塔子「貴志君、私の裸見た?」【夏目友人帳】
貴志「われを守りしもの、その名を……。ハアハア、今日はこれで終わりにしよう……」
ニャンコ先生「また勝手に名前を返しおって。友人帳がこんなに薄くなってしまったではないか」
貴志「体力が続かないな、これだけ連続だと」
ニャンコ先生「だから、名前を返すなんてつまらんことをせずに友人帳を渡せ」
貴志「先生、しつこいぞ。あ、すっかり遅くなってしまったな。さっさと風呂に入って寝よう」
貴志「あれ、電気つけっぱなしだ。滋さん、消し忘れたのかな……」
ガラガラ
塔子「ん……?」
貴志「あれ……?と、塔子さん!!!」
塔子「キャー!」
貴志「す、すみません!」
滋「なにかあったのか!?」
貴志「塔子さんがお風呂に入っているのに気がつかずに、間違ってお風呂場をあけてしまったんです」
滋「なんだそんなことか」
貴志「本当にすみません。何てお詫びをしたら……」
塔子「そんな気にしなくていいわよ。減るもんじゃないんだから」
貴志「でも……」
塔子「滋さん!!」
滋「すまん、すまん。そうだ、貴志、たまには男同士一緒に風呂入らないか?」
貴志「あ、ハイ……」
塔子「じゃあ、私は先に休んでますね」
貴志「お休みなさい。どうもすみませんでした」
塔子「大丈夫よ」トコトコトコ
貴志「はい」コシコシ
滋「お父さんの背中を流したことは?」
貴志「あまり」
滋「悪いことを訊いたな……そうだ、いままで女の人の裸を見たことはあるかい?」
貴志「いいえ」
貴志「そんなこと無いですよ。塔子さんまだ……っていうか、えーと美人じゃないですか。ただ、ビックリしすぎてしてどう反応していいかわからなくて」
滋「そうか。私がはじめて女の人の裸を見た時はそれはもうドキドキして」
貴志「それは塔子さん?」
滋「いや違う」
貴志「その頃の恋人さんですか?」
滋「恋人というわけじゃないが」
貴志「?」
貴志「!!」(まさかレイコさん!?)
滋「おや、どうしたんだ、そんな驚いた顔して……」
貴志「妖怪を……いや、家を少し壊したあとはあまり話すことはなかったって言っていたから」
滋「よく覚えていたね。確かに家に変な事が起こらなくなってから、ずっと相手にしてくれなかった」
貴志「……」
貴志「……」
滋「あの人がいつも独り言をいいながら歩いていた森の小道で待ち伏せした」
・・・数十年前・・・
滋「おい、待てっ」
レイコ「ん!!私のお気に入りの子に化けるなんて姑息な手を使うなっ!」
滋「化ける……?」
滋「おれの偽者なんかいるのか?」
レイコ「そういうわけじゃないけれど……どうしたの、こんな人気の無い森の中で」
滋「どうしたのって……」
レイコ「フフ、私に遊んで欲しかった?」
滋「そ、そうじゃない!ただ、そのう中学生になったって……」
レイコ「君はもう中学生になったんだ!制服格好良いわよ。人間の子ってすぐに大きくなるのね……」
レイコ「ゴメンゴメン。そういうつもりじゃなかったのよ。ただ成長が速いってことに驚いただけで」
滋「なら、許してやる」
レイコ「本当に面白い子。で?」
滋「その……何でおれから逃げるんだ?」
レイコ「逃げてるわけじゃないわ……」
レイコ「君に迷惑が…皆に仲間はずれにされるわよ、私と一緒にいると。私が皆に嫌われてるの知ってるでしょ?」
滋「友達多いからそんなことにはならないさ」
レイコ「中学生になっても無神経なのね、まあ良いわ」
滋「その日から、また少しは話をしてくれるようになったんだ」
貴志「レイ…いや、その人はその頃、何をしていたんですか?」
滋「高校は卒業していたようだが、私生活についてはなにも教えてくれなかった」
貴志「そうですか……」
滋「なにかどうしても言えない秘密があるようだった」
貴志「……」
滋「それからまたしばらく経った頃のこと……」
レイコ「また来たの?」
滋「うん」
レイコ「私と一緒にいたらろくなこと無いわよ」
滋「そんなことない!」
レイコ「しょうがない子ね」
滋「子供じゃない!」
滋「何もおきてないよ。ただあの後、襖の交換とか障子の張替えとかすごい大変で……」
レイコ ジーッ
滋「おれの顔になにか付いてるか?そんなじっと見て」
レイコ「ううん。君の後ろに蚊が飛んでいたから」
滋「そうか。でさ、畳もね……」
レイコ「やめなさいっ!!」ガツン
レイコ「私と一緒にいると……じゃなくて、後から、えーと蜂が……」
滋「たかが蜂にオーバーだよ。で、蜂はどこ?」
レイコ「追い払ったわ。でも、また出るかもしれない、私、虫に狙われやすいのよ。今日は帰りましょうか」
滋「うん……だ、だけど結構重いんだね」
レイコ「ごめんなさい、上に乗っかっちゃって。でもね、重いのならそろそろ離してくれない、立てないでしょ?」
滋「……」ギュ
滋「……」
レイコ「こんなことしてたら家に帰れないじゃないの。夜になったらお化けが出るわよ」
滋「お化けなんかいるもんか」
レイコ「そうね……」
滋「もうちょっと一緒にいたいんだ」
滋「……」
レイコ チュ
滋「え?」
レイコ「私のファーストキスよ。もういいでしょ、これで我慢しなさい」
