
面接官「では、これより最終試験を始めます、試験時間は2時間です」
面接官「なお、それぞれのテーブルには試験官が一人ずつ付きますので」
面接官「以降の進行については、そちらの方にお願いします」
ゾーマ「(うわ、まだ資料全部読んでないよ)」
ケストラー「どうも、ハーメルンから来ました、ケストラーと申します、よろしくお願いします」
ゾーマ「(あ、やべ、自己紹介忘れてた)」
ゾーマ「あ、ど、どうも、アレフガルド出身のゾーマです、よろしくお願いします」
ゾーマ「(ケストラーか・・・少年誌史上最悪の悪役とも呼ばれている・・・)」
クッパ「ワガハイはカメ帝国から来ました、クッパと申します、よろしくお願いします」
ゾーマ「(コイツがクッパかあ、噂には聞いてたけど、ホントにカメだ・・・ガメゴンロードに似てるな)」
ケストラー「とりあえず、試験は二時間という事ですので、最初の15分で達成目標を決めて」
ケストラー「そこからの企画、立案という事でいかがでしょう?」
ゾーマ「(む、コイツリーダーシップ取る気マンマンだな・・・)」
ゾーマ「そうですね、まずは前提条件の確認と、そこから導き出せる現実的な達成目標を考えましょう」
クッパ「うーん、どうでしょうね、それ」
ケストラー「む?」
クッパ「今回の募集、新部門を立ち上げての世界征服という大事業への挑戦という事ですから」
クッパ「おそらく、それなりの無茶も必要になって来るかと思うんですよ」
クッパ「となると、無難な目標を立ててそれを達成するというよりも」
クッパ「ベンチャーのような型破りな爆発力も求められてくるんじゃないかと思うんですね」
ケストラー「なんだt・・・いや、そ、そうですねえ」
ゾーマ「(やべぇ、すでに二人でイニシアチブの奪い合いが始まってる)」
ゾーマ「(それにしてもこのクッパってヤツ、見かけによらず言うなあ)」
ケストラー「そういう側面もあるかとは思いますが、しかしやはり世界征服は一日にしてならず」
ケストラー「となれば、中長期的な視点が要求されるのではないですか?」
ゾーマ「(やべ、俺置いてけぼりだ、何か発言しなきゃ)」
ゾーマ「あの、お二人の意見はそれぞれ理があるとは思うんですが」
ゾーマ「これは、どちらかに寄る、とかそういうお話ではないと思うんですよ」
ゾーマ「何しろ事は世界征服です、となれば長期的な視野で全体を俯瞰する、というのは当然かと思います」
ゾーマ「ですが、既存のやり方で地道に業績を積み上げれば達成できるという物ではありません」
ゾーマ「ですから、長期的な視野で全体をコントロールしつつ、かつ形に囚われないイノベーティブな運営方針」
ゾーマ「これらを兼ね備えて、ようやくスタートラインと言って良いのではないでしょうか?」
ケストラー「(ぬ、コイツ、ただの影かと思えば、割って入って漁夫の利を狙ってきおった)」
クッパ「(ち、まあ同じゲーム系で名の通ったゾーマ、黙ってるとは思わなかったが・・・)」
ケストラー「もちろん、それは私も大前提として考えてました(ここは仕方ない・・・)」
クッパ「私も、単に注意喚起として提案してみただけで、ゾーマさんと言いたい事は同じなんです(一旦協力してみせた方が良かろう)」
試験官「・・・・・・・」
ゾーマ「(ふう、なんとか上手く行った、このまま俺が引っ張って行ければ……)」
ゾーマ「というわけで、それを踏まえた上で、まずは長期目標を設定しませんか?」
クッパ「そうですね、長期目標はどちらにせよ必要ですね」
ケストラー「私もそう思います。ところで、この資料の前期における善悪対照表をご覧いただきたいのですが」
ケストラー「プロジェクト立ち上げ1年目という設定ですので当然と言えば当然ですが、かなりミニマムに進めてきたという印象です」
ゾーマ「(くそ、このままペース握れるかと思ったが、コイツ切り替えが早いな)」
ケストラー「魔族によるシェアも、本拠地周辺しか取れておらず、かなり心もとない状況です」
ケストラー「それを考えると、まずは今期で地盤の強化、そこから来期以降で侵略へ、というのがセオリーかな、と思うんですが」
クッパ「いや、少々お待ちください、後ろの方の月別の数字を見るとですね、最終四半期の上げ幅はかなりの物があります」
クッパ「この感じだと、すでに足元は固まったと見る事も出来るのではないでしょうか」
ゾーマ「(やべ、俺まだ資料全部読んでねーや)」
ケストラー「しかし、この上昇はあくまで一時的なウンヌンカンヌン」
クッパ「その見方だと機会損失がナンタラカンタラ」
ゾーマ「(うー、また置いてかれてる……)」
ゾーマ「(ってやべ、そんな事してる間にもう15分たつぞ)」
ゾーマ「待って下さい、論点がズレてきてませんか?」
しれっと落とされたゾウ大魔王
ゾーマ「まずは、この2時間で何を決めるのか、そこの意識が共有できていないと議論を進められないのでは、と思うんですね」
ゾーマ「最初にケストラーさんが言ったように、やはり目標を設定して、それからどうやったらそこに到達できるのか、と、そこを議論するのが順序ではないでしょうか?」
ケストラー「(くっ、またコイツ上手く間に入って来やがった)」
クッパ「(意外にやっかいだなこの男・・・)」
クッパ「そうですね、最終目標は世界征服としても、その間のマイルストーンをどう置くか、と」
ケストラー「確かに、資料を見る限り状況はほぼフラットですから、いかようにも進むことが出来ますね」
クッパ「とは言え、じゃあ何を基準に目標にするか、となると中々難しいですよコレ」
クッパ「支配地域の広さなのか、戦力や魔翌力の量なのか、もしくは重要拠点を抑えた数なのか・・・」
ケストラー「確かに、方法論によって中間目標で目指す基準は変わってきますね」
ゾーマ「(つーかコレ、そもそも無理があるよな、こんな大事業の事業計画なんて本気で考えようと練ろうと思ったら一ヶ月とかかかる話だろ)」
ゾーマ「(この場で2時間で何か出せるのとしたら、大局的な方針とか、アバウトな数字とかその程度のモノだ)」
ゾーマ「(という事は、ココで俺たちが見られているのは、何をどう取捨選択して形にするか、という過程だろう)」
ゾーマ「(じゃあどうしたらいい?考えろ・・・もし俺がバラモスにこの征服を任せるとしたら、何が聞きたい?)」
ゾーマ「(そりゃあ数字は大事だが、そこには根拠が必要になってくる・・・今ここで細かい数字なんか練ってたら2時間なんてあっと言う間に終わってしまう)」
ゾーマ「(大体、そんな仕事はブレーンにでも任せておけばいい話で、指揮官のする事じゃない)」
ゾーマ「(となれば・・・)」
ケストラー「ナントカ係数ガー」
クッパ「ホニャララの理論によればー」
ゾーマ「あのですね、ちょっと良いですか?」
クッパ「(しまった、またコイツに美味しい所もって行かれるか!?)」
ケストラー「(まずい、どうもクッパとは一々相性が悪くて議論に熱中してしまうな)」
ゾーマ「先ほど、長期目標、と申しましたが、やはりこれは現時点では"世界征服"だと思うんですよ」
ゾーマ「というのも、お二人のおっしゃる通り基準となるパラメーターは、どんな戦略をとるのかで変わって来るわけで」
ゾーマ「ならば、まずは大事なのは方針だと思うんですね、足元から固めて、徐々にシェアを握って行くのか、逆に戦力を秘密裏に整えて、電撃的に達成するのか」
ゾーマ「山にどのルートで登るのか決まっていないのに、何時間かかるかとか、荷物がどれぐらい必要か、とか考えても答えは出ないじゃないですか」
クッパ「いや、しかし逆に『この時間内に登りたいからこのルートを選ぶ』という計画の立て方もあると思いますが」
ゾーマ「もちろん、そういう場合もあるでしょう、しかし、今回のこの課題、そういったワクが設定されている訳では無いんです」
ゾーマ「最終的に世界征服が達成されれば良いわけですから、わざわざ自分たちでそのワクを狭めるような事をする必要は無いと思うんですね」
ケストラー「(いかんな、この流れ、放っておくとゾーマに全部持って行かれるぞ・・・)」
クッパ「(いっそ先にこの男を潰すか・・・いや、あまりあからさまにやると、逆にケストラーが向こうに着いて厄介な事になる・・・)」
ゾーマ「ですから、まずはこの資料にある現状から、どういうルートを取れば世界征服に到達できるのか」
ゾーマ「その辺りについて3人で相談してみませんか?」
ケストラー「そうですね、確かに戦略を決めるのは大事な事だと思います(くそっ、また反論しづらい事を・・・)」
クッパ「確かに、まずは全体の流れを決めて、その上で時間があれば各論について触れていく、というのが良いかもしれません」
クッパ「(これは・・・作戦を変更した方が良さそうだな、今主導権争いをすると、残った一人がどうしても有利になる)」
クッパ「(しかもさっきからゾーマの奴がやたらと良い所をついて来る・・・)」
クッパ「(ここは、奴を利用しながら"他人を上手く使いこなす裏方"というスタイルに変更した方がいいな)」
クッパ「ケストラーさんも異論は無いようなので、まず大枠としての戦略を論じて行ければと思いますが」
クッパ「早速言い出しっぺのゾーマさん、貴方だったらこの状況、どう持っていきます?」
ケストラー「(なるほどな、とりあえずはゾーマに一旦前を譲って、失敗を待つという作戦か、悪くない)」
ケストラー「(この流れから今いきなり主導権を持ってこようとしても難しいだろう、一旦静観するか)」
ゾーマ「そうですね、まず資料から見て取れるのは・・・(やべ、いきなり振られると思ってなかった)」
ゾーマ「多くの国々が、だいたい似たりよったりな国力で乱立している、と言えるでしょう」
ゾーマ「これを1つずつ潰していくとなると結構な手間ですから、何かしらの方法で人間同士を争わせるのが良いんじゃないでしょうか」
ゾーマ「例えば、どこかの国の中枢に近いところを買収するなり、手下を送り込むなどして戦端を開かせるとか・・・」
ゾーマ「(ってコレ昔バラモスがやって失敗したんだけどな・・・)」
クッパ「もしくは、どこかの国を裏から操って覇権を握らせて、その上で中枢を一本釣りする、という手もありますね」
ケストラー「・・・・・・・・」
ゾーマ「まあやり方はともあれ、そういった離間の策を用いる事で征服にかかるコストを圧縮できると思うんです」
ゾーマ「それによって浮いたリソースは、神関係や主人公対策に回す事で、比較的難易度の低いロードマップがひけるんじゃないでしょうか」
ゾーマ「(何も考えてなかったけど、とりあえず口から出まかせで言ってみたが・・・)」
クッパ「なるほど、悪くない考えだと思います。ちなみに、主人公対策とおっしゃいましたが、その辺についてはどのような対策を?」
クッパ「皆さん身に沁みてらっしゃるでしょうが、結局のところ我々の最大の障害は主人公、その一言につきますからね」
ゾーマ「そうですね、私の前職での反省点として、その辺りが後手後手に回った事で結局プロジェクトが頓挫した、というのがあります」
ゾーマ「改善方法としては、やはり情報収集に注力し、問題の芽は小さいうちに詰む、と、当たり前の事ですがそこを忘れないようにするのが大事かと」
ケストラー「それももちろん有効でしょうが、問題になるのは後ろ盾だと思うんですよね」
ケストラー「主人公の一番の問題点は、後ろに国家や宗教の支援がある、という点だと思うんですよ」
ケストラー「ですから、まずはそっちを切り崩してしまえば、自ずと主人公はただの個人となるわけですから、影響は考える必要も無くなるのでは?」
ゾーマ「それはもちろん理屈としてはその通りですが、それにはかなりのリソースを必要とするのでは無いでしょうか?」
ケストラー「もちろん、容易い事ではないのは承知しておりますが、地道に戦力を強化して行けば可能な目標ではあると思うんですよね」
クッパ「戦力の強化、と一言に言ってしまえば簡単そうではありますが、実際のところ、そう単純な話では無いのでは?」
クッパ「マンパワーを増やせば、それだけ管理も難しくなりますし、コスト、リスクも増大します」
クッパ「それらに対処しながら、正面切って主人公の支援勢力と当たる、というのは実際のところ難しいのでは?」
ケストラー「ああ、誤解があるようですが、戦力の強化は、イコールマンパワーの強化というわけではありません」
ケストラー「もちろん、ある程度の人員は必要にはなるでしょうが、そこは非正規雇用で補うなど、色々手はあるでしょう」
ケストラー「要は短期的にリソースを集約できれば良いのです、そうすれば、あとはコアとなる精鋭チームで業務にあたる事ができます」
試験官「・・・・・・・・・」
試験官「(この3人、なかなか面白いな)」
試験官「(ケストラーは計画立案能力は高いが、いかんせん封印期間が長いために自ら動いた経験が足りない)」
試験官「(何しろ、大魔王としての活動期間の大半は封印されており、復活してからの活動歴は非常に短い)
試験官「(だから正論ではあるが、どうしてもセオリー通りにしか物が考えられない)」
試験官「(逆にクッパはこの中で最も経験値が高いだけあって、世界征服という物が思い通りに行かないという事を知悉している)」
試験官「(何しろ試行回数だけでも二桁を超えるというベテランだ、しかも何度失敗しようと挫けないというガッツもある)」
試験官「(カメ一族の長としての人望もあり、人心掌握能力に長けている・・・しかし)」
試験官「(なまじ人望があるだけに、味方を切り捨てる、という発想にどうしても抵抗がある)」
試験官「(その点、ゾーマは二者にくらべてバランスは取れているが、突出した能力に欠ける)」
試験官「(今のところバランサーとして上手く立ちまわっているが、二人が自らの特性を活かし始めた時にどうなるか・・・)」
試験官「(個の戦闘力、冷酷性ではケストラー、統率力、経験値ではクッパ、そしてバランス型のゾーマ)」
試験官「(クジの結果ではあるが、ここまで三者三様な顔ぶれになるとはな)」
試験官「(今のところ、私の採点では3人の実力はほぼ伯仲している)」
試験官「(となると、ここから一歩抜け出す決め手となるのは・・・)」
ダークドレアムさんはでますかw
>>73
魔神カテゴリだしなぁ
クッパ「(いかんな、このまま行くとまた各論についての話に終始して話が進まない)」
クッパ「まあ、その辺りについて、今我々は判断材料が無いですから、とりあえず後回しにしましょうか」
ゾーマ「主人公対策は重要とは言えど、問題はそこだけではありませんからね」
ケストラー「そうですね、確かにそこだけに拘っては2時間あっという間に終わってしまいますね」
ケストラー「(ちっ、2対1か、一旦引くしかないな・・・説得材料になる数字も無いしな)」
クッパ「奇しくも今、人間勢力、主人公、天界勢力、というお話が出ましたが」
クッパ「他に外部要因としてものプロジェクトに関わってくる問題は何がありますかね?」
ゾーマ「そうですね・・・天界勢力と無関係ではありませんが、こちらの障害となる重要器物や重要拠点の問題がありますね」
ゾーマ「我々の障害となる可能性のある封印や破魔関係の器物や、逆に敵側を利する可能性のある器物、拠点など」
