転載元:(´・ω・`)「李徴!李徴じゃないか!」彡(゚)皿(゚)
彡(゚)(゚)「ワイは隴西の李徴。天才や」
彡(゚)(゚)「はっ、そこらの凡愚どもと一緒に馬鹿みたいな仕事するのは耐えられん」
彡(゚)(゚)「仕事やめて故郷に戻って詩作するわ。他人となんか関わらんわ。だってクズだし。ワイ天才だし」
彡(^)(^)「ゴミみたいな上司に頭さげるよりも、詩人として100年の名を遺す方がええやろ」
彡(゚)(゚)「あかん・・・ぜんぜん上手くいかへん。クソ!誰もワイを認めへん。あああああああああああ!」
(´・ω・`)「パパー。お腹すいたよー」
彡(゚)(゚)「クソったれ。金がない・・・・・・都にもどって仕事するしかないか・・・あぁワイには才能がないのか・・・」
・【R-18】兄「女装してたら弟に告白された」【胸糞注意】
・男「俺のち○こはこの世で最も強い」
・ヴォルデモート「ポッターを倒して俺様が勝った」
・魔法使い「勇者さんは、私の命の恩人ですから」勇者「いいえ」
・【閲覧注意】貞子「俺!!お前の事好きだぜ!!ビデオ見てくれたから!!」
彡(゚)(゚)「畜生。かつてバカにしてたカスどもが出世しまくってる・・・ワイはあんなカスどもに命令されなきゃいけないのか・・・」
彡(゚)(゚)「あーあ・・・何も楽しくない。畜生・・・やってられん・・・カスどもがカスどもがカスどもが・・・」
彡(゚)(゚)「なに?出張?はいはい・・・汝水のほとりの宿で眠るわ」
彡()()「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ガバッ
(´・ω・`)「うわお客さん!どうしたんです!」
彡()()「いこrこvfhdsfkrjちじゅろgtjhごれkgvtにhじょgふぇもう」
(´・ω・`)「お客さん!どこいくんです!おーい!探すぞー!」
(´・ω・`)「いた?」
(´・ω・`)「いや・・・どこいっちゃったんだろうなぁ・・・」
一年後
(´・ω・`)「ちょっと嶺南まで出張してきますね」
(´・ω・`)「袁さんいってら」
(´・ω・`)「ふぅ。商於で休も。さて、一晩経ったし、でるか」
(´・ω・`)「旦那、待ってください。ここらには実は、夜中に虎がでるんですわ。まだ朝早いから、ちょっと待ったほうが」
(´・ω・`)「こっちは人数が多いから大丈夫。さぁいくぞ」
(´・ω・`)「ん。林中の草むらからなにかが飛び出してきたぞ!うわ、虎だ!」
彡(゚)皿(゚)「!」
(´・ω・`)「うわ・・・あっぶねぇ・・・って、ん?」
彡(゚)皿(゚)「あぶないところだった・・・あぶないところだった・・・」
(´・ω・`)「この聞き覚えのある声・・・まさか、李徴!ぼくの友達の李徴じゃないか!」
彡(゚)皿(゚)「うっ・・・ぐすっ・・・・・・・・そうや・・いかにもワイが李徴や」
(´・ω・`)「李徴。懐かしいなぁ。元気だったかい?どうして草むらに隠れてるんだい?」
彡(゚)皿(゚)「人じゃない姿になってるからや。この姿を見れば、きみはワイのことを気味悪く思うだろう」
彡(゚)皿(゚)「でも、君に会えて嬉しい。どうか、このまま、ちょっとだけワイと話してくれんか?」
(´・ω・`)「もちのろんさ。李徴。・・・おい、お前ら、ちょっと休んでいくぞ。さぁ李徴、最近みやこでは・・・」
彡(゚)皿(゚)「そうか。きみは出世したんか。おめでとう」
(´・ω・`)「ありがとう。ところで聞いてもいいかな。どうしてきみは、虎の姿になってしまったんだい?」
彡(゚)皿(゚)「・・・あれは一年前・・・」
彡(゚)皿(゚)「一年前、汝水のほとりの宿で眠っていると、ワイを呼ぶ声が聞こえてな」
彡(゚)皿(゚)「声に従って外にでると、なおもワイを呼ぶ。無我夢中で声を追いかけていると」
彡(゚)皿(゚)「いつの間にか道は山ん中に入ってて。いつの間にか手を地面につけて走ってた」
彡(゚)皿(゚)「全身に力が満ちてて、手足には毛が生えてる。岩も軽々に越える」
彡(゚)皿(゚)「少し明るくなってから川で見てみると、既に虎になってたんや。夢かと思った」
彡(゚)皿(゚)「でも夢みたいだけど夢じゃなかった。怖かった。なにがなんだかさっぱり分からん」
(゚)皿(゚)「理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ」
彡(゚)皿(゚)「死のうかなぁって思った。しかしそのとき、目の前にウサギが通って、人間の心を失って、気づけば口が血まみれになってた」
彡(゚)皿(゚)「これがワイの虎としての初めての経験や。それからワイがどんな生活を送ったかは、とても言えん」
彡(゚)皿(゚)「ただ、一日に数時間は人間の心が戻ってくる。そのときは物を考えることもできるし、喋ることもできる」
