真美「JAXAでお仕事?」
P「ああ、そうだ」
真美「そのシラクサが何で真美にお仕事なの?」
P「ジャクサな。メロスじゃない。そろそろ夏休みだろう?生っすかの中で小中学生向けの宇宙関連のコーナーを作るらしくって、そのリポーターとして真美と、貴音にオファーが来たんだ」
貴音「ほぅ」
P「うおっ!?何時からそこに居た!」
貴音「宇宙、それは人類に残された最後のフロンティア」
真美「お姫ちん、何言ってるの?」
貴音「まこと、良き仕事ではありませんか」
P「うん、貴音が乗り気で助かるよ。という訳で、明後日、相模原に行くからな」
真美「なんかあんの?」
P「相模原にJAXAの宇宙科学研究所があるんだ」
真美「ふーん」
P「あんまり乗り気じゃないな、真美」
真美「何かがっこーの社会科見学みたいでつまーんなーい」
P「それよりは面白いと思うぞ。何せ、宇宙が相手だからな!」
相模原
宇宙科学研究所
T田「どうも、広報のT田です」
P「765プロダクションのPと申します」
D「BBSのDと申します」
T田「良い番組が撮れると良いのですが」
P「お任せください」
P「えー、それじゃあ撮影に入るが、番組のコンセプトの説明とかをDさんから」
D「あくまで、小中高、一般の方向けに宇宙科学研究所の研究内容を分かりやすく伝えると言うのがコンセプトです、だから四条さん、双海さんも特に気張らず、自然体で動いてもらえれば大丈夫です。というわけでキュー」
真美「えっ、もう撮んの?!」
D「はい、キュー!」
貴音「皆さん、おはようございます。ここがどこだかお分かりになりますか?」
真美「ねーねーお姫ちん。ここどこ?」
貴音「ふふっ、それは見てのお楽しみ。それでは真美、右手を御覧なさい」
真美「うわーっ、何あれちょーおっきいよー!!!」
貴音「M-Ⅴ(ミューファイブ)ロケット。宇宙科学研究所で開発された、世界最大の固体ロケット」
真美「こたいロケット?」
貴音「まずはそこから説明が必要ですね。それでは、今日は力強い助っ人をご用意しております」
T田「どうもこんにちは、貴音ちゃん、真美ちゃん。宇宙科学研究所で広報をしています、T田といいます」
貴音「まずはT田先生と共に、真美にロケットの何たるかを学んでいただこうと思います」
真美「えー、勉強すんのやだー」
T田「きっと、真美ちゃんにも最後は楽しかった!って言ってもらえるようになると思いますよ」
真美「本当かなぁ」
貴音「さて、本題はまずこの巨大なM-Ⅴロケットですね」
T田「このM-Ⅴロケットは、小惑星探査機はやぶさを送り出したことで一躍有名になりました」
真美「あっ、真美も聞いたことある!あれでしょ、しょうわくせーの砂粒持って帰ってきた」
T田「その通り!」
貴音「はやぶさを始めとして、MUSES‐Aはるか、PLANET‐Bのぞみ、ASTRO-Fあかり、ASTRO‐EⅡすざく、SOLAR‐Bひのでを打ち上げていますね」
T田「貴音ちゃんもよく知ってるね。たくさんの衛星を打ち上げてきた実績あるロケットだけれど、今はその役目をイプシロンロケットに譲って引退したんだ」
真美「ねーねー、T田せんせー。それはいいけど、さっきお姫ちんが言ってた「こたいロケット」って何のこと?」
T田「それはね、このロケットの燃料が固体燃料だから固体ロケットって言うんだ」
真美「……え?」
T田「ロケットの燃料には、液体と固体の二種類が有るんだ。液体は、皆もよく使う灯油の主成分、ケロシンとか、あと液体水素と液体酸素などを混ぜて着火して、推進力を得るんだ」
貴音「固体ロケットは、ゴムを固めたようなものにアルミニウム等の粉と酸化剤と呼ばれるものが混ぜあわせられたものです」
真美「ふーん。でも、液体と固体ってなんか違うと良い事があるの?」