ゾーマ「これらを無力化、無害化するのは世界征服の上では避けられない手順かと思われます」
クッパ「なるほど、ゾーマさんのお噂で聞くところの光の玉のような・・・」
ゾーマ「いや、それを言われるとお恥ずかしい限りですが(クソっ、余計な事を)」
ケストラー「(確かに、そこは考えから抜けていたな・・・しかし、資料にはその項目が無いな)」
ケストラー「(人間勢力の国力に関してはかなり詳細な記述があるにも関わらず、だ)」
ケストラー「(これはもしや・・・)」
ケストラー「試験官、質問です」
試験官「はい」
ケストラー「今、話題に上っていた天界関係、宗教関係のデータがこの資料には無いようですが」
ケストラー「その辺りについては、未知数のため未だ資料が無い、という事でしょうか?」
試験官「いいえ、ございますよ」
クッパ「な!?」
ゾーマ「えっ!?」
ケストラー「(やはりな)」
試験官「最初にお渡しした資料は、あくまで最低限の物ですから」
試験官「他に必要な物がありましたら、聞いていただければ出せますよ」
ケストラー「なるほど、では、その辺りの資料をいただいても?」
試験官「はい、ではこちらのテーブルの端末にそれらの資料を転送します」
試験官「不完全な情報や、まだちゃんとまとめられていないレポートなどもありますので」
試験官「量が膨大になってしまいますので、雑多なデータになってしまいますが」
試験官「よろしければ参考にして下さい」
ケストラー「ありがとうございます」
クッパ「(しまった!やられた!)」
ゾーマ「(そういう事か・・・)」
試験官「(ケストラーが最初に気付いたか)」
試験官「(そう、最初に渡した資料はそもそも不完全)」
試験官「(不完全なデータを元に不完全な計画を立てるような人材は責任者として不適格)」
試験官「(また、与えられた状況を活かして最大限の成果を上げるのは当然だが)」
試験官「(指揮官たるもの、その状況そのものを覆すだけの発想力が必要)」
試験官「(それらを図るためのトラップだったが、さすがはケストラー)」
試験官「(長年封印されていただけあって、限られた情報からその意味する所を読み取る分析力は高いな)」
試験官「(一時的に押され気味だったケストラーだったが、これでまた状況はひっくり返った)」
試験官「(しかし、まだ仕掛けられたトラップはこれだけではない)」
試験官「(さて、ここからどうなる事やら・・・)」
そうだ、今更ですが、ケストラーの設定は漫画版の方のイメージで。
ってみんなハーメルンのバイオリン弾きとか知ってるのかな・・・
ケストラー「ふむふむ カチッ なるほど カタカタ 」
クッパ「(端末が一つしか無いため、ケストラーに操作を任せるしかない状況になってしまった)」
クッパ「(こうなると、どうしてもしばらくケストラーに主導権を預けておくしかない・・・)」
ゾーマ「(うわっ、コイツはええよ、何書いてあるのかさっぱりだ)」
ケストラー「(フン、オレの速読力には二人とも着いて来られぬようだな)」
ケストラー「(この機会を利用して情報をオレが握り、このまま会議の流れをリードする!)」
ケストラー「(む、これは・・・ほうほう、なるほど、見えた)」
ケストラー「皆さん、ちょっとこちらの表をご覧いただけますか?」
ゾーマ「?」
クッパ「なるほど、遺跡、地方建造物などに関する危険度評価の一覧ですね」
ケストラー「この表と、それからこっちのレポート カチッ」
ゾーマ「天界勢力の年次別戦力推移表?」
ケストラー「はい、この2つを併せて考えると、先ほどの課題だった宗教関係の数字が見えてくるんじゃないかと」
ケストラー「ただ、少々複雑なので、ちょっとお二人のお力も借りられないかと思いまして・・・」
ゾーマ「ははあ、これを見る限りでは、こちらの宗教都市の近くにあるこの遺跡、ココの危険度がかなり高くなりますね」
クッパ「いや、まって下さい、そちらの遺跡の調査に関するレポートが別項にあったかと思いますが」
クッパ「そこにある調査員の所感によれば、これは伝説、噂のみに基づいた推論にすぎず」
クッパ「危険度評価はあくまで参考数値という事だったかと思いますが?」
ケストラー「くっ(なんだと!コイツ、見えてないような顔して、俺の速読にしっかり着いて来ておったか!!)」
クッパ「(ふん、あの程度の速読など造作も無い、長年レースで鍛えた動体視力をナメてもらっては困る)」
ケストラー「あ、いや、これはウッカリしていました、ご指摘ありがとうございます・・・・」
クッパ「(とはいえまだ勢いはケストラーにある、ここは一矢報いた所で一旦ヤツに寄ろう)」
クッパ「いえいえ、それはともかくとして、ケストラーさんの着眼点には検討すべき価値があるかと思います」
クッパ「この数値があれば、一番やっかいな宗教関係の攻略にかかるコストなどがかなり明確に見えて来ますから」
クッパ「そこに充てるべきリソースが計算できる、つまりプロジェクト全体としてのバジェット感の見当がつく、という事でしょう」
ケストラー「そうなんです、さすがお話が早いですね、それでですね、それに関しましてこちらの数字が・・・」
ケストラー「(くっ、ここで主導権を渡すわけにはいかん、このまま議論のスピードを上げてしまえば)」
ケストラー「(あくまでオレ主導のアイディアでこの事業計画をある程度形にする事ができる)」
ケストラー「(この限られた時間での試験、一度形が出来てしまえば、そう簡単にちゃぶ台返しをする事はできまい)」
クッパ「そうですね、仮にその前提でプロジェクトを進めたとして、この辺りにボトルネックとなる・・・」
クッパ「(仕方がない、ここはそのままケストラーに進めさせよう)」
クッパ「(理がある意見に無意味に噛み付くのは、却って印象が悪くなるだろう)」
クッパ「(良い組織というのは、責任者が何もしなくて良い、というのが定説)」
クッパ「(責任者の仕事は、組織がスムーズに仕事を出来る場を整える事と、問題が起きた時に対処する事だ)」
クッパ「(問題が起きていないならば、ここは歩を進めるのを見守るのがワガハイの仕事!)」
ゾーマ「・・・・・・・・・・」
クッパ有能
万能超人マリオのライバルだけあるわ
ケストラー「〜〜となるわけで、そこから概算すると、大体このぐらいが敵対勢力の総合値になると思うんです」
クッパ「なるほど、そうすると、その数字を元に、こちらとして必要なリソースの量を考える、という方針ですか?」
ケストラー「そうですね、とはいえ採るべき方法が違えば、必要なリソースも変わってきますから〜〜」
ゾーマ「(やべぇ、全然話に入って行けない・・・・)」
ゾーマ「(こいつらペースが早すぎてついていくので精一杯だわ)」
ケストラー「〜〜が大体こちらの倍ぐらいですから、そこから逆算すると〜〜」
クッパ「となると、ここに関しては別でタスクフォースを〜〜」
ゾーマ「(やべえ、マゴマゴしてる間に話がどんどん進んで行く・・・くそ、俺はMP切れたメラゴーストかよ)」
ゾーマ「(しかも、いちいち二人の言ってる事は理にかなってるっぽいから難癖もつけにくい)」
ゾーマ「(重箱の隅をつついてみたら、何か矛盾が出てくるかもしれないが・・・それじゃまさしくただの難癖だし)」
ゾーマ「(うーん、ここは無理に割ってはいろうとするのは愚策だな、しばらく進行は二人に任せよう)」
ゾーマ「(その間に俺は他の部分を考えておくとするか・・・・)」
ゾーマ「(そういえば、他のテーブルはどんな雰囲気なんだろ)」キョロキョロ
ゾーマ「(あっちはこないだ面接で一緒だったバーンさんのテーブルだな)」
バーン「○△☓■・・・$%・・・」
古坂「△☓#・・・&*」
ゾーマ「(くそ、遠くてよく聞こえないな・・・よし、じゃあここは兜につけた第三の目で・・・)」
ゾーマ「(動体視力はないけど、千里眼なら自信があるんだ)」
ゾーマ「(どれどれ・・・おお、なるほど・・・・・・って・・・・・)」
ゾーマ「(アカン、これマズいで!)」
ゾーマ「(これ、このまま進めさせておくと大変な事になる)」
ゾーマ「(とはいえ、今二人の話は佳境に入っている、これを止めると一気に反感を買う可能性が高い)」
ゾーマ「(しかも、ココでこの話をぶった斬ると、ここまでの30分ぐらいがムダになってしまう)」
ゾーマ「(仕方ない、ここは我慢して、話が一段落するのを待とう・・・)」
ケストラー「〜〜というわけで、それらを総合すると、大体こちらがわで必要になってくる人員はこのぐらいではないかと」
クッパ「まあ、細かい所はあとで検算してみないと分かりませんが、ぱっと見では概ね間違っては無いんじゃないでしょうか」
ケストラー「では、次にその人員をどう確保するか、というお話なんですが」
ケストラー「試験官さん、既存のこのチームのスタッフについての細かい資料はありますか?
試験官「はい、どうぞ、転送しました」
ケストラー「ありがとうございます、では、まずは追加資料の方を見て行きましょうか」
ゾーマ「あ、ちょっといいですか?」
ケストラー「はい?ここまでの話で何か分からない事でも?」
クッパ「(む、コイツ、完全にもうレースから脱落したと思ったが・・・)」
ゾーマ「あのですね、実は、時間がヤバいです」
ケストラー「え、時間・・・ハッ」
クッパ「(しまった!熱中しすぎて時間管理を忘れるとは、不覚!)」
ゾーマ「今の議題を片付けるのに、大体30分かかっています」
ゾーマ「私の所感ですが、これでようやく25%ぐらい、このペースでやっていると時間が足りません」
ケストラー「(くっ、間違っていない、俺の考えでもこのあとまだ3つの議題を残している)」
ゾーマ「もちろん、これはあくまで試験なので、出来る所までやって提出、という事も可能ですが」
ゾーマ「他のテーブルが、もっと粗いながらも、全体を網羅したモノを出して来たとき」
ゾーマ「もしあなた方が部下から計画書を提出されたら、どちらを高く評価しますか?」
ケストラー「ぐ・・・」
クッパ「ぬ・・・」
試験官「(今度のトラップはゾーマが気付いたか)」
試験官「(そう、この膨大な資料はそのものが実はトラップ)」
試験官「(もし最初からこの量の資料があれば、そもそも網羅出来るわけがないと全員がすぐに判断できただろう)」
試験官「(しかし、不完全な資料の補完として議論が白熱した中盤でコレが出てくると、どうしても読み込まずにはいられない)」
試験官「(そこに気付けるかどうか、というのが第二の関門)」
試験官「(しかし、このテーブルはケストラーとクッパの速読力がかえって災いし、気づくのが遅れた)」
試験官「(他のテーブルと較べて、15分程度の遅れではあるが、しかし、タイミングがタイミングだけに・・・)」
試験官「(ヘタをすればこの遅れは二倍、三倍となって跳ね返ってくる事になるぞ)」
試験官「(ゾーマはさすが、バランス型だけあって視野は広いが)」
試験官「(ここで二人を上手く動かして、この遅れをリカバリーさせる事ができるか?)」
試験官「(面白くなってきた)」
ゾーマ「とはいえ、ここまで話し合った事はムダではないハズです」
ゾーマ「世界征服で一番やっかいなのは、人間勢力ではなく、天界、宗教関係なのはご存じの通りですから」
ゾーマ「その点についてこれだけ精細に詰める事ができたのはそれなりの成果だと思います」
ゾーマ「ですから、この路線で計画の残りを詰めつつ、時間配分についてだけ先に設定しておきましょう」
ゾーマ「ここまでの計画を主導して下さったケストラーさん、この後についても当然お考えだったと思いますが」
ゾーマ「よろしければ今その内容について、ざっくりとで良いので、お話願えませんか?」
ケストラー「な、なるほど、そうですな、ええと・・・」
クッパ「(上手い・・・やるなこの男)」
クッパ「(議事をリードする人間というのは、自分の考えを聞かせる、という形で情報敵非対称性を作り出す)」
クッパ「(だからこそ、計画が最後まであっても小出しにする事で、他の人間は続きを聞くのを待つしか無くなる)」
クッパ「(しかし、ゾーマはここで時間が無いという理由で、手札を先に全部見せろ、という荒業に出た)」
クッパ「(ケストラーとしては当然そんな事をしたくないが、3人に共通する利害に関わる以上、逆らう事もできない)」
クッパ「(そうなってしまえば、3人の立ち位置は完全にフラットに戻る、せっかく築いたリードも水の泡というわけだ)」
ケストラー「〜〜を設定する事で、最後に、プロジェクトに必要な期間、人員、インフラなどの規模感を導き出す、と」
ケストラー「そういう手順で進めるのが良いかな、と考えてました」
ケストラー「(くっそ!!くっそ!!!)」
ゾーマ「なるほど、とても整理されていてわかりやすいと思います」
ゾーマ「では、私からの提案ですが、残り時間はあと1時間と少しです」
ゾーマ「ですから、まず、今から数分でその3つの議題について付随する問題点の洗い出しを行い」
ゾーマ「残り1時間になった時点で、20分ずつそれら3つの議題をこなす、とそういう事でいかがですか?」
ケストラー「しかし、それだと最後にレポートをまとめる時間が無いのでは?」
ゾーマ「いや、どのみちこの内容のレポートをしっかりとした書式でまとめようとしたら1時間以上かかります」
ゾーマ「ですから、そんな物は求められていないでしょう、どちらかと言うと、議事録のような形で」
ゾーマ「議論と並行してレポートは纏めていく方が時間が有効に使えると思います」
クッパ「なるほど、確かに、実際の業務でも、レポートを纏めるなどというのは我々の仕事ではないですからね」
ゾーマ「そうです、どちらかというと、部下に渡すための議事録を今ここで作る、という感覚で行けば良いかな、と」
クッパ「わかりました、では、書記は私が引き受けましょう」
ゾーマ「あ、そ、そうですか(む・・・普通ならこんな貧乏くじは引きたくないハズだが・・・)」
ケストラー「では、お任せしましょう(何を企んでいる・・・?しかし、オレがそんな事をやりたくないのも事実)」
クッパ「では、時間も無いですし、さっそく問題点の洗い出しにかかりましょう」
ケストラー「そ、そうだな、ええと、まず思いつくのは、この項目ですが、中ボス格の人材についてですね」
ゾーマ「そうですね、あとは魔力の運用制度についても少し検討の余地がありますね」
クッパ「(ケストラーは計画の骨子を立案した以上は、書記に回らせるわけには行かない)」
クッパ「(かといって、ゾーマはどうも議論から外れると妙な動きをするからケストラーの相手をさせた方が得策)」
クッパ「(となれば、多少の負担は増えるがワガハイが書記を勤めて静観に回るのがベターだろう)」
クッパ「(それに、いざとなれば・・・・)」
クッパってよくよくみると結構有能なんだよなあ
マリオがチート過ぎて負けるけど
ゾーマ「主人公関係については、もう少し資料を参照した方が良さそうですね」
ケストラー「確かに、情報が少なすぎて対策の立てようがありませんね」
ゾーマ「これで2番目、3番目の議題については、争点は見えた感じですね」
ゾーマ「では、次はこちらの・・・・」
ヴィィィィィィィ!ヴィィィィィィィ!