彡(゚)皿(゚)「でも日に日に、人間の心が失われていくのが分かる」
サンガツ記
(゚)皿(゚)「前は『なんでワイは虎になったんやろ』って考えてたのに、今は『なんでワイは人間やったんやろ』と考えてる」
彡(゚)皿(゚)「これは恐いことや。もうちょっとすれば、ワイの心は畜生の習慣のなかに埋もれて消える。古い宮殿の礎が次第に砂に埋まるように」
彡(゚)皿(゚)「しまいにぐうの音も出ないほど虎になって、道で友にあっても気づかず、裂いて食っても何も感じんようになる」
彡(゚)皿(゚)「ワイは最初からこんなんじゃなかったかと思い込んでんのか? いや、そんなことはどうでもええ」
彡(゚)皿(゚)「ワイの中の人間がすべて消えてなくなれば、ワイは幸せになれるやろうな。でもワイの中の人間は、それはめっちゃ恐がっとる」
彡(゚)皿(゚)「あぁ。切ないわ、哀しいわ、ワイが人間だった頃の記憶がなくなんのわ。
彡(゚)皿(゚)「この気持ちは誰にもわからんやろ。ワイと同じ目に合わなければ」
彡(゚)皿(゚)「そうや。ワイがすっかり人間やなくなる前に、君にひとつ、お願いがあんねん」
彡(゚)皿(゚)「ほかでもない。ワイは詩人として有名になるつもりやった。けど、成果を残せんうちにこんなんや。
彡(゚)皿(゚)「かつて作った何百もの詩はまだ世に出てへん。遺稿もどっかいって分からん」
彡(゚)皿(゚)「でも今も言える詩が数十あんねん。これをワイの為に記録してほしいねん。いや、これで詩人面したわけやあれへん」
ぐう名作
彡(゚)皿(゚)「上手いか下手かはともかく、頭がおかしくなるまでワイが人生かけて執着したものを、ちょっとでも伝えんことには死んでも死にきれへん。」
(´・ω・`)「わかった。おい、草むらから聞こえる声を、筆と紙を用意して書き留めるんだ」
彡(゚)皿(゚)「」
(´・ω・`)(ほぉ。すごい。長短三十編、高雅で卓逸、非凡の出来栄えだな・・・でも・・・)
(´・ω・`)(なるほど、素質が一流であることは疑わない。しかし、一流の作品になるには、なんかどっか微妙に欠けてる点があるような)
彡(゚)皿(゚)「ふぅ・・・・・・ははっ・・・ははは」
彡(゚)皿(゚)「恥ずいことやが、今でも、こんなくっそ情けない身になっても、ワイは、ワイの詩集が風流な連中の机上に置かれてる様子を夢に見たりするんや」
彡(゚)皿(゚)「岩窟の中で横になって見る夢や。草生やしてくれ。詩人になれずに虎になった哀れな男を」
(´・ω・`)(・・・李徴ってこうやって自嘲する癖があったな・・・)
彡(゚)皿(゚)「そうや。草生やすついでに、今の想いを詩にしてみようか。この虎のなかに、かつての李徴が生きてる徴に。
彡(゚)皿(゚)「偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃
今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高
我為異物蓬茅下 君已乗 気勢豪
此夕渓山対明月 不成長嘯但成」
彡(゚)皿(゚)「どうしてこうなったか分からへん、とさっきは言ったが、でも考えようによって、思い当たることがないわけやない」
彡(゚)皿(゚)「人間やったとき、ワイは他人との交わりを避けた。他人はワイを倨傲だ、尊大だといった」
彡(゚)皿(゚)「実は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らんかった」
彡(゚)皿(゚)「もちろん、かつては郷党の鬼才と言われたワイに自尊心がなかったとは言わん」
彡(゚)皿(゚)「しかし、それは臆病な自尊心というべきものやった」
彡(゚)皿(゚)「ワイは詩で有名になろうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨することもせーへんかった」
彡(゚)皿(゚)「かといって、ワイは俗物と関わることもしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為や」
彡(゚)皿(゚)「ワイは天才じゃないかもしれんってことに怯えて、あえて苦労しようとせず」
彡(゚)皿(゚)「また、ワイは天才なんやと半分信じるから、努力もせーへんかった」
彡(゚)皿(゚)「ワイはだんだん世を離れ、他人と遠ざかって、憤悶と慙恚とによってますますワイのなかの臆病なる自尊心を飼い太らせる結果になったんや」
彡(゚)皿(゚)「人は誰でも猛獣使いで、猛獣ってのは人それぞれの性情だという」
彡(゚)皿(゚)「ワイの場合、この尊大な羞恥心が猛獣やった。虎やった」
彡(゚)皿(゚)「こいつがワイを損い、妻子を苦しめ、友を傷つけ、ついには自分の見た目をこんな風に、内心にふさわしいものに変えていったんや」