T田「液体ロケットは、燃料の管理がすごーく大変なんだ。特に日本のH‐ⅡAロケットで使われている液体酸素と液体水素は、燃費がすごく良い燃料なんだけれど、常温だとすぐに蒸発しちゃう。だから、常に燃料を継ぎ足しておかないと、燃料タンクの中が空っぽになっちゃう」
貴音「対して固体燃料は、消しゴムのように固くなっているので蒸発もせず、少々のことでは引火もしないので安全性も段違い、ということですね」
T田「その通り」
真美「へー。じゃあ、真美がここでマッチに火を付けて、ロケットにえいやっ!って投げつけても」
T田「原理上では、その程度ならびくともしませんよ」
真美「固体の方が、使いやすいってことなんだね」
貴音「ふふっ、その通りですよ。さて……真美、後ろを振り返ってみてください」
真美「あれ?こっちもなんかウルトラマンみたいな色してるけど、なんか形が違うね」
T田「こっちは、M‐Vの先輩に当たるM-3SⅡ型ロケット。真美ちゃん達が生まれるよりもちょっと前まで使われてたのかな」
真美「なんかM-Ⅴに比べると、ちっちゃいね」
T田「この頃は、まだ色々と制限があったので……このロケットでは、日本初の彗星探査機となった『すいせい』、その試験機である『さきがけ』などが打ち上げられました。小さいけれども、いろんな功績を残してるんです」
真美「へー、なんか凄いねぇ。そういえば、あの、横っちょについてる細いのは何?」
貴音「あれは補助ロケットブースターですね。ところで寺田先生、あのブースターの先端部の突起は何ですか?」
真美「うんうん。真美もそれ、ちょー気になってた」
T田「ああ、あれですか。凄いでしょ?格好いいでしょ?」
真美「……え?マジで?」
T田「なんてね、冗談ですよ。実はあの突起、スパイクノーズと呼ばれていて、ロケットの受ける空気抵抗を少し低減できるんです」
真美「あんなちっこいのでちゃんと仕事してるんだねぇ」
貴音「ところでT田先生。そのスパイクノーズ、なにやらこぼれ話があると聞きましたが」
T田「さすがは貴音ちゃん……実はですねぇ、あのスパイクノーズは本来、取り付ける予定はなかったんです」
真美「えー、何で?」
T田「実は、開発があらかた終わった頃、ロケットの性能が以外に低いことが判明しまして、あれを付けてようやく計画の性能に届いたという経緯があるんです」
貴音「もし、それが知れれば当時の状況から、次が危うい」
T田「そこで、役人にあれは何ですか?と聞かれた時に私の大先輩方は「どうですか?格好イイでしょう?」と答えたという」
真美「えー!それじゃあ嘘っぱちじゃん!」
T田「でも、当時はそうするしかなかったんですよねぇ」
貴音「さて、これが宇宙研のロケットの、ほんのごく一部。今度は、このロケットのご先祖様を見に行きましょうか」
真美「えっ?ご先祖様?」
T田「そうですね。このロケット、というよりも日本のロケットの祖、とも言いましょうか」
貴音「ふふふ、それではこちらへ」
真美「あっ、待ってよお姫ち~ん!!!」
T田「さて、そのロケットというのが、こちらです」
真美「えっ。なにこれ」
貴音「これがペンシルロケット。私も実物を見るのは初めてですね」
真美「こんなちっこいのじゃ、人工えーせーも何も打ち上げられないじゃん!」
T田「そこがこのロケットを開発された糸川英夫先生のすごいところでして」
真美「だれ?」
貴音「糸川英夫。この宇宙研の礎を築かれた方ですね」
T田「はい。先生が居なかったら、日本の宇宙開発は今頃ここまでなっていなかったかもしれません……ペンシルは、元々日本の状況が、大きなロケットを作れないという事を逆手に取って作られました」
真美「どゆこと?」
