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絵里「私の戦闘力は単純計算でリンゴ8個分よ」


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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 16:00:58.21


In 生徒会室

絵里「お邪魔するわね」

生徒会室役員A「えっ」
生徒会室役員B「えっ」

絵里「おっ。みんな今日も頑張って働いてるようね。
感心感心」

生徒会室役員A「……」
生徒会室役員B「……」

絵里「あ、きみきみ」

役員A「は、はい」

絵里「お茶もらえるかしら」

役員A「か、かしこまりました…」
B「……」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 16:02:27.83


腹『ぐぅぅ…』

絵里「お腹空いたわね」
絵里「冷蔵庫に何かないかしら」

ガサゴソ

絵里「あら。プリンがあるじゃない」

チラッ←裏を見る

絵里「しかも裏には棒の突起があるぅ!
と、ということは…!」

絵里「プッチンプリンよこれ!」

ジュルリ

絵里「食さずには…いられない……っ!!」

役員A「……」
役員B「……」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 16:06:58.88


絵里「いただきまー……はっ!」
絵里「そうだわ!蓋をあける前にプッチンするお皿用意しないと!」

役員A「……あ、あの」

絵里「家庭科室にいって皿を借りてくるわね」
役員A「あ、あのっ!」

絵里「ん?何かしら」

書記「あ、絢瀬先輩…あの…すごくいいづらいんですけど…」

絵里「?」

書記「どうして絢瀬先輩が…ここにいるんですか…?」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 16:16:08.84


役員A「どうして生徒会室に絢瀬先輩がに…」

絵里「どうしてって…」
キョトン
絵里「生徒会長だからよ」

役員B「元生徒会長でしょう?あなたは」
役員A「高坂会長と交代したばかりじゃないですか」

絵里「今日は引き継ぎの件で来たの」
役員A「それはもう去年やりました」

絵里「現役の時の忘れ物を取りに来たの」

役員A「その言い訳は昨日も聞きました」
役員B「一昨日も言ってたよね」
役員C「一週間前にも同じこといってたぜあの人」

絵里「そうだったかしら」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 16:36:40.65


絵里「これは今年始まって以来の大問題よ
しっかりとしたら対策を練らないといけないわね(キリッ」

役員A「当事者が何言ってるんですか…」

役員F「対策も何も、先輩が自重すれば済む問題ですよ」
絵里「うんうんそれも一つの手段よね」

役員C「仕事の邪魔です。迷惑です。もう来ないでください」
絵里「なるほどね」コクンコクン

役員B「生徒会室の備品勝手に使わないでください。迷惑です」
絵里「うんうん」コクンコクン

役員D「部室でペヤング食べるのやめてください。焼きそば臭くて迷惑です」
絵里(コクンコクン)

役員E「あとは…」
絵里(コクンコクン…)

・・・
・・


役員A「……というのが、役員達の本当の気持ちです。
わかってもらえましたか?」

絵里「……なるほど。概ねわかったわ。
みんなが相当にストレスを感じていたのね」

役員A「そうです。だから…」

絵里「これは早急に対策をしないといけないわね(キリッ」

役員A「話ちゃんと聞いてます?」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:07:47.69


絵里「とりあえず後日、改めて話し合いの場を設けましょう」
絵里「その時に今後の計画を立てるということで」

役員B「待ってください。後日じゃなくて今話し合いましょうよ」
役員C「いい機会です。今この場で徹底的に話し合いましょう」

ソウダソウダ-! 決着ツケルゾ!オラ-!

絵里「なるほどなるほど」コクンコクン

役員C「うわぁ!!でたぁ!」
役員D「で、でたー!
絢瀬先輩の『なるほどなるほど』だァ!」

役員E「このセリフを言う時って、
大体が話を聞いてないか話を理解できてないんだよなぁ…この人…」

役員B「………」

絵里「なるほどね。なるほどなるほど」コクンコクン

役員D「くそっ!まさに暖簾に腕押し!」
役員F「馬の耳に念仏!」
役員G「ブタに真珠!」
役員E「くうっ…!どうすりゃいいんだ!」

役員B「……お前らもう諦めろ」

役員D「!?な、何を言ってるんだお前!
ここで諦めたらこの人毎日くるぞ!毎日沸くぞ!」

役員B「あれだけ不平不満を言われてもケロっとしてるんだぜ?この人。
もう何を言っても通じないよ」

絵里(ケロッ)

役員C「……」役員D「……」

役員B「…かといって、暴力で追い出すわけにもいかない…
バカというのはある意味最強の防衛手段らなのかもな」

絵里「その通り」
絵里「これが大人の戦い方よ」
絵里「(キリッ)」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:07:50.97


絵里「とりあえず後日、改めて話し合いの場を設けましょう」
絵里「その時に今後の計画を立てるということで」

役員B「待ってください。後日じゃなくて今話し合いましょうよ」
役員C「いい機会です。今この場で徹底的に話し合いましょう」

ソウダソウダ-! 決着ツケルゾ!オラ-!

絵里「なるほどなるほど」コクンコクン

役員C「うわぁ!!でたぁ!」
役員D「で、でたー!
絢瀬先輩の『なるほどなるほど』だァ!」

役員E「このセリフを言う時って、
大体が話を聞いてないか話を理解できてないんだよなぁ…この人…」

役員B「………」

絵里「なるほどね。なるほどなるほど」コクンコクン

役員D「くそっ!まさに暖簾に腕押し!」
役員F「馬の耳に念仏!」
役員G「ブタに真珠!」
役員E「くうっ…!どうすりゃいいんだ!」

役員B「……お前らもう諦めろ」

役員D「!?な、何を言ってるんだお前!
ここで諦めたらこの人毎日くるぞ!毎日沸くぞ!」

役員B「あれだけ不平不満を言われてもケロっとしてるんだぜ?この人。
もう何を言っても通じないよ」

絵里(ケロッ)

役員C「……」役員D「……」

役員B「…かといって、暴力で追い出すわけにもいかない…
バカというのはある意味最強の防衛手段らなのかもな」

絵里「その通り」
絵里「これが大人の戦い方よ」
絵里「(キリッ)」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:26:06.93


絵里「Bくんは今大変良いことを言ったわね」
絵里「"バカは最強の防衛手段"これはまさにその通りなのよ」

絵里「理屈の通らない人間というのは、世の中にはたくさんいる。
そんな人たちを君たち良識ある人々はどう対処してるかしら?」

絵里「たとえば、深夜のコンビニによく出るクレーマー。

店員の『ビニール袋に入れますか?』の一言に対して、

クレーマーが
『あぁ!?入れるに決まってんだろうがぁ!
弁当を袋に入れないバカがいると思うかぁ!?常識ねーのかお前はぁ!アホかぁ!』

…とクレームをつけてきたとする。
こんな時、良識ある我々はどうするのが正解かしら。」

役員「それは…」

絵里「正解は…平謝り。全力のスルー。
平謝りしてその場を流すだけ」

絵里「もしその人に対して、
『公の場で怒鳴り声あげるほうが常識なくね?』なんて正論を吐いても無駄」
絵里「なぜなら彼等は、人の話を聞く気なんてサラサラないのだから」

役員「………」

絵里「そんな人たちに君たちができることは…」
絵里「無いのよ」
絵里「諦めなさい」

役員A(すごい…!
自分がいかに非常識な人間であるかを力説している……っ!!)


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:31:18.61


役員「……」

絵里(みんな押し黙ってしまったわ)
絵里(どちらが上でどちらが下なのか分かってくれたみたい)

絵里「……さてと」

カチャッ…

絵里「そろそろオヤツのプリンでもいただこうかしら」
絵里「勝利の美酒、もといプリンに酔い痴れようかしら」

役員A「あっ…そ、それは…」

絵里「反論するつもり?」

役員A「うっ」

絵里「無駄よ。なぜなら私は…」

ドン!

絵里「反論を理解する脳みそを持っていないアンポンタンなのだから!!」

ヒョイ
プッチン!
モグモグ…

役員A「あー…食べちゃった…」

絵里「常識ぶった人間がバカを見るとはまさにこのことね」
絵里「もっと狡猾さを身につけなさい。君たち」

役員A「そのプリン、高坂会長が楽しみにしてたやつなのに…」

絵里「へー」
絵里「……」
絵里「!?!?」ゴックン


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:42:44.57


絵里「どうしてそれを早く言わないの!?!?」

役員A「だって先輩、何言っても止めそうにそうなかったから…」

絵里「穂乃果のプリンだって知ってたら流石に止めたわ!!」

役員A「あ、そうだったんですか?ごめんなさい…」

絵里「う、うぅ…ど、どうしよう…」

ショボ-ンチカ…

役員一同「お、おぉ…!」

絵里「うぅ……(涙目)」

役員B「あ、絢瀬先輩が落ち込んでる…!」
役員F「しかも、潤んだ瞳でこちらを見上げるオプション付きっ!」
役員G「そういえば、この人アイドルだもんな」
役員D「……なんかちょっとだけ可愛いよな」ボソッ
役員C「この絢瀬先輩なら全然ありだよな」
役員D「な」

役員A「……せ、先輩。大丈夫ですか…?」

絵里「う、うん…大丈夫…」

役員A「そうですか…」
役員A「……」
役員A「……(ニヤリ)」





26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 17:51:29.63


役員S「ふぅ。今日の分終了っと」

ガヤガヤ!ガヤガヤ!

役員S「ん?」

ガヤガヤ!ガヤガヤ!

