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ことり「大好きを伝えたくて」


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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:11:28.36


2月14日、バレンタイン

1年で唯一"大好き"を"カタチ"にして、アナタに伝えられる日

だけど…カタチだけでは、アナタに伝えきれなくて…

でも、"コトバ"で伝える勇気は…私には、無くて


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:19:00.50


穂乃果「いや~、今年はたくさん貰ったね!」

ことり「うん…」

チョコでいっぱいの紙袋を両手に持ち、ご機嫌の穂乃果ちゃん
スクールアイドルを始めてから迎える、初めてのバレンタイン
それに加え生徒会長になったことから、穂乃果ちゃんを知らない生徒は学院内にはいなくて…
通学路、校内とすれ違うたびに貰うチョコは増えて行って…


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:20:39.37


そして…ラブライブ!予選であのA-RISEに勝ったことから、私たちμ'sの知名度は一気に上がって…
他校の生徒も、チョコを渡そうと集まってきちゃって校門前大混乱!
急遽チョコお渡し会を始めて、なんとかなったけど…

そんな感じで朝から大忙しだった為、穂乃果ちゃんにチョコを渡せずじまいで…

穂乃果「ことりちゃんも、いっぱい貰えてよかったね」

ことり「あはは、そうだね…」

私も、両腕では抱えきれない程のチョコをもらったけど…本当に欲しいのは、1つだけ…


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:22:39.08


穂乃果「それにしても、海未ちゃんと絵里ちゃんは凄かったね」

ことり「ホントだね」

μ'sの中で特にチョコを貰ったのはこの二人でした
元々生徒会長として多くの生徒の憧れの的だった絵里ちゃんと、弓道部の頃からファンの多い海未ちゃん
そんな二人が、新たに多くの子からの人気を得ることは自然なことで…
段ボールいっぱいでも収まらないくらいのチョコを貰ってました
このまま残って、もっと増えたら困るということで…二人は先に帰っちゃいました

穂乃果「みんなは、どんなチョコくれるのかな~」

さらに元気になる穂乃果ちゃん…
そうか…今年はまだこれから、5人と交換するんだ
みんなから貰う"大好き"が一気に増えて…
私と穂乃果ちゃんのココロの距離は、どんどん離れていきそう…いつも、今も隣にいるのに
やっぱり…"カタチ"だけじゃダメなのかな…
だけど"コトバ"にすると、今の関係が壊れる気がして…

