爆走メイデン翠&蒼
- § 主な登場人物紹介
真紅
ローゼンメイデン第5ドール。アリスゲームを制したはずなのに今一周囲からアリスだと認められていない。
血と硝煙とウナギを愛する心は誰にも引けを取らない。
雛苺
ローゼンメイデン第6ドール。雛苺ローリングアタックは厚さ20mmの鉄板を打ち抜く威力を誇る。
翠星石
イタズラが大好きな第3ドール。暇さえあればジュンの足の指と指の間にパチンコ玉を挟もうとする。
蒼星石
クールで理知的な第4ドール。翠星石の双子の妹。趣味は因数分解の問題を解くこと。
金糸雀
クールでなければ理知的でもない第2ドール。今一周囲から存在を認められていない。
水銀燈
漆黒の第1ドール。夏場は太陽の光と熱がこもって大変なことになる。たまに自然発火する。一人カチカチ山。
雪華綺晶
コドウグを媒介に実体化した第7ドール。夏場でも彼女がいるだけで部屋は涼しい…気がする。
薔薇水晶
槐メイデン。シャイニングスコーピオン派。
- § 七月七日・桜田ジュンの部屋
のり「みんな~、笹を飾るわよ~? 短冊は書けた?」
真紅「ええ勿論だわ」
翠星石「ばっちりです」
雛苺「ヒナも書いたのー!」
翠星石「今回こそはちゃんと叶えてもらうように第3希望まで書いてやったですぅ」
真紅「私もよ。ここまで下手に出てるんだから彦星と織姫もちゃんと応えてくれるはず」
雛苺「ヒナも! ヒナも3つ書いたのーっ!」
ジュン「あんまり彦星達に無茶振りするなよ」
真紅「無茶振りも何も七夕の願い事がいつもいつもスルーされるのが一番の問題じゃない!」
ジュン「スルー…?」
翠星石「クリスマスのお願い事は各ご家庭のパパがサンタになって
プレゼントしてくれるのに七夕には何にもしてくれねーじゃねーですか」
雛苺「ひどいのー、これネグレクトなのー!」
ジュン「いや、それは…」
真紅「だから私達は願い事を叶えてくれやすいように第3希望まで提出するの」
翠星石「ま、そういうわけです。空気読めですよチビ人間」
雛苺「うぃ。期待してるのよジュン」
ジュン「てめぇら…」
のり「ええと…、それで真紅ちゃん達はどういう願い事を書いたのかしら?」
真紅「金! 権力! アリス!」
翠星石「不死身! 不老不死! スタンドパワー!」
雛苺「うにゅー! うにゅー! うにゅー!」
のり「……」
ジュン「…これはひどい」
真紅「何にせよ、少し未来の世界線であるビッグジュンのアパートに入り浸っている雪華綺晶からの情報によると
あっちの日本の七夕はクリスマスばりのプレゼント商戦に染めあげられているようで
彦星も準サンタみたいな役割になってしまって、ご家庭のお父様達が悲鳴を上げてるらしいわ」
雛苺「ということは、こっちももうすぐ七夕にプレゼントもらえるようになるのよ?」
翠星石「マジですか。日本はじまりすぎですね」
ジュン「えげつねぇな、未来の商業戦略」
のり「うちにそんな余裕無いわよぉ」
- § 小一時間経過後・桜田ジュンの部屋
真紅「さて…と、短冊を飾り終えてしまうと七夕って暇よね」
のり「そんなことないわ真紅ちゃん。これから夜になって素敵な星空を…」
ジュン「今日は一日中曇りだって天気予報で言ってたぞ」
のり「ええっ!?」
翠星石「ほーれほれほれぇ! フェンシング刺ーすっ」ビシビシッ
雛苺「うにゃーっ! 痛いのー! 翠星石が余った笹でヒナをいじめるの~!」
翠星石「痛いのは分かってるでーす! ホラホラホラホラホラー!」ずばばばば
雛苺「あびゃーッ! やめてなのー!」
ジュン「やーめーろ。雛苺をいじめるな翠星石」
真紅「七夕用にと蒼星石が譲ってくれた笹でしょ? 余ったからってそんな使い方しちゃあいけないわ」
翠星石「じゃあ、どう使えばいいんですぅ? 食べろとでも言うですか? パンダじゃあるまいに」
雛苺「そうだわ! 食べちゃえばいいの! これで翠星石はもうヒナをいじめられないのよー!」モシャモシャ
翠星石「あっ!? ちょっ、ちょい待てですチビ苺ぉー!!?」
雛苺「待たないの」モシャモシャ
真紅「お腹壊しても知らないわよ」
のり「そうよヒナちゃん! せめて…、湯がくとかして火を通さないと…!」
雛苺「お腹が壊れたらジュンに直してもらうから大丈夫なの」ムシャムシャ
ジュン「あのなぁ…」
翠星石「ああああっ…、あっという間に笹が消えていくですー」
雛苺「流石は蒼星石の持ってきてくれた笹なの。美味しくて七夕の味がするのよね」ムシャムシャ
真紅「七夕の味って何?」
雛苺「げぷっ、これで翠星石の持っていた笹は完食なの」
翠星石「やれやれ…、満足したですかチビチビ?」
雛苺「うおオォン! ヒナの食欲はまだ火がついたままなの! このままじゃ終われないわ」ガバッ
真紅「なっ!? 雛苺が短冊を飾った笹にまで食指を!!?」
のり「ヒナちゃん! それはダメよ! やめてお願い~」
雛苺「あんまぁ~! けはっ! きゃはっ! ヒナはまるで人形パンダ発電所なのー!」モギュモギュ
ジュン「パンダ発電所…?」
翠星石「やばいですぅ! このままでは翠星石達の短冊までチビ苺に食われるです…っ!」
真紅「けど、食欲全開の雛苺を止める術は私達にはないわ!」
ジュン「苺大福とか他の食べ物で注意を逸らすしか…!」
のり「ダメよジュン君! それだと苺大福を持ってくる間に笹を全部ヒナちゃんに食べられちゃう!」
翠星石「くっ…、力尽くでもチビ苺を止められる者はいないのですか…!?」
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| ここにいるよ!