彡(゚)皿(゚)「今思えば、まったくワイは、ワイのもってたちょっとばかしの才能を無駄にしていたわけや」
彡(゚)皿(゚)「人生は何かするには長いけど、何もせんかったら短い、なんて口先ばかりの警句をいいながら」
彡(゚)皿(゚)「実際は才能が無いってことを暴露するかもしれないって卑怯な危惧と、苦労を面倒くさがる怠惰とがワイのすべてやった」
彡(゚)皿(゚)「ワイよりも遥かに才能がないのにそれをしっかり磨いたから、堂々たる詩人になったものがいくらでもおる」
彡(゚)皿(゚)「虎になった今、ワイはようやくそれに気づいた。それを思うとワイは今も胸を灼かれるような後を感じる」
彡(゚)皿(゚)「ワイにはもう人としての生活はできん。たとえ今、頭ん中でどんな優れた詩を書いても、どうやって発表するんや」
彡(゚)皿(゚)「ましてワイの頭は日に日に虎に近づく。どうすりゃええねん。ワイの無駄にした過去は?」
彡(゚)皿(゚)「ワイは堪らくなる。そんな時ワイは、向こうの山のてっぺんの岩に上がって、空谷に向かって吼えるんや」
彡(゚)皿(゚)「この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいんや。ワイは昨日の夕も、あそこで月に向かって吼えたんや」
彡(゚)皿(゚)「誰かに分かってもらえへんかと。しかし、畜生どもはワイの声を聞いて、ただ恐れて伏すばかり。山も樹も月も露も、一匹の虎が切れて吼えてるようにしか考えん」
彡(゚)皿(゚)「天に躍って地に伏して嘆いても、誰一人ワイの気持ちを分かってはくれへんのや」
彡(゚)皿(゚)「ちょうど人間だったとき、ワイの傷つきやすい心を誰も分かってくれんかったように」
彡(゚)皿(゚)「ワイの毛皮が濡れたのは、夜露せいばかりでもない」
コケコッコー
彡(゚)皿(゚)さよならの時間や。酔わねばならぬ時が近づいておる」 
彡(゚)皿(゚)「でも、さよならする前に、もう一つ頼みがあるんや。それはワイの妻子のことや」
彡(゚)皿(゚)「彼らはまだ苦しみのなかにいる。ワイの運命なんか知るはずもない」
彡(゚)皿(゚)「君が南から帰ったら、ワイは既に死んだと言って貰えへんか」
彡(゚)皿(゚)「決して今日のことは明かさんでくれ。厚かましいお願いやが」
彡(゚)皿(゚)「彼らの苦しみを憐れんで、今後とも飢えたり凍えることのないようにしてくれたら、恩幸、これに過ぎたるはない・・・うぅ・・・ぐすっ」
(´;ω;`)「了解した。喜んで君の言うとおりにするよ」
彡(゚)皿(゚)「・・・うぅ。・・・ふふ、はは、はははっ。」
彡(゚)皿(゚)「ほんとうはまず、このことを先にお願いすべきだったんや。ワイが人間だったなら」
彡(゚)皿(゚)「腹すかして寒い思いをする家族のことよりも、自分のしょぼい詩のほうを気にかけているような男やから、こんな畜生になるんや」
彡(゚)皿(゚)「ついでに、嶺南からの帰り道には決してこの道を通らんでほしいんや。そん時、ワイは酔っていて友を襲いかかるかもしれへんから」
彡(゚)皿(゚)「あと、今さよならしてから、前の百歩のところにある、あの丘に上ったら、こっちを振り返って見てもらいたい」
彡(゚)皿(゚)「ワイの今の姿をもういっぺん、お目にかけよう」
彡(゚)皿(゚)「ドヤ顔するためやない。ワイの醜悪な姿を示して、再びここを通ってワイに会おうという気持ちを君に起こさせない為や」
(´・ω・`)「うん。わかった。それじゃさよなら、李徴」
「うぅ・・・うっ・・・ぐすっ・・・うぅぅぅ・・・」
(´;ω;`)「李徴・・・」
(´・ω・`)「丘に着いた。振り返って、見よう・・・あ、草むらから道の上に李徴が・・・」
彡(;)皿(;) ンゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ・・・・・・
ンゴォォォォォ・・・・
ンゴォォォ・・・。
終
ぐう名作
悲しいなぁ…
最後で草
>>35
>ンゴオオオオオオ
これやりたかったんやな(納得)
トラの鳴き声に案外近いのかもな
・なんでも実況(ジュピター)@2ch掲示板に投稿されたスレッドの紹介でした
(´・ω・`)「李徴!李徴じゃないか!」彡(゚)皿(゚)
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1: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:05:14.79 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)(゚)「ワイは隴西の李徴。天才や」
彡(゚)(゚)「はっ、そこらの凡愚どもと一緒に馬鹿みたいな仕事するのは耐えられん」
