魔王「今月の目標は魔王様好感度アップじゃ!」
魔王「はい。というわけで本日も世界征服の為の会議を行うぞ」
側近「おー」
魔王「……」
側近「どんどんぱふぱふー」
魔王「側近」
側近「はい」
魔王「他のヤツらはどうしたのじゃ」
側近「……寝坊?」
魔王「はああああああああ!?」クワッ
側近「まあまあ」
魔王「何を考えとるんじゃ! たるみすぎじゃ!」
側近「それは魔王様のお腹です」
魔王「……まじ?」
側近「まじです」
魔王「こほん。ともかく呼んで来るんじゃ」
側近「わかりましたよー、もう……やってらんないなあ……」ボソ
魔王「あぁん?」
側近「何も言ってません」
魔王「よし」
悪魔「ちぃーす! 遅れましたーっ! マジすんませんッス!」ガチャ
魔王「何時だと思っておるんじゃ!」バンバン
側近「魔王さま、机叩かないでください」
魔王「むっ……悪い……」
側近「誰が直すと思ってるんです? わかります? うちは経営難なんですよ?」
魔王「……すまぬ」
悪魔「てか人少なくないッスか?」モシャモシャ
魔王「お前が言うか! いや、ちょっと待て! 何、おにぎり食べとるんじゃ!」
悪魔「え、ここ来る時に人間界で買って来たんスよ。100Gセールだったんで」
魔王「ワシの分はどうしたんじゃ!」バンバン
側近「魔王様!」クワッ
魔王「ぐ、ぬぬ……すまぬ……」シュン
魔王「まあ良い。三人で始めるぞ」ハァ
側近「はい。じゃあ何時もどおりにお願いします」
悪魔「どんどんぱふぱふー」
側近「それはもう良いです」
魔王「ごほん……今月の目標からじゃな」
悪魔「はいはーい!」
魔王「なんじゃ悪魔よ」
悪魔「今月の目標は、手袋をつけようッス!」
魔王「…………えーと、それじゃ側近、何かあるかの?」シレッ
悪魔「いやいや、冗談じゃないッスからね!?」
側近「……」ポチポチ
魔王「何がじゃ……悪魔、下手な言葉を吐いたら……」
悪魔「は、はいッス……わかってるッスよ……」ガタガタ
側近「……」ポチポチ
魔王「側近、会議中はスマホを弄るんじゃない!」
側近「あ、すいません。彼氏がうるさくて」
悪魔「えええええ、彼氏いたんスか!?」
側近「え、うん。いるよ」
悪魔「マジすか……マジすか……」ショボン
魔王「それで。なぜ手袋をつけよううなんじゃ」
悪魔「最近、四天王に加わったヤツいるじゃないスか?」
側近「土の王ですか?」
悪魔「そうッス。ヤツ、ほら……ゾンビ種じゃないスか」
魔王「それがどうしたんじゃ」
悪魔「いやー……汚いじゃないスか……」
魔王「貴様……」
悪魔「違うんスよ!アイツの配下も、全員汚いんスよ!」
魔王「仲間に向かって手が汚いとは……貴様……!」クワッ
悪魔「だって、あの手で食事係ッスよ!?」ブワッ
魔王「なっ……なんじゃと……」
側近「……あー」
魔王「いつからだ……?」
側近「一ヶ月ほど前からですね」
魔王「…………気分が、気分が悪くなってきた」ダラダラ
悪魔「俺は基本、昼勤なんで昼休みしか食堂使わないッスけど……」
側近「魔王様は、住んでらっしゃいますからね」
魔王「わー! 朝昼晩、ゾンビ汁ーっ! ぬぎゃー!」バタバタ
側近「知らなかったんですか。会議以外、引き篭ってるからそうなるんです」
悪魔「魔王様は食堂で食べる事、ないッスからねえ」
魔王「だって……だって! 食事当番は魔剣士だったじゃろ!?」
側近「魔剣士は一ヶ月前から北の国に遠征してますよ」
魔王「ワシ、聞いてない」
側近「えー……あ、魔王様が体調不良でお休みになられた会議でしたね」
