高森藍子「お酒が飲める歳になって」
――事務所の休憩室――
北条加蓮「ほら、藍子。せっかくなんだから一気にいっちゃえ、一気にっ!」
安部菜々「駄目ですよ加蓮ちゃん。最初はゆっくりでいいですからね、藍子ちゃん」
モバP(以下「P」)「あんま飲むのに時間かけても逆に辛いから、喉に入れたら一気にいった方がいいかもな」
高森藍子「ううぅ……すぅー……はぁー……よしっ。高森藍子、いきます!」ゴクッ
――注意事項――
北条加蓮→安部菜々の呼称を変えさせていただいてます。
加蓮「お……」
P「おお……」
菜々「うわっ、そんなに一気に行くと……!」
藍子「…………!」
藍子「げほっ、ごほっ、ごほっ!」
加蓮「わ、大丈夫?」フキフキ
菜々「だから言ったんですよぉ!」
P「やっぱいきなりはキツイよなぁ……これ、度数3%だったよな?」マジマジ
加蓮「ゆるいのからってPさんに頼んで買ってもらったのにね、お酒」
藍子「げほごほ……ふうっ……うぅ、ごめんなさいPさん」
P「いやいや、いいっていいって。んじゃ、藍子がめでたく酒デビューしたところで、俺も飲むか」プシュ
菜々「で、どうでした? 人生初のお酒は!」
藍子「はい……なんだろ……炭酸とも違うような、ジュースとも違うような……とにかく喉が、かっ! ってなっちゃって、それになんだか苦くて……私には、まだちょっぴり早いみたいです」
菜々「誰でも最初はそんなもんですよ。ゆっくり慣れていきましょ! ね、Pさん」
P「お、おう」
加蓮「…………ところで、菜々、やたらお酒に詳しくない?」
菜々「…………もうこの面子では開き直ることにしましたから」
菜々「あっ、Pさん、先にズルいですよ! ナナもいっきまーす!」ガブッ!
菜々「くぁーっ! 改めて藍子ちゃん。20歳、おめでとー!」
藍子「ふふっ……ありがとうございます、菜々さん」
加蓮「おめでとう。急に先を越されちゃった気分だな」
P「おめでとう藍子。そして大人の世界にようこそ」
藍子「加蓮ちゃんも、Pさんも……はいっ! ありがとうございます! これからも、よろしくおねがいしますね?」
加蓮「Pさんが悪い顔してる」
P「ずっと前からこうして藍子と飲むのが夢だったんだ。職場の仲間と来たら競うように飲む奴らばっかりでなぁ、付き合ってたら胃がいくつあっても足りねえ……藍子となら、ゆっくり飲めそうだからな!」
藍子「ふふっ、ゆっくりがいいんです、ゆっくりが」
加蓮「だってさ、ウサミン星人」
菜々「ナナにはなんのことやらさっぱり」
加蓮「最初に私の前でがぶ飲みしてみせたのっていつだっけ? ほら、私の前では変に取り繕わないでいいよって言った時」
加蓮「あれからお酒に興味が湧いてきて仕方ないんだけど」
P「加蓮はあと2ヶ月もないだろ。ここまで我慢できたんだから、な?」
加蓮「うん、判ってるよ」
P「菜々はすげえんだぞ? まず500ml一気だろ、んで愚痴を吐き捨てるだけ吐き捨ててまた一気――」
菜々「わーっ! わーっ! Pさん、その話はだめーっ!」
P「はっはっは」グビグビ
加蓮「もう酔ってる?」
藍子「きっと素面ですよ。Pさん、ときどきこうして、遠慮なく喋ることがあるから」
加蓮「え、なにそれ。私知らないんだけど……」
P「…………加蓮」キリッ
加蓮「な、なに?」
P「娘だと思ってた奴が日に日に女性っぽくなっていくのを経験する保護者の気持ちを知れ」
P「距離感に悩む哀れな野郎を嘲笑え」
P「…………はっはっは!」
加蓮「酔ってるでしょ、これ」
藍子「あはは……」
菜々「ぐびぐび……かぁーっ! いやぁ、Pさんじゃないですけどナナも藍子ちゃんと飲んでみたいと思ったんですよねぇ!」
加蓮「気持ちは分かるかな。藍子ってこう、いいタイミングでお酌してくれそう」
P「おう加蓮、いくらお前でもうちのアイドルをそういう目で見るのは許さんぞ」ギロッ
加蓮「今日のPさんはどしたの?」
藍子「そういうのも、ゆっくり慣れていきたいですね」
藍子「あっ、そうだ。私、やってみたかったことがあるんですっ。菜々さんっ」
菜々「はいはい!」
藍子「かんぱ~い♪」チャンッ