ゾーマ「な、なんだ!?」
ケストラー「ブザー!?」
面接官「皆様、一旦中断して下さい」
ザワザワ
クッパ「何事だ?」
面接官「ただいま、一時間が経過致しましたので、10分間の休憩をとらせていただきます」
面接官「皆様、資料などは机に置いたまま、担当の試験官の指示にしたがって、控室に移動して下さい」
面接官「なお、これより先のグループ内での会話、および資料の持ち出しは厳禁とさせていただきます」
面接官「では、また後ほどお会いしましょう」
ゾーマ「(なっ!!このタイミングで休憩だと!?)」
試験官「(そう、よりによってのタイミングで、知らされていない休憩が間に入る)」
試験官「(もう少し前にゾーマが気付いていれば、もう少しリカバリーできていただろうが)」
試験官「(このタイミングで中断されると、再開した時にスタートダッシュに時間がかかる)」
試験官「(このロスはかなり響くだろう・・・お手並み拝見だな)」
ゾーマ「まいったなー、休憩っていうか、これイヤガラセに近いよなあ・・・」
ゾーマ「どうしたモンかな、グループのメンバーとも隔離されちゃってるし」
ゾーマ「資料が手元に無いから記憶を頼りに考える事ぐらいしかできない」
ゾーマ「しかもあんな膨大な資料、細部まで覚えてらんねーしなあ」
ゾーマ「それにしても、よくあんな量の資料作ったよなあ、いくら部長待遇の採用試験とは言ってもさあ」
ゾーマ「アレ作るの半端な労力じゃないぞ・・・?1チーム専属で一週間とかそんなレベルだ」
ゾーマ「いくら大企業ったってなあ・・・そんな人員遊ばせておく余裕があるとは・・・待てよ?」
ゾーマ「スマホポチポチ」
ゾーマ「やっぱり・・・・・・そういう事か!!」
ゾーマ「しかし、これをあの二人に伝えたものかどうか・・・」
ゾーマ「携帯の使用については何も言われてないわけだから、これを調べた事自体は問題ないだろうけど」
ゾーマ「それに従って議論を進める、というのは一種のカンニングになるんじゃないだろうか・・・」
ゾーマ「よし、こういう時は相手の立場になって考えよう」
ゾーマ「そもそも、今回の試験、かなり最初から色々と罠があった」
ゾーマ「最初の資料が不完全で、次に出てくるのは時間が足りなくなるほどの膨大な資料」
ゾーマ「おそらくそこに気付けるかどうかが判定基準だったとするならば」
ゾーマ「この量の資料をどうやって作った?という疑問に至る事も織り込み済みだろう」
ゾーマ「ならば、この点に気付いた上で計画書を作成して出してくる、というのが向こうの想定なんじゃないだろうか」
ゾーマ「少なくとも、もし俺が幹部を採用するなら、そこに気付ける人材を求める」
ゾーマ「よし、ならば早い方がいいな、休憩終了と同時に二人にこの話をしよう」
面接官「では、これより試験を再開したいと思います」
面接官「残り一時間からスタートです、どうぞ!」
ゾーマ「あのですね、ちょっとこの資料のプロジェクトについてお話があるんですが」
ケストラー「ああ、丁度私もそれをお話しようと思ったんですよ」
クッパ「なんだ、もしかして二人共・・・」
ゾーマ「あれ、皆さんも気付いてました?」
ケストラー「それはまあ、ここまでも資料に色々と不自然な点が多かったですからね」
クッパ「当然、誰がコレを作ったんだろう、という疑問に行き着きますね」
ゾーマ「では、このプロジェクトが・・・」
クッパ&ケストラー「「実在したものだった」」
ゾーマ「あ、なんだ・・・ははは」
ケストラー「ニヤリ」
クッパ「ガハハハハ」
ゾーマ「それなら話は早いですね」
クッパ「そう、既にこのプロジェクトはもっと先まで進められていて」
ケストラー「そして、いかにして失敗したか、というモデルケースもあります」
ゾーマ「ですね、あとは、その失敗を教訓に、再発防止策を講じれば、半分以上の問題は解決できます」
クッパ「とはいえ、時間に余裕があるとも言えないですからね、さくさく進めましょう」
ゾーマ「異議なし」
試験官「(なんとまあ・・・・)」
試験官「(最終トラップに気づくのが3人同時とはな)」
試験官「(そう、これは架空のプロジェクトではなく、とあるマイナー世界で実際にあったプロジェクト)」
試験官「(今回の新部門設立にあたって集めた過去のケーススタディ用資料の一つだ)」
試験官「(そこに気付けるかどうかも判定材料ではあったが、同時に、これは気付いた人間が一躍有利になる)」
試験官「(それによって生まれる残り二人との軋轢をいかに処理するか、という点も重要だったんだが・・・)」
試験官「(3人同時だった事により、軋轢が生じずにむしろチームがスムーズに回り出したようだ)」
試験官「(議論の方向修正を行い、いざリスタート、というタイミングで休憩が入ったのが却って功を奏したのかもな)」
試験官「(こうなってくると分からないな、他のテーブルに較べて遅れていた議論が一気に進む可能性もある)」
試験官「(上の人間がどう判断するか分からないが、個人的にはこの3人の誰かに通ってもらいたいものだ)」
ゾーマ「〜〜が〜〜となるわけで、そのまま地道に勢力を広げて行けば・・・」
ケストラー「いや、それはもちろん重要ですが、それだけでは不十分かもしれません」
ケストラー「ここは意表をつくような搦手からの攻めがあっても良いと思うんです」
ゾーマ「なるほど、例えば?」
ケストラー「いや、私はその辺り、あまり明るくないですから、よろしければクッパさん何かお考えはありませんか?」
クッパ「えっ、ああ、そうですねえ、ありきたりではありますが、要人誘拐などは効果的かと思いますね」
クッパ「もしくは、地図を見るとココに火山があるようですので、溶岩を利用した戦略なども考えられるかと」
ケストラー「なるほどなるほど、ではそういったオプションも踏まえて進められるような体制にしておいた方がいいですね」
ゾーマ「あとは、この女神勢力ですが、数値はこうありますが、どうでしょうね、直接叩くというのは」
クッパ「うーん、数値だけ見せられても、今ひとつそこ、実感わかないんですよねえ」
ゾーマ「私もクッパさんも、天界系の人達とは直接対決したことありませんからね、ケストラーさん、どう思います?」
ケストラー「あー、うーん、私の経験からするとですね、やはりアッチの人達は手強いですからね」
ケストラー「確実を期すならば、この段階では触るべきではないのかな、という気がしますね」
クッパ「なるほど、そうなると、やはりここは世界征服の方を優先して、天界に討って出るのは後回しですかね」
試験官「・・・・・・・・」
試験官「(後半に入って、前半の停滞がウソのように話が進み始めた)」
試験官「(お互いを好敵手と認めたのか、それぞれの特性を活かし合いながら、プロジェクト全体をブラッシュアップしている)」
試験官「(さすがは名だたる大魔王たち、度量の大きさもハンパではない、という事か)」
ケストラー「さて、これで概ねまとまった、と言えるんじゃないでしょうか」
クッパ「そうですね、あとは問題はこれを遂行する事が可能か、という問題ですが・・・」
ケストラー「物理的には可能でしょうが、問題は士気ですね」
クッパ「どうしても最低限の損耗率は織り込まないといけませんしね・・・・」
ケストラー「どう思います?ゾーマさん」
ゾーマ「え、私ですか?いや、お二方のお考えは?」
クッパ「私は今まで使ってきた部下は基本、生え抜きの気心の知れば部下ばかりなんですよ」
ケストラー「私の場合は、私の魔力がなければ部下は生命が維持できませんでしたからね、士気なんか考える必要が無かったんです」
クッパ「なので、今回のように、見ず知らずの部下を率いて事業にあたる、という経験があるのはゾーマさんだけなんです」
ゾーマ「なるほど・・・確かに私が前職で率いたのは、あちらの世界の土着の魔物たちが多かったですが・・・」
ゾーマ「その経験から言うなら、おそらく問題は無いでしょう」
クッパ「ほう?」
ゾーマ「中ボス格や幹部格の部下たちも、今並行して募集しているそうです」
ゾーマ「という事は、実際に我々の下に配置されるのも、しっかりとした意識を持ったプロフェッショナルだと思います」
ゾーマ「彼らは、確かに一癖も二癖もある扱いづらい人材である場合もままありますが」
ゾーマ「大魔王として、我々がしっかりと実力さえ示せば、彼らは認めてくれると思います」
ゾーマ「ですから、我々3人、誰がこのプロジェクトを指揮したとしても、士気が下がるなんて事は考える必要がない」
ゾーマ「そうじゃありませんか?」ニヤッ
ケストラー「いやいや、大きく出ましたな」ニヤリ
クッパ「ガハハハ、いや、その通りですね」
クッパ「おっと、もうそろそろ時間ですね、ここまでのまとめはこんな感じですが」ペラッ
ゾーマ「ふむふむ」
ケストラー「なるほど、いや、素晴らしい」
ゾーマ「議論に参加しながらよくこれだけ書けるものですね」
クッパ「いやいや、大筋はお二人で作って下さったので楽なものでしたよ」
クッパ「では、最後にお二人の署名を入れて」
ゾーマ&ケストラー カキカキ
クッパ「これにて完成ですね、お疲れ様でした」
ゾーマ「お疲れ様でした」
ケストラー「お疲れ様でした」
キンコンカンコーン
面接官「はい、では時間になりました」
面接官「担当の試験官まで、レポートの提出をお願いします」
面接官「では、これにて最終試験終了です、本日はお疲れ様でした」
面接官「結果については、また後日お知らせさせていただきます」
面接官「では、お気をつけてご帰宅下さい」
ゾーマ「(あー疲れた、でも心地良い疲れだな)」
ゾーマ「(やるだけはやったしな、これで落ちたら仕方ない、俺の実力不足って事だ)」
クッパ「あの、ゾーマさん、ケストラーさん」
ゾーマ「はい?」
ケストラー「なんでしょう?」
クッパ「この後、お二人は何かご予定が?」
ケストラー「いや、試験時間が分からなかったので、後には何も入れてませんが・・・」
ゾーマ「私もです」
クッパ「それじゃ、これもせっかくのご縁って事で、その辺で一杯いかがですか?」
ゾーマ「そう・・・ですね、せっかくですからね、前々からお二人とも名前は聞いてましたが、お話するのは今日はじめてでしたし」
ケストラー「いいですね、今回の採用試験がどうなるにせよ、今後とも同じ業界で何かとお世話になるかも知れませんし」
クッパ「ですね、それじゃ駅前でどこか入りましょう」
ザワザワガヤガヤ
クッパ「あ、すいませーん、生おかわりと・・・」
ゾーマ「あ、じゃあ俺も生で」
ケストラー「こっちはハイボール一つで」
ゾーマ「いやー、それにしてもクッパさんそんなに子沢山だったとは・・・」
クッパ「まあ、厳密には7人は子供というわけでもないんですが」
クッパ「何にしても8人も家に子供が居るともう大騒ぎですよ」
ゾーマ「そりゃあそうでしょうなあ・・・ケストラーさんはお子さんは?」
ケストラー「いやあ、それがお恥ずかしい話ですが、ウチは子供がすっかりグレちゃってまして・・・」
クッパ「おや、反抗期で?」
ケストラー「いや、というか、実は私がやられた主人公って、子供二人なんですよ」
ケストラー「元々、聖女との間に子供作って、大きくなったら食べてやろうと思ってたらですね」
ケストラー「ものの見事にやり返されまして」
クッパ「うわぁ(笑)」
ゾーマ「いや、さすが残虐性では右に出る者ナシと言われるケストラーさんですね」
ケストラー「いやいや、ただのワガママ野郎ですよ、それを言ったらゾーマさん」
ゾーマ「え?」
ケストラー「貴方の台詞、もう魔王業界じゃ伝説ですよ、ほら、アレ、滅びこそ我が喜び、ってヤツ」
ゾーマ「え、ああ、アレはまあ、その、つい勢いで言っちゃって///」
ゾーマ「そ、それはそうと、今日の試験、他のテーブルはどうだったんでしょうね」
クッパ「さあ、どうでしょうね、まあ、他のテーブルも名だたるメンツでしたからねえ」
クッパ「なかなか油断は出来ないと思いますが」
ケストラー「ま、こればかりはもう我々には分かりませんからね、経営陣がどう判断するか、というお話ですよ」
ゾーマ「まあそうですねえ、ここで気をもんでも仕方ないですね」
ケストラー「でもアレですね、お二人とも前々からお名前は聞いてましたが、改めて今日ご一緒して、さすがだなあ、って」
クッパ「いやいや、やめて下さいよ、私なんてただのカメですよ、それもマリオに何敗してるか分からない・・・」
ゾーマ「いやあ、何度でも諦めずに挑むというだけでも凄いですよ、大魔王の鑑というか」
ケストラー「そうそう、そもそも主人公が相手じゃ仕方ないですよ、そこはもう何というか、宿命ですからね」
クッパ「まあ、そもそも何で世界征服なんてやろうと思ったんだろう、なんてたまに自問する事もあるんですけどね」
ケストラー「いや、そこはやっぱりロマンですよ、なんで大魔王になった?って言われたって、理由なんか無いんですよ」
ゾーマ「そうそう、俺なんか、ただ単に人々に恐怖を与えたい、人々の死や苦しみが嬉しい、ただそれだけの理由でしたから」
クッパ「いや、やはりそれ聞くと、ゾーマさんは大魔王になるべくしてなったんだなあ、って思いますよ」
ゾーマ「そんなそんな、勘弁してくださいよ」
ケストラー「いやあ、そんなこんなしてる間に良い時間ですね」
ゾーマ「あ、ホントだ、それじゃそろそろお開きにしますか?」
クッパ「そうですね、って、何で私ら採用試験の後にこんな所で慣れ合ってるんでしょうねw」
ケストラー「いやまあ、いいじゃないですか、もう試験は終わったんですから」
ゾーマ「そうそう、まあもちろん、結果は気になりますけど、お二人のどちらかが受かっても私は素直に納得できますね」
クッパ「ガハハハ、そうですね、ま、この3人の誰が採用になっても恨みっこはナシって事で」
ケストラー「なーんて、全然関係ないテーブルのヤツが通ってたりしてw」
ゾーマ「いやいやいや、それは無いと信じましょう」
クッパ「あ、そうそう、せっかくですからお二人の連絡先お聞きしても良いですか?」
ゾーマ「そういえばそうですね、改めまして、ゾーマと申します」スッ
ケストラー「おお、カッコ良い名刺ですねー」
ゾーマ「いやぁ、この名刺使うのもコレで最後、ってなるといいんですが」
クッパ&ケストラー「「(笑)」」
クッパ「では、またお会いできたら良いですね」
ケストラー「そうですねー、あ、もしお二方のどちらか採用になってたら、お祝いのメールしますね」
ゾーマ「いやいや、やめて下さいよ、なんか怖いっすわそれ(笑)
クッパ「では、私はこっちなんで」
ゾーマ「あ、では私はルーラで帰るんで」
ケストラー「ではでは、お疲れ様でした!またどこかでお会いしましょう〜」
■ゾーマはルーラを唱えた!!