悪魔「それってあのゾンビが食事係になった日ッスか?」
側近「あー、うん……」
魔王「ぎゃああああああ! ぬぎゃああああああ!」ジタバタ
悪魔「だ、大丈夫ッスよ! もう身体壊さないって事は、耐性ができてるッス!」
側近「REGIST! REGIST!」
魔王「ふざけるなああああああ!!」ギャーン
側近「落ち着きましたか?」
魔王「……一応」
悪魔「ていうわけで、手袋着用の義務を申請するッス」
魔王「検討しておく……いや、させる……」
側近「ていうかそれ、今月の目標じゃないですよね」
魔王「そ、そうじゃな。ええい、悪魔! もっと長期的な案を出すんじゃ!」
悪魔「ええ~……何かあるッスかね……」
魔王「というか、この会議がなんの為にあるか分かっておるか?」
悪魔「魔王様との懇親会じゃないんスか?」
魔王「なっ……」
側近「……まあ、八割は」
魔王「違うぞ、違うんじゃからな!」
側近「こういう時しか、部屋から出ない癖に」ボソ
魔王「ベ、別に……お前らと、話したいとかじゃ……断じて違う!」
悪魔「はあ」
魔王「いやちょっと待て、全員そう思ってるのか?」
悪魔「まあ、殆ど全員がそう思ってるッス」
魔王「じゃ、じゃあ……今日こんなに少ないのは、ワシ嫌われてるのか……!?」
側近「最近、魔王様の好感度は低下してますからね」
魔王「ぎにゃー! 何故じゃー!」ガーン
側近「わがまますぎる、とか」
魔王「へう……し、しかし魔王は……」
側近「そういう一昔前のステレオタイプなとこじゃないですか?」シレッ
魔王「そうなのか? そう貴様ら、思っておるのか? ふ、ふえ……」ジワッ
悪魔「だ、大丈夫ッス! 俺は魔王様の事、大好きッスよ!」
魔王「ほ、本当か! なあ、側近はどうなんじゃ!」
側近「私が好きなのは彼氏だけです」キッパリ
魔王「びえええええええええええええええ!」ブワッ
悪魔「ぎゃあああああああああああああああ」ブワッ
魔王「決まったな。今月の目標は”魔王様好感度アップ”じゃ!」
側近「世界征服とか全く関係ないですけど」
悪魔「そうッスねえ……」
魔王「馬鹿もの! 配下に愛されていないのに、世界征服が成せるわけないじゃろ!」
悪魔「……確かにッス」
魔王「従業員の満足なくして、顧客の満足はないのじゃ!」
側近「顧客って誰ですか……」
魔王「この世界の民じゃ」
側近「まあ、魔王様が人類大好き病なのは知ってますけど」
悪魔「人間好きッスからね……」
魔王「とにかく、人間どもと仲良くなる為には世界征服! 世界征服の為には配下からの好感度アップじゃ!」
悪魔「世界征服って言っちゃてるあたり、仲良くはなれそうにないんスけどねぇ……」
魔王「暴君の王よりも、ワシが人間を統治する方が……絶対、良いじゃろ?」
側近「でも魔王様、人間は魔族を恐れてますし」
魔王「うるさーい! そういうイメージを払拭する為に、ワシらは頑張らなくちゃいけないんじゃ!」ブンブン
悪魔「と、とにかくッスね。話が進まないからまず、好感度の話をするッスよ」
魔王「う、うむ。そうじゃな」
側近(無理じゃないかなあ)ポチポチ
悪魔「じゃあまず、魔王様の嫌われてるポイントを洗い出すッス!」
魔王「ぐ……そ、そうだな……」
側近(知りたくないって顔してるなあ……)
悪魔「とりあえず聞いた話を言っていくッスね……えーと、確かこの前、ゴーレムがッスねぇ」
魔王「むう。何かしたかの」
ゴーレム『アノ、魔王様ガ……最近、俺ノ……身体デ、ジェンガ……スルンダ……』
『正直、痛イシ、直ル時モ結構痛イシ、俺ヲ、パーティ、グッズ……ニ、スルノ……ヤメテホシインダ……』