役員S「はぁ…またですか…」
役員S「相変わらず生徒会室は騒がしいですね…
みんなの仕事が全く進まない…」

絵里「うぅ…どうしよう…」

役員A「ご、ごめんなさい…」
役員A(ニヤリ)

役員U「……ん?」

絵里に平謝りを続けるあの少女。
どこにでもいそうな普通の黒髪女子高生だ。
そんなJKを、役員Uは訝しそうにジッと見つめる

役員U「あんな女の子…うちの生徒会にいましたっけ…?」

役員Uだけが気づいた異変。
あんな生徒は、うちの生徒会にはいない


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 18:07:14.78


絵里「ど、どうしよう…冷蔵庫に代わりになるものないかしら…」
ガサゴソ
絵里「あ!コーヒーゼリーならあるわ!」

役員A「それじゃあ、それを代わりに高坂会長にわたしましょう!」

絵里(コクン!)

役員B「え?そんなのあったっけ?」
役員C「冷蔵庫の奥にあった気がする」
役員B「あー。あれか」
役員E「あれって元は誰のやつなの?」
役員C「さぁ…」

絵里「よ、よし。このコーヒーゼリーで穂乃果に謝罪を…」

役員D(どうでもいいけど、
当たり前のように人のものを使うんだなぁ)

絵里「!?」
絵里「あぁッ!!い、いけない!!」

役員D「ど、どうかしましたか?」

絵里「このコーヒーゼリー、賞味期限が切れてるわ!!」

役員B「まぁ随分と前から冷蔵庫の奥底で放置されてたやつですからねー……
それも仕方なっ……んんっ!?」

絵里「これじゃ穂乃果に渡すものが何もない!ど、どうしよう!」

役員B「ま、待ってください絢瀬先輩!
そんなことよりも大変なことが!!!」

絵里「え?」

役員B「これコーヒーゼリーじゃないです!」
役員B「こ、これは…プリンですよ!!」

絵里「え?で、でも色は黒いわよ??」

役員C「く、腐ってるんだ…」
役員D「腐って黒くなってしまったんだ…!!!」

絵里「ええっ!」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 18:17:55.69


役員D「どんだけ放置したらこんな色になるんだ…」
役員C「こうまで変わるとある種の時間の芸術作品にも見えてくるな」
役員E「というか、誰だよ。こんなものを入れっぱなしにきたやつは」

絵里「なんてこったパンナコッタ…」
絵里「………」
絵里「……あれ?」

ジーーッ…

絵里(このプリン…なんだか見覚えがあるような…?)

ジーーッ…

絵里「うーん…」

役員D「?どうかしましたか?」
絵里「いや…」



役員B「おいC。去年の暮れに冷蔵庫掃除してたよな
なんであんな腐ったもの捨てずに残しておいたんだ」

役員F「見た目は普通のコーヒーゼリーだからさぁ」

役員B「それにしたってお前…」

役員F「それにあのプリン、
蓋に名前が書いてあったんだよ。
誰かの私物なら俺が勝手に捨てたらマズイだろ?」

役員B「名前ェ?」

絵里(名前…?)ピクン
絵里「……」

チラッ

プリン?『エリーチカ』

絵里「…………ッッ!!!」

その時絵里に電流走る
蘇るのは2年前。絵里が望みとともに生徒会に入った時のことである…


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 19:01:12.90


~回想編~

絢瀬絵里、高校1年の春の出来事である

絵里「私生徒会に入ろうと思うの」

クラスメートA「あ~。絵里ちゃん似合いそう~」
クラスメートB「たしかに~。絵里ちゃんってそういうイメージあるわ~」

絵里「そういうイメージ?そういうイメー時ってどういうの?」

クラスメートB「え」

絵里「どうせ、
『この娘、性格硬そうだから生徒会みたいなお堅い仕事が似合いそうww』とか思ってるんでしょう?」

クラスメートB「そ、そんなことは」

絵里「もういいわ」
絵里「さよなら」

スタスタ…

クラスメートB「あっ……行っちゃった…」



高校生一年。
絢瀬絵里は入学1週間目にしてすでに孤立しかけていた。
一年生にして、その糞真面目な性格と、融通の利かなさに誰もついていけないのだ

絵里(誰も私のことを理解してくれない…)
絵里(ま、それも仕方ないわよね)

だがそれもまた良しと、絵里は考える

絵里(私は周りのボンクラとは違う。
特別な人間なのだから…理解されないのは当然のこと…)

絵里(天才とは…孤独…)

そんなことを考えながら、絵里は今日もボッチで帰宅する。
寄り道にワクドナルドに寄ることも、友達とカラオケに行くこともなく、
一人ボッチで歩きながら帰宅する

希「………」

そんな寂しい背中を見つめる少女が、また一人


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 19:07:31.61


絵里「ファミコロは最高ね!」

帰り道。
公園のシーソーに一人で乗りながら、絵里はファミマのコロッケを食う
堅物の絵里にしては珍しい買い食い行為だ

絵里「うーん…ソースだけだとイマイチ物足りないわね」
絵里「よし!それなら…」

おもむろにカバンに手を突っ込んだかと思うと、
取り出したのはマヨネーズ。キューピーマヨネーズだ

絵里「ふんふんふーん♪」

キャップを外したかと思えば、
絵里は惜しげもなく大胆にマヨネーズをぶっかける。

マヨネーズをトッピングすること数十秒、
出来上がったのはもはやマヨネーズの塊。コロッケとは呼べない代物であった

絵里「うふふふっ」
えりち、ご満悦である


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 19:19:26.81


当時の絵里はとある願掛けをしていた。
それは『自分はマヨネーズの好きなキャラクターである』というキャラ付け。

『タコスを食べると強くなる』
『ホーレン草の缶を食べると強くなる』
『カレーを食べると強くなる』

そういった『何かを食べると強くなる』という信仰めいたものが、
絵里には昔からあった。

『私は何を食べたら美味しくなるんだろう?』
ポパイを見ながらエリーチカ少女(4)はそんなことを考えたという。

そうして絵里の模索の日々が始まった。




絵里が小学生のとき、
ロシアのクオーターである私なら、
シュールストレミングを食べると強くなるという設定を信じ、
給食では毎日それを食べてはクラスから顰蹙を買った。


また、中学生の時には、
金髪の私なら、中身が黄色の焼き芋を食べれば強くなると信じて毎日食い続け、
朝の朝会で大放屁してしまい大恥をかいた。


……そうして高校生。
小中と積み重ねてきた失敗をいかし、
絵里は一番被害がなさそうなマヨネーズを選択するに至ったのだった

曰く、
「マヨネーズは黄色いから自分の髪色と同じ。私に合っている」と


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 19:35:23.73


絵里「モグモグ!」

シーソーにて、
ほっぺに可愛くマヨネーズをつけながらコロッケを食う絵里。

木の陰からじっと見つめる熱視線。

希「………な、なんてことや」

普段学校ではしかめっ面のあの絵里が、
満面の笑みでマヨネーズを食らっている…!?

東條希は驚きを隠せない。
まさか……そんな。でも…?

希「あ、絢瀬さんが……」
あの絢瀬さんが……!!
希「マヨラーだったとは!!!」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 19:40:04.10


希はギュッと胸ポケットにしまってあるキーホルダーを握りしめる。

それは黄色に輝くキューピーの人形。
これは昔、希がマヨネーズ選手権で勝ち取ったもの。

そう、希はマヨラー(マヨネーズ愛好者の意)だったのだ。

希(やった!絢瀬さんも私と同じマヨラーならきっと仲良くなれるかも…!)

・・・
・・


希「……」ドキドキ…

絵里(モグモグ)

希(口のものがなくなったタイミングを見計らって…!)

絵里(モグモグ)
絵里(モグモグ)
絵里(……)
絵里(ゴクン!)

希(飲み込んだ!今や!!)
希「こ、こんにちはー、絢瀬さん!」

トントンッ←後ろから肩トン

絵里「!!!けほけほっ!なになになにごと!?」

希(まだ口に残ってたかっ!!)


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 20:51:13.24


希「あ、あの…」

絵里「あなたはたしか…東條希さん?」

希「!」
希「私の名前覚えててくれたんですか!?」

絵里「え?えぇ。まぁ」

希「……えへへ」
希(ちょっと嬉しいかも…)

絵里「クラスメートなんだから、
名前くらい覚えていて当然じゃないかしら」

希「そうかなぁ。
入学してから数週間経つけど、私まだ全然覚えられてないよ~」

絵里「ふーん…」
絵里「ちなみに私はクラスメートの名前と血液型と誕生日、全て空で言えるわよ」

希「そ、それは…なんというか、
ちょっと引くレベルですごいね」

絵里「これくらいクラスメートなら当然でしょう?
あなたの努力が足りてないだけよ」

希「ご、ごめんなさい」

絵里「……ていうか貴方」
絵里「関西出身じゃなかったの?さっきから全然関西弁がでていないけど」

希「あ、あー!そ、そうやったね!うん!
うち関西弁やったね!あはは…」

絵里「……?おかしな人」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 21:14:13.08


希(うちは関西少女…うちは関西少女…うちは…)
希「ブツブツ…」

絵里「それで?何か私に用かしら」

希「!!!」

希「う、うん!
あ、絢瀬さんに少し聞きたいことがあってそれで話しかけたんやで!」

絵里「聞きたいことね。なにかしら?」

希「あのやで」

絵里「えぇ」

希「絢瀬さんってもしかして…マヨラーなんやで?」

絵里「……」
絵里「……?」

希「さっき偶然マヨネーズをたくさんかけてるところをみちゃったものでやで…」

絵里「……」
絵里「……?」

希「あ!も、もしかして違った?違ったならごめんね!あははは…やでー…」

絵里「いえ。そういう意味の無言じゃないの」
絵里「東條さん。質問に答える前に一ついいかしら?」

希「し、しつもん!?は、はい!なんやで??」

絵里「あの…」
絵里「……」
絵里「…やで、の使い方間違えてない?」





50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/13(金) 21:23:30.41


希「?」
希「やで?」

絵里「やで」

希「当たってると思うけど…やで」

絵里「そう」
ペコリ
絵里「ごめんなさい」

希「え?」

絵里「猛虎弁には疎いくせに、
知ったかって余計な茶々を入れてごめんなさい」

希「そ、そんな大袈裟やで!頭をあげてやで!」

絵里「……ありがとう。東條さん」

希「やで!」

絵里「う、うん。やで」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/14(土) 10:32:01.36


