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http://japanese.engadget.com/2015/07/23/windbot-nasa/?ncid=rss_truncated


ガス惑星の大気に漂う探査機 Windbot、NASAがコンセプト発表。乱気流で発電も - Engadget Japanese
 
NASA ジェット推進研究所(JPL)が、木星や土星といった厚いガス層で覆われた惑星を探査する「Windbot」コンセプトを発表しました。Windbot はタンポポの綿毛のようにガス層の表面に浮かび、乱気流を用いて発電するといったユニークな機構を備えます。
 
[Image credit: NASA/JPL-Caltech]
1973年のパイオニア10号および11号、1980年のボイジャー1号以降、これまで木星や土星にはさまざまな探査機が訪れ、観測をしています。これは多くの探査機が木星や土星を利用したスイングバイ航法によってより遠くへと向かうため。

一方で、この2つの星の厚いガス層の下のことは、核となる堅い地表があるのかどうかを含めてあまりわかっていません。これまでの観測からガスの組成などある程度はわかっているものの、実際にガス層の内部に入って探査したのは1994年に NASA の探査機ガリレオが木星に投下した、プローブと呼ばれる小型機のみ。プローブは57分にわたって観測データを送信しつづけたのち、降下しながら高い気圧と熱によって破壊され消滅しました。

JPL がコンセプトを明らかにした Windbot は、木星や土星のガス層の表面に「浮かぶ」探査機。主任研究員エイドリアン・ストイカによると、タンポポの種子のように時に上昇し、時に回転しながらガス層の表面を長期間漂えるように設計されます。(見出し画像はコンセプトを視覚化したもの)

Windbot にはガスによる乱気流のエネルギーを利用した発電機の搭載も考えられており、より長期間の観測を可能とします。ストイカによれば「腕時計の自動巻機構のようなしくみを利用するかもしれない」。

JPL のチームは、木星のどのあたりに Windbot を投入すれば効率よく発電できるか、またうまく上昇を繰り返して高度を保てるかを知るため、木星表面の気流の特徴を調べるところから研究を始めています。さらにもっとも効率の良い機体デザインを得るため、模型化しての調査も計画中です。

ストイカは将来的に Windbot を実用化できれば、「木星や土星に送り込み、気象パターンを絶えず地球へ送り続けるネットワークを構築できる」「得られたデータは地球の気象を理解するのにも役立つ」と説明します。

現在、2011年に打ち上げられた NASA の探査機ジュノー(Juno)が木星へ向かっています。ジュノーは2016年には木星に到着し、極軌道で1年間かけて木星の組成や重力場、磁場などを調査する予定。得られたデータはきっと Windbot の製作にも活かされるはずです。

ちなみにジュノーという探査機の名は、もちろんローマ神話に出てくる神 ジュピター の妻 ジュノー からとったもの。探査機ジュノーには、ジュピターとジュノー、そしてガリレオ・ガリレイを模した3体のアルミ製 LEGO フィギュアが乗っています。このフィギュアたちの旅路は特設サイト"legospace.com"で追跡できるようになっていたはずですが、目的地へ到達する前にサイトそのものがなくなってしまいました。
[Image credit: legospace]
ガス惑星の大気に漂う探査機 Windbot、NASAがコンセプト発表。乱気流で発電も

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