悪魔「……って」
側近「完全にパワハラじゃないですか」
魔王「だって……あのレンガが積み上げられてる感じ、ジェンガしたくなるじゃろ……」ショボン
悪魔「いや、ゴーレムのヤツ嫌がってるッスよ?」
側近「しかもパーティグッズって事はなんですか。余興でやっちゃった感じですか」
魔王「え、えーと……勇者と、戦士と飲んだ時に、よく呼び出す……」ボソボソ
悪魔「うっわ、マジッスか……」ドンビキ
側近「……」
魔王「いや、あのね。だってね、勇者がね、凄い気に入ってるんじゃよ」アセアセ
側近「……」
悪魔「……」
魔王「……すいませんでした」
悪魔「もう、ゴーレム呼んじゃダメッスからね。ジェンガ、禁止令ッス」
側近「まったく……誰が暴君なんですかね……」
魔王(´・ω・`)
悪魔「えーっと、勇者で思い出したッス。次は魔剣士ッスね」
魔王「それよりまだ帰ってこんのか、食事係!」
側近「気分って言ってましたよ。まったく、あの人は……はあ」プリプリ
悪魔「え……側近さん?」
側近「ん?」
悪魔「……い、いや何でもないッス」
魔王「?」
悪魔(…………魔剣士、羨ましいッス)ギリ
悪魔「えーっと、魔剣士の魔王様への愚痴ッスけどね」
魔王「応」
側近「そんなに気合いれなくても」
魔剣士『私は魔王様の忠実な配下だ。しかし、はっきり言ってこちらの感情も考えて欲しいのだ』
『先日、呼び出されて勇者と僧侶が居た時は肝を冷やした。僧侶のやつ、俺の事を好きだと言う……』
『無論、私には彼女が居る。断ったが……それから、魔王様がどうにも僧侶とくっつけようと必死なのだ……』
『勇者も事ある毎に、僧侶を推してくるし……はあ、早く遠征に行きたい……』
側近「…………ほう」ピキッ
悪魔「……遠征の日を、すげぇ待ち望んでたッス。アレは当分の間、帰ってきたくないッスね」
魔王「だって、魔剣士の彼女なんてどうせブスじゃろ。あいつ、私服のセンス悪いし」
側近「」ピキピキッ
魔王「だからきっと彼女を選ぶセンスも悪いんじゃ。剣と料理の腕しか取り柄がないんじゃ、器量の良い僧侶とくっついた方が幸福じゃ」
側近「」ビキビキッ
悪魔「ま、魔王様……俺、知らないッスよ?」
魔王「えっ?」
側近「魔王様、ちょっと、一緒にお花を摘みに行きましょう」グイッ
魔王「えっ? えっ?」ガタッ
側近「はいはーい、女同士仲良く連れションですよー」サツイノハドウ
魔王「いだだだ! 痛い! 痛いって! ちょ、なんじゃーーーーーーっ!?」ズリズリ
悪魔(……ああ、あんな怒った側近さん初めて見たッス)ポッ
魔王「……」ボロッ
悪魔「お、おかえりッス」
魔王「……うん」
コメント一覧
-
- 2015年07月16日 22:29
- なまじ気が利く分悲しいなぁ…
-
- 2015年07月16日 22:33
- おもしろかった
俺的には好きな部類だな
-
- 2015年07月16日 22:44
- 最初おっさんでスレンダー美女になって幼女になったから最初から幼女魔王って書いといてほしい
-
- 2015年07月16日 23:05
- スライムか…
-
- 2015年07月16日 23:15
- 誰か起承転結3行ほどで頼む。
始めちょっと読んだけど、なんか文が疲れるからから流れだけ知りたい
-
- 2015年07月16日 23:17
- お腹がたるんでる幼女って・・・
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
QRコード
スポンサードリンク