絵里「それで私がマヨラーかどうか、だったかしら」

希「う、うん!」

絵里「マヨラーね。マヨラーマヨラー……」
絵里「……」
絵里「…ごめんなさい。そもそもマヨラーって何?」

希「あれ?知らんのん?」
希「マヨネーズを愛して止まない人達のことを、通称マヨラーと呼ぶんよ」

絵里「なるほど」
絵里「そういう意味でなら私もマヨラーかもしれないわ。
わたしマヨネーズ好きだし」

希「おぉ!やっぱりそうなんやね!やで!」

絵里「マヨネーズは私のソウルフード。血を分けてない姉妹みたいなものよ」

希「それはよっぽどやで!」

絵里(←誇らしげ)

希「えへへ。……あのね?
うちも実はね、マヨネーズ好きなんよー!やでやでっ」

絵里「あらそう。奇遇ね」

希「ちなみに絢瀬さんはマヨネーズ手作り派?それとも市販派??」

絵里「え?市販派、になるのかしら」

希「あ、そうなんやね~。ちなみにうちは手作り派や」

絵里「へぇ。マヨネーズって個人でも作れる物なのね。
作るの大変そう」

希「割と簡単に作れるよ?
味の好みも自分の好みに合わせられるし、
酢を少なめにしたり、カレー入りのマヨネーズを作ったりとか、
アレンジもできて結構楽しいで♪」

絵里「ふむ…意外と奥深い」

希「やで♪やで♪」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/14(土) 10:41:45.27


絵里(自作して油の量を減らせば
もう少しヘルシーなマヨネーズも作れるかもしれないわけね…)

絵里「手作りマヨネーズ…」
絵里「マヨネーズ生活を始めてからお腹周りが怪しくなり始めたことだし…
私も始めてみようかしら…」

希「あっ。それなら」

絵里「?」

希「あの…」

絵里「なに?」

希「……うちが作り方、教えてあげようか?」

絵里「……いいの?」

希「もちろん!」
希「あっ……。絢瀬さんが良いなら、だけど」

絵里「もちろん良いに決まってるわ。
むしろこっちからお願いしたいくらい」

絵里「東條さん。もし良ければ私にマヨネーズの作り方を教えてもらえる?」

希「!も、もちろん!」

絵里「そう。良かった」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/14(土) 10:58:32.07


絵里「となれば即行動ね。東條さん。これから時間ある?」

希「……ふふっ」

絵里「?いきなり笑ってどうかした?」

希「あっ。ごめんなさい。変な意味じゃないんよ」
希「絢瀬さんってこういう人だったんだなーって、ちょっとびっくりして」

絵里「こういう人って…
今までどんな人だと思ってたのよ」

希「1人が好きなコミュ障な厨二病気味な人」

絵里「…ほとんど初対面なのに随分と言ってくれるわね貴方」

希「はっ!」
希「ちゃうのちゃうの!
今のは言葉のチョイス間違えただけなんよ!」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/14(土) 11:17:59.92


希「絢瀬さんって人付き合いに積極的な人やったんやね」
希「クラスの人の名前を全員ちゃんと覚えてたりとか、うちのこと誘ってくれたりとか、
ちょっと意外やったんよ」

絵里「これくらい普通のことだと思うけど」

希「うん。絢瀬さんがそう思ってたことがすごく意外でね。
うち絢瀬さんは1人が好きな人なんだと思ってた」

絵里「……」
絵里「1人が好きな人なんていないわよ」

絵里「人間とは本質的に孤独…
他人と本当の意味で理解し合うことはできない存在…
だからこそ、人は繋がりを求める生き物なのよ」
絵里(キリッ)

希「??意味はよくわからんけど…」
希「絢瀬さんは友達が欲しいってこと、やね」

絵里「欲しいとは言ってないわ」
絵里「生きる上で必要なものと思ってるだけよ」

希「何が違うん?それ」

・・・
・・


希「あ、絢瀬さんは友達が欲しいんよね」

絵里「欲しいんじゃなくて必要なの」

希「う、うん。必要なんよね」
希「それなら…」

絵里「うん」

希「あの…」
希「う、うちと…友達になってくれまてんはひゃにゃ!ポワァ!」

絵里「はぁ?なんて???」

希「今のは無し!」
希「絢瀬さん!!」

絵里「は、はい」

希「う、うちと友達になってください!!」

絵里「……」

希「……っ!」


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/14(土) 11:18:22.76


絵里「……」

希「……っ!!!」

絵里「……」

希「……っ!!!」

絵里「……」

希「……っ!!!」

絵里「……」

希「……っ!!!」

ビュー…←風の音
カサカサ←木の葉の揺れる音
キーキー←ブランコの揺れる音

希(ながい!)


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 11:47:18.05


絵里「……」

希「あの」

絵里「やっ」

希「や?」

絵里「ぶぶぶぶ……」

希「だ、大丈夫!?絢瀬さん!」

絵里「……」
絵里「まぁ」
絵里「やぶさかではないわね」

希「!ほ、ほんと?!」

絵里「えぇ。もちろんよ」

希「えへへ♪嬉しい!これからもよろしくね!絢瀬さん!」

絵里「えぇ。よろひく」

希「ひく?」

絵里「……よろしく」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 11:54:56.61


絵里「それで、あの」
絵里「東條さんはこれから時間あるのかしら」

希「あるで~。
これからうちの家でマヨネーズ作ってみる?」

絵里「東條さんがよければ是非」

希「それじゃあ行こっか」

絵里「えぇ。行きましょう」

トコトコ

希「え?」
トコトコ…

希「あ、あの…?」
トコトコ…

希「ちょちょちょっ!ちょっとっ絢瀬さん!」
トコトコ…

絵里「?どうかした?」

希「絢瀬さんどこに行こうとしてるの?」

絵里「どこって、東條さんのお家だけど」

希「うちの家、どこにあるか知ってるん?」

トコトコ…ピタッ
絵里「…………知らなかったわ」

希「うちの家は反対方向だよ。うちについてきて?」

絵里(コクン)


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 12:03:41.57


トコトコ…

絵里「今更だけど」
絵里「こんな夕暮れ時にお邪魔して大丈夫?
ご家族の方の迷惑になるんじゃ…」

希「大丈夫大丈夫~。うち一人暮らしやもん」

絵里「あ。そうなんだ」

希「なんなら深夜までいてもいいよ?」
絵里「深夜っ!」

希「いっそお泊まりとか」
絵里「お泊まりっ!?」

希「あっ。
でもその時は布団は一つしかないから、二人で使わなあかんなぁ」

絵里「二人で一つの布団でランデブー!?」
カーッ///
絵里「ハ、ハレンチだわ!」

希「じょ、冗談やて」

希「うちとしては、
1人で家にいるのは少し寂しいし、
誰か部屋にいてくれるのは嬉しいかも」

絵里「さ、寂しい…!?
寂しいからってそんなこと求められても…
わ、わたしどうしたらいいのか…っ」フルフルッ

希「?絢瀬さん何の話しとるん?」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 12:14:29.55


・・・
・・

希「じゃーん!」
希「ここがうちの部屋です」

絵里「……ぁ」
ブルフル…

希「ん?絢瀬さん?」

絵里「ァ…ァア……ァアッ!!!」ブルブル!

希「ちょっ!ど、どうしたん絢瀬さん!?血相変えて!」

絵里「ひょ、表札に…表札にぃ!!」
絵里「男の名前が書いてあるぅっ!!」

希「あ。それはね…」

絵里「同棲!?希さんまさか男と同棲してるの!?」

希「いや」

絵里「私を二人の愛の巣に引き入れてどうするの!?何を見せるつもりなの!?!?」

希「み、見せる!?見せるって何を??」

絵里「そ、それは…」
絵里「それはあぁーーっ///」
絵里「キャーーーー!!」

ドタバタ、ジタバタ

希「と、とりあえず!とりあえず落ち着こう絢瀬さん!
落ち着いてうちの話を聞こう!」

絵里「こ、これが落ち着いていられるわけががが…っ!!!」

希「これはうちのお父さんの名前!
防犯として書いてるだけなんやって!」

絵里「!!!」
絵里「そ、そう……なの?」

希「同棲なんてうちがするわけないやん!もー、何を勘違いしてるんだか」

絵里「そ、そう。ごめんなさい早とちりしちゃって…」

希「……絢瀬さん大丈夫?
さっきからテンパりすぎやで?」

絵里「DADADADA大丈夫…っ」

希(キャラが崩壊しとる…
なんでそんなに緊張してるんやろ)





69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 13:10:53.19


希「狭いとこやけど自由にしてね~」

絵里「ここが希さんのお家…」
クンクン
絵里「人の家に匂いがするわ」

希「は、恥ずかしいからあんまり嗅がんでもらえる?」

絵里「わかった」
絵里「スーーーッ……フッ!」
絵里「……」
絵里「……」
絵里「…………っ!!」

希「も、もしかして息とめてる?」

絵里「……っ!っ!っ!!」

希「あ、あかん!息して息して!」

絵里「プハァッ!!」

希「だ、だいじょぶ??」

絵里「ハァハァ…大丈夫よ。東條さん」
絵里「…そしてごめんなさい。匂いを嗅がないように気をつけたんだけど…

わたしが生きてる限り、匂いをかがざるを得ないみたい…」

希「うん。そうやろね…」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 13:26:57.18


希「じゃー、息はしていいけどクンクンはやめてーな?」

絵里(コクン)

