戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://japanese.engadget.com/2015/07/23/send-iphone-ui-outlook/?ncid=rss_truncated


マイクロソフト、新メールアプリ Send をiPhone向け提供。チャット的 UIでOutlookメール - Engadget Japanese


マイクロソフトが新発想メールアプリ Send を iOS 向けにリリースしました。Sendはチャットやメッセンジャーのように、件名も定型挨拶も署名も意識せずシンプルなメールをすばやく送受信できるアプリ。

使い勝手としてはインスタントメッセンジャーでありながら、実際の通信には従来どおりのメールを使う点がミソです。

実態がメールであることの利点は「誰とでも送受信できる」「会話はメールとして残るのでそのままメールアプリで検索したり長文も書ける」「管理者的にも従来どおりのメール管理ポリシーで使える」など。

ある程度フォーマルなやりとりや長文はメールで、ひと言で済む短い用件や急ぎの場合、雑談は別のメッセージングアプリで、といった使い分けはよくあります。しかしメールはメールアドレスさえあれば誰とでも話せる一方で、インスタントメッセージの場合は相手が Facebook / Skype / LINE / ハングアウト / Twitter DM / SMSや iMessage / Slack 等々どのプラットフォームを仕事用に使っているのか教えてもらい、自分もセットアップしたりアカウントを追加する手間がかかります。

また一度つながっても、相手によってプラットフォームを変えたり、複数人数の場合はどれを連絡に使うか統一したり、あの話はどこでしたのかとアプリを切り替えつつログを遡るのは、特に仕事でのやりとりでは面倒です。

といった問題を解決するため、Sendは「実態はメールだけど見せ方・アプリの挙動としてはインスタントメッセージング」という奇手を選択しました。

起動すると頻繁に話す相手と最近メールした相手がリストで表示され、タップして要件を書いて送信、だけでメッセージを送れます。件名欄はありません。Sendどうしでやりとりしている場合、チャットでお決まりの「相手が入力中です」表示まであります。


さて、手軽だからといってあらゆるメールにSendで応えたりSendに届いたりするとそれはそれで困るために、「SendにはSendからの送信で始まったスレッドしか見えない」仕組みになっています。

一方、メッセージを送られた相手にはSendを持っていればSendの新着として見え、持っていなければ従来どおりのメールクライアント(Outlook等)にただのメールとして届くため、相手が使っていないから見えないということはありません。

このほか、複数のプラットフォームにログが分散せず、メールとチャットを分けて検索する必要がないことも利点です。


Send はマイクロソフトの従業員やインターンがめいめい勝手に考えて本来の持ち場とは別にチームを造り、実験的なプロジェクトを進める Microsoft Garage 発のアプリ。最近のマイクロソフトでは珍しいことでもなくなりましたが、まずは iOS 版のみをリリースします。

またSendが使えるのは、今のところ米国で Office 365 for Work を導入している会社や教育機関のメールアドレスのみ。チャット手段がとうに決まっている仲間内で使うというより、業務で会社メールはするけれど全員が全員Facebookでフレンドでもない、全員がお互いのLINEを知っているわけでもない、けれど細かな連絡にメールでは面倒、急ぎの連絡に電話番号を調べるのも大変、といった程度の距離感で揃って導入する場合を想定しているようです。

Send for iOS は現在米国のApp Storeで配信中。マイクロソフトによれば、今後は Android 版など他プラットフォームや、法人向けOffice 365加入者以外、米国以外にも提供範囲を拡大予定。実験的なアプリではあるものの、業務関連はすべてOutlookで把握したい管理者としては、従業員たちがバラバラに第三者運営のチャットサービスを使うよりは、メールとして見えるSendを使わせたがる場合があるかもしれません。
マイクロソフト、新メールアプリ Send をiPhone向け提供。チャット的 UIでOutlookメール

0 コメント