---こうして、大魔王たちの戦いは終わった
しかし、彼らの戦いが実を結ぶ事は無かった・・・
募集を行った○○社の大規模な粉飾決算が発覚し
事業の縮小と、新規事業の凍結を発表したのは2ヶ月後の事であった
ゾーマ「○○社よ、よくぞワシを謀った」
ゾーマ「しかし光ある限り闇もまたある。ワシには見えるのだ。再び良い条件の募集があるだろう。」
ゾーマ「だがその時ワシは年老いて応募できないかもしれん。はははは…。ぐふっ。」
くぅ疲です。
「部長クラスをヘッドハントするのにそんな採用試験しねーだろ」ってツッコミは禁止。
かなしい
楽しませてもらった
おつ
おつ
今度は勇者募集で…と思ったが、脳筋ばっかでディスカッションにもならなそうだな
おつおつ!
しかし、大魔王たる者、起業して一国一城の王になるべきなんじゃないですかねぇ(ゲス顔)
>>138
お、王族系の勇者なら帝王学を身に付けて賢いはずだから!戦闘が脳筋なだけだから(震え声)
面白かった
乙
最後に反省点一個だけ
GDこんなに長くなるなら知名度の高いバーン様をこっちに持ってくればよかった
けど、大魔王ケストラーは作者にすら嫌われるくらい清々しいヤな奴なので
最近の悪役は物足りない、って思った人は是非ハーメルンのバイオリン弾きを読んでみてくれ
以上、ハーメルンのステマ。
クッパが書記になって、いざとなれば何をしようと考えてたのか気になる
>>141
ああ、それは最初、書記の立場で自分の有利になる事を書いて
時間間際になって他の二人が気付いても書き直すヒマが無い
みたいな小ズルい事させようかと思ったんだけど
色々考えて辞めたんで伏線だけ宙ぶらりんになっちゃった
面白かった乙乙
乙、楽しませてもらいました
・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
【SS速報VIP】ゾーマ「なになに?大魔王募集?」
・カテゴリー「勇者・魔王・ファンタジー」のSS一覧
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1: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:40:22.54 ID:9CkYj3m90
ゾーマ「あなたの大魔王としての経験を活かし、弊社でお力を振るってはみませんか?だと?」
ゾーマ「へぇ〜、部長待遇で年俸は1千万ゴールド〜か、わるくないな」
ゾーマ「この時期にこんな良い中途採用なかなかないよなー、ちょっくら応募してみるか」
ゾーマ「まずはエントリーシートでも書くか・・・」
ゾーマ「ええと、特技資格か、氷系魔法全般と、闇の衣、と」
ゾーマ「自己PRねえ・・・俺苦手なんだよなあこういうの」
ゾーマ「ええと・・・私は人々の死や苦しみを何よりも大切にしておりますので云々」
ゾーマ「前職では地下世界をほぼ掌握し、また地上世界までテリトリーを広げる事に成功しました」
ゾーマ「んーと、次は、死亡理由?」
ゾーマ「光の玉で闇の衣を剥がされ、初代ロトの勇者に手にかかり死亡・・・と」
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2: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:40:46.51 ID:9CkYj3m90
ゾーマ「書類審査は通ったけど、面接とかキンチョーするなー」
ゾーマ「あ、闇の衣は脱いでおいた方がいいか」
ゾーマ「ええと、受付でもらった番号札を胸につけて、と」
ゾーマ「会場は第二会議室・・・こっちか」
ザワザワ
ゾーマ「うわ、結構いるな、大魔王経験者って意外と居るんだな」
ゾーマ「なんかみんな凄いデキそうに見える・・・うー胃が痛い」
ゾーマ「トイレ行ってこ『では次、10番から13番までの方お入り下さい〜』
ゾーマ「げ、呼ばれちまった」
3: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:41:31.96 ID:9CkYj3m90
ゾーマ「(集団面接って初めてだな、マジおしっこ漏れそう)」
ゾーマ「(うーん、他の3人も禍々しいオーラ放ってるなあ・・・いや、右隣のヤツはそうでもないか)」
面接官「では、左端から順に、自己PRをお願いします」
大魔王A「はい、私は一度世界征服を成功させており、警察の廃止や、私の名を冠した記念日を制定するなどの実績があります」
大魔王A「また、戦闘力においても自信があり、特に四肢程度であれば瞬時に再生できる回復力に秀でております」
大魔王A「自分自身で部下を産む事も可能で、絶対の忠誠心を持つ部下を、高いコストパフォマンスで動かす事が可能です」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
面接官「では、お次の方、お願いします」
大魔王B「ふ、余…いや、私は魔界を数千年にわたって支配し、すでに神を超える力を身につけております」
大魔王B「私の信条は『力こそ全て』であり、実力主義をかかげておられる御社には有益な人材となれると信じております」
大魔王B「また、建設関係についても従事しており、魔界や地上にいくつもの宮廷や城を建てた経験があります」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
4: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:42:06.26 ID:9CkYj3m90
面接官「では、3番目の貴方、どうぞ」
ゾーマ「(やべ、俺の番だ、どうしよう・・・いや、ここは一番得意なパターンで行こう)」
ゾーマ「私は全てを滅ぼすもの、ゾーマともうします」
ゾーマ「全ての命を私の生贄とし、絶望で世界を覆いつくす事をモットーとしております」
ゾーマ「前職においては、ラダトームを含むアレフガルド全体を闇に閉ざすなどの業績を積んでおり」
ゾーマ「今でも魔王業界においては高い評価を受けていると自負しております」
面接官「ありがとうございます、お座り下さい」
ゾーマ「(ふう、なんとか噛まずに言えた・・・)」
面接官「では次の方、お願いします」
大魔王C「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン!!わたしゃハクション大魔王でごじゃるよ〜」ボワワン
ゾーマ「ゲホゲホゲホ(うわ、けむっ!!てゆーか何だよその自己紹介はよ!)」
大魔王C「面接カンちゃん、わしゃもうか〜なわんよ〜〜、アラビン、ドビン、はげちゃびーん」
面接官「あ、ありがとうございます、お座り下さい」
大魔王C「ハイチャラバ〜イ」
ゾーマ「(やべぇ、コイツ面接クラッシャー確定だ)」
5: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:42:33.71 ID:9CkYj3m90
面接官「さて、では大魔王Aさん、経歴に空白期間があるようですが、この期間はどうされていたのでしょうか?」
大魔王A「ぐっ、その期間は・・・電子ジャーの中に封印されておりました・・・」
面接官「なるほど、それはどういった理由で?」
大魔王A「その、とある武道家の技によって封印され、長期に渡り出ることが出来ない状態でした」
大魔王A「しかし、その後私は返し技を身につけ、すでにその魔封波は克服したと自負しております」
面接官「そうですか、ありがとうございます」
面接官「大魔王Bさん、こちらには魔界で6つの軍を率いて、組織運営力にも自信アリ、とありますが」
大魔王B「はい」
面接官「前職を退かれる時、そちらの軍はいかがされたのでしょうか?」
大魔王B「ぐっ、3人は戦死し・・・3人には裏切られました」
面接官「なるほど、裏切られたとの事ですが、何故そのような事になったとお考えですか?」
大魔王B「はい、私は力こそ全て、と考えるが故に忠誠心をあまり重視しなかった事が原因と思われます」
面接官「ありがとうございます」
ゾーマ「(うわあ、この面接官、イヤな所をついて来るなあ・・・)」
6: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:43:08.27 ID:9CkYj3m90
面接官「ええと、ではゾーマさん」
ゾーマ「は、はいっ!!」
面接官「特技はマヒャドとありますが?」
ゾーマ「はい。マヒャドです。」
面接官「マヒャドとは何のことですか?」
ゾーマ「魔法です。敵全員に大ダメージを与えます。」
面接官「で、そのマヒャドは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
ゾーマ「はい。敵が襲って来ても守れます。」
面接官「この度、当社では管理職としての募集をしているのですが、管理職の立場でマヒャドを使う機会がありますか?」
ゾーマ「(うっ、ヤな質問・・・)」
ゾーマ「もちろん、私が前線に出るという事は考えておりませんが」
ゾーマ「組織をスムーズに運営する上で、大魔王が誰よりも強いという事はとても重要です」
ゾーマ「故に、実際使う機会が無くとも、大魔王というポストにおいて戦闘力は必須と思われます」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
ゾーマ「(心臓に悪いわ・・・)」
7: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 12:43:38.67 ID:9CkYj3m90
面接官「ではもう一度大魔王Aさん」
大魔王A「はい」
面接官「経歴に、神と融合、とありますが、こちらはどういった事情でしょうか?」
大魔王A「はい、元々私は一人のナメック星人が自分の邪悪な部分を切り離した際に分離した一部分でした」
大魔王A「そのため、戦闘力が半減していた状態でしたので、強さを求めるために融合致しました」
面接官「なるほど、しかし、そうすると今は貴方は神と融合した状態ですね?それは大魔王とは呼べないのでは?」
大魔王A「ぐっ・・・それはお言葉の通りかと思いますが、それにより私の戦闘力は飛躍的に増大致しました」
大魔王A「また、神と一体化した事によりZ戦士などとの交流により、多数の人脈を築く事に成功し」
大魔王A「更には神の特殊能力であった神龍の呼び出しなども可能になりました」
大魔王A「ですから、最終的にトータルではプラスになったと考えております」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 12:52:29.33 ID:ioTrfVnBO
大魔王B誰だ…?分からないな
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 13:17:52.53 ID:uNrcnhXeo
>>9
ダイの大冒険の大魔王バーンだろ
11: ◆7E.9YmcUFSPj 2015/07/01(水) 12:58:53.50 ID:2OwUsm20O
面接官「では大魔王Cさん・・・はいいや、大魔王Bさん」
大魔王B「はい」
大魔王C「スカンタコメラ、ホゲチョメラ」
ゾーマ「(何なんだコイツは・・・)」
面接官「貴方の前職での経歴に、魔界に太陽の光を降り注がせるべく尽力した、とありますが」
面接官「太陽の光を求める、というのは大魔王のイメージとしてはいささか相応しくないのでは?」
大魔王B「くっ・・・おっしゃる通りかとは思いますが、しかし、実際のところ太陽が強力なエネルギー源である事は間違いありません」
大魔王B「大魔王という職種が一般的となってきた昨今、厳しい競争に打ち勝つにはステレオタイプのイメージに囚われず」
大魔王B「柔軟に動くことのできる、現実的な魔王が求められていると思います」
大魔王B「故に、太陽を求める魔王、というユニークさはむしろ私自身の武器でもあると考えております」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
13: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 13:04:15.17 ID:HtvHssqq0
面接官「では次、ゾーマさん」
ゾーマ「はい」
面接官「死亡理由の欄に"光の玉を奪われ闇の衣を剥がされた"とありますが」
ゾーマ「はい(何が来るんだよ・・・寿命ちぢむわー)」
面接官「闇の衣がある状態と、無い状態ではそれほど防御力に差があるという事でしょうか?」
ゾーマ「は、はい、闇の衣はほとんどの攻撃を無効化しますので、よほど高レベルの勇者でもなければ退ける事ができます」
面接官「という事は、光の玉は貴方にとってのアキレス腱だったという事ですね?」
ゾーマ「はい」
面接官「では、光の玉に勇者が近づけないように措置を講じるべきだったのではないでしょうか?」
ゾーマ「(うげっ、そこ突いてくるかよ・・・)」
ゾーマ「当時、光の玉は地上世界の竜の女王の城にありまして、地上世界の進出が遅れたため、対策が間に合いませんでした」
ゾーマ「根本的な原因としては、当時地下世界の地盤強化に重点を置いていたために」
ゾーマ「地上世界への戦力強化がままならず、勇者を成長させてしまい、光の玉まで奪われた、という事態に陥ってしまいました」
ゾーマ「結果として、戦力の逐次投入となってしまい、事態を収拾できなかった事は、私の大きな反省点です」
面接官「なるほど、ありがとうございます」
16: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 13:21:55.99 ID:HtvHssqq0
面接官「ひき続いてゾーマさん、もう一つ」
ゾーマ「はい(また俺かよおおおおおおお)」
ゾーマ「(いや、でも質問を多くされるという事は、向こうも俺に興味があるという事!)」
面接官「あなたのモットーを教えて下さい」
ゾーマ「は、はい、私はかねてより、人はなにゆえもがき生きるのか?という問いひついて考えておりました」
ゾーマ「その答えとして、やはり、滅びこそ私の喜び、死にゆくものこそ美しいというのが私の考えです」
面接官「なるほど、良いモットーですね」
面接官「そろそろ時間ですが、何か最後に質問などありましたらご自由にどうぞ」
大魔王A「あの、新事業の立ち上げにあたり、大魔王募集とありましたが」
大魔王A「実際にスタートした場合、どの程度の規模の部署となるのでしょうか」
ゾーマ「(あっ、そうだそれ気になってた)」
面接官「そうですね、最初は100人程度のチームでスタートしたいと考えております」
面接官「次の異動で、既存の部署からある程度の人員を確保した上で」
面接官「現在は平行して中ボスの方の募集も行っておりますので、そちらも併せて適正を考えて配置を決めようと思っています」
大魔王A「わかりました、ありがとうございます」
ゾーマ「(なんだ、100人程度ならアレフガルド時代に比べりゃ統率も楽なモンだ)」
17: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 13:31:45.95 ID:9CkYj3m90
面接官「では皆さんお疲れ様でした、結果はまた後日お送り致します」
大魔王A「失礼致します」
大魔王B「失礼致します」
ゾーマ「失礼致します」
大魔王C「エンヤ、トット」
ゾーマ「(最後の最後までワケわからんヤツだったな)」
ゾーマ「(どうなんだろう、面接官の人、全然表情変えないから感触つかめないや)」
ゾーマ「(いや、俺だって立派に大魔王やってたんだ、自信を持たなきゃ!)」
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19: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 15:54:58.26 ID:9CkYj3m90
面接官「この方は、ちょっと良くわかりませんでしたねえ」
社長「そうだね、語尾がいちいち『ぞう〜』ってなんだかあんまり威厳も無かったしねえ」
専務「特技が重量級スライムを降らせるだけ、というのも地味ですな」
社長「うん、コイツは落とそう」
面接官「分かりました、次は9番ですね」
社長「ああ、コイツは良かったね、いかにも絶対悪って感じで」
面接官「そうですね、戦闘力に関しては間違いなく特A評価です」
専務「ただ、アレですな、征服力に関しては少々疑問が残りますな」
社長「まあねえ、結局ほとんど封印されてるからね、実働期間についても疑問は残るねえ」
面接官「どういたしますか?」
社長「うーん、でも個人的にちょっとあの『悪さ』には期待したいな、一応残そうか」
面接官「はい、分かりました、次は10番です」
社長「ああー、うーん、業績は立派だし、業界で知名度も高いんだけどねえ」