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\\ Wリ゚ -゚ノリ\ ガラッ
.\\( ._介」つ \
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:\{|:.:.:.:.i} レ^) ) 蒼星石ぃッ!!? (
::l:::{|:.:.:.:.|} 〔 /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
::l:::{|:.:.:.:.|} 人_)
::l:::{|:.:.:.:八 /
ジュン「お、おまっ!? なんでドラえもんみたいに唐突に僕の机の引き出しから!!?」
蒼星石「そんなことはどうでもいい! それより雛苺をよく見るんだ!」
真紅「えっ?」
のり「ヒナちゃんを?」
雛苺「あびゃびゃびゃあびゃびゃびゃびゃびゃ…!!!」ガクガクブルブル
ジュン「雛苺が痙攣している!!?」
翠星石「食中毒ですか!?」
真紅「ドールが食中毒になったりするの?」
蒼星石「こんなこともあろうかと翠星石に渡した笹には人形用の痺れ薬を染み込ませておいた」
翠星石「なんですとーっ!?」
ジュン「用意周到すぎるだろ…」
真紅「蒼星石がここまで未来を見通していたとは…、やはり天才ね」
雛苺「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ…」ガクガクブルブル
のり「だ、大丈夫なの? ヒナちゃんは? 尋常じゃないぐらい痙攣してるわよ」
蒼星石「ドールだから平気です。…多分」
ジュン「おいコイツ小さい声で多分って言ったぞ、今」
翠星石「流石は蒼星石。未来を見通しておきながらも後先を考えない妹ですぅ」
真紅「やはり天然か」
蒼星石「冗談はさて置き、あと2時間もすれば雛苺の状態異常は回復するはずだ。…きっと」
ジュン「きっとォォ~?」
翠星石「2時間後にはチビチビ復活ですか」
真紅「復活したら、また笹を食べようとするわよこの子。しかも痺れ薬に耐性をつけて」
ジュン「学習能力ないわりには、免疫力あるからな雛苺」
のり「ドールなのに…」
蒼星石「大丈夫。雛苺暴走の原因ははっきりしてる。…おそらく」
ジュン「……」
真紅「原因?」
蒼星石「七夕にこれといった行事食が無いからだ」
翠星石「行事食ぅ?」
真紅「はっきょーい! のこたー! のこたー!」バッバッ
蒼星石「それ行司職ね真紅」
のり「行事食って…、子供の日だったら『柏餅』、丑の日だったら『ウナギ』とかの風習よね」
蒼星石「そうです、のりさん。お食事イベントがないから雛苺は七夕の味を笹に求めてしまっているんです。…メイビー」
ジュン「……」
真紅「ならばウナギを食べましょう。土用の丑の日が近いことだし、それで解決だわ。早速、特上鰻重の出前を!」
のり「待ってぇー! 今月は家計がピンチなのー! 出前なんて無理よぉ~」
真紅「無理だとか無駄だとか言った言葉は聞き飽きたし、私には関係ない」
ジュン「関係あるよ馬鹿」
真紅「ば、馬鹿とは何よジュン! 馬鹿と言う奴の方が馬鹿なのよ! バーカバーカ!」
ジュン「んだとぉ!?」
蒼星石「落ち着いて。実は七夕にも行事食はある」
翠星石「へ? でも、さっき蒼星石自身が七夕に行事食は無いって言ったばっかり…」
蒼星石「あんまり有名じゃあないって意味だ。実は『そうめん』が七夕の行事食だ」
真紅「そうめん~?」
のり「本当? 蒼星石ちゃん? そうめんだったら何とかなるわぁ」
翠星石「そうめんなんてこの間、食べたばっかりですよ」
ジュン「そうだな。最近は週1ぐらいの頻度で食べてるよな」
蒼星石「七夕の行事食としてそうめんが今一浸透してないのも、普通すぎるからだ」
真紅「そんなありふれたものでは雛苺も満足しないわ! やはり特上鰻重でないと…っ!!!」
のり「ま、待って真紅ちゃん! 本当にお金が無いのよーっ!」
真紅「お金が無ければジュンにドレスを作らせて売ればいいじゃない!」
ジュン「あのなぁ…」
蒼星石「ただのそうめんではダメでも、流しそうめんならどうだい?」
翠星石「流しそうめん…ですか」
真紅「むむむ…」
蒼星石「むむむ…じゃないよ真紅。流しそうめんというイベントであれば雛苺もサティスファクションさ」
のり「でも、流しそうめんの準備って結構大変じゃない?」
ジュン「昔、真紅が元気の無かった時期に流しそうめんやったよな。だったら道具とかは一通りあるはずじゃ?」
真紅「そうだったっけ?」
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