彡(゚)(゚)「仕事やめて故郷に戻って詩作するわ。他人となんか関わらんわ。だってクズだし。ワイ天才だし」
彡(^)(^)「ゴミみたいな上司に頭さげるよりも、詩人として100年の名を遺す方がええやろ」
彡(゚)(゚)「あかん・・・ぜんぜん上手くいかへん。クソ!誰もワイを認めへん。あああああああああああ!」
(´・ω・`)「パパー。お腹すいたよー」
彡(゚)(゚)「クソったれ。金がない・・・・・・都にもどって仕事するしかないか・・・あぁワイには才能がないのか・・・」
・【R-18】兄「女装してたら弟に告白された」【胸糞注意】
・男「俺のち○こはこの世で最も強い」
・ヴォルデモート「ポッターを倒して俺様が勝った」
・魔法使い「勇者さんは、私の命の恩人ですから」勇者「いいえ」
・【閲覧注意】貞子「俺!!お前の事好きだぜ!!ビデオ見てくれたから!!」
2: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:06:00.60 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)(゚)「畜生。かつてバカにしてたカスどもが出世しまくってる・・・ワイはあんなカスどもに命令されなきゃいけないのか・・・」
彡(゚)(゚)「あーあ・・・何も楽しくない。畜生・・・やってられん・・・カスどもがカスどもがカスどもが・・・」
彡(゚)(゚)「なに?出張?はいはい・・・汝水のほとりの宿で眠るわ」
彡()()「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ガバッ
(´・ω・`)「うわお客さん!どうしたんです!」
彡()()「いこrこvfhdsfkrjちじゅろgtjhごれkgvtにhじょgふぇもう」
(´・ω・`)「お客さん!どこいくんです!おーい!探すぞー!」
(´・ω・`)「いた?」
(´・ω・`)「いや・・・どこいっちゃったんだろうなぁ・・・」
3: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:06:34.14 ID:gc5A/vWE0.net
一年後
(´・ω・`)「ちょっと嶺南まで出張してきますね」
(´・ω・`)「袁さんいってら」
(´・ω・`)「ふぅ。商於で休も。さて、一晩経ったし、でるか」
(´・ω・`)「旦那、待ってください。ここらには実は、夜中に虎がでるんですわ。まだ朝早いから、ちょっと待ったほうが」
(´・ω・`)「こっちは人数が多いから大丈夫。さぁいくぞ」
(´・ω・`)「ん。林中の草むらからなにかが飛び出してきたぞ!うわ、虎だ!」
彡(゚)皿(゚)「!」
(´・ω・`)「うわ・・・あっぶねぇ・・・って、ん?」
彡(゚)皿(゚)「あぶないところだった・・・あぶないところだった・・・」
(´・ω・`)「この聞き覚えのある声・・・まさか、李徴!ぼくの友達の李徴じゃないか!」
4: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:07:07.57 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「うっ・・・ぐすっ・・・・・・・・そうや・・いかにもワイが李徴や」
(´・ω・`)「李徴。懐かしいなぁ。元気だったかい?どうして草むらに隠れてるんだい?」
彡(゚)皿(゚)「人じゃない姿になってるからや。この姿を見れば、きみはワイのことを気味悪く思うだろう」
彡(゚)皿(゚)「でも、君に会えて嬉しい。どうか、このまま、ちょっとだけワイと話してくれんか?」
(´・ω・`)「もちのろんさ。李徴。・・・おい、お前ら、ちょっと休んでいくぞ。さぁ李徴、最近みやこでは・・・」
彡(゚)皿(゚)「そうか。きみは出世したんか。おめでとう」
(´・ω・`)「ありがとう。ところで聞いてもいいかな。どうしてきみは、虎の姿になってしまったんだい?」
彡(゚)皿(゚)「・・・あれは一年前・・・」
5: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:07:35.75 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「一年前、汝水のほとりの宿で眠っていると、ワイを呼ぶ声が聞こえてな」
彡(゚)皿(゚)「声に従って外にでると、なおもワイを呼ぶ。無我夢中で声を追いかけていると」
彡(゚)皿(゚)「いつの間にか道は山ん中に入ってて。いつの間にか手を地面につけて走ってた」
彡(゚)皿(゚)「全身に力が満ちてて、手足には毛が生えてる。岩も軽々に越える」