滋「ファースト……?」
レイコ「私が初めてキスした人は君ってことよ」
滋「初めて……でも……」
滋「だ、だけど名前もまだ教えてもらってない!」
レイコ「名前ねえ……名前を受け取るということはすべてを支配するって言うことよ。その覚悟ある?」
滋「すべてを…覚悟…」
レイコ「ね、無理でしょ。だから早く……」
滋「か、覚悟はある!」
レイコ「覚悟がある?何の覚悟があるの?」
レイコ「私が君のお嫁さん?ハハハ…」
滋「笑うな!」
レイコ「ゴメンゴメン。だけどね、友達になってくれるって言われたこともない嫌われ者の私をお嫁さんにしたいの?」
滋「だって優しいし……」
レイコ「私が優しい?アハハ、本当に君は人を見る目が無いのね」
滋「そんなことない!」
滋「おれがみんな解決してやらぁ」
レイコ「フフ、嬉しい事言ってくれるわね。でもね、お嫁さんにするなんて軽々しく言ってはいけないのよ。君がお嫁さんをもらう頃にはたぶん……」
滋「え?」
レイコ「なんでもない。ただね、あのあたたかい優しい家に災いが……」
滋「そんなこと起きるわけない!」
滋「全て……?」
レイコ「早く!」
滋「あ、はい」
レイコ「よいしょっと。私に経験があれば優しく教えてあげれるんだろうけどね……」シュルシュル
滋「な、なんで服脱いでるんだ」
レイコ「すべてあげるって言ったでしょ。君も早く脱ぎなさい」
レイコ「なにおどおどしてるの?女の体見るの初めて?」
滋「あたりまえだろう!」
レイコ「そういえば、私も初めてね。あら中学生でもちゃんと……。ねえ、私キレイ?」
滋「う…ん」
レイコ「ありがとう。こっちへ来て。私も保健の授業で習っただけだから上手くいくかどうかわからないけど……」
滋「はっと気がつくと、もうあの人はいなかった」
貴志「気がつくと?」
滋「まるで、眠らされたように意識が遠くなったんだ。興奮しすぎたのかもしれないね」
貴志「眠らされたように……」
滋「だからよくわからないんだ、どこまでが現実でどこからが幻なのか。ひょっとしたら全部夢だったのかもしれない……
ただ、”これでお別れ、二度と私のことなんか思い出しちゃダメよ。私の近くにいると君と君の家に災いが寄っ
コメント一覧
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- 2015年07月06日 21:58
- 筆おろしが入ってないやん!筆おろしが読みたいからこのSSを読んだの!
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- 2015年07月06日 22:42
- SS自体は良かったけどなんかいい話で申し訳ない気持ちになった
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- 2015年07月06日 22:51
- あの夫婦本当にいい人達だよなマジ良心
5期は出ましたか?
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- 2015年07月06日 22:56
- この申し訳なさはなんなんだ?
期待を裏切られたのは俺のはずだ
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- 2015年07月06日 23:14
- 求めてるものは違うんだ、みんなのヒロイン塔子さんの痴態が見たいんだ
いやこれが一番いいんだろうけどさ
子供が出来ないのは滋さんが不能だからで溜まった欲求を夏目にぶつけて…とか期待したのは俺だけじゃないんだ
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- 2015年07月06日 23:23
- 明らかに騙されたのにこっちが悪いみたいじゃないか
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- 2015年07月06日 23:34
- 詐欺だ…スレタイ詐欺だよ…
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- 2015年07月06日 23:42
- 心の弱みにつけいるあやかしだ
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- 2015年07月06日 23:42
- 俺が言いたかったことが↑で全て出ていた
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- 2015年07月06日 23:54
- 人間の女に化けたにゃんこ先生とにゃんにゃんするSSはまだですか
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いや、良SSなんだけど
決定的に何かが違うんだよ・・・
俺のち○こ先生はどうすればええの?