菜々「かんぱ~い! ぐびぐび……くぁーっ! ううっ……ナナ、生きててよかったー!!」
P「俺も!」
藍子「はいっ。Pさん。かんぱい、ですっ♪」コンッ
P「乾杯! ごくごく――かぁぁ! ウメェ! ウメェ! 俺、藍子のプロデューサーになれてよかったぁ!」
加蓮「…………私、急に20歳になるのが怖くなってきたんだけど。私もいつかこんな風になっちゃうの……?」
藍子「加蓮ちゃんは、いつでも加蓮ちゃんのままですよ。乾杯しますか?」
加蓮「ん……じゃ、私はオレンジジュースだけど」
藍子「かんぱいっ♪」チンッ
加蓮「ごくごく……」
藍子「ちびちび……」
加蓮「……ふふっ……Pさんと菜々の気持ち、ちょっと分かったかも。私と出会ってくれてありがとう、藍子♪」
藍子「こちらこそっ!」
P「ぷはっ……そうだなぁ……藍子もとうとうハタチなんだよなぁ。初めて見た時から……うん、初めて見た時から大人っぽかったなぁ」
藍子「そんなことないですよ。私なんて、まだまだ子供で」
加蓮「じゅうぶん大人でしょ。ほら、髪もこんなに伸びて。どこまで伸ばすのこれ?」イジリイジリ
菜々「確か、今年に入ってから伸ばしっぱなしなんでしたっけ?」
藍子「こうしたら、もっと大人みたいに見えるかなって……洗うの、ちょっぴり大変ですけどね」
藍子「それに、加蓮ちゃんと一緒に、いろんな髪型を試してみるのも楽しくてっ」
菜々「おおー!」
藍子「……きゃっ、ちょっ、加蓮ちゃんくすぐったい」
P「加蓮」
加蓮「……なに?」
P「ナイスだ!」グビグビグッ!
加蓮「う、うん……あれ、藍子、ちょっと髪べたついてる?」
藍子「あ、ごめんなさい……さっき、シャワーは浴びたんですけど」
加蓮「この時期はしょうがないっか」
菜々「もういっそバッサリ切り落としたくなりますよねぇ」
P「アイドルの発言じゃねえ」
加蓮「はいできた。簡単だけどハーフアップに」
菜々「おおっ。大人っぽい藍子ちゃんがさらに大人っぽく」
P「藍子」
藍子「え?」
P「結婚しよう」
藍子「!!?」
加蓮「はい元に戻すー」ファサ
藍子「あっ。……か、加蓮ちゃん、も、もうっ、もうっ」
加蓮「さーて誕生日っていったらプレゼントだよね? んー? プレゼントだよねーねーPさん」
P「お、おう、分かったから右手のジュースは自分で飲め」
加蓮「藍子、何が欲しい?」
藍子「ええっ。私は、えと、その……」
菜々「藍子ちゃんのリクエストなら、ナナ今からでもお店に探しに行っちゃいますよぉ!」
加蓮「そして次の日に道路の上で目覚めるウサミン星人」
菜々「……か、加蓮ちゃんについてってもらって」
P「そういえば毎年、藍子にはプレゼントを贈っていたが、藍子からこれが欲しいっていうのは聞いたことがないなぁ……」
藍子「ふふっ……私は、Pさんとの時間だけで、もう十分ですよ」
加蓮「私はー?」
藍子「加蓮ちゃんといっしょにいる時間も、大好きですっ」
菜々「ミミンッ!」
藍子「菜々さん、今度また、いろんなところに連れていってくださいね?」
加蓮「…………駄目ね」
P「もっと欲張りになればいいのにな、藍子も。……毎年、言ってる気がするが」
菜々「まったくですよ。ナナなんて週に1回はPさんを困らせてるというのに」
P「はっはっは、冗談を。週に3回は困らされてる」
菜々「!?」
加蓮「そろそろ湿布をパシらせるのやめたら?」
菜々「い、いやぁ、いくらなんでも17歳が頻繁に薬局に通ってたら何事かと思われるじゃないですか?」
加蓮「もういっそ外でも開き直っちゃえばいいのに……」
藍子「欲張りなんて言われても……私は、今の時間が本当に幸せだから、思いつくことがないんです」
P「……ま、そう来るとは思ったけどな」
加蓮「だからプレゼントを用意してくるんだけどね」
菜々「ここでウサミンニュース! 実は2日前に某雑貨屋にて加蓮
コメント一覧
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- 2015年07月25日 23:49
- そろそろ3人のうちの誰かが来るかもね
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