彡(゚)皿(゚)「少し明るくなってから川で見てみると、既に虎になってたんや。夢かと思った」
彡(゚)皿(゚)「でも夢みたいだけど夢じゃなかった。怖かった。なにがなんだかさっぱり分からん」
7: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:08:03.13 ID:gc5A/vWE0.net
(゚)皿(゚)「理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ」
彡(゚)皿(゚)「死のうかなぁって思った。しかしそのとき、目の前にウサギが通って、人間の心を失って、気づけば口が血まみれになってた」
彡(゚)皿(゚)「これがワイの虎としての初めての経験や。それからワイがどんな生活を送ったかは、とても言えん」
彡(゚)皿(゚)「ただ、一日に数時間は人間の心が戻ってくる。そのときは物を考えることもできるし、喋ることもできる」
彡(゚)皿(゚)「でも日に日に、人間の心が失われていくのが分かる」
8: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:08:29.18 ID:gk82y2MT0.net
サンガツ記
9: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:08:41.61 ID:gc5A/vWE0.net
(゚)皿(゚)「前は『なんでワイは虎になったんやろ』って考えてたのに、今は『なんでワイは人間やったんやろ』と考えてる」
彡(゚)皿(゚)「これは恐いことや。もうちょっとすれば、ワイの心は畜生の習慣のなかに埋もれて消える。古い宮殿の礎が次第に砂に埋まるように」
彡(゚)皿(゚)「しまいにぐうの音も出ないほど虎になって、道で友にあっても気づかず、裂いて食っても何も感じんようになる」
彡(゚)皿(゚)「ワイは最初からこんなんじゃなかったかと思い込んでんのか? いや、そんなことはどうでもええ」
彡(゚)皿(゚)「ワイの中の人間がすべて消えてなくなれば、ワイは幸せになれるやろうな。でもワイの中の人間は、それはめっちゃ恐がっとる」
10: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:09:13.63 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「あぁ。切ないわ、哀しいわ、ワイが人間だった頃の記憶がなくなんのわ。
彡(゚)皿(゚)「この気持ちは誰にもわからんやろ。ワイと同じ目に合わなければ」
彡(゚)皿(゚)「そうや。ワイがすっかり人間やなくなる前に、君にひとつ、お願いがあんねん」
彡(゚)皿(゚)「ほかでもない。ワイは詩人として有名になるつもりやった。けど、成果を残せんうちにこんなんや。
彡(゚)皿(゚)「かつて作った何百もの詩はまだ世に出てへん。遺稿もどっかいって分からん」
彡(゚)皿(゚)「でも今も言える詩が数十あんねん。これをワイの為に記録してほしいねん。いや、これで詩人面したわけやあれへん」
11: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:09:40.67 ID:reIjxyaG0.net
ぐう名作
12: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:09:47.41 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「上手いか下手かはともかく、頭がおかしくなるまでワイが人生かけて執着したものを、ちょっとでも伝えんことには死んでも死にきれへん。」
(´・ω・`)「わかった。おい、草むらから聞こえる声を、筆と紙を用意して書き留めるんだ」
彡(゚)皿(゚)「」
(´・ω・`)(ほぉ。すごい。長短三十編、高雅で卓逸、非凡の出来栄えだな・・・でも・・・)
(´・ω・`)(なるほど、素質が一流であることは疑わない。しかし、一流の作品になるには、なんかどっか微妙に欠けてる点があるような)
15: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:10:33.60 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「ふぅ・・・・・・ははっ・・・ははは」
彡(゚)皿(゚)「恥ずいことやが、今でも、こんなくっそ情けない身になっても、ワイは、ワイの詩集が風流な連中の机上に置かれてる様子を夢に見たりするんや」
彡(゚)皿(゚)「岩窟の中で横になって見る夢や。草生やしてくれ。詩人になれずに虎になった哀れな男を」