面接官「個人的には組織運営力には少々疑問が残りますね」
社長「そうだねー、ほとんど一人でやっちゃうワンマンプレイヤータイプだね」
専務「それに、大々的に大魔王募集、と言っておいて半分神です、というのもいかがなものかと」
社長「うん、今回はご縁が無かったって事で」
20: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 16:00:00.65 ID:9CkYj3m90
面接官「11番はいかがでしょう?」
専務「彼は良いと思いますよ、戦闘力、統率力、実行力ともに高評価です」
社長「そうだねー、まあ、統率力についてはちょっと疑問も残るけどね」
面接官「そうですね、調べてみたところ、主だった部下の半数以上に裏切られています」
専務「うーん、信頼関係を築くのが苦手なタイプですかね」
社長「まあでもとりあえず候補かなー」
面接官「わかりました、次は12番です」
社長「ゾーマ君かあ、彼ねえ、業界は長いし、業績も申し分ないんだけどさあ」
社長「ちょっと古くないかな、なんというか、後発の魔王に比べて地味な気がするんだよねえ」
専務「とはいえ、大魔王としてもバランスは取れていますし、やはり知名度があるのは大きいと思いますが」
社長「そうだね、彼も残しで」
面接官「はい、あ、次は13番ですね・・・・」
専務「ああ、彼ですか・・・・」
社長「いやね、そりゃあ大魔王といえば彼が最古参だからね、わかるんだけどね」
社長「しかしねえ、やっぱり、ちょっとウチの社風には合わないかなあ・・・・・」
面接官「そ、そうですよね、では落としで」
面接官「ええと、では次は14番で」
社長「ああ、コイツはちょっと他には無いタイプの大魔王だったね」
社長「それに人間型じゃないってのがいい、とりあえず残そう」
面接官「はい、では次は・・・・・」
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22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 16:23:58.27 ID:Okgk82t4o
面白い
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 19:43:25.25 ID:A9ERYk74o
面白い
亀一族の長や破壊神に頼りっぱなしの人はよく喋るし有利そう
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 20:16:18.27 ID:973Flj3E0
しかしこの場合、大魔王じゃないとダメなのか
魔王ってだけなら結構いるよな
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/01(水) 22:54:18.39 ID:LekmhBLvo
やっぱ大魔王って言ったらゾーマだよな
ファミコンのゾーマすげぇ強かったし
31: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 23:22:16.43 ID:9CkYj3m90
ゾーマ「いよいよ最終試験かあ」
ゾーマ「それにしても、私服でおいで下さい、って何着てったらいいんだ」
ゾーマ「基本俺これしか持ってないしなあ・・・」
ゾーマ「まあ一張羅の闇の衣着てくしかないよな」
ピーピーピー
ゾーマ「お、乾燥終わったかな?よし、乾いてる乾いてる」
ゾーマ「うー、闇の衣は天日干し出来ないのが不便だよなあ」
ゾーマ「梅雨時は乾燥機つかわないとすぐ臭くなっちゃうし」
ゾーマ「よし、書類は持ったし、身分証もOK、明日は早いからそろそろ寝るかー」
ゾーマ「あ、やべ、アイロンかけなきゃ」
32: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 23:36:09.26 ID:9CkYj3m90
面接官「皆さん、ご足労ありがとうございます」
ゾーマ「(なんだ?前回の会場とは随分雰囲気が違うな)」
ゾーマ「(なんか色々機器とか書類とか用意されてるし・・・)」
面接官「本日は、皆さんの実務能力を見せていただきたいと思います」
ゾーマ「(まさか実技試験!?)」
面接官「実際に大魔王としての業務をどう執り行うか」
面接官「それをシミュレーションで拝見させていただきます」
ゾーマ「(何をやらされるんだろう)」
面接官「では、今から名前を呼びますので、そのグループでこちらの出す課題に取り組んで下さい」
ゾーマ「(まさか最終試験でGDかよ?)」
面接官「ではまずAグループ、バーンさん、古坂さん・・・〜〜〜」
ゾーマ「(うわー、俺人見知りなんだよなあ・・・大丈夫かなあ)」
面接官「Bグループ、ゾーマさん、クッパさん、ケストラーさん」
ゾーマ「ひゃいっ!!(やべ、声裏返っちまった)」
33: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/01(水) 23:47:48.44 ID:9CkYj3m90
面接官「はい、ではグループ分けが終わりましたので、資料をお配りします」
面接官「各グループで、その資料にある征服プロジェクトをいかに進行するかを考えて下さい」
ゾーマ「(うわ、結構ブ厚いなー、どれどれ)」
面接官「資料も行き渡りましたね?何かご質問はございますか?」
ケストラー「はい」
面接官「ケストラーさんですね、どうぞ」
ケストラー「実際の業務でも、こうして複数の大魔王でチームを組んでの業務という事になるのでしょうか?」
面接官「いいえ、実際には新部門の部長としての募集ですので、お一人で責任者を勤めていただく事になります」
面接官「今回の試験はあくまで今回のみの形、と考えていただいて結構です」
ゾーマ「(なるほど・・・多分大企業だからな、他部門や経営陣との調整能力なんかも見られるって事か)」
ゾーマ「(それに、新規立ち上げで、寄せ集めの人材によるプロジェクトだ)」
ゾーマ「(それらをまとめあげるリーダーシップも試される、って事なのかな)」
面接官「では、これより最終試験を始めます、試験時間は2時間です」
面接官「なお、それぞれのテーブルには試験官が一人ずつ付きますので」
面接官「以降の進行については、そちらの方にお願いします」
35: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/02(木) 00:16:13.20 ID:13Rrln2T0
ゾーマ「(うわ、まだ資料全部読んでないよ)」
ケストラー「どうも、ハーメルンから来ました、ケストラーと申します、よろしくお願いします」
ゾーマ「(あ、やべ、自己紹介忘れてた)」
ゾーマ「あ、ど、どうも、アレフガルド出身のゾーマです、よろしくお願いします」
ゾーマ「(ケストラーか・・・少年誌史上最悪の悪役とも呼ばれている・・・)」
クッパ「ワガハイはカメ帝国から来ました、クッパと申します、よろしくお願いします」
ゾーマ「(コイツがクッパかあ、噂には聞いてたけど、ホントにカメだ・・・ガメゴンロードに似てるな)」
ケストラー「とりあえず、試験は二時間という事ですので、最初の15分で達成目標を決めて」
ケストラー「そこからの企画、立案という事でいかがでしょう?」
ゾーマ「(む、コイツリーダーシップ取る気マンマンだな・・・)」
ゾーマ「そうですね、まずは前提条件の確認と、そこから導き出せる現実的な達成目標を考えましょう」
クッパ「うーん、どうでしょうね、それ」
ケストラー「む?」
クッパ「今回の募集、新部門を立ち上げての世界征服という大事業への挑戦という事ですから」
クッパ「おそらく、それなりの無茶も必要になって来るかと思うんですよ」
クッパ「となると、無難な目標を立ててそれを達成するというよりも」
クッパ「ベンチャーのような型破りな爆発力も求められてくるんじゃないかと思うんですね」
ケストラー「なんだt・・・いや、そ、そうですねえ」
37: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/02(木) 00:28:07.63 ID:13Rrln2T0
ゾーマ「(やべぇ、すでに二人でイニシアチブの奪い合いが始まってる)」
ゾーマ「(それにしてもこのクッパってヤツ、見かけによらず言うなあ)」
ケストラー「そういう側面もあるかとは思いますが、しかしやはり世界征服は一日にしてならず」
ケストラー「となれば、中長期的な視点が要求されるのではないですか?」
ゾーマ「(やべ、俺置いてけぼりだ、何か発言しなきゃ)」
ゾーマ「あの、お二人の意見はそれぞれ理があるとは思うんですが」
ゾーマ「これは、どちらかに寄る、とかそういうお話ではないと思うんですよ」
ゾーマ「何しろ事は世界征服です、となれば長期的な視野で全体を俯瞰する、というのは当然かと思います」
ゾーマ「ですが、既存のやり方で地道に業績を積み上げれば達成できるという物ではありません」
ゾーマ「ですから、長期的な視野で全体をコントロールしつつ、かつ形に囚われないイノベーティブな運営方針」
ゾーマ「これらを兼ね備えて、ようやくスタートラインと言って良いのではないでしょうか?」
ケストラー「(ぬ、コイツ、ただの影かと思えば、割って入って漁夫の利を狙ってきおった)」
クッパ「(ち、まあ同じゲーム系で名の通ったゾーマ、黙ってるとは思わなかったが・・・)」
ケストラー「もちろん、それは私も大前提として考えてました(ここは仕方ない・・・)」
クッパ「私も、単に注意喚起として提案してみただけで、ゾーマさんと言いたい事は同じなんです(一旦協力してみせた方が良かろう)」
試験官「・・・・・・・」
51: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/02(木) 13:45:53.94 ID:2Z4x75ZMO
ゾーマ「(ふう、なんとか上手く行った、このまま俺が引っ張って行ければ……)」
ゾーマ「というわけで、それを踏まえた上で、まずは長期目標を設定しませんか?」
クッパ「そうですね、長期目標はどちらにせよ必要ですね」
ケストラー「私もそう思います。ところで、この資料の前期における善悪対照表をご覧いただきたいのですが」
ケストラー「プロジェクト立ち上げ1年目という設定ですので当然と言えば当然ですが、かなりミニマムに進めてきたという印象です」
ゾーマ「(くそ、このままペース握れるかと思ったが、コイツ切り替えが早いな)」
ケストラー「魔族によるシェアも、本拠地周辺しか取れておらず、かなり心もとない状況です」
ケストラー「それを考えると、まずは今期で地盤の強化、そこから来期以降で侵略へ、というのがセオリーかな、と思うんですが」
クッパ「いや、少々お待ちください、後ろの方の月別の数字を見るとですね、最終四半期の上げ幅はかなりの物があります」
クッパ「この感じだと、すでに足元は固まったと見る事も出来るのではないでしょうか」
ゾーマ「(やべ、俺まだ資料全部読んでねーや)」
ケストラー「しかし、この上昇はあくまで一時的なウンヌンカンヌン」
クッパ「その見方だと機会損失がナンタラカンタラ」
ゾーマ「(うー、また置いてかれてる……)」
ゾーマ「(ってやべ、そんな事してる間にもう15分たつぞ)」
ゾーマ「待って下さい、論点がズレてきてませんか?」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/02(木) 14:12:29.32 ID:EuYlrrPAO
しれっと落とされたゾウ大魔王
56: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/02(木) 19:29:58.38 ID:9tctLFwTO
ゾーマ「まずは、この2時間で何を決めるのか、そこの意識が共有できていないと議論を進められないのでは、と思うんですね」
ゾーマ「最初にケストラーさんが言ったように、やはり目標を設定して、それからどうやったらそこに到達できるのか、と、そこを議論するのが順序ではないでしょうか?」
ケストラー「(くっ、またコイツ上手く間に入って来やがった)」
クッパ「(意外にやっかいだなこの男・・・)」
クッパ「そうですね、最終目標は世界征服としても、その間のマイルストーンをどう置くか、と」
ケストラー「確かに、資料を見る限り状況はほぼフラットですから、いかようにも進むことが出来ますね」
クッパ「とは言え、じゃあ何を基準に目標にするか、となると中々難しいですよコレ」
クッパ「支配地域の広さなのか、戦力や魔翌力の量なのか、もしくは重要拠点を抑えた数なのか・・・」
ケストラー「確かに、方法論によって中間目標で目指す基準は変わってきますね」
ゾーマ「(つーかコレ、そもそも無理があるよな、こんな大事業の事業計画なんて本気で考えようと練ろうと思ったら一ヶ月とかかかる話だろ)」
ゾーマ「(この場で2時間で何か出せるのとしたら、大局的な方針とか、アバウトな数字とかその程度のモノだ)」
ゾーマ「(という事は、ココで俺たちが見られているのは、何をどう取捨選択して形にするか、という過程だろう)」
ゾーマ「(じゃあどうしたらいい?考えろ・・・もし俺がバラモスにこの征服を任せるとしたら、何が聞きたい?)」
59: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/02(木) 20:05:06.07 ID:9tctLFwTO
ゾーマ「(そりゃあ数字は大事だが、そこには根拠が必要になってくる・・・今ここで細かい数字なんか練ってたら2時間なんてあっと言う間に終わってしまう)」
ゾーマ「(大体、そんな仕事はブレーンにでも任せておけばいい話で、指揮官のする事じゃない)」
ゾーマ「(となれば・・・)」
ケストラー「ナントカ係数ガー」
クッパ「ホニャララの理論によればー」
ゾーマ「あのですね、ちょっと良いですか?」
クッパ「(しまった、またコイツに美味しい所もって行かれるか!?)」
ケストラー「(まずい、どうもクッパとは一々相性が悪くて議論に熱中してしまうな)」
ゾーマ「先ほど、長期目標、と申しましたが、やはりこれは現時点では"世界征服"だと思うんですよ」
ゾーマ「というのも、お二人のおっしゃる通り基準となるパラメーターは、どんな戦略をとるのかで変わって来るわけで」
ゾーマ「ならば、まずは大事なのは方針だと思うんですね、足元から固めて、徐々にシェアを握って行くのか、逆に戦力を秘密裏に整えて、電撃的に達成するのか」
ゾーマ「山にどのルートで登るのか決まっていないのに、何時間かかるかとか、荷物がどれぐらい必要か、とか考えても答えは出ないじゃないですか」
クッパ「いや、しかし逆に『この時間内に登りたいからこのルートを選ぶ』という計画の立て方もあると思いますが」
ゾーマ「もちろん、そういう場合もあるでしょう、しかし、今回のこの課題、そういったワクが設定されている訳では無いんです」
ゾーマ「最終的に世界征服が達成されれば良いわけですから、わざわざ自分たちでそのワクを狭めるような事をする必要は無いと思うんですね」
ケストラー「(いかんな、この流れ、放っておくとゾーマに全部持って行かれるぞ・・・)」
クッパ「(いっそ先にこの男を潰すか・・・いや、あまりあからさまにやると、逆にケストラーが向こうに着いて厄介な事になる・・・)」
67: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/03(金) 00:41:35.76 ID:ZN2cuK0Y0
ゾーマ「ですから、まずはこの資料にある現状から、どういうルートを取れば世界征服に到達できるのか」
ゾーマ「その辺りについて3人で相談してみませんか?」
ケストラー「そうですね、確かに戦略を決めるのは大事な事だと思います(くそっ、また反論しづらい事を・・・)」
クッパ「確かに、まずは全体の流れを決めて、その上で時間があれば各論について触れていく、というのが良いかもしれません」
クッパ「(これは・・・作戦を変更した方が良さそうだな、今主導権争いをすると、残った一人がどうしても有利になる)」
クッパ「(しかもさっきからゾーマの奴がやたらと良い所をついて来る・・・)」
クッパ「(ここは、奴を利用しながら"他人を上手く使いこなす裏方"というスタイルに変更した方がいいな)」
クッパ「ケストラーさんも異論は無いようなので、まず大枠としての戦略を論じて行ければと思いますが」
クッパ「早速言い出しっぺのゾーマさん、貴方だったらこの状況、どう持っていきます?」
ケストラー「(なるほどな、とりあえずはゾーマに一旦前を譲って、失敗を待つという作戦か、悪くない)」
ケストラー「(この流れから今いきなり主導権を持ってこようとしても難しいだろう、一旦静観するか)」
ゾーマ「そうですね、まず資料から見て取れるのは・・・(やべ、いきなり振られると思ってなかった)」
