女騎士「Lasciatemi morire」
廃墟
女騎士「……」
「おい!大丈夫か!?」
「しっかりして下さい!」
女騎士「?」ムク
「良かった!無事みたいだな!」
女騎士「……」
「どうした?黙り込んで、腹でも減ってるのか?」
「デリカシーないですよ勇者様!怪しんでるだけでしょう。まだ自己紹介もしてないんですから」
女騎士「…?」ピク
「そりゃそうだ。俺は勇者で、こっちは僧侶。宜しくな」
勇者「それで、そっちは?名前は?どこ出身?何でこんなとこで寝てたんだ?」
僧侶「一度に聞いても答えられませんよ!失礼しました。あの、まずはお名前を伺ってもいいですか?」
女騎士「……」クイ
勇者「何だ?ロケット?第42期入団?何だこれ」
僧侶「満月の国の騎士団、その証ですね」
女騎士「」コク
勇者「へえ、って!満月の国ってここじゃねえか!半月前に魔王に王都と周辺を滅ぼされたって…!」
僧侶「勇者様!」
勇者「あ、悪い…無神経だった」
勇者「えっと、名前の話だっけ?何て呼べばいい?」
女騎士「……ぅ…ぁ……ぁぁ…」パクパク
勇者「あ、すまん!無理すんな!しゃべれないとは思ってなかったんだ」
僧侶「失語症…ですか……仕えていた国の、騎士団の惨状はそれほどまでに…」
女騎士「……」
勇者「ああっと、そうだな、女騎士って呼んでいいか?」
女騎士「」コク
勇者「よっし、じゃあ女騎士、俺らと一緒に行こうぜ?」
女騎士「?」
僧侶「勇者様!?」
勇者「説明がまだだったな。俺と僧侶はさ、魔王討伐のために炎の国から派遣されてきたんだ」
女騎士「……」
勇者「それでさ、何やかんやあって逆方向の満月の国に行くことになって…」
僧侶「すみません、代わりに説明します」
勇者「うん頼む」
僧侶「魔王について、私たちはほぼ知りません。そこで、魔王について調べるため、最近魔王に滅ぼされたこの国に来ました」
勇者「そうそう。んで、特に収穫はなかったけど大体調べたし、そろそろ討伐に行こうと思ってて」
女騎士「……」
勇者「女騎士さえ良ければ、一緒に魔王倒しに行こうぜ、ってとこだけど…来るか?」
僧侶「確かに戦力は必要ですけど、何も…」
女騎士「」コク
勇者「よっしゃあ!今日から宜しくな、女騎士!」
僧侶「本当に、いいんですか?こんな大変な時に振り回してしまって」
女騎士「」コク
勇者「そうと決まれば善は急げ!魔王城目指して南東一直線だ!!」
僧侶「東南東です」
廃村
勇者「日が暮れちまった。ここに泊まるしかないな」
僧侶「ここに、ですか…」
勇者「言いたいことは分かるけどさ。でも、仕方ないだろ、この国全体がそんな感じなんだから」
僧侶「しかし…」チラ
女騎士「……」フルフル
勇者「お前のことは気にするなって?」
女騎士「」コク
僧侶「でも、心情を考えたら…」
勇者「本人がいいって言ってんだ。それ以上は余計な詮索だ」
僧侶「…分かりました。気は進みませんがそうしましょう」
翌日
勇者「うっし!おはよ!気持ちのいい目覚めだな!」
女騎士「……」
僧侶「こんな場所でそれは…」
女騎士「……」ザッザッ
勇者「女騎士もやる気みたいだし、いいだろ。て言うか、待てよ!置いてくなって!」
僧侶「……」
勇者「分かってるとは思うが、一応言っておくぞ。この先は…」
僧侶「炎の国。つまり、私たちの国。魔王軍の前線基地に近づきます」
勇者「ああ、魔王軍と本格的にぶつかることになるが、いいか?」
女騎士「」コク
僧侶「女騎士さん…」
勇者「そうか…じゃあもう余計なことは聞かねえ。魔王軍の砦を落としながら魔王城を目指す。いいな?」
僧侶「勇者様!それは…!」
女騎士「」コク
僧侶「…知りませんよ…」
勇者「っしゃあ!行くぜ!」
炎の国 国境
「待て!貴様ら、何者だ!?」
勇者「俺はこの国の、炎の国の勇者だ。これがその証の聖剣。そんでこいつらはそのお供だ」
僧侶「同じく、炎の国出身の、僧侶です。そして…」
女騎士「……」スッ
「廃国の…満月の国の騎士か…」
勇者「女騎士って呼んでる。失語症らしいから本名は不明だが、あの国の数少ない生き残りだ。腕は確かだろう」
「…いいだろう。義務を果たしてくれるのであれば、文句はない」
女騎士「……」
勇者「んじゃ、行こうぜ」
僧侶「…はい」
女騎士「……」コク
勇者「悪いな、今は、魔王軍の侵攻が激しくてな」
僧侶「国境警備が厳しくなっているんです」
女騎士「……」
勇者「まあ、何だ、その、魔族に国境侵犯喰らってぴりぴりしてんだ。見逃してやってくれ」
女騎士「」コク
僧侶「…現在地は、この国の北北西に当たります。明日には、国境に着くでしょう」
勇者「その間だけ、な?頼む!」
女騎士「」コク
勇者「よっしゃ!こっからは前も言った通り、魔王軍と本格的にぶつかるけど、後は、知らないぜ!?」
女騎士「……」ザッザッ
勇者「だから、置いてくなって!」
勇者「魔物だ!前方からゴブリン3体!戦うぞ!!」
僧侶「はい!女騎士さん、私と一緒に下がって援護しましょう」
女騎士「……」
「ウシャシャ!ニンゲン、ツブス!オマエラマルミンチ!!」
「ウェーイ!」
勇者「ミンチになるのは、お前らの方だ!うおおお!!」ザン
「ウギャアアア!!」
「スキアリ!」
僧侶「させません!」バシュ
「ウゲッ!ボウガン!?」ヨロ
勇者「ナイスアシスト!てりゃ!!」ザン
「シネエエエ!!」
勇者「しまっ…!」
ザシュ
「イツノマニ…」ドサ
勇者「あっぶねえ…助かったぜ、女騎士」
女騎士「……」
僧侶「直前まで私の近くにいたのに、何てスピード…」
勇者「マジか!?女騎士凄えな!」
女騎士「……」ザッザッ
勇者「何だよ、照れてんのか?」
僧侶「って、速いです、待って下さーい!」
勇者「これで、最後!」ザン