T田「小さいロケットしか作れないんじゃ、衛星を打ち上げられない!ではなくて、小さいロケットなら何本作っても安くで済むし、実験場だって狭くてもイイ。しかも横向きに飛ばせばレーダーがなくても飛ぶスピードが測れると」
真美「へー、なんか頭の柔らかい人だったんだねー」
T田「凄い人だったそうです。ところでこのペンシルロケット、たくさん作ったので、今でも本物を持っている方がいるそうです」
真美「本物って、火をつけたら飛んでくの?」
T田「火薬は入っていないかもしれませんが」
貴音「何とも時代を感じさせますね」
T田「こんな小さなペンシルロケットから、今はイプシロンという大きなロケットまで発展しました。何事も、小さなことからコツコツと、ということで」
真美「ロケットってどれもおんなじだって思ってたよーT田せんせー、ありがとー!」
貴音「さて、ロケットはこんなところでしょう。続いては探査機や人工衛星を見てみましょうか」
真美「あー!真美これ知ってるよ、はやぶさだ!……あれ?でもちょっと違う」
K口「それでは、ここからは私が説明しましょう」
貴音「今度ははやぶさでプロジェクトリーダーを務められました、K口先生にお越しいただきました」
真美「あ、なんか見たことある!」
K口「はははっ、そうですか?」
貴音「それでは、先生。何故かこのはやぶさ、見慣れぬ姿をしていますが」
K口「これはですね、今まさに宇宙を飛んでいる『はやぶさ2』の姿なんです」
真美「はやぶさ2?」
貴音「去年打ち上げられた、小惑星探査機ですね」
K口「その通りです。はやぶさ2は現在、1999JU3という小惑星を目指して飛行中。2018年ごろにその小惑星に到着。地球に帰ってくるのは2020年ごろですね」
真美「すっごーい!真美が、えーと、えーと……大学生かな?それともなんか、就職とかしてんのかな」
K口「どうでしょうねぇ。もしかすると、私達の後をついで宇宙探査をしてるかもしれませんよ?」
真美「どうかなぁ?」
K口「宇宙探査っていうのは、すごく気の長い話なんですね。小さな子供が、立派な研究者になるくらいの時間がかかって、ようやく結果が見えてくるんです」
貴音「何とも、壮大なことです
コメント一覧
-
- 2015年07月25日 22:11
- お腹にブラックホール…
-
- 2015年07月25日 22:23
- お姫ちんが流暢に横文字をしゃべっている…
-
- 2015年07月25日 22:23
- ふむ。ssとしては現時点駄作以下だけどアイドルたちが仕事するテイのリアルとのクロスは応援する
画像増やしたり説明工夫して、アイマスキャラの魅力もうまいこと立ててやって欲しいわ
-
- 2015年07月25日 22:25
- 相模原かよ!筑波じゃないのかよ!
-
- 2015年07月25日 22:28
- 俺の胃袋は宇宙だ
-
- 2015年07月25日 22:49
- 如月「宇宙キタ━━━━━━━━!!」
-
- 2015年07月25日 22:51
- お姫ちん必死こいて勉強してUst中継ではやぶさ帰還観てたのかしら
-
- 2015年07月25日 23:26
- そして調布航空宇宙センターの地下に封印されていたテ○ペスタースが真美の声で目覚める…?
-
- 2015年07月25日 23:35
- おひめちんに普通に横文字喋らしたらダメでしょ…
-
- 2015年07月25日 23:44
- すんばらしい!
-
- 2015年07月25日 23:47
- ※9
ネタかな?
-
- 2015年07月25日 23:50
- 貴音はロケットのことをよく知らないってエピソードがあるんだがなあ
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
QRコード
スポンサードリンク