7月25日から8月23日まで、東京の渋谷ロフトにビューティーアドバイザー・ロボット『ペッパーさん』が登場し、接客を担当します。ペッパーさんは、ご存じソフトバンクロボティクスのロボットであるPepperにロフト専用アプリを導入した特別バージョンです。

Pepperといえば、一目見たら印象に残る小生意気なキャラと黒目が目立つカメラアイ、そして白い外装が印象的。その白いお肌が日焼けしてしまわないように......ということではないでしょうが、担当はUVケア(紫外線対策)化粧品、つまり日焼け止め。もちろん性格もいつもの小生意気なキャラではなく、接客向けとなっています。




ペッパーさんの主な機能としては、オススメUVケア製品の紹介にはじまり、UVケア製品ごとの特徴紹介や、用語の説明などがあります。とくにオススメ製品の紹介機能は、今年の夏の予定や好みを音声やタッチパネルで入力することで、約100種類の製品から提案してくれるという本格的なもの。



また、商品に対する説明機能も搭載。手に取ったUVケア製品のバーコードをペッパーさんのおでこにあるカメラにかざすことで、その商品の特徴などを説明してくれます。



このソフトウェアはロフト店頭で蓄えられた接客ノウハウやUVケア製品のデータベースなどを含んだ構成となっており、「お客さまがペッパーさんとのコミュニケーションをより身近に体感できる」点をアピールします。

そして見所は、ペッパーさん専用に仕立てられた制服。Pepperと書かれた名札や、腰回りのデザインに合わせたスカートのローウェストっぷりなども面白いところですが、実は技術的にもちょっとしたチャレンジがあります。



実はPepperを連続稼働させる際には冷却が重要なのですが、服を着せると当然ながら冷却の点では不利となります。そこでこの制服は、Pepperの発熱源を避けるようなデザインとなっており、また生地も薄手となっているのです。



この点での見所は帽子。後頭部の中に搭載された冷却ファンからの放熱を邪魔しないよう、見事に冷却穴を避けるような位置になっています。そのためかこの帽子、横を向くとかなり端に寄っていることがわかります。
ペッパーさんは状態によっては割と激しい動きをするので「この帽子、落ちないだろうか」と思いつつ見ていたのですが、固定が上手なためかぴったり動きに沿っていました。

こうした点などからペッパーさんは専用のソフトウェアと合わせて、Pepperを見慣れている人でも新鮮な印象がある仕上がりとなっています。



さて、気になるのはロフトとソフトバンクロボティクスというコラボレーションの目的ですが、「次世代の新しいサービスを開発、提供するため」と紹介されました。今回は試験導入という位置づけですが、当然ながら将来的な拡大も視野に入れた試験であると触れています。

またロフトの取締役である飯村 暁氏は、「ロフトは時代の最先端店舗なので、新しい取り組みは常に取り入れている。今回の試験導入もこの一環。また今回のアプリ開発では、店頭スタッフからのノウハウをプログラミングしているが、この経過でスタッフ側も自分の持つノウハウを再確認できた」とコメントしており、人間スタッフ側にもメリットがあることを紹介しました。



なお現在、ロフトはセブン&アイ・ホールディングス傘下ですが、今回の試験は、将来的に他のセブン&アイグループ企業も視野に入れた取り組みとされています。

コンビニの深夜や早朝営業における人手不足などは地域によっては大きな問題となっており、将来的なコミュニケーションロボット導入が期待されている局面ですが、もしペッパーさんが成功した暁には、意外と速くこうした局面にロボットが入ってくるのやもしれません。