希「それじゃあ、いい加減中の方に…」

絵里「……」
絵里「東條さん。一つだけいいかしら」

希「?なに?」

絵里「もしかして昨日の晩御飯はカレーだった?」

希「えっ。そ、そうだけど…」

絵里「やっぱり」

希「どうしてわかったの??」

絵里「天性の勘、ってやつかしらね」

希「へぇー…絢瀬さん意外とスピリチュアルなんやねー」

絵里「えぇ」
絵里「……」
絵里(クンクン)

希「んっ!?」

絵里「?」
絵里(クンクン)

希「な、なんか絢瀬さんの鼻スンスン言うてない?」

絵里「言うてないわ」
絵里(クンクン)

希「あ、明らかにクンクンしてるーっ!!!」

絵里「ごめんなさい。つい」

希「ついじゃないよついじゃー!!」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 13:30:42.33


希「もー…クンクンしないで言うてるのになんでクンクンするかなぁ」

絵里「ごめんなさい」

希「匂い残ってたんやね…
はぁ…。恥ずかしい……」

絵里「…ついでにもう一つだけ、いいかしら」

希「うん…あんまり聞きたくないけど聞くよ。今度はなに?」

絵里「もしかして東條さんの昨日の夕飯レトルトのボンカレー?」

希「!!!」

絵里「あ、違った?」

希「そ、その通り!よくわかったね!」

絵里「やっぱり。
レトルトのところを見ると、東條さんってもしかして料理できない人なのかしら」

希「い、いや。普段は料理するけど昨日は疲れてたから手を抜いちゃって…

…ていうか匂いだけでそこまでわかるの!?絢瀬さんすごすぎない?!」

絵里「いえ。そこのゴミ箱にボンカレーの袋があったから予想しただけ」

希「……」

絵里「ごめんなさい」

希「……絢瀬さん。謝る気ないでしょ」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 15:03:32.70


希「絢瀬さんって意外とフリーダムな人なんやね…」

絵里「ち、違うの。ほんとに違うの東條さん」
絵里「普段は本当にこんなんじゃないの」

希(疑惑の眼差し)

絵里「ウッ!」
絵里「……わたし、友達の家にくることってあまり無いから、柄にもなく緊張してるみたいで…」

絵里「その、少し舞い上がってるみたいなの」

希「…そっか」

絵里「ごめんなさい。もう少し落ち着くわ」

希(絢瀬さんにも可愛いところあるんやなぁ)

希「ふふっ。ええよええよ~。
初めてくる場所って緊張するもんやしね。仕方ない仕方ない」

希「うちもね、
実は人をここに連れてくるの初めてだから少し緊張してるんよ」

希「緊張してるんは絢瀬さんだけじゃない。もっとリラックスしていこう?」

絵里「東條さん…」
絵里「……ありがとう」

希(ニコニコ)

絵里「……」
絵里(クンクン)

希「…ねぇ絢瀬さん。そのクンクンどうにかならんの?」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 15:12:28.29


希「それじゃあマヨネーズ作り始めようか?」

絵里「お願いするわ」

……こうして、絵里と希の交流は始まる。

最初はお互いの距離の取り方が掴みきれず、
上手く噛み合わないことのあった二人だったが、

マヨネーズ作りを通して、二人の距離は少しずつではあったが縮まっていった…


そして、そんなとある日のこと。
この前新しく作ったリンゴ入りマヨネーズを試食しているときに、
絵里のある一言から、二人の物語に新たな展開が巻き起こる…


希「絢瀬さん。この前作ったリンゴ入りマヨネーズ試食してみーひん?」

絵里「もう十分寝かしたことだしそろそろ食べごろね。食べてみましょう」

希「それじゃあ冷蔵庫から持ってくるね~」

絵里(コクン)


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 12:16:13.31


絵里「それじゃあ」
希「うん」

絵里「いただきます」
希「いただきまーす」

・・・
・・

シャリシャリ、シャリシャリ

絵里(リンゴが入ってるから無駄にシャリシャリしてるわね)

シャリシャリ、シャリシャリ

絵里(……ふむ)
希「あ、絢瀬さん!?このマヨネーズは……っ!」

絵里「………」コクン
絵里「……果実特有の爽やかな風味と、シャキシャキした独特の食感…」

希「そして、今回使ったリンゴ、ジョナゴールドの
強めの酸味とマヨネーズの酸味のコラボレーション…!!!」

絵里(コクン)

希「絢瀬さん。やっぱりこのマヨネーズは…」

絵里「うん」

シャリシャリ

絵里「すごく不味いわ」
希「すごく不味いね…」

カチャッ……←箸を置く音


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 14:04:55.39


絵里「……」
希「……」

また失敗か…
部屋に流れる空気は重い

リンゴ、バナナ、チョコ、焼肉のタレ、もずく……
考えつくもの全てをマヨネーズに混ぜ合わせて、味覚の革命に挑戦するもどれも悉く失敗。

希「皿…片付けるね…」
絵里「お願い…」

数ヶ月前、あの頃はマヨネーズを作ることがただ楽しかった。
それだけで充実していた。

しかしマヨネーズ道にのめり込んでいくにつれ、
二人は普通のマヨネーズでは満足しないようになってしまった。

マヨネーズ専用のカップ、マヨネーズ専用の機械を自腹で購入し、
今や東條宅はちょっとしたマヨネーズ工場のような有様と化していた。

絵里「いつまで…」
希「?」

"いつまでこんな生活が続くんだろう"
そんな言葉が漏れかける絵里。だがぐっと堪える。

絵里「ううん…なんでもない」

絵里(忘れたの絵里!
高校三年間をマヨネーズに費やすって決めたじゃない。

こんなところで弱音吐いちゃダメ!)

太ももをつねりながら、己を叱責する絵里。
そんな絵里をうつろな眼差しで希は見つめる

希「もう深夜1時だし…そろそろ寝よっか…」
絵里「えぇ…そうね…」

そう言うと、絵里はゾンビのように一つの布団に倒れこむ。
それからは死体のようにピクリとも動かない。

そんな絵里を横に、希は本日の成果をノートにまとめる。

【2月8日日曜日】
本日のマヨネーズの試食量10kg
リンゴ×
いちご×
ヨーグルト×
鯖×

今日は少ない方だったなぁ、とぼんやり考えながら、
希は絵里の隣にそっと入り込み、静かに眠りについたのであった


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 19:20:13.73


次の展開を安価で決めます。
グロ、鬼畜、エロな展開はスルーで次安価
>>81


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 19:24:13.11


マヨネーズ仲間探し



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 20:05:57.14


・・・
・・

(絢瀬さん、絢瀬さーん!)

絵里「むにゃむにゃ…もうたべられないよぅ…」

(もう朝やでー。はやく起きないとー!)

ユサユサ!ユサユサ!

絵里「あと…あと5分…」

(ダメや!
5分もあれば焼きそばバゴーンが一個できあがっちゃうで!)

絵里「ならせめて…3分…」

(ダーメ!
3分もあったらペヤングが簡単に茹で上がる!!)

絵里「……」
絵里「ならせめてあと10^3×4×0.1×(8×25)^(-1)分…」

(な、なんて?)

絵里「せめてあと1/√3×log10^4×sin7π/2分…」

(はぁ!?)

絵里「さぁ。お得意のカップ焼きそばネタで返してみなさい」

(そ、そんなのわかるわけないやん!)

絵里「あら解けないの?中学生でも解ける問題のはずなんだけど…」

(なっ…!)

絵里「そうね。わからないなら仕方ないわね。
相手に言葉が通じないんじゃ、私が妥協してあげるしか方法はないものね」

(むっ……!)

絵里「私の中での東條さんは、
中学生でも解ける問題を解けないおバカさん
…ってことになっちゃうけれど、それも仕方ないわよね」

(ちょ、ちょっと待っててや!いま紙とペン持ってくるから!)

タッタッタッ…

絵里「……」
絵里「よし寝るか」





83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 20:23:59.24


In 朝の登校
トコトコ…

希「はぁ…朝からいきなり頭使ったから頭いたなったわぁ…」

絵里(採点中)

希「どんなかんじ?」

絵里「……ふむ。」
絵里「1問目は当たってるわね。2分で正解よ」

希「おぉ!やった」

絵里「二問目は惜しいわねー。少しだけ間違えてる。
log10^4は4になるの。だから答えは2分ね」

希「あー。そうなんやねー…。
まぁでも、一問当たったならうちにしては上出来やな。
うち勉強苦手やし」

絵里「えっ!そうなの?……ちょっと意外かも」

希「頭良さそうって人からは言われるんやけどね~。
実際はさっぱりなんよ」

希「ハァ……そろそろテストも始まるしげんなり気味やわー…」

絵里「そうなんだ…
それなら、テスト期間が始まったら一緒に勉強する?」

希「ほんま!?助かるわ~」

絵里(ニコニコ)