(´・ω・`)(・・・李徴ってこうやって自嘲する癖があったな・・・)
彡(゚)皿(゚)「そうや。草生やすついでに、今の想いを詩にしてみようか。この虎のなかに、かつての李徴が生きてる徴に。
彡(゚)皿(゚)「偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃
今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高
我為異物蓬茅下 君已乗 気勢豪
此夕渓山対明月 不成長嘯但成」
18: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:11:10.31 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「どうしてこうなったか分からへん、とさっきは言ったが、でも考えようによって、思い当たることがないわけやない」
彡(゚)皿(゚)「人間やったとき、ワイは他人との交わりを避けた。他人はワイを倨傲だ、尊大だといった」
彡(゚)皿(゚)「実は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らんかった」
彡(゚)皿(゚)「もちろん、かつては郷党の鬼才と言われたワイに自尊心がなかったとは言わん」
彡(゚)皿(゚)「しかし、それは臆病な自尊心というべきものやった」
20: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:11:37.74 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「ワイは詩で有名になろうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨することもせーへんかった」
彡(゚)皿(゚)「かといって、ワイは俗物と関わることもしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為や」
彡(゚)皿(゚)「ワイは天才じゃないかもしれんってことに怯えて、あえて苦労しようとせず」
彡(゚)皿(゚)「また、ワイは天才なんやと半分信じるから、努力もせーへんかった」
彡(゚)皿(゚)「ワイはだんだん世を離れ、他人と遠ざかって、憤悶と慙恚とによってますますワイのなかの臆病なる自尊心を飼い太らせる結果になったんや」
25: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:12:04.94 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「人は誰でも猛獣使いで、猛獣ってのは人それぞれの性情だという」
彡(゚)皿(゚)「ワイの場合、この尊大な羞恥心が猛獣やった。虎やった」
彡(゚)皿(゚)「こいつがワイを損い、妻子を苦しめ、友を傷つけ、ついには自分の見た目をこんな風に、内心にふさわしいものに変えていったんや」
彡(゚)皿(゚)「今思えば、まったくワイは、ワイのもってたちょっとばかしの才能を無駄にしていたわけや」
彡(゚)皿(゚)「人生は何かするには長いけど、何もせんかったら短い、なんて口先ばかりの警句をいいながら」
彡(゚)皿(゚)「実際は才能が無いってことを暴露するかもしれないって卑怯な危惧と、苦労を面倒くさがる怠惰とがワイのすべてやった」
27: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:12:32.27 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「ワイよりも遥かに才能がないのにそれをしっかり磨いたから、堂々たる詩人になったものがいくらでもおる」
彡(゚)皿(゚)「虎になった今、ワイはようやくそれに気づいた。それを思うとワイは今も胸を灼かれるような後を感じる」
彡(゚)皿(゚)「ワイにはもう人としての生活はできん。たとえ今、頭ん中でどんな優れた詩を書いても、どうやって発表するんや」
彡(゚)皿(゚)「ましてワイの頭は日に日に虎に近づく。どうすりゃええねん。ワイの無駄にした過去は?」
29: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:13:13.85 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「ワイは堪らくなる。そんな時ワイは、向こうの山のてっぺんの岩に上がって、空谷に向かって吼えるんや」