「ウグアア…」
僧侶「ふう…さすがに疲れてきましたね」
勇者「そうだな…いってえ!」
僧侶「左肘ですね。では…」
女騎士「?」
僧侶「ん?ああ、これは止血剤です。私の所属している教会で作ったもので、一般にはまだ普及していませんね」
勇者「こいつの教会、医療技術の研究支援しててさ、見返りに新薬の技術提供受けてんだってよ」
僧侶「この薬の製造技術を持っていたので、勇者様に同行する許可が下りたんです」
勇者「本当に良く効くよな、これ」
僧侶「…ただ、もう残り少ないので、今日は次の町で休みましょう」
勇者「だってさ、いいよな?女騎士」
女騎士「」コク
地方都市
僧侶「では、止血剤の材料を買いに行くので、お二人は先に宿で休んでいて下さい」
勇者「手伝わなくて平気か?」
僧侶「はい。むしろ特許の絡みで見られる方がまずいかと」
勇者「了解。んじゃ夕暮れにここ集合で」
僧侶「分かりました。では失礼します」
勇者「さてと、女騎士は行きたいとことかあるか?」
女騎士「」コク ザッザッ
勇者「声出ないと色々差し支えるだろうし、俺も行くよ」
役所
勇者「おい、本当にここに来たかったのか?」
女騎士「」トントン
「はい、本日はどのようなご用件でしょうか」
勇者「資料請求か…と、すみません、この人、失語症みたいなんで、何か書くものもらえますか?」
「かしこまりました。どうぞ」
勇者「何借りるかと思ったら、人口統計に歴史年表?何に使うんだ?」
女騎士「……」パラパラ
勇者「長くなりそうだな…じゃあ夕暮れに集合場所でな」
僧侶「お待たせしました」
勇者「いや、待ってないよ」
僧侶「お気遣いありがとうございます」
勇者「それより、どうだった?」
僧侶「原材料が高騰していて、6回分が限界でした。はい」
勇者「お、ありがとう」
僧侶「女騎士さんも、どうぞ」
女騎士「?」
僧侶「塗り薬なので、零れないように小瓶に入れてあります。出血した箇所を覆うように使って下さいね」
女騎士「」コク
翌日
勇者「よっしゃ、今日も張り切っていくぜ!」
女騎士「」ザッザッ
僧侶「その反応もそろそろ慣れてきました」
勇者「だな、急ぐぞ僧侶」
魔物の砦
僧侶「ここが四天王の一人の居城、ですか…」
勇者「ああ、気い引き締めて行くぜ…」
女騎士「…」コク
勇者「やる気十分だな。その意気だ!」
砦の最奥
勇者「こいつが四天王の一角、オークか…」
オーク「こりゃちょうどいいや。女を犯りたくて仕方がなかったところだ」
僧侶「不潔な…」
オーク「動けないように手足を切り取って、とことん楽しませてもらうぜ」
勇者「させると思うか?」
オーク「グヘヘ……下手に抵抗すると余計に痛くなるぜえ?」
勇者「強気でいられるのも今の内だ!!」
勇者「おりゃあ!!」ブン
ガキン
オーク「人間とは思えねえ怪力だな。が、力比べじゃ俺にゃ及ばねえよ!」ブン
僧侶「今です!」バシュ
カン
オーク「軌道が丸見えなら防げるに決まってんだろバーカ…」
女騎士「」ザシュ ザシュ ザサ
コメント一覧
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- 2015年07月26日 19:55
- 犯したり犯されたりしないオークなんてクリープの入って無いコーヒーだよ!
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- 2015年07月26日 20:07
- つっまんね
書く前にそれが面白いかどうかぐらい考えて書けよ
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- 2015年07月26日 20:47
- スレタイが読めない問題
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- 2015年07月26日 20:49
- イタリア語で私を死なせて……普通に日本語でおk
-
- 2015年07月26日 20:54
- 「ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~」って名前のフリーゲームの影響をモロに受けてるな…
-
- 2015年07月26日 21:03
- もう自分で魔王やりゃいいんじゃないですかね
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- 2015年07月26日 21:07
- つまらねーし
最後聖書の箴言の丸パクり
恥ずかしくねーのかな
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- 2015年07月26日 21:42
- 最後まで頑張って読んだけど
結末を一人語りで進める前にもうちょっとやりようはあったんじゃないかなぁ
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- 2015年07月26日 22:02
- 仮想敵をまつりあげる話は手垢がついているんだよな。
でもって大して面白くない。
-
- 2015年07月26日 22:15
- 何故、最近の勇者は知能が低いのだろうか
-
- 2015年07月26日 22:35
- 勇者と僧侶の恋愛話とか、戦士の過去とか全然関係ねーじゃん。
話しをダラダラ引き延ばすために恋愛話しを入れただけなんだな。
-
- 2015年07月26日 23:48
- 魅力があるキャラクターがまったくいない気がする…
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