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 20:38:52.71


……ピタッ
希「……ていうか待って、絢瀬さん」

絵里「?」

希「朝の日常会話をする前に、
今朝のことでうちに何か言うことがあるんやないかな?」

絵里「……」

希「……」

絵里「そうねー…」
絵里「今朝の朝ごはんは一品少なかった気がするわね」

希「……」
希「…そうやね。今朝は誰かさんのせいで余計なことに時間を割かれて、
料理が一品消えちゃったね」

絵里「……」

希「……他に言うことは?」

絵里「……」
絵里「起きるの渋って、変ないちゃもんつけてごめんなさい」

希「うん。まずそこだよね」

絵里「すみませんでした…」

希「絢瀬さんは毎朝あの手この手で起きるの妨害するよね。
主にうちを困らせる方向で。なに?楽しいの?迷惑かけるの楽しいの?」

絵里「はい…あっ!い、いえ!楽しくは、ないです」

希「…朝は絢瀬さんのご飯作ったり、学校に行く支度をしたりと忙しいの。
絢瀬さんと戯れてる時間はないの、考えればわかるよね」

絵里「はい…」

希「絢瀬さん」

絵里「は、はい」

希「これだけはしたくなかったけど…」

絵里「え……ま、まままさか…?」

希「次、起きるの渋ったら…」
希「絢瀬さんの上からドーン!って乗っかるからね」

絵里「ひ、ひぃぃ!!!そ、それだけはああぁっ!!」

希「嫌なら、明日からちゃんと起きるんやで?」

絵里「は、はい!」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 21:03:00.88


そして昼休み
クラスメートA「絵里さんの瞳の色って綺麗だよねー」
クラスメートB「ねー。宝石みたいに綺麗!」

絵里「そう?ありがとう」

クラスメートA「その目もロシアのお婆ちゃんの遺伝だったりするの?」

絵里「いいえ」

クラスメートB「え?でもクオーターなんだよね?
それじゃあなんで…」

絵里「……実はこの目には大きな秘密があってね」

希「秘密?」

…パカッ!
絵里「実はこの目、カラコンだったの」

希「ええええっ!!」

クラスメートA「えええええっ!!」
クラスメートB「えええええっ!!!」
クラスメートC「絵里さんの瞳が黒くなったぁああああ!!!」


絵里「……と見せかけて!」
…パカッ!
絵里「まさかの二重コンタクトよ!!」


クラスメートA「また青くなったあああ!!!」
クラスメートB「また青くなったあああ!!!」
クラスメートB「また青くなったあああ!!!」


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 21:03:15.31


希「な、なんでまたそんな(バカな)真似を…」

絵里「ふふっ!」

ドン!

絵里「瞳のことをつっこまれた時のネタ用のために、
密かにネタを仕込んでいたのよ!!」

クラスメートD「アホやこいつ!」
クラスメートC「おいここにアホがいるぞ!」
クラスメートA「いや、ここまで入念だとある意味尊敬するかも」
クラスメートB「バカと天才は紙一重とはまさにこのこと…!」

絵里「ふふふん!」ドヤッ

希「結局、絢瀬さんの元々の目ってどっちなの?」

絵里「青よ!」

クラスメートD「……ていうか、
コンタクトの二重重ねは目に優しくないからやめた方が…」

絵里「ええっ!?そうなの!?」

・・・

ワイワイ!ガヤガヤ!
ポンコツ ユ-ナ-!

希(ふふっ)
希(絢瀬さん、いつのまにかクラスにも馴染んでるなぁ)


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 21:22:23.25


お昼の時間。楽しい楽しいお昼ご飯の時間。
二人はいつものように中庭に訪れる

……しかし、その表情は暗い。
さきほどの楽しげな様子がまるで嘘のようだった

絵里「東條さん。今日のお昼はなんだったかしら」
東條「えーっと…」

東條「チリソース入りマヨネーズ、タウリンマヨネーズ、タラコマヨネーズ」

絵里「……そう」

実はこの数週間、二人はマヨネーズ合宿と題うって、
東條宅にほぼ毎日泊まり込みマヨーズの研究をしていた。

最低限の栄養バランスを考えて、朝だけはしっかりした食事をとり
昼と夕はずっとマヨネーズ漬け。
そんな生活を数週間続けていたのだった。

絵里「それじゃあ」
希「うん」

絵里・希「「いただきます……」」

まさにマヨネーズ生活。
出口の見えないマヨネーズ・ラビリンス


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 21:30:59.00


二人の精神は外には見えにくいが、もはや限界に達していた

希「あ」
絵里「お」

絵里・希「「美味しい!!」」

希「チリソース入りマヨネーズ美味しい!」
絵里「えぇ!このチリソースがバツグンに美味しいわ!」

希「そうそう!このチリソースが!」
絵里「むしろこのチリソースがっ!」

希「むしろこのチリソースだけで充分…」
絵里「いっそチリソース単体で食べた方が…」

絵里・希「「………」」

沈黙。
希『私たちはどうしてマヨネーズを研究してるんだろう?』
心の声で、希は問いかける

その心の問いかけに、絵里は即座に答える。
あらかじめ答えを用意していたかのような、機械的な反応速度で。

絵里『それはもちろん!私たちがマヨネーズが好きだからよ!』

希『………』

沈黙。沈黙。沈黙
長い沈黙を経て、希はゆっくりと言葉にする

希「絢瀬さん…」
希「自分の好きなものの好きな理由を考え始めたら、
それはもう好きじゃないってことなんじゃないかな」

絵里「……」

希「本当に好きなら、理由なんて求めずに無意識に行動するものだと思う…」
希「絵里さんは……心の底からマヨネーズが好きだって断言できる?」

絵里「…………」

絵里からの返答は、ついぞ出なかった


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 21:52:21.82


箸を止めて、停止する二人。
言葉も発さずじっと俯く絵里と希。



……そんな時だった

???『あ!美味しそうなマヨネーズですねー。手作りですか?』

上から響く謎の声。

十代らしい明るい声調と、あざとさを感じさせない程度のほどよい萌え声。

絵里「……え?」希「………ん?」

声に反応し、ワンテンポ遅れて見上げたその先、
そこにいたのは紛れもない美少女であった

髪は黒いロング。いかにも清純派なビジュアルで、
身長は女子にしては高めなくらい。

その可愛さを例えるなら、
学生時代は地味な印象でそれほどはモテなかったけど、
十年後、同窓会に行ったら『俺、実はお前のこと結構好きだったんだぜ?』みたいな告白を
大量に受けそうな、そんな美少女がそこにいた

そんなセーラー服美少女が、マヨネーズ弁当を覗き込んでいた。


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 22:08:47.46


???『ん?』
反応の無いことに首を傾げてキョトンとする美少女

絵里「ん?んんん??んがーっ!」
脳の処理が追いつかず、ポンコツと化す絵里

希「あっ。ごめんごめん。ちょっと驚いちゃって」
いち早く復帰する希。
すぐに立ち上がり、パッパとついた土を払い落とす。




希「手作りかどうか、だったよね。
うん。手作りやで」

???『へー!そうなんですかー?すごーい!』

ぱちんっ、と手を合わせて嬉しそうにする美少女。
行動一つ一つが計算されたように可愛らしい。

希「そうなんよー」ニコニコ

???『へー』ニコニコ

希(………ふむ)

一連の会話で希が得た印象。
『アニメのキャラをそのままリアルに持ってきたような女の子だな』
良くも悪くもそんな印象を希は感じた


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 22:12:46.57


希「あれ?そういえばあなた…どうして…」

???『?』

希「どうしてセーラー服なの?うちの学校の生徒じゃないみたいやけど…」

???『あれっ?聞いてませんか??』
???『今日は高校見学会なんですよ』

希「あ、なるほど。それじゃあ、あなたは中学生なのね」

???『はい』

希「……ふーん」




絵里「………」ムクリ
ポンコツがようやく復帰する

絵里「そのセーラー服……あなた私の妹と同じ学校のようね」

???『ええっ!そうなんですかー!?』
はわわっ!と仰け反らんばかりのリアクションをする美少女。

絵里「う、うん」
オーバーなリアクションに若干引く絵里。

???『もしかしたら妹さんのこと知ってるかも!なんてお名前なんですか??』

絵里「亜里沙って言うんだけど知ってる?」

???『あー!知ってます知ってます!
あの可愛い娘ですよね!私の一個学年下ですよ!』

絵里(ということは…今は中学二年生…)
絵里(私たちが三年になるころには、この娘は一年生なわけね)


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 23:00:49.51


???『先輩たちのお名前お聞きしてもいいですか?』

希「東條希やで」
絵里「アヤーセ・エリーチカ。ロシアの留学生よ」
希「おい」

???『ええっ!!先輩ロシア人なんですか!?
道理で金髪碧眼なわけかー!すごーい!』

絵里「?」
絵里「ゴメンなさい。ワタシ、ロシアから来たバカリで、
日本語ヨクわかりマセーン」

希「………」

???『おおぉぉ!!』

希「(ツッコミを放棄)それであなたはなんて名前なの?」

???『あっ。はい!失礼しました!』

スタッ!

???『私の名前はしずく!桜坂しずくです!』

絵里「ほー…」
希「ほー…」

希「綺麗な名前やねー」

桜坂「!ありがとうございます!」

ぽつりと、絵里は思はず言葉を漏らす。
絵里「アイドルに普通にいそうな名前ね」

桜坂「!」

ただ感じたままを言葉にした絵里のこの台詞。

桜坂「……アイドルにいそうって、ほんとにそう思いますか?」

絵里「ん?思う思うヨー」

……絵里がさりげく言ったこの一言。
この一言が後の悲劇につながることをこの時は誰もまだ知らないのだった…

桜坂「えへへ……ありがとうございます!絵里先輩♪」

次回に続く





111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 10:57:36.79


桜坂「お昼にマヨネーズ弁当たべるなんて…
先輩たちよっぽとマヨネーズが好きなんですね」

希「…まぁ、うん。好きやで」
絵里「好きよ。……えぇ!好きだわ!」

桜坂「?何か引っかかるいい方ですけど…?」

希・絵里「「気のせいやで・気のせいじゃないかしら」」

桜坂「そうですか」

・・・

桜坂「私も実はマヨネーズ好きなんですよね~」
ガサゴソ
桜坂「ほら。外用マヨネーズ」

希「あ。小さいマヨネーズ…この容器は自作?」

桜坂「はい♪」

希「小さいマヨネーズ…可愛いわぁ…♪
桜坂さん器用なんやね」

桜坂「そ、それほどでも…///」

絵里「こんなところでマヨラー仲間と出会えて嬉しいわ。
あなたもマヨラーだったとはね」

桜坂「はい!私もマヨラーです!!」
桜坂「…と自分では思ってたんですけどね……」

希「?」
絵里「?」

桜坂「先輩たちを見ていたら、
マヨラーを名乗るにはまだまだ未熟だなって痛感しました…」
桜坂「先輩たちみたいなマヨネーズ弁当は私には無理そうです…」

絵里「……ふむ。ちなみにマヨネーズ歴はどれくらい?」

桜坂「3年です」

希(絢瀬さんより数十倍ベテランやっ)

絵里「……」
ザッ…
絵里「桜坂さん」

絵里「マヨラーには敷居や資格なんてもの存在しない。
マヨネーズを心から好きだと言える、それだけでマヨラーの資格は十分すぎるほどあるの」
絵里「ノーボーダー・ノーマヨネーズよ」

桜坂「……!!!」

ザァー………←どこからともなく風の吹く音
ファサァ←一本木をバックに、髪が風にたなびく音

希(え、演出も相まってあの絢瀬さんがかっこよく見えるっ!)


