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ルニットドームがいよいよリーク : ギズモード・ジャパン

ルニットドームがいよいよリーク

2015.07.07 23:00
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蒼い環礁に墜落したUFOのようなこれ。

これはマーシャル諸島のルニットドームです。「広島原爆1.6個分の爆発を毎日×12年間行った」ぐらいの規模に相当するアメリカの核実験で出た8万5000立方メートル分の汚染物を爆心に埋め、コンクリートで固めた封印施設。

弾頭の核分裂性同位体のプルトニウム-239は半減期が2万4000年なのに、それを寿命100年のコンクリートで固めてあります。WHOによると「除染プランが固まるまでの仮施設」ってことらしいですけどね…。

英紙ザ・ガーディアンが最近訪れてみたら、ご覧のように周辺には汽水の水溜りができて、コンクリートには既にところどころヒビ割れが入っていました。米エネルギー省が2013年にまとめた報告書によれば、地下から放射性廃棄物が滲みだし、今やドームの中より外の土の方が汚染度は高いんだそうですよ?

最近は気象変動で津波や台風も起きてるし、あんなものがドームを直撃したらひとたまりもない、「コンクリートがバックリ割れて太平洋に8万4865立方メートル分のきたないものが全部垂れ流しになってしまう!」と住民、専門家、環境保護団体は毎日はらはらです。

現地を2010年に訪れたコロンビア大学気候変動法研究所のMichael Gerrard所長は、こう嘆いています。

「ルニットドームは核実験と気候変動が交錯する悲劇だ」

「米国が核実験で大量のプルトニウムを残していって生まれ、今度は米国率いる先進国からの温室効果ガスで海面が上昇してじわじわ海に沈んでいっている」


マーシャル諸島の一帯は都市部や航路からも遠く島民も少ないため、戦後アメリカによって核実験場に選ばれ、1947年から1958年まで合計67回行われました(島民は1948年に200km離れた環礁に避難させられた)。

米国防総省核兵器局(DNA。現エネルギー省)は本当は海に核廃棄物を捨てたかったんですが、それでは国際条約と廃棄物処理法違反になってしまうため、8年かけて除染しました。米議会からは島を完全に元の住める状態に戻す事業に予算は下りなかったので、環礁にある40の島のうち3つの島だけ除染したところで2億1800万ドル(約218億円)の予算はさっさと底をついてしまいましたけどね。

表面の汚染土をかき集めて、汚染された瓦礫に混ぜ、そのドロドロをレニット島北端に核爆発であいた直径106mのクレーターに流し込んで、358枚のコンクリートパネルで上を固めると、安全になったといって島民を33年ぶりに島に呼び戻し、「あとのことは任せた」ってことで1983年にマーシャル諸島の政府から自由連合協定書にサインをもらって本国に引きあげてしまったのです。

島の政治家たちは「除染の技術なんてない」(そもそも島には「汚染」という言葉すらなく、島民はドームの中身を「毒」と呼んでいる)、「イラクに爆弾落とすお金があったらドームの周りに金網ぐらい張ってくれ」と言ってますよ。

気になるのはプルトニウムの到達距離ですが、2014年に日中共同チームがまとめた調査では、マーシャル諸島のプルトニウムは流れ流れて中国・珠江でも検出されているそうです。


source: The Guardian

(satomi)

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