ゾーマ「多くの国々が、だいたい似たりよったりな国力で乱立している、と言えるでしょう」
ゾーマ「これを1つずつ潰していくとなると結構な手間ですから、何かしらの方法で人間同士を争わせるのが良いんじゃないでしょうか」
ゾーマ「例えば、どこかの国の中枢に近いところを買収するなり、手下を送り込むなどして戦端を開かせるとか・・・」
ゾーマ「(ってコレ昔バラモスがやって失敗したんだけどな・・・)」
クッパ「もしくは、どこかの国を裏から操って覇権を握らせて、その上で中枢を一本釣りする、という手もありますね」
ケストラー「・・・・・・・・」
70: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/03(金) 04:46:39.14 ID:ZN2cuK0Y0
ゾーマ「まあやり方はともあれ、そういった離間の策を用いる事で征服にかかるコストを圧縮できると思うんです」
ゾーマ「それによって浮いたリソースは、神関係や主人公対策に回す事で、比較的難易度の低いロードマップがひけるんじゃないでしょうか」
ゾーマ「(何も考えてなかったけど、とりあえず口から出まかせで言ってみたが・・・)」
クッパ「なるほど、悪くない考えだと思います。ちなみに、主人公対策とおっしゃいましたが、その辺についてはどのような対策を?」
クッパ「皆さん身に沁みてらっしゃるでしょうが、結局のところ我々の最大の障害は主人公、その一言につきますからね」
ゾーマ「そうですね、私の前職での反省点として、その辺りが後手後手に回った事で結局プロジェクトが頓挫した、というのがあります」
ゾーマ「改善方法としては、やはり情報収集に注力し、問題の芽は小さいうちに詰む、と、当たり前の事ですがそこを忘れないようにするのが大事かと」
ケストラー「それももちろん有効でしょうが、問題になるのは後ろ盾だと思うんですよね」
ケストラー「主人公の一番の問題点は、後ろに国家や宗教の支援がある、という点だと思うんですよ」
ケストラー「ですから、まずはそっちを切り崩してしまえば、自ずと主人公はただの個人となるわけですから、影響は考える必要も無くなるのでは?」
ゾーマ「それはもちろん理屈としてはその通りですが、それにはかなりのリソースを必要とするのでは無いでしょうか?」
ケストラー「もちろん、容易い事ではないのは承知しておりますが、地道に戦力を強化して行けば可能な目標ではあると思うんですよね」
クッパ「戦力の強化、と一言に言ってしまえば簡単そうではありますが、実際のところ、そう単純な話では無いのでは?」
クッパ「マンパワーを増やせば、それだけ管理も難しくなりますし、コスト、リスクも増大します」
クッパ「それらに対処しながら、正面切って主人公の支援勢力と当たる、というのは実際のところ難しいのでは?」
ケストラー「ああ、誤解があるようですが、戦力の強化は、イコールマンパワーの強化というわけではありません」
ケストラー「もちろん、ある程度の人員は必要にはなるでしょうが、そこは非正規雇用で補うなど、色々手はあるでしょう」
ケストラー「要は短期的にリソースを集約できれば良いのです、そうすれば、あとはコアとなる精鋭チームで業務にあたる事ができます」
試験官「・・・・・・・・・」
71: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/03(金) 05:09:38.06 ID:ZN2cuK0Y0
試験官「(この3人、なかなか面白いな)」
試験官「(ケストラーは計画立案能力は高いが、いかんせん封印期間が長いために自ら動いた経験が足りない)」
試験官「(何しろ、大魔王としての活動期間の大半は封印されており、復活してからの活動歴は非常に短い)
試験官「(だから正論ではあるが、どうしてもセオリー通りにしか物が考えられない)」
試験官「(逆にクッパはこの中で最も経験値が高いだけあって、世界征服という物が思い通りに行かないという事を知悉している)」
試験官「(何しろ試行回数だけでも二桁を超えるというベテランだ、しかも何度失敗しようと挫けないというガッツもある)」
試験官「(カメ一族の長としての人望もあり、人心掌握能力に長けている・・・しかし)」
試験官「(なまじ人望があるだけに、味方を切り捨てる、という発想にどうしても抵抗がある)」
試験官「(その点、ゾーマは二者にくらべてバランスは取れているが、突出した能力に欠ける)」
試験官「(今のところバランサーとして上手く立ちまわっているが、二人が自らの特性を活かし始めた時にどうなるか・・・)」
試験官「(個の戦闘力、冷酷性ではケストラー、統率力、経験値ではクッパ、そしてバランス型のゾーマ)」
試験官「(クジの結果ではあるが、ここまで三者三様な顔ぶれになるとはな)」
試験官「(今のところ、私の採点では3人の実力はほぼ伯仲している)」
試験官「(となると、ここから一歩抜け出す決め手となるのは・・・)」
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/03(金) 07:00:40.93 ID:/37VTn/w0
ダークドレアムさんはでますかw
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/03(金) 07:35:57.84 ID:bNo+RSipo
>>73
魔神カテゴリだしなぁ
98: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 09:18:31.13 ID:FQiOq4lP0
クッパ「(いかんな、このまま行くとまた各論についての話に終始して話が進まない)」
クッパ「まあ、その辺りについて、今我々は判断材料が無いですから、とりあえず後回しにしましょうか」
ゾーマ「主人公対策は重要とは言えど、問題はそこだけではありませんからね」
ケストラー「そうですね、確かにそこだけに拘っては2時間あっという間に終わってしまいますね」
ケストラー「(ちっ、2対1か、一旦引くしかないな・・・説得材料になる数字も無いしな)」
クッパ「奇しくも今、人間勢力、主人公、天界勢力、というお話が出ましたが」
クッパ「他に外部要因としてものプロジェクトに関わってくる問題は何がありますかね?」
ゾーマ「そうですね・・・天界勢力と無関係ではありませんが、こちらの障害となる重要器物や重要拠点の問題がありますね」
ゾーマ「我々の障害となる可能性のある封印や破魔関係の器物や、逆に敵側を利する可能性のある器物、拠点など」
ゾーマ「これらを無力化、無害化するのは世界征服の上では避けられない手順かと思われます」
クッパ「なるほど、ゾーマさんのお噂で聞くところの光の玉のような・・・」
ゾーマ「いや、それを言われるとお恥ずかしい限りですが(クソっ、余計な事を)」
ケストラー「(確かに、そこは考えから抜けていたな・・・しかし、資料にはその項目が無いな)」
ケストラー「(人間勢力の国力に関してはかなり詳細な記述があるにも関わらず、だ)」
ケストラー「(これはもしや・・・)」
ケストラー「試験官、質問です」
試験官「はい」
99: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 09:21:18.43 ID:FQiOq4lP0
ケストラー「今、話題に上っていた天界関係、宗教関係のデータがこの資料には無いようですが」
ケストラー「その辺りについては、未知数のため未だ資料が無い、という事でしょうか?」
試験官「いいえ、ございますよ」
クッパ「な!?」
ゾーマ「えっ!?」
ケストラー「(やはりな)」
試験官「最初にお渡しした資料は、あくまで最低限の物ですから」
試験官「他に必要な物がありましたら、聞いていただければ出せますよ」
ケストラー「なるほど、では、その辺りの資料をいただいても?」
試験官「はい、ではこちらのテーブルの端末にそれらの資料を転送します」
試験官「不完全な情報や、まだちゃんとまとめられていないレポートなどもありますので」
試験官「量が膨大になってしまいますので、雑多なデータになってしまいますが」
試験官「よろしければ参考にして下さい」
ケストラー「ありがとうございます」
クッパ「(しまった!やられた!)」
ゾーマ「(そういう事か・・・)」
100: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 09:27:43.45 ID:FQiOq4lP0
試験官「(ケストラーが最初に気付いたか)」
試験官「(そう、最初に渡した資料はそもそも不完全)」
試験官「(不完全なデータを元に不完全な計画を立てるような人材は責任者として不適格)」
試験官「(また、与えられた状況を活かして最大限の成果を上げるのは当然だが)」
試験官「(指揮官たるもの、その状況そのものを覆すだけの発想力が必要)」
試験官「(それらを図るためのトラップだったが、さすがはケストラー)」
試験官「(長年封印されていただけあって、限られた情報からその意味する所を読み取る分析力は高いな)」
試験官「(一時的に押され気味だったケストラーだったが、これでまた状況はひっくり返った)」
試験官「(しかし、まだ仕掛けられたトラップはこれだけではない)」
試験官「(さて、ここからどうなる事やら・・・)」
101: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 09:57:25.05 ID:FQiOq4lP0
そうだ、今更ですが、ケストラーの設定は漫画版の方のイメージで。
ってみんなハーメルンのバイオリン弾きとか知ってるのかな・・・
104: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 10:21:02.39 ID:FQiOq4lP0
ケストラー「ふむふむ カチッ なるほど カタカタ 」
クッパ「(端末が一つしか無いため、ケストラーに操作を任せるしかない状況になってしまった)」
クッパ「(こうなると、どうしてもしばらくケストラーに主導権を預けておくしかない・・・)」
ゾーマ「(うわっ、コイツはええよ、何書いてあるのかさっぱりだ)」
ケストラー「(フン、オレの速読力には二人とも着いて来られぬようだな)」
ケストラー「(この機会を利用して情報をオレが握り、このまま会議の流れをリードする!)」
ケストラー「(む、これは・・・ほうほう、なるほど、見えた)」
ケストラー「皆さん、ちょっとこちらの表をご覧いただけますか?」
ゾーマ「?」
クッパ「なるほど、遺跡、地方建造物などに関する危険度評価の一覧ですね」
ケストラー「この表と、それからこっちのレポート カチッ」
ゾーマ「天界勢力の年次別戦力推移表?」
ケストラー「はい、この2つを併せて考えると、先ほどの課題だった宗教関係の数字が見えてくるんじゃないかと」
ケストラー「ただ、少々複雑なので、ちょっとお二人のお力も借りられないかと思いまして・・・」
ゾーマ「ははあ、これを見る限りでは、こちらの宗教都市の近くにあるこの遺跡、ココの危険度がかなり高くなりますね」
クッパ「いや、まって下さい、そちらの遺跡の調査に関するレポートが別項にあったかと思いますが」
クッパ「そこにある調査員の所感によれば、これは伝説、噂のみに基づいた推論にすぎず」
クッパ「危険度評価はあくまで参考数値という事だったかと思いますが?」
ケストラー「くっ(なんだと!コイツ、見えてないような顔して、俺の速読にしっかり着いて来ておったか!!)」
クッパ「(ふん、あの程度の速読など造作も無い、長年レースで鍛えた動体視力をナメてもらっては困る)」
ケストラー「あ、いや、これはウッカリしていました、ご指摘ありがとうございます・・・・」
105: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 10:34:34.51 ID:FQiOq4lP0
クッパ「(とはいえまだ勢いはケストラーにある、ここは一矢報いた所で一旦ヤツに寄ろう)」
クッパ「いえいえ、それはともかくとして、ケストラーさんの着眼点には検討すべき価値があるかと思います」
クッパ「この数値があれば、一番やっかいな宗教関係の攻略にかかるコストなどがかなり明確に見えて来ますから」
クッパ「そこに充てるべきリソースが計算できる、つまりプロジェクト全体としてのバジェット感の見当がつく、という事でしょう」
ケストラー「そうなんです、さすがお話が早いですね、それでですね、それに関しましてこちらの数字が・・・」
ケストラー「(くっ、ここで主導権を渡すわけにはいかん、このまま議論のスピードを上げてしまえば)」
ケストラー「(あくまでオレ主導のアイディアでこの事業計画をある程度形にする事ができる)」
ケストラー「(この限られた時間での試験、一度形が出来てしまえば、そう簡単にちゃぶ台返しをする事はできまい)」
クッパ「そうですね、仮にその前提でプロジェクトを進めたとして、この辺りにボトルネックとなる・・・」
クッパ「(仕方がない、ここはそのままケストラーに進めさせよう)」
クッパ「(理がある意見に無意味に噛み付くのは、却って印象が悪くなるだろう)」
クッパ「(良い組織というのは、責任者が何もしなくて良い、というのが定説)」
クッパ「(責任者の仕事は、組織がスムーズに仕事を出来る場を整える事と、問題が起きた時に対処する事だ)」
クッパ「(問題が起きていないならば、ここは歩を進めるのを見守るのがワガハイの仕事!)」
ゾーマ「・・・・・・・・・・」
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 10:41:07.42 ID:JCdZrfTBO
クッパ有能
万能超人マリオのライバルだけあるわ
107: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 11:04:14.42 ID:FQiOq4lP0
ケストラー「〜〜となるわけで、そこから概算すると、大体このぐらいが敵対勢力の総合値になると思うんです」
クッパ「なるほど、そうすると、その数字を元に、こちらとして必要なリソースの量を考える、という方針ですか?」
ケストラー「そうですね、とはいえ採るべき方法が違えば、必要なリソースも変わってきますから〜〜」
ゾーマ「(やべぇ、全然話に入って行けない・・・・)」
ゾーマ「(こいつらペースが早すぎてついていくので精一杯だわ)」
ケストラー「〜〜が大体こちらの倍ぐらいですから、そこから逆算すると〜〜」
クッパ「となると、ここに関しては別でタスクフォースを〜〜」
ゾーマ「(やべえ、マゴマゴしてる間に話がどんどん進んで行く・・・くそ、俺はMP切れたメラゴーストかよ)」
ゾーマ「(しかも、いちいち二人の言ってる事は理にかなってるっぽいから難癖もつけにくい)」
ゾーマ「(重箱の隅をつついてみたら、何か矛盾が出てくるかもしれないが・・・それじゃまさしくただの難癖だし)」
ゾーマ「(うーん、ここは無理に割ってはいろうとするのは愚策だな、しばらく進行は二人に任せよう)」
ゾーマ「(その間に俺は他の部分を考えておくとするか・・・・)」
ゾーマ「(そういえば、他のテーブルはどんな雰囲気なんだろ)」キョロキョロ
ゾーマ「(あっちはこないだ面接で一緒だったバーンさんのテーブルだな)」
バーン「○△☓■・・・$%・・・」
古坂「△☓#・・・&*」
ゾーマ「(くそ、遠くてよく聞こえないな・・・よし、じゃあここは兜につけた第三の目で・・・)」
ゾーマ「(動体視力はないけど、千里眼なら自信があるんだ)」
ゾーマ「(どれどれ・・・おお、なるほど・・・・・・って・・・・・)」
ゾーマ「(アカン、これマズいで!)」
110: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 11:21:18.95 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「(これ、このまま進めさせておくと大変な事になる)」
ゾーマ「(とはいえ、今二人の話は佳境に入っている、これを止めると一気に反感を買う可能性が高い)」
ゾーマ「(しかも、ココでこの話をぶった斬ると、ここまでの30分ぐらいがムダになってしまう)」
ゾーマ「(仕方ない、ここは我慢して、話が一段落するのを待とう・・・)」
ケストラー「〜〜というわけで、それらを総合すると、大体こちらがわで必要になってくる人員はこのぐらいではないかと」
クッパ「まあ、細かい所はあとで検算してみないと分かりませんが、ぱっと見では概ね間違っては無いんじゃないでしょうか」
ケストラー「では、次にその人員をどう確保するか、というお話なんですが」
ケストラー「試験官さん、既存のこのチームのスタッフについての細かい資料はありますか?