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 11:00:47.95


絵里「桜坂さんはマヨネーズが好き?」

桜坂「は、はい!好きです!」

絵里「そう。良かった」ニコッ

桜坂「!!!」

アヤーセ先輩の控えめで大人らしい笑顔に、
桜坂しずくは今まで感じたこのない衝撃を受ける。
なんて美しい笑顔なんだろう、と

絵里「それなら、私達の自作マヨネーズを迷うことなく渡すことができるわね」

スッ…

桜坂「こ、これは…マヨネーズ弁当の…?」

絵里「えぇ。この前できたばかりの新作でね
マヨラー仲間のあなたには是非試食してもらいたいのだけど…どうかしら?」
絵里「できればその弁当を丸々食べてもらえると嬉しいわね」ニコッ

桜坂「は、はい!よろこんで食べさせていただきます!」

希(こ、これは…)

絵里「そう。良かった」ニコッ

桜坂「はっ!は、はい……///」

希(体のいい廃棄処分や!!)


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 11:17:44.05


中学の先生「おーい桜坂ーぁ!自由時間は終わりだぞー!」

桜坂「はっ!……はーい!今いきまーす!」

希「あら。もうおかえり?」

桜坂「はい…
ごめんなさい。もう行かなきゃいけないみたいで…」

希「そっかそっか」

桜坂「あの!このお弁当の容器は…」

絵里「それなら100均で買ったものだから、
食べ終わったらその辺に捨ててもらって構わ…」

桜坂「必ず!返しに来ます!」
桜坂「必ず返しに来ますから!!」

絵里「あ、うん」

桜坂「それでは希先輩!アヤーセ先輩!また今度!」

タッタッタッ…

・・・・

絵里「…行っちゃった」

希「ちょっと変わった娘やったね」

絵里「そう?」
絵里「どこにでもいる普通の大人しい女の子に見えたけど」

希「大人しい…?
どちらかというと元気活発な印象を受けたけど」

絵里「それはないわね」
絵里「それと…東條さん。一つだけいいかしら」

希「?なに?」

絵里「………マヨネーズ作りは、当分休業しましょうか」

希「……」
希「…賛成や」


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 18:03:57.82


マヨネーズ合宿中断宣言と、桜坂しずくとの出会い。
それから数日後のこと…

・・・・
・・・
・・


(おーい、起きてー)

絵里「むにゃむにゃ…もうたべられないよぅ…」

(もう朝だよー!はやく起きないと遅刻だよー!)

ユサユサ!ユサユサ!

絵里「あと…あと5分…」

(えー?またー?)
(もう仕方ないなぁ…これだけはしたくなかったけど…)

絵里「………」
絵里「……」
絵里「はァっ!!」

ガバッ!

絵里「ま、まって東條さん!!
起きる!今すぐ起きるから!上からドーンはやめてえええっ!!!」

(えっ)

絵里「ひいぃ…お、お助けぇぇ!!」

(………)
亜里沙「………」

亜里沙「…さっきから何言ってるの?お姉ちゃん」

絵里「……あっ、あれ…?」


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 18:08:11.93


絵里「こ、ここは私の家?!」
絵里「…あっ」
絵里(そっか…。もうマヨネーズ合宿は終わったんだったわね…)

亜里沙「まだ寝ぼけてるの?お姉ちゃん」

絵里「いえ、もう大丈b…」亜里沙「えい」

ビシイッ!!

絵里「キャー!痛たいっ!?
燃えるように痛い!!」

亜里沙「目が覚めた?」ニコニコ

絵里「最初から醒めてるわっ!
というかどうして頬っぺたビンタしたの!?」

亜里沙「目がさめると思ってっ」

ニコニコ

絵里「お、恐ろしい…笑顔でなんて真似を…
ロシア育ちってみんなこんな感じなのかしら…」

亜里沙「さーてとー」
シュタッ!
亜里沙「朝ごはんはもうできてるから、早く下に降りてきてね~」

トットットッ…

絵里「朝からなんてデンジャラスな妹なのかしら」
絵里「……」

チュンチュン!チュンチュン!←外から聞こえる鳴き声

絵里「……」
絵里「……そっか」

絵里「マヨネーズ合宿、中断したんだったわね…」

絵里「……」
絵里「…下行こっと」


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 18:12:34.78


一方希の場合

希「~~~♪」

A.M6:30。
朝から料理に励む希

希「…よしっと、完成♪」

希「絢瀬さーん!もう朝やでー……あれ?」

布団『しーん…』

希「あっ」

希「…そうやった。もう合宿終わってるんやったなぁ」
希「……」
希「目玉焼き、また一つ多く作っちゃった…」

希「……」
希「…学校の準備しよっと」


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 18:48:07.44


In 通学路
希「ふわぁ…」
希(眠い…)

希「ふわああぁぁ…」
希(…ねむい)
希(合宿のせいで早起きする癖がついちゃったなぁ…)

絵里「ふふ」
絵里「大きなあくびね」

希「ひょっ!?」

絵里「ひょ?」

希「びっ…び、びっくりしたー!
おどかさないでよ絢瀬さんっ」

絵里「ごめんね。おどかしたつもりは無かったのだけど」

希「もー……まぁ、ええけどね」
希「おはよ。絢瀬さん」

絵里「おはよう。東條さん」

トコトコ…

絵里「随分眠そうね。勉強でもしてたの?」

希「そういうんじゃないんやけどねー…
合宿の時の生活スタイルが抜けきらんくて…」
希「今日も寝たのは深夜3時で起きたのは6時や…」

絵里「あら。それは大変ねぇ」

希「絢瀬さんはそういうの無いん?」

絵里「無いわね」

希「羨ましいわ~……ふわぁ…」


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:06:39.47


キーンコーン、カーンコーン

絵里(昼休み、か)

¥ ゴハン タベヨ- / ¥ ウン! /
ガヤガヤ!ガヤガヤ!

絵里(ふふふっ!)
絵里(合宿が終わって少し寂しいところはあるけれど…)

絵里(お弁当がマヨネーズじゃないって考えただけで
心がウキウキするわねっ!!)

ウキウキ!ウキウキ!

希「絢瀬さん、お昼いっしょしよ?」

絵里「えぇ!中庭でいい?」

希「ええよ~」

・・・
・・


絵里「東條さんの卵焼きは相変わらず美味しそうね」

希「食べる?」

絵里「いいの?」

希「ええよ~。はい。あーん」

絵里「あー……」

希「あー……ん?あれ?あそこにいるのは…」

絵里「あーー……」

希「遠くてよくわからんけど…あれはー…」

絵里「あーーーーーー……」

・・・・・

しずく『みたいなことがあって~』

クラスメートA「なにそれw」
クラスメートB「嘘っぽいけどー?w」

しずく『ほんとなんですってばー!』

・・・・・・

希「あれは……桜坂さん?」

絵里「あーーーーーーーーー……!!!!」


121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:07:54.40


・・・・・・

しずく『この前~、
レジのおばさんが放送で、
「2番レジ、応援お願いします」ってアナウンスを入れてた時に、
列に並んでた小さい女の子が
「がんばれーっ」って可愛く応援してるのを見たんですよ~』