彡(゚)皿(゚)「この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいんや。ワイは昨日の夕も、あそこで月に向かって吼えたんや」
彡(゚)皿(゚)「誰かに分かってもらえへんかと。しかし、畜生どもはワイの声を聞いて、ただ恐れて伏すばかり。山も樹も月も露も、一匹の虎が切れて吼えてるようにしか考えん」
彡(゚)皿(゚)「天に躍って地に伏して嘆いても、誰一人ワイの気持ちを分かってはくれへんのや」
彡(゚)皿(゚)「ちょうど人間だったとき、ワイの傷つきやすい心を誰も分かってくれんかったように」
彡(゚)皿(゚)「ワイの毛皮が濡れたのは、夜露せいばかりでもない」
31: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:13:52.44 ID:gc5A/vWE0.net
コケコッコー
彡(゚)皿(゚)さよならの時間や。酔わねばならぬ時が近づいておる」 
彡(゚)皿(゚)「でも、さよならする前に、もう一つ頼みがあるんや。それはワイの妻子のことや」
彡(゚)皿(゚)「彼らはまだ苦しみのなかにいる。ワイの運命なんか知るはずもない」
彡(゚)皿(゚)「君が南から帰ったら、ワイは既に死んだと言って貰えへんか」
彡(゚)皿(゚)「決して今日のことは明かさんでくれ。厚かましいお願いやが」
彡(゚)皿(゚)「彼らの苦しみを憐れんで、今後とも飢えたり凍えることのないようにしてくれたら、恩幸、これに過ぎたるはない・・・うぅ・・・ぐすっ」
(´;ω;`)「了解した。喜んで君の言うとおりにするよ」
32: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:14:31.41 ID:gc5A/vWE0.net
彡(゚)皿(゚)「・・・うぅ。・・・ふふ、はは、はははっ。」
彡(゚)皿(゚)「ほんとうはまず、このことを先にお願いすべきだったんや。ワイが人間だったなら」
彡(゚)皿(゚)「腹すかして寒い思いをする家族のことよりも、自分のしょぼい詩のほうを気にかけているような男やから、こんな畜生になるんや」
彡(゚)皿(゚)「ついでに、嶺南からの帰り道には決してこの道を通らんでほしいんや。そん時、ワイは酔っていて友を襲いかかるかもしれへんから」
彡(゚)皿(゚)「あと、今さよならしてから、前の百歩のところにある、あの丘に上ったら、こっちを振り返って見てもらいたい」
彡(゚)皿(゚)「ワイの今の姿をもういっぺん、お目にかけよう」
彡(゚)皿(゚)「ドヤ顔するためやない。ワイの醜悪な姿を示して、再びここを通ってワイに会おうという気持ちを君に起こさせない為や」
35: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:15:04.60 ID:gc5A/vWE0.net
(´・ω・`)「うん。わかった。それじゃさよなら、李徴」
「うぅ・・・うっ・・・ぐすっ・・・うぅぅぅ・・・」
(´;ω;`)「李徴・・・」
(´・ω・`)「丘に着いた。振り返って、見よう・・・あ、草むらから道の上に李徴が・・・」
彡(;)皿(;) ンゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ・・・・・・
ンゴォォォォォ・・・・
ンゴォォォ・・・。
終
36: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:15:18.56 ID:93FoiUTS0.net
ぐう名作
37: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:15:31.79 ID:jszw6Yv50.net
悲しいなぁ…
39: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:15:42.36 ID:Bi9TcnQTa.net
最後で草
40: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:15:52.09 ID:PjyWektu0.net
>>35
>ンゴオオオオオオ
これやりたかったんやな(納得)
42: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 15:16:18.72 ID:8xEYa8Yza.net
トラの鳴き声に案外近いのかもな
・なんでも実況(ジュピター)@2ch掲示板に投稿されたスレッドの紹介でした
(´・ω・`)「李徴!李徴じゃないか!」彡(゚)皿(゚)
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