そんなモヤモヤとした気持ちで、ここ数年はこの日を過ごしています


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:25:08.71


--------アイドル研究部部室

穂乃果「みんな、やっほーっ!」

ことり「こんにちは」

にこ「遅いっ!他のメンバーはとっくに揃ってるわよ!」

凛「もう待ちくたびれたにゃ~」

ことり「ごめんね…今日の後片づけをやってたら、遅くなって」

希「まぁまぁ、にこっちも悪気はないんやし気にせんでええよ」

花陽「凛ちゃんもね」

真姫「今日は2人いないから、練習もできないし…別にいいんんじゃない」

部室には海未ちゃん、絵里ちゃんを除いてみんないて…
みんなはどういう"カタチ"で、穂乃果ちゃんに"大好き"を伝えるんだろう…


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:26:57.63


穂乃果「それじゃあみんなに早速、穂乃果からハッピーバレンタイーン!」

にこ「…ってこれ」

凛「穂乃果ちゃん家のお店の箱?」

穂乃果「それはね…この時期限定の、チョコほむまんだよっ!」

希「ほんまや、お饅頭がチョコ色になっとる!」

花陽「ほんのりと香る、チョコレートの匂いが素敵ですっ!」

真姫「へぇー、こういうのもあるのね」

穂乃果「3月14日までの限定だから、もっと欲しい人はウチまで来てねっ!」

にこ「…って、宣伝かいっ!」ビシッ

希「にこっち、ナイスツッコミやね」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:30:12.56


にこ「…あれ、にこの箱だけ何か大きくない?」

凛「ホントだー、にこちゃんだけひいきだにゃーっ!」

穂乃果「あぁそれね、こころちゃんたちの分だよ!」

にこ「えっ、妹たちの分まで?!何か悪いわね」

穂乃果「いいよいいよ!ウチのお饅頭、色んな人に知ってもらいたいから」

にこ「そ、そう…それじゃあ、ホワイトデーの時はウチに来なさいよ」

穂乃果「えっ、いいの?」

にこ「いいわよ…妹たちと一緒に、アンタをおもてなしするから!」

穂乃果「やったー!えへへ、楽しみだな~」

――――ズキッ

まただ…今日穂乃果ちゃんが他の子に笑顔を見せる度に、胸が痛む…


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:32:24.49


希「にこっちやるやん」ヒソヒソ

真姫「まんまと先手をとられたわね」ヒソヒソ

花陽「わ、私も…負けてられません」ヒソヒソ

凛「かよちん、ガンバローねっ」ヒソヒソ

――――ズキズキッ

みんなが隅でこそこそと…聞こえないようにしてるみたいだけど、ちゃんと聞こえてるよ
やっぱり、みんな考えることは一緒か…


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:35:20.52


ことり「あの…私は、トリュフチョコを作ってきました」

まだ穂乃果ちゃんから貰ってないから、他の5人にあげよ…
一応穂乃果ちゃんの分もあるけど、やっぱり"特別"な方あげたいし

にこ「流石ことり、手が込んでるわね~」

真姫「お店で売ってるみたい」

ことり「ありがとう…」

喜んで貰えてみたいでよかった…
でも、私が気になるのは…みんなを笑顔で見つめる穂乃果ちゃんで…
私から貰えなくて、何て思ってるのかな…
まだ私も貰ってないから、おあいこだけど


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:36:29.33


にこ「それじゃあはい、にこから愛情たーっぷりのチョコよ!」

穂乃果「わぁー、ありがとうにこちゃん!」

ことり「ありがとー!わぁ、可愛い包装♪」

にこ「とーぜんよっ!にこのセンスにかかればこれくらい」

凛「あれ、穂乃果ちゃんの方がちょっと大きくないかにゃー?」

穂乃果「えっ?どれどれ…わっ、ホントだ!」

ことり「確かに、そうだね…」

にこ「そ、それは…穂乃果に小さいって文句言われない為よ!べ、別に…深い意味はないんだから」

穂乃果「わーい、にこちゃんありがとー」ギュッ

にこ「ま、まぁ!これも部長の役目だしっ///」

凛「あれー、にこちゃん顔真っ赤だにゃーっ!」

にこ「なっ…こ、この部屋暖房が利きすぎなんじゃないのー?!」パタパタ


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 20:37:24.42


――――ズキズキッ
やっぱりみんなも…穂乃果ちゃんは、特別なんだね
胸の痛みはどんどん大きくなっていく…
それからも…それぞれが穂乃果ちゃんにチョコを渡す度に胸は痛んで…

もう、"私の"穂乃果ちゃんじゃなくて…"みんな"の穂乃果ちゃん、になっちゃったみたい
そんな穂乃果ちゃんに、私だけを見て欲しいって思うことりは…悪い子、だよね
うん、いいの…私が"コトバ"にするのを我慢するだけでいいんだから
今年も、これからも…"カタチ"で伝えることができれば、穂乃果ちゃんが笑顔になってくれれば…

それだけで…いいの


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:15:36.80


結局この日はチョコ交換で終わって、それぞれ分かれていつも通りに下校
その道中穂乃果ちゃんは…
鞄からチョコをはみ出しながら、両手にチョコでいっぱいの袋を持って上機嫌で…
全部食べられるかなとか、ホワイトデーが大変だとか…
そんな穂乃果ちゃんに、私は相槌を打つんだけど…
上手く答えられているかな?笑顔は、不自然じゃないかな?…そんなことばかり考えて

もう、私がチョコを渡すことなんてどうでもよくなってて…
だって…もし私がチョコを渡しても、穂乃果ちゃんから貰えなかったら…

そして、それぞれの家に向かう分かれ道に…

ことり「それじゃあ穂乃果ちゃん…また…」

自分の家の方へ向かおうとしたその時…

穂乃果「あー、そうだった!忘れてたーっ!」

穂乃果ちゃんが大声を上げ、思わず立ち止まっちゃいました


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:37:44.02


ことり「穂乃果ちゃん…忘れてたって、何を?」

穂乃果「あの、その…ね」

ことり「うん?」

さっきまでの元気は無くて、鞄の中をゴソゴソと何かを探し出す穂乃果ちゃん

穂乃果「これ!」

穂乃果ちゃんが取り出したのは…
オレンジのリボンが結ばれた、真っ白なハート型の入れ物

ことり「えっと…それは」

穂乃果「穂乃果から、ことりちゃんへのチョコですっ!」

ウソ…私に…穂乃果ちゃん、忘れてなかったんだ…


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:42:04.32


ことり「あ、ありがとう…でも、みんなと…」

どうして、私には…違う容器なの?

穂乃果「それは…ことりちゃんが、特別だからっ!」

えっ…私が…特別?
周りが薄暗くなって、はっきりとは分からないけど…穂乃果ちゃん、顔赤い?

穂乃果「えっと、あの…うぅ…」

何か言いたげだけど、恥ずかしそうにする穂乃果ちゃん
そんな様子を見て、ある期待が大きくなる


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:45:24.80


穂乃果「えっと…ことりちゃんは…誰よりも、その…だからっ、大好きを…伝えたい、から…」

えっ…今、穂乃果ちゃん…"大好き"って…

穂乃果「とにかくっ!穂乃果の、大好きを込めたチョコ受け取ってくださいっ!」

どうしよう…今、嬉しさと幸せでいっぱいになって…コトバが…上手く、喋れない

穂乃果「…わっ、ことりちゃん泣いてるの?!」

泣いてる…ホントだ、自分では気づかないうちに…幸せが、私から溢れてる…

穂乃果「あ、あの…その、ごめんね急に…こんなこと言われても、迷惑…だったよね」

違う!違うよ、穂乃果ちゃん…ただ、嬉しくて言葉がでないだけだから…

穂乃果「ただ、気持ちだけでも分かってもらいたかったから…その、忘れても…いいから」

ダメだよ、忘れられないよ…
何とか声に出して、私の気持ちも…"コトバ"にしなくちゃ…
あ、そうだ!あった、私も大好きを伝えられるものが…
早く、見つけないと


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:51:02.40


穂乃果「…どうしたの、ことりちゃん?」

どこにあるの…早く、早く!…あっ、あった!

