いけさんフロムエル : 「藍の時代一期一会」～熱血画道４０周年Ｆｉｎａｌ企画始動！今明かされる車田漫画誕生秘話

ブログネタ：: 車田正美に参加中！

週刊少年チャンピオン３３号より車田正美の新連載「藍の時代一期一会」がスタートしました。
今回の作品は車田正美熱血画道４０周年Ｆｉｎａｌ企画と銘打っており、何と車田正美本人の若き時代をもとにしたフィクションになるそうです。
そんなまさかの自伝漫画ですけど、このジャンルでは永井豪の「激マン」や島本和彦の「アオイホノオ」などがすぐに頭に浮かびました。
そういった作品を自分でも描いてみたくなったのかどうかは分かりませんが、少年漫画で一時代を築いた作家だけにその誕生秘話には興味があります。

その一方で、「フィクション」としてるのが気になるのですが、あまり架空要素が多くなると興ざめですし、こういった自伝漫画ではあまり入れて欲しくない気がします。
その辺りを作者がどう考えているのかは分かりませんが、全８回とそうは長くないですし、出来ればこうやって最後まで追いかけたいと思います。

尚、今週の「聖闘士星矢NEXT DIMENSION冥王神話」の記事はこちらになります。

『秀才には程遠く　不良にもなりきれず』
『これは４０年以上も昔の東京下町での出来事だ』
そんなナレーションで始まった車田正美の自伝的ストーリー。
その冒頭を飾ったのは高倉健の代表作の一つ「昭和残侠伝唐獅子牡丹」だった。
１９６６年公開の映画に興奮する３人の中学三年生・中山歳男・小林純一・東田正巳はヤクザアウトローを英雄視するそんな少年時代を送っていたらしい。

という事で、いきなり三人組として登場した車田ならぬ東田正巳ですが、仲間２人の将来に壮絶なものを感じさせます。
事実に大胆なアレンジを加えているとの事ですが、名前はともかくさすがに死因に手を加えるなんてありえないですし、そんな友人との悲しい別れが今の車田正美を築き上げたのかも知れません。

そんな３人には健さんと呼ばれる憧れの存在がいたのだという。
どこぞで食事をしているところに現れ、食事代をおごってもらった東田たち。
その健さんが一宿一飯の義理で敵対する組の親分を殺してしまい、前科と合わせて今度は死刑間違いない事になってしまったらしい。

警察に捕まっても貫禄を失わない健さんにしびれる東田たち。
連行されるところを見たようになっていますけど、さすがにこのあたりはフィクションでしょうか？

宇津木刑事に誘われ署の道場で柔道を教えてもらっていたという東田たち。
ワルぶっていると承知しないという宇津木ですが、こういうのを見るとちょくちょく警察の世話になるワルさをしていて刑事の世話になっていた様に感じられます。
そのあたりについては何も触れられてませんが、やはり本当にそれを描いてしまったら印象が悪くなると考えたのかな？
親戚とか近所に住んでいるとかの特別な理由がない限り、赤の他人の刑事との交流なんて生まれようがないですからね。

中学卒業を前にして進路は何も決まっていないと言う東田。
対する小林は画家志望、リンかけの志那虎似の中山は何と健さんの様なヤクザになりたいのだという。
卒業したら入れ墨を入れて本筋のヤクザになると言う中山。
まっとうな道を歩むように指導する宇津木だが、健さんという憧れの存在がいる事もあり、気持ちが変わる事はなかったらしい。

そんな子供たちの将来を心配し、当の健さんに頼む事にした宇津木。
何と、東田たちの前で泣き喚いて欲しいのだという。
「アイツらはお前をヒーローだと思ってる　お前みたいな男に憧れてる」
「道を踏み違えさせたくないんだ」
ヤクザは人間のクズだというところを見せれば彼らも目が覚めると言う宇津木。
死ぬのなんか怖くないと言う健に土下座して頼む宇津木ですけど、このあたりはちょっと話が出来すぎかな？
自分は男を売る家業だと言う健さんですが、このあたりは多少作者の理想が入っている気がします。

護送される健さんの姿を見にやって来た東田たち。
普通に考えてそんな日時を中学生が知っているとは思えませんが、あるいは「その姿」を見せるために宇津木が教えたのでしょうか？
また、中学生が犯人の手が届くところまで近づくというのもさすがにない気がします。
そんな状況で宇津木に頼まれたとおり無様な姿をさらした健さん。
『まるで古いアメリカン・シネマ「汚れた顔の天使」のような幕切れだった』
かなり劇的なシーンだった様ですけど、劇的過ぎてフィクションにしか見えません（笑）。

健の行動に涙を流して礼を言う宇津木。
そんな場面を見た東田は一体何を感じたのか？
何と、これから東田は人生を左右する漫画家に出会う事になるらしい。
他ならぬ本宮ひろ志の事だと思いますけど、一時代を作った作家だけにどんな描かれ方をするのかは気になりますね。

その一方で、冒頭の紹介では中山はヤクザの抗争で死んだ様になっていますけど、結局健さんの行動は彼には無意味だったのでしょうか？
必ずしも思いが届くわけではないという事になるのかも知れませんが、それを考えるとすでに多少の事では揺るがないほどヤクザへ気持ちが固まっていたのかも知れませんね。

ウィキペディア：車田正美

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