クラスメートA「ほう」

しずく『それがもー…めちゃくちゃ可愛いんくてー!
わたし感動しちゃいました~』

クラスメートA「あー。それは確かに可愛いだろうね~」
クラスメートB「いいもの見たね。しずかちゃん」

しずく『はいっ♪』
しずく『それでー…
その後、その子がずっと頑張って応援してるから、
私も釣られてその子と一緒に応援しちゃったんですよー♪』

クラスメートB「それは流石に嘘でしょ」
クラスメートA「嘘乙。あざとい乙」
クラスメートC「自称天然さん乙」

しずく『えぇーっ!ほんとなのにーっ!プンプンっ( *`ω´)』



希「あれは…桜坂さん…?
この前と随分キャラが違うみたいやけど…

希「そもそも今日は見学会はないはずなのに
どうしてここにいるんやろ…」

絵里「あーーーーーーーーんんん!!あーーーんんんっっ!!」

希「あ。はいはい。あーん」

パクっ


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:20:39.50


絵里(モグモグ)
ゴクン
絵里「卵焼き美味しい」

希「そう?よかった」

絵里「ところでさっきは何かに気を取られてたみたいだけど…
何を見てたの?」

希「あぁ。あそこあそこ」

絵里「?あれは……桜坂さんね」

希「あーんしてる途中でそっちに気をとられちゃって…
さっきはごめんね?」

絵里「さっきのあーんの件は…まぁ、置いておくとして」
絵里「あれって桜坂さんよね。どうしてここにいるのかしら?」

希「さぁ。なんでやろね」

絵里「見学会はもう終わったはずだし…」

希「謎やね」

絵里「ね」

希「あとでA子ちゃんに聞いてみようよ」

絵里「ふむ。そうしてみましょうか」

パッパ←立ち上がる音

希「…さてと。ご飯も終わったことだしそろそろ教室に…」

ガシッ!
絵里「待ちなさい東條さん」
希「え?」
絵里「次は私があーんをする番よ?」

希「……えっ」

絵里「さぁ口を開けて……?
1分20秒の間、馬鹿みたいに口を開けてることが
どれだけ恥ずかしいか、あなたに教えてあげるわ…!!」

希「ま、待っ…そ、それは…」

絵里「さぁ口を開けなさい!」

希「……はい」





123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:30:41.31


・・・
・・


クラスメートA「あぁ。しずくちゃんのこと?」

希「あの子って中学生だよね。どうして高校にいるんやろ?」

クラスメートA「あぁ。そのことね」
クラスメートA「………」
クラスメートA「あれ!なんでだ!?」

クラスメートB「今年の文化祭は向こうの中学と合同でやるらしくてさ」

クラスメートB「中学の現生徒会長であるあの子が、
うちらの生徒会と話し合いするために
ちょくちょくこっちに訪問してるらしいよ」

クラスメートA「それだそれ」


希「なるほどね~」

クラスメートC「希さん達もしずくちゃんのこと知ってたんだね」

希「うん。まぁ、少しだけやけどね」

クラスメートA「あの子かわいいよね~。
自称天然キャラ、って言うのかなぁ。ああいうの」

クラスメートB「ゆうこりんみたいなタイプの可愛さがあるよね!」

クラスメートC「たしかに!」

クラスメートA「計算で行動してるんだろうけど、
計算しきれてない感じがたまらん!」

クラスメートC「わかるわかる!」

希「ふーん…?」(うちらの時とは大分印象変わるなぁ)


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:42:59.28


絵里「………ふむ」
絵里「文化祭、ね」

絵里「………」

希「?どうかしたん?絢瀬さん」

絵里「いえ。なんでも」

希「?」




クラスメートD「あ!そういえばさ、」
クラスメートD「あの子って前に、
学園アイドルになりたいとか言ってなかった?」

クラスメートA「あぁ。言ってた言ってた。
音乃木坂高校に入ったらアイドルになりたい!とかなんとか」

希「へー。桜坂さん可愛いし結構向いてそうやね」

クラスメートA「だよね!私もそう思う!」

クラスメートB「うちの学校はまだ学園アイドルいないから、
そこを狙ってうちに来るつもりなのかもね~」

クラスメートD「となると、あの独特なキャラは、
アイドルになった時のキャラ作りの練習なのかね?」

クラスメートB「さぁ…それはわからないけど、

もしそうだったとたとき、
自称天然キャラ系のアイドルっていうのはアイドル業界的に見てどうなんだろう?」

クラスメートC「傾向としてはモモチみたいなタイプか…うーん…」

クラスメートA「それだとギャグ寄りアイドル…しずくちゃんには向いてない気が…」

クラスメートC「いや、しかしギャグ寄りも逆手をとればむしろ…」



希(あかんっ。おかしなアイドル講義が始まったっ!)

希「そ、そっかそっか。色々教えてくれてありがとね~
それじゃあ~」

絵里「………ふむ」


125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 19:55:48.10


希「桜坂さんにそんな一面があったなんて意外やね~」

絵里「………」

希「…絢瀬さん?

絵里「……ん?」

希「さっきからずっと黙ってるけど…どうかしたの?」

絵里「……東條さん」

希「うん」

絵里「生徒会選挙っていつから始まるか知ってる?」

希「えっ」

絵里「たしか二学期にやるって言ってたわよね」

希「え、えーっとたしか…来月あたりだったかな」

絵里「なるほど。となると時間は限られてるわね」
ガッ!
絵里「となれば即行動よ。東條さん!行きましょう!」

希「こ、こうどう??行動って絢瀬さんなにするつもりなん??」

絵里「ナニもヘチマもないわ!」
絵里「生徒会選挙に立候補しましょう!」

希「へ?」

絵里「そして…」
絵里「生徒会長になるのよ!!」

希「ええっ!?」


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 20:09:33.92


希「え?え?……えぇ???」

絵里「文化祭は盲点だったわね…生徒会の権力があればきっと…」ブツブツ

希「ちょ、ちょっとちょっと!絢瀬さん!」

絵里「?」

希「ご、ごめん。うち状況がさっぱりわからんのやけど…」

絵里「?まず何がわからないのかしら」

希「えーっと…わからないとこらが多すぎてどこから言えばいいのかわからないけど…」

希「…絢瀬さんは生徒会に入っては何をするつもりなん?」

絵里「いい質問ね」
絵里「答えはシンプルよ。
文化祭の管理と運営をするつもり」

希「文化祭…そ、それだけ?」

絵里「もちろんそれだけじゃないわ」

絵里「私が生徒会長になった暁には、
全権力をもって文化祭のテーマを私が決定する!」

絵里「私の代の文化祭のタイトルはズバリ!
『音乃木坂マヨネーズ祭り』よ!!」

希「………」
希「はぁ?!」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 20:19:00.17


希「またマヨネーズ??どうしてまた…」

絵里「東條さん。合宿を止めた日から私ずっと考えてたの」

絵里「どうして私達は美味しいマヨネーズを開発できなかったのかって」

絵里「どうしてマズイマヨネーズばかり出来てしまうのかって」

希「………」

絵里「それはね、私達二人だけで作っていたからよ。
二人だけの視野じゃ思いつくパターンも限られちゃうし、
何より二人だけだから負担する量が多すぎる。」

絵里「もっと広い範囲でマヨネーズの可能性を探れるような、
そんな方法を見つけるべきだと私は思ったの」



絵里「そこで私がヒントを得たのはこの文化祭」

絵里「文化祭にはたくさんの人が来るでしょう?
その人達にもマヨネーズの開発を手伝ってもらえばいいのよ」

希「で、でもどうやって…」


絵里「色々案はあるけど、こういうのはどうかしら」

絵里「何十種類もの調味料とか食べ物を用意して、
お客さんそれぞれにその具材を混ぜてもらって、
マヨネーズを作ってもらう」

絵里「そして、完成したマヨネーズを自分で食べてもらって、
味のレビューをしてもらう!」

絵里「こうすれば、
マヨネーズ合宿のときみたく私達に負担がかかることはないし、
たくさんのお客さんに数千のパターンを試してもらえば、
今までよりももっと新しいマヨネーズを作れるはず!」


129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 20:25:38.25


希「それならクラスの出し物でやればいいんじゃ…
何も生徒会長にならなくても」


絵里「クラスの出し物レベルじゃやれることが限られてしまうもの」

絵里「クラス単位だと、クラスの中でしか活動はできない」

絵里「でも生徒会権限ならなんでもできるわ!
全クラスをマヨネーズ工場に仕立て上げることだって可能よ!」

希「そ、それはさすがに…」

絵里「…まぁ、今のはほんのジョークよ」
絵里「でも、たとえば入り口での一口サイズのマヨネーズを試食してもらう、
とかならできそうじゃない?」

希「それくらいなら…まぁ」

絵里「わかってもらえたかしら。私が生徒会長になる理由!」

ドンッ!

希「う、うーん……」

絵里「どうかしら、私のプランはっ」

希「うーん…」
希「ちょっと…非現実的すぎるんやないかなぁ…」


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 20:48:00.78


希「……で、実際のところ」
希「絢瀬さん、今言ったのどれくらい本気なん?」

絵里「そうねー」
絵里「まぁ、100×0.5+60-70%くらい本気かしらね」

希「うわ出たよ」
希「ちょっと待ってや」

希(計算中…)
希(計算中…)
希(計算中…)

希「よし解けた!」

絵里「おぉ。早いわね」

希「毎朝の練習の成果やで!答えはズバリ…」

絵里「答えは40。40%くらい本気よ私」

希「はぁっ?!自分で答えるつもりならなんで計算させたんよ!」

絵里「嫌がらせよ」キリッ

希「……ふんっ」

絵里「ぎゃー!上からドーンやめてええええっ!!」

・・・
・・


希「というか40%?意外と低ない?」

絵里「まぁ、正直に言ってしまうとね」
絵里「わたしの中でのマヨネーズはそれほど優先度は高くないのよ」

希「さっきのマヨネーズ演説した人のセリフとは思えんけど…」

絵里「私は、ただあなたと何かを成し遂げたいだけなの」

希「えっ…」

絵里「マヨネーズでも生徒会でもなんでもいい。
あなたと何かに挑戦したい。一緒に何かを達成したい。
私の希望はただそれだけよ」

希「………」


131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 20:52:59.51


絵里「東條さん」

希「……ん?」

絵里「この数ヶ月、一緒にマヨネーズの研究ができてとても楽しかったわ。

今までこんなに仲のよい友達ってできたことがないから、
私にとってほんとに…どうしようもないくらい楽しい時間だったの」

希「……」

絵里「マヨネーズ合宿が終わってから、
なんとなく私達の接点が消えてしまった気がして…
それがすごく寂しくて…」

絵里「私はまた東條さんと一緒に何かに没頭したい。

生徒会がダメなら、もういっそ運動部でもいいわ。
ガバディ部でもいいし新聞チャンバラ部でもいい!」

絵里「とにかく東條さんには、いつも私の横にいてほしいのよ!」

希「……」

絵里「その…と、東條さん」
絵里「東條さん。私と一緒に生徒会に入り…ませんか?」

希「………」


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/17(火) 21:01:35.43


希「あ、絢瀬さん…」

絵里「私じゃダメ…かしら」

希「いや、あの…」

ザワザワ…ザワザワ…

希「っ!」
希「あ、絢瀬さん!…とりあえず場所かえよ?」

絵里「ダメよ!逃がさないわ!
今答えを聞かないと気が済まない!」

がしっ!