ことり「…んっ、んんっ」

穂乃果「えっ…ことりちゃん、これって」

ことり「んっ、ん…」コクコク

私が用意したチョコを差し出して、声にならない声で答える

穂乃果「私…に?」

ことり「ん…んっ…そ、そうだよっ!」

やった!声が出せた


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:52:40.81


穂乃果「でも、みんなにあげたのとは…」

ことり「それは…私も、穂乃果ちゃんが特別だから…」

もう迷いはない!正直に、穂乃果ちゃんへ…"コトバ"にしてっ

穂乃果「えっ…それって…」

ことり「私も…ことりも、穂乃果ちゃんのことが大好きだからっ!だから、その気持ちを"カタチ"にしましたっ!」

言えた…ずっと抱えてた、気持ちを!

穂乃果「嘘…それじゃあ、私たち…両想…い」

ことり「そう…だね」

穂乃果「う…うぅ…やったー!」バッ

ことり「きゃっ…穂乃果ちゃん…」ギュッ

穂乃果ちゃんが宙へ投げた紙袋から、たくさんのハートが降ってきて…
それがまるで、私たちの思いが形になったみたいで…


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:53:30.70


穂乃果「えへへ…幸せだな」

ことり「うん…私も…」

もう日は落ちて、空気は冷え切っていたけど…
抱き合った私たちは…幸せな気持ちでとても温かくて、全く気になりません

穂乃果「ずっとこうしていたいけど…風邪ひいちゃいけないから」

ことり「うん…そうだね」

名残惜しいけど、またいつでもできるもんね

穂乃果「あぁっ!嬉しさのあまり、みんなから貰ったチョコ投げちゃった」

ことり「もう、穂乃果ちゃんたら」クスクス

穂乃果「あうぅ~、ごめんねー」

ことり「私も手伝うね」

穂乃果「ありがとー、ことりちゃーん」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:54:04.81


穂乃果「よしっ、全部拾ったかな」

ことり「そうだね」

穂乃果「あ、あのさ…ことりちゃんっ!」

ことり「んっ、何?」

穂乃果「もしよかったら…私の家、寄ってかない?」

ことり「えっ…」

穂乃果「その…ことりちゃんが、私のチョコ食べているとこ…見たい、から///」

ことり「う、うん…私も…穂乃果ちゃんが、私のチョコ食べるとこ見たいから…いいよ///」

穂乃果ちゃんと一緒に…今までとは関係が違うから、何か恥ずかしいです…


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:55:38.04


ことり「…うん、そう穂乃果ちゃんと…」

穂乃果「…」ソワソワ

今私は、遅くなることをお母さんに伝えています

ことり「…///そっ、そんなことしないよっ!もうっ、じゃあねっ!」ピッ

お母さん…何言ってるの?!両想いになったばかりだし…それに私たち、まだ高校生だし…

穂乃果「えっ、えっと…どうだった?あと、大きな声出してたけど」

ことり「あ、あぁ…大丈夫だって!何なら、泊まってもいいって///」

穂乃果「そっか、よかったー…それで、何でことりちゃんは顔が赤いの?」

ことり「えーっと…何か今日、暑いからじゃないかな~」パタパタ

穂乃果「そ、そうかな…私は寒いけど…」

ことり「あ、あはは…」

言えないよ…穂乃果ちゃんには


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:56:30.53


穂乃果「もしかしてことりちゃん…熱があるんじゃ」

ことり「ぜ、全然大丈夫だよっ!」

穂乃果「そっか…じゃあ、もっと寒くなる前にいこっか!」

ことり「そうだね!」


穂乃果ちゃんが差し出した手を握って、私たちの新たな一歩を踏み出す
繋がれた手から穂乃果ちゃんの温かさが私に伝わって、再び幸せで満たされる

まだ始まったばかりなんだから、急ぐ必要なんてない…
ちょっとずつ、一緒に歩いていければ大丈夫…
まだ、ゴールじゃない…ここからが、スタートなんだから


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:58:00.56


以上です。

昨日に上げたかったんですが、間に合わなくて1日遅れのバレンタインネタとなりました。


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/15(日) 21:58:49.82


おつ



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 00:45:57.05


超乙



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 01:34:58.62



よきかなよきかな



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/02/16(月) 14:43:14.95



ことほのは癒し








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