試験官「はい、どうぞ、転送しました」
ケストラー「ありがとうございます、では、まずは追加資料の方を見て行きましょうか」
ゾーマ「あ、ちょっといいですか?」
ケストラー「はい?ここまでの話で何か分からない事でも?」
クッパ「(む、コイツ、完全にもうレースから脱落したと思ったが・・・)」
ゾーマ「あのですね、実は、時間がヤバいです」
ケストラー「え、時間・・・ハッ」
クッパ「(しまった!熱中しすぎて時間管理を忘れるとは、不覚!)」
ゾーマ「今の議題を片付けるのに、大体30分かかっています」
ゾーマ「私の所感ですが、これでようやく25%ぐらい、このペースでやっていると時間が足りません」
ケストラー「(くっ、間違っていない、俺の考えでもこのあとまだ3つの議題を残している)」
ゾーマ「もちろん、これはあくまで試験なので、出来る所までやって提出、という事も可能ですが」
ゾーマ「他のテーブルが、もっと粗いながらも、全体を網羅したモノを出して来たとき」
ゾーマ「もしあなた方が部下から計画書を提出されたら、どちらを高く評価しますか?」
ケストラー「ぐ・・・」
クッパ「ぬ・・・」
112: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 11:31:18.02 ID:FQiOq4lP0
試験官「(今度のトラップはゾーマが気付いたか)」
試験官「(そう、この膨大な資料はそのものが実はトラップ)」
試験官「(もし最初からこの量の資料があれば、そもそも網羅出来るわけがないと全員がすぐに判断できただろう)」
試験官「(しかし、不完全な資料の補完として議論が白熱した中盤でコレが出てくると、どうしても読み込まずにはいられない)」
試験官「(そこに気付けるかどうか、というのが第二の関門)」
試験官「(しかし、このテーブルはケストラーとクッパの速読力がかえって災いし、気づくのが遅れた)」
試験官「(他のテーブルと較べて、15分程度の遅れではあるが、しかし、タイミングがタイミングだけに・・・)」
試験官「(ヘタをすればこの遅れは二倍、三倍となって跳ね返ってくる事になるぞ)」
試験官「(ゾーマはさすが、バランス型だけあって視野は広いが)」
試験官「(ここで二人を上手く動かして、この遅れをリカバリーさせる事ができるか?)」
試験官「(面白くなってきた)」
114: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 11:47:54.07 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「とはいえ、ここまで話し合った事はムダではないハズです」
ゾーマ「世界征服で一番やっかいなのは、人間勢力ではなく、天界、宗教関係なのはご存じの通りですから」
ゾーマ「その点についてこれだけ精細に詰める事ができたのはそれなりの成果だと思います」
ゾーマ「ですから、この路線で計画の残りを詰めつつ、時間配分についてだけ先に設定しておきましょう」
ゾーマ「ここまでの計画を主導して下さったケストラーさん、この後についても当然お考えだったと思いますが」
ゾーマ「よろしければ今その内容について、ざっくりとで良いので、お話願えませんか?」
ケストラー「な、なるほど、そうですな、ええと・・・」
クッパ「(上手い・・・やるなこの男)」
クッパ「(議事をリードする人間というのは、自分の考えを聞かせる、という形で情報敵非対称性を作り出す)」
クッパ「(だからこそ、計画が最後まであっても小出しにする事で、他の人間は続きを聞くのを待つしか無くなる)」
クッパ「(しかし、ゾーマはここで時間が無いという理由で、手札を先に全部見せろ、という荒業に出た)」
クッパ「(ケストラーとしては当然そんな事をしたくないが、3人に共通する利害に関わる以上、逆らう事もできない)」
クッパ「(そうなってしまえば、3人の立ち位置は完全にフラットに戻る、せっかく築いたリードも水の泡というわけだ)」
ケストラー「〜〜を設定する事で、最後に、プロジェクトに必要な期間、人員、インフラなどの規模感を導き出す、と」
ケストラー「そういう手順で進めるのが良いかな、と考えてました」
ケストラー「(くっそ!!くっそ!!!)」
115: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 12:05:44.10 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「なるほど、とても整理されていてわかりやすいと思います」
ゾーマ「では、私からの提案ですが、残り時間はあと1時間と少しです」
ゾーマ「ですから、まず、今から数分でその3つの議題について付随する問題点の洗い出しを行い」
ゾーマ「残り1時間になった時点で、20分ずつそれら3つの議題をこなす、とそういう事でいかがですか?」
ケストラー「しかし、それだと最後にレポートをまとめる時間が無いのでは?」
ゾーマ「いや、どのみちこの内容のレポートをしっかりとした書式でまとめようとしたら1時間以上かかります」
ゾーマ「ですから、そんな物は求められていないでしょう、どちらかと言うと、議事録のような形で」
ゾーマ「議論と並行してレポートは纏めていく方が時間が有効に使えると思います」
クッパ「なるほど、確かに、実際の業務でも、レポートを纏めるなどというのは我々の仕事ではないですからね」
ゾーマ「そうです、どちらかというと、部下に渡すための議事録を今ここで作る、という感覚で行けば良いかな、と」
クッパ「わかりました、では、書記は私が引き受けましょう」
ゾーマ「あ、そ、そうですか(む・・・普通ならこんな貧乏くじは引きたくないハズだが・・・)」
ケストラー「では、お任せしましょう(何を企んでいる・・・?しかし、オレがそんな事をやりたくないのも事実)」
クッパ「では、時間も無いですし、さっそく問題点の洗い出しにかかりましょう」
ケストラー「そ、そうだな、ええと、まず思いつくのは、この項目ですが、中ボス格の人材についてですね」
ゾーマ「そうですね、あとは魔力の運用制度についても少し検討の余地がありますね」
クッパ「(ケストラーは計画の骨子を立案した以上は、書記に回らせるわけには行かない)」
クッパ「(かといって、ゾーマはどうも議論から外れると妙な動きをするからケストラーの相手をさせた方が得策)」
クッパ「(となれば、多少の負担は増えるがワガハイが書記を勤めて静観に回るのがベターだろう)」
クッパ「(それに、いざとなれば・・・・)」
117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 12:12:34.31 ID:9awjEdH2o
クッパってよくよくみると結構有能なんだよなあ
マリオがチート過ぎて負けるけど
118: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 12:21:32.86 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「主人公関係については、もう少し資料を参照した方が良さそうですね」
ケストラー「確かに、情報が少なすぎて対策の立てようがありませんね」
ゾーマ「これで2番目、3番目の議題については、争点は見えた感じですね」
ゾーマ「では、次はこちらの・・・・」
ヴィィィィィィィ!ヴィィィィィィィ!