希「待って!そ、そうじゃなくてっ!!」

クラスメートA(じーーっ)

希「ふぐっ!?」

クラスメートB(じーーーーっ)

希「はわっ!」

クラスメートA(じーーっ)
クラスメートB(じーーーーっ)
クラスメートC(じーーーーーーーっ)

希「アアア絢瀬さん!視線ガガガッ!」

絵里「はぁ?視線!?」

クラスメートD「………」
クラスメートD「教室のど真ん中で何やってるんだお前ら」


141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 12:16:23.31


1話「パンツァーフォー!レッツマヨネーズ道!」

ついに始まる生徒会選挙選。
最初から生徒会長の座を狙うつもりの絵里だったが、
音乃木坂では、次期生徒会長は現生徒会長が指名する暗黙の了解があることを知る。

とりあえずは書記として立候補して生徒会入りを目指す絵里。希も同じく書記として立候補。

そしてクラスのみんなの協力もあって、晴れてなんとか生徒会の一員に当選。やったー





142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 12:18:55.29


2話「マヨネーズ・シンドローム」
生徒会の役員が決定したその日
絵里たちはしずくからプリンを渡される。

しずく「お祝いにプリン作ってきました!」

絵里「ありがとう。……ブブウッ!!!」
希「ん?絢瀬さんどうかし……ブブウッッ!」

絵里「「なにこのプリン!?」」

しずく「えへへ。驚きました?
実はこのプリンマヨネーズで出来てるんですよ!」

絵里「クレイジーな発想ね…」
希「あれ?でも…」

もぐもぐ

希「うん!」
希「意外といけるでこれ!」
絵里「カラメルの苦味がいい仕事してるわね」モグモグ

しずく「ほんとですかっ。よかった~」


生徒会当選祝いのプリンをきっかけに、
前にも増してしずくちゃんが話しかけてくるようになる。

今まではほとんど話しかけて来なかったのにどうして急に…?
何か思惑を感じる希であった


143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 12:19:57.46


2話「鳴り止まぬマヨネーズコール」
とある日のこと
絵里が「これからは生徒会の仕事で忙しくなるから、
マヨネーズの研究は一旦休止しよう」と提案。

「文化祭の準備でマヨネーズどころやなくなるやろうし…それも仕方ないね…」と提案を受け入れる希。

絵里「うん…」
希「……」

なんとなく、二人の間に気まずい空気が流れる。

しかし内心は「やったぜマヨネーズから解放されるぜ!」と小躍りしてたのは内緒の話。
もはや彼女たちの心にマヨラー魂は残っていなかった。

『マヨネーズ祭を開催する』という、表向きの目的をかかげて、
今日も希と絵里は一緒の時間をダラダラと過ごすのであった…


144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 12:26:54.98


4話「マヨネーズ、襲来」

生徒会に入ってから、3週間。
日に日に桜坂しずくが二人にコンタクトを取ってくる回数が増えてくる。

気づけば、
登校時間、お昼休み、帰宅時間を共に過ごすようになっている。もはや金魚のフン状態である。

しずくちゃんがくっついて来ることに関しては、
正直とくには別に構わない二人。

だがしかし、一つのだけ、唯一にして最大・最悪の問題が2人を襲う。

しずく「先輩!お昼休みですよ!」
希「う、うん…せやね…」

しずく「アヤーセ先輩!」
絵里「……はい」

今日もマヨネーズ自作してみたんで食べてみてくださいね♪!」
「わかったわ…」

最大の問題。
それは桜坂しずくがマヨネーズに目覚めてしまったことである。

毎日毎日マヨネーズをお昼に届けてくるしずく。
とっくの昔にマヨネーズ熱の冷めた二人にとっては苦行以外の何物でもない。

断りたいのは山々だが、以前マヨラーを自称した以上、
マヨネーズはもう食いたくねぇ!なんて口が裂けても言えない。

結局、二人は黙々とマヨネーズを食べる。
次の日も。次の日。その次の日も…

ふたたび始まるマヨネーズ地獄に、
2人のSAN値は文化祭を前にしてドンドン削られていくのであった


145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 14:41:45.47


5話「マヨネーズ・ダカーポ~終わらないマヨネーズ連鎖~」

文化祭の準備が本格的に始まった。
そしてこの日は文化祭のテーマを決定する日。

(今年は何をテーマにする?)
(努力、友情、勝利とかどうかな?)
(えーっ。古臭いよ~っ)

なーんて会話をキャッキャウフフしながら盛り上がる生徒会一同。

そんなかしましガール達を、
生徒会長・田中(仮名)は沈黙のままに見つめる。





田中「…さて、色々と案が出てるようだが、
私からも一つ案を出させてもらいたい」

田中「今年の文化祭は…
『マヨネーズ祭り』、なんてどうだろう」

絵里「!?」
希「!?」

絵里と希、驚きのあまり書記の手が止まる。
い、いまなんて…?

副生徒会長「マ、マヨネーズ!?それは具体的にはどういった内容で…?」

田中「うむ。例えばそうだな。
これはあくまで一例なんだがね」

田中「何十種類もの調味料とか食べ物を用意して、
お客さんそれぞれにその具材を混ぜてもらい、
マヨネーズを作ってもらう」

希(えっ…)
絵里(それって…)

田中「そして、完成したマヨネーズを自分で食べてもらって、
味のレビューをしてもらい、
その中からグランプリマヨネーズを決める、
というのはどうだろうか?」

絵里「!!!」
希「!!!」

田中「クラス対抗でマヨネーズを作ってもらい競い合うというのも、
面白いかもしれないな。はははっ」


146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 15:06:55.81


まさか絵里と全く同じ思考をする人間がいたとは…!
二人は驚愕を通り越して、感動すら感じた。

震える手で書記を取りながら、二人は考える。
どうしてこんなシンクロニシティが生まれたのだろう?


……語らねばなるまい。

何を隠そうこの田中(仮名)
彼もまた、マヨネーズに人生を狂わされた人間の一人だったのだ…

・・・
・・


振り返るのは10年前。
田中がまだ小学生の時のことである。

きっかけは本当に些細なことだった。
給食の時間、誤ってタルタルソースを
唐揚げにかけてしまったことから、田中の物語は始まる。

白身フライにかけるつもりが、
間違えて唐揚げにタルタルソースをタルタルしてしまった田中。

田中は落ち込んだ。
田中は落胆した。
田中は絶望に絶望した。

ドロドロに汚れた唐揚げは、もはや食べ物には見えない有様。
いっそ残すか?…いや、そうはいくまい。

先月からずっと楽しみにしていた唐揚げだ。
ツブツブの何かに汚染されたからといって、
大好きな唐揚げを残すわけにはいかないのだ

田中は意を決し、箸に手を伸ばす。
田中(仕方ない…!いただきまーす!)

ぱくっ

田中(もぐもぐ)
田中(もぐもぐ)
田中(ーーーーーッ!!)

その時!田中の味覚に稲妻が落ちる!

田中(なっ…!!)
田中(なっ…なんて美味しいんだっ!!!)

小学生の敏感すぎる味覚が、田中の全神経を震えさせる。
タルタルソース……まじうめぇ…!!!

・・・
・・


147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 15:16:17.90


そして田中はこの経験をきっかけに、
タルタルソースの元であるマヨネーズの存在を知る。

中学にあがると、
絵里・希と同様に田中もまたマヨネーズの研究を始めた。

しかし、この時の田中のマヨラー仲間はゼロ。たった一人の研究。
当然体力がもたず、たった数ヶ月で田中は挫折した。

そんな時に、ふと思いついたのが
この『マヨネーズ祭り』だったのである。

当時中学生だった田中は、
校長に文化祭をマヨネーズ祭りにするよう進言した。

しかし、彼の中学の文化祭では食品の扱いは一切NG。
有無も言わさず却下されてしまった。

ならば!ならば!ならばと田中は、
高校入学と同時にすぐに生徒会に入り込む!

三年間、下っ端としてコキつかわれながら、
じっとマヨネーズ祭りの機を狙う!

そしてついに!
田中は今年、生徒会長の座を得ることができたのだ!


148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/18(水) 15:26:36.56


そして時は流れて文化祭当日。
ここは体育館の舞台裏。
田中は椅子にもたれかかり、
目を瞑って田中は己の半生を振り返る。


田中(小学生3年の時にマヨネーズに憧れて、
かれこれ10年近く経つのかぁ)

田中(……長かったなぁ)

この10年間、田中はマヨネーズのことだけを考えて生きてきた。
マヨネーズ祭りの実現だけを夢見て、これまでずっと頑張ってきた。

その夢が今日、ついに叶うときが来たのだ

田中(………ふーっ)
震える手に、グッと力を込める。

田中(待ちに待ったこの時がやっと来たんだ!
何を緊張する必要があるっていうんだ…!!)

カラカラッ
閉ざされた暗幕から光がわずかに漏れる。

絵里「会長。開会の挨拶おねがいします」

田中「………」

絵里「会長?」

田中「……よし!今行く!」

田中はライトに照らされた壇上に向かう。
もはや田中に震えはない。ただ一点だけを見つめて、
田中は開会の言葉を口にする

田中「皆さん!
今日は待ちに待ったマヨネーズ祭りです!」

田中「みんな全力で楽しみましょう!」

こうして、マヨネーズ祭りは開催された……!!!

Fin








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