ゾーマ「な、なんだ!?」
ケストラー「ブザー!?」
面接官「皆様、一旦中断して下さい」
ザワザワ
クッパ「何事だ?」
面接官「ただいま、一時間が経過致しましたので、10分間の休憩をとらせていただきます」
面接官「皆様、資料などは机に置いたまま、担当の試験官の指示にしたがって、控室に移動して下さい」
面接官「なお、これより先のグループ内での会話、および資料の持ち出しは厳禁とさせていただきます」
面接官「では、また後ほどお会いしましょう」
ゾーマ「(なっ!!このタイミングで休憩だと!?)」
試験官「(そう、よりによってのタイミングで、知らされていない休憩が間に入る)」
試験官「(もう少し前にゾーマが気付いていれば、もう少しリカバリーできていただろうが)」
試験官「(このタイミングで中断されると、再開した時にスタートダッシュに時間がかかる)」
試験官「(このロスはかなり響くだろう・・・お手並み拝見だな)」
120: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 12:50:16.22 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「まいったなー、休憩っていうか、これイヤガラセに近いよなあ・・・」
ゾーマ「どうしたモンかな、グループのメンバーとも隔離されちゃってるし」
ゾーマ「資料が手元に無いから記憶を頼りに考える事ぐらいしかできない」
ゾーマ「しかもあんな膨大な資料、細部まで覚えてらんねーしなあ」
ゾーマ「それにしても、よくあんな量の資料作ったよなあ、いくら部長待遇の採用試験とは言ってもさあ」
ゾーマ「アレ作るの半端な労力じゃないぞ・・・?1チーム専属で一週間とかそんなレベルだ」
ゾーマ「いくら大企業ったってなあ・・・そんな人員遊ばせておく余裕があるとは・・・待てよ?」
ゾーマ「スマホポチポチ」
ゾーマ「やっぱり・・・・・・そういう事か!!」
ゾーマ「しかし、これをあの二人に伝えたものかどうか・・・」
ゾーマ「携帯の使用については何も言われてないわけだから、これを調べた事自体は問題ないだろうけど」
ゾーマ「それに従って議論を進める、というのは一種のカンニングになるんじゃないだろうか・・・」
ゾーマ「よし、こういう時は相手の立場になって考えよう」
ゾーマ「そもそも、今回の試験、かなり最初から色々と罠があった」
ゾーマ「最初の資料が不完全で、次に出てくるのは時間が足りなくなるほどの膨大な資料」
ゾーマ「おそらくそこに気付けるかどうかが判定基準だったとするならば」
ゾーマ「この量の資料をどうやって作った?という疑問に至る事も織り込み済みだろう」
ゾーマ「ならば、この点に気付いた上で計画書を作成して出してくる、というのが向こうの想定なんじゃないだろうか」
ゾーマ「少なくとも、もし俺が幹部を採用するなら、そこに気付ける人材を求める」
ゾーマ「よし、ならば早い方がいいな、休憩終了と同時に二人にこの話をしよう」
121: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 13:18:37.43 ID:FQiOq4lP0
面接官「では、これより試験を再開したいと思います」
面接官「残り一時間からスタートです、どうぞ!」
ゾーマ「あのですね、ちょっとこの資料のプロジェクトについてお話があるんですが」
ケストラー「ああ、丁度私もそれをお話しようと思ったんですよ」
クッパ「なんだ、もしかして二人共・・・」
ゾーマ「あれ、皆さんも気付いてました?」
ケストラー「それはまあ、ここまでも資料に色々と不自然な点が多かったですからね」
クッパ「当然、誰がコレを作ったんだろう、という疑問に行き着きますね」
ゾーマ「では、このプロジェクトが・・・」
クッパ&ケストラー「「実在したものだった」」
ゾーマ「あ、なんだ・・・ははは」
ケストラー「ニヤリ」
クッパ「ガハハハハ」
ゾーマ「それなら話は早いですね」
クッパ「そう、既にこのプロジェクトはもっと先まで進められていて」
ケストラー「そして、いかにして失敗したか、というモデルケースもあります」
ゾーマ「ですね、あとは、その失敗を教訓に、再発防止策を講じれば、半分以上の問題は解決できます」
クッパ「とはいえ、時間に余裕があるとも言えないですからね、さくさく進めましょう」
ゾーマ「異議なし」
122: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 13:23:07.76 ID:FQiOq4lP0
試験官「(なんとまあ・・・・)」
試験官「(最終トラップに気づくのが3人同時とはな)」
試験官「(そう、これは架空のプロジェクトではなく、とあるマイナー世界で実際にあったプロジェクト)」
試験官「(今回の新部門設立にあたって集めた過去のケーススタディ用資料の一つだ)」
試験官「(そこに気付けるかどうかも判定材料ではあったが、同時に、これは気付いた人間が一躍有利になる)」
試験官「(それによって生まれる残り二人との軋轢をいかに処理するか、という点も重要だったんだが・・・)」
試験官「(3人同時だった事により、軋轢が生じずにむしろチームがスムーズに回り出したようだ)」
試験官「(議論の方向修正を行い、いざリスタート、というタイミングで休憩が入ったのが却って功を奏したのかもな)」
試験官「(こうなってくると分からないな、他のテーブルに較べて遅れていた議論が一気に進む可能性もある)」
試験官「(上の人間がどう判断するか分からないが、個人的にはこの3人の誰かに通ってもらいたいものだ)」
123: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 13:50:56.90 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「〜〜が〜〜となるわけで、そのまま地道に勢力を広げて行けば・・・」
ケストラー「いや、それはもちろん重要ですが、それだけでは不十分かもしれません」
ケストラー「ここは意表をつくような搦手からの攻めがあっても良いと思うんです」
ゾーマ「なるほど、例えば?」
ケストラー「いや、私はその辺り、あまり明るくないですから、よろしければクッパさん何かお考えはありませんか?」
クッパ「えっ、ああ、そうですねえ、ありきたりではありますが、要人誘拐などは効果的かと思いますね」
クッパ「もしくは、地図を見るとココに火山があるようですので、溶岩を利用した戦略なども考えられるかと」
ケストラー「なるほどなるほど、ではそういったオプションも踏まえて進められるような体制にしておいた方がいいですね」
ゾーマ「あとは、この女神勢力ですが、数値はこうありますが、どうでしょうね、直接叩くというのは」
クッパ「うーん、数値だけ見せられても、今ひとつそこ、実感わかないんですよねえ」
ゾーマ「私もクッパさんも、天界系の人達とは直接対決したことありませんからね、ケストラーさん、どう思います?」
ケストラー「あー、うーん、私の経験からするとですね、やはりアッチの人達は手強いですからね」
ケストラー「確実を期すならば、この段階では触るべきではないのかな、という気がしますね」
クッパ「なるほど、そうなると、やはりここは世界征服の方を優先して、天界に討って出るのは後回しですかね」
試験官「・・・・・・・・」
試験官「(後半に入って、前半の停滞がウソのように話が進み始めた)」
試験官「(お互いを好敵手と認めたのか、それぞれの特性を活かし合いながら、プロジェクト全体をブラッシュアップしている)」
試験官「(さすがは名だたる大魔王たち、度量の大きさもハンパではない、という事か)」
124: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:12:35.51 ID:FQiOq4lP0
ケストラー「さて、これで概ねまとまった、と言えるんじゃないでしょうか」
クッパ「そうですね、あとは問題はこれを遂行する事が可能か、という問題ですが・・・」
ケストラー「物理的には可能でしょうが、問題は士気ですね」
クッパ「どうしても最低限の損耗率は織り込まないといけませんしね・・・・」
ケストラー「どう思います?ゾーマさん」
ゾーマ「え、私ですか?いや、お二方のお考えは?」
クッパ「私は今まで使ってきた部下は基本、生え抜きの気心の知れば部下ばかりなんですよ」
ケストラー「私の場合は、私の魔力がなければ部下は生命が維持できませんでしたからね、士気なんか考える必要が無かったんです」
クッパ「なので、今回のように、見ず知らずの部下を率いて事業にあたる、という経験があるのはゾーマさんだけなんです」
ゾーマ「なるほど・・・確かに私が前職で率いたのは、あちらの世界の土着の魔物たちが多かったですが・・・」
ゾーマ「その経験から言うなら、おそらく問題は無いでしょう」
クッパ「ほう?」
ゾーマ「中ボス格や幹部格の部下たちも、今並行して募集しているそうです」
ゾーマ「という事は、実際に我々の下に配置されるのも、しっかりとした意識を持ったプロフェッショナルだと思います」
ゾーマ「彼らは、確かに一癖も二癖もある扱いづらい人材である場合もままありますが」
ゾーマ「大魔王として、我々がしっかりと実力さえ示せば、彼らは認めてくれると思います」
ゾーマ「ですから、我々3人、誰がこのプロジェクトを指揮したとしても、士気が下がるなんて事は考える必要がない」
ゾーマ「そうじゃありませんか?」ニヤッ
ケストラー「いやいや、大きく出ましたな」ニヤリ
クッパ「ガハハハ、いや、その通りですね」
126: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:31:40.68 ID:FQiOq4lP0
クッパ「おっと、もうそろそろ時間ですね、ここまでのまとめはこんな感じですが」ペラッ
ゾーマ「ふむふむ」
ケストラー「なるほど、いや、素晴らしい」
ゾーマ「議論に参加しながらよくこれだけ書けるものですね」
クッパ「いやいや、大筋はお二人で作って下さったので楽なものでしたよ」
クッパ「では、最後にお二人の署名を入れて」
ゾーマ&ケストラー カキカキ
クッパ「これにて完成ですね、お疲れ様でした」
ゾーマ「お疲れ様でした」
ケストラー「お疲れ様でした」
キンコンカンコーン
面接官「はい、では時間になりました」
面接官「担当の試験官まで、レポートの提出をお願いします」
面接官「では、これにて最終試験終了です、本日はお疲れ様でした」
面接官「結果については、また後日お知らせさせていただきます」
面接官「では、お気をつけてご帰宅下さい」
127: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:33:29.58 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「(あー疲れた、でも心地良い疲れだな)」
ゾーマ「(やるだけはやったしな、これで落ちたら仕方ない、俺の実力不足って事だ)」
クッパ「あの、ゾーマさん、ケストラーさん」
ゾーマ「はい?」
ケストラー「なんでしょう?」
クッパ「この後、お二人は何かご予定が?」
ケストラー「いや、試験時間が分からなかったので、後には何も入れてませんが・・・」
ゾーマ「私もです」
クッパ「それじゃ、これもせっかくのご縁って事で、その辺で一杯いかがですか?」
ゾーマ「そう・・・ですね、せっかくですからね、前々からお二人とも名前は聞いてましたが、お話するのは今日はじめてでしたし」
ケストラー「いいですね、今回の採用試験がどうなるにせよ、今後とも同じ業界で何かとお世話になるかも知れませんし」
クッパ「ですね、それじゃ駅前でどこか入りましょう」
128: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:36:04.74 ID:FQiOq4lP0
ザワザワガヤガヤ
クッパ「あ、すいませーん、生おかわりと・・・」
ゾーマ「あ、じゃあ俺も生で」
ケストラー「こっちはハイボール一つで」
ゾーマ「いやー、それにしてもクッパさんそんなに子沢山だったとは・・・」
クッパ「まあ、厳密には7人は子供というわけでもないんですが」
クッパ「何にしても8人も家に子供が居るともう大騒ぎですよ」
ゾーマ「そりゃあそうでしょうなあ・・・ケストラーさんはお子さんは?」
ケストラー「いやあ、それがお恥ずかしい話ですが、ウチは子供がすっかりグレちゃってまして・・・」
クッパ「おや、反抗期で?」
ケストラー「いや、というか、実は私がやられた主人公って、子供二人なんですよ」
ケストラー「元々、聖女との間に子供作って、大きくなったら食べてやろうと思ってたらですね」
ケストラー「ものの見事にやり返されまして」
クッパ「うわぁ(笑)」
ゾーマ「いや、さすが残虐性では右に出る者ナシと言われるケストラーさんですね」
ケストラー「いやいや、ただのワガママ野郎ですよ、それを言ったらゾーマさん」
ゾーマ「え?」
ケストラー「貴方の台詞、もう魔王業界じゃ伝説ですよ、ほら、アレ、滅びこそ我が喜び、ってヤツ」
ゾーマ「え、ああ、アレはまあ、その、つい勢いで言っちゃって///」
129: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:38:01.14 ID:FQiOq4lP0
ゾーマ「そ、それはそうと、今日の試験、他のテーブルはどうだったんでしょうね」
クッパ「さあ、どうでしょうね、まあ、他のテーブルも名だたるメンツでしたからねえ」
クッパ「なかなか油断は出来ないと思いますが」
ケストラー「ま、こればかりはもう我々には分かりませんからね、経営陣がどう判断するか、というお話ですよ」
ゾーマ「まあそうですねえ、ここで気をもんでも仕方ないですね」
ケストラー「でもアレですね、お二人とも前々からお名前は聞いてましたが、改めて今日ご一緒して、さすがだなあ、って」
クッパ「いやいや、やめて下さいよ、私なんてただのカメですよ、それもマリオに何敗してるか分からない・・・」
ゾーマ「いやあ、何度でも諦めずに挑むというだけでも凄いですよ、大魔王の鑑というか」
ケストラー「そうそう、そもそも主人公が相手じゃ仕方ないですよ、そこはもう何というか、宿命ですからね」
クッパ「まあ、そもそも何で世界征服なんてやろうと思ったんだろう、なんてたまに自問する事もあるんですけどね」
ケストラー「いや、そこはやっぱりロマンですよ、なんで大魔王になった?って言われたって、理由なんか無いんですよ」
ゾーマ「そうそう、俺なんか、ただ単に人々に恐怖を与えたい、人々の死や苦しみが嬉しい、ただそれだけの理由でしたから」
クッパ「いや、やはりそれ聞くと、ゾーマさんは大魔王になるべくしてなったんだなあ、って思いますよ」
ゾーマ「そんなそんな、勘弁してくださいよ」
131: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:43:10.67 ID:FQiOq4lP0
ケストラー「いやあ、そんなこんなしてる間に良い時間ですね」
ゾーマ「あ、ホントだ、それじゃそろそろお開きにしますか?」
クッパ「そうですね、って、何で私ら採用試験の後にこんな所で慣れ合ってるんでしょうねw」
ケストラー「いやまあ、いいじゃないですか、もう試験は終わったんですから」
ゾーマ「そうそう、まあもちろん、結果は気になりますけど、お二人のどちらかが受かっても私は素直に納得できますね」
クッパ「ガハハハ、そうですね、ま、この3人の誰が採用になっても恨みっこはナシって事で」
ケストラー「なーんて、全然関係ないテーブルのヤツが通ってたりしてw」
ゾーマ「いやいやいや、それは無いと信じましょう」
クッパ「あ、そうそう、せっかくですからお二人の連絡先お聞きしても良いですか?」
ゾーマ「そういえばそうですね、改めまして、ゾーマと申します」スッ
ケストラー「おお、カッコ良い名刺ですねー」
ゾーマ「いやぁ、この名刺使うのもコレで最後、ってなるといいんですが」
クッパ&ケストラー「「(笑)」」
クッパ「では、またお会いできたら良いですね」
ケストラー「そうですねー、あ、もしお二方のどちらか採用になってたら、お祝いのメールしますね」
ゾーマ「いやいや、やめて下さいよ、なんか怖いっすわそれ(笑)
クッパ「では、私はこっちなんで」
ゾーマ「あ、では私はルーラで帰るんで」
ケストラー「ではでは、お疲れ様でした!またどこかでお会いしましょう〜」
■ゾーマはルーラを唱えた!!
134: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:54:05.93 ID:FQiOq4lP0
---こうして、大魔王たちの戦いは終わった
しかし、彼らの戦いが実を結ぶ事は無かった・・・
募集を行った○○社の大規模な粉飾決算が発覚し
事業の縮小と、新規事業の凍結を発表したのは2ヶ月後の事であった
ゾーマ「○○社よ、よくぞワシを謀った」
ゾーマ「しかし光ある限り闇もまたある。ワシには見えるのだ。再び良い条件の募集があるだろう。」
ゾーマ「だがその時ワシは年老いて応募できないかもしれん。はははは…。ぐふっ。」
136: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 14:55:37.71 ID:FQiOq4lP0
くぅ疲です。
「部長クラスをヘッドハントするのにそんな採用試験しねーだろ」ってツッコミは禁止。
137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 14:59:01.80 ID:StUXaZWYo
かなしい
楽しませてもらった
おつ
138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:03:11.03 ID:9gLLh9zDO
おつ
今度は勇者募集で…と思ったが、脳筋ばっかでディスカッションにもならなそうだな
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:21:56.43 ID:lppA/n/SO
おつおつ!
しかし、大魔王たる者、起業して一国一城の王になるべきなんじゃないですかねぇ(ゲス顔)
>>138
お、王族系の勇者なら帝王学を身に付けて賢いはずだから!戦闘が脳筋なだけだから(震え声)
139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:08:17.87 ID:6m5cswPRo
面白かった
乙
144: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 15:29:07.37 ID:FQiOq4lP0
最後に反省点一個だけ
GDこんなに長くなるなら知名度の高いバーン様をこっちに持ってくればよかった
けど、大魔王ケストラーは作者にすら嫌われるくらい清々しいヤな奴なので
最近の悪役は物足りない、って思った人は是非ハーメルンのバイオリン弾きを読んでみてくれ
以上、ハーメルンのステマ。
141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:27:08.56 ID:xirltVISO
クッパが書記になって、いざとなれば何をしようと考えてたのか気になる
146: ◆Ci93ETY3/Wr3 2015/07/04(土) 15:38:31.15 ID:FQiOq4lP0
>>141
ああ、それは最初、書記の立場で自分の有利になる事を書いて
時間間際になって他の二人が気付いても書き直すヒマが無い
みたいな小ズルい事させようかと思ったんだけど
色々考えて辞めたんで伏線だけ宙ぶらりんになっちゃった
147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:45:19.41 ID:5Qh414oSO
面白かった乙乙
148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 15:57:48.88 ID:v39mJZCC0
乙、楽しませてもらいました
・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
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