兄「妹を驚かせたい」
友「そんな下らないことで俺を呼んだのか……もう帰っていいかな?」
兄「へー、じゃあこの写真いらないんだな?」
友「なっ……!妹ちゃんが、アイスを食べている写真だと……」
友「くっ、くそっ!そんなの断れるわけないだろ!」
兄「交渉成立だな。ほらよ」
友「っと、乱暴に扱うなよ。汚れるだろ」
兄「……そうかい。じゃあ早速作戦を考えようか」
友「わー!」パチパチ
兄「最初の議題はこれです」
議題①:どうやって驚かせるか
友「お前……これ、わざわざ用意してたの?」
兄「当たり前だろ?口で言うのめんどくさいし」
友「フリップボード用意する方がめんどくさいと思うんだけど……」
兄「うるさいなぁ。てか、それよりも議題について話そうぜ?」
兄「言っとくが遊園地に連れていく金はないぞ」
友「いや、そんなんじゃなくてさ……お前の両親って今海外旅行でいないんだろ?」
兄「そうだけど?……てか何で知ってるんだよ、怖っ」
友「今朝お前が言ったことだろーが」
友「……話を続けるぞ。親がいないってことはつまり……何でもできるってことだ」
兄「何でもできる?」
友「ああ、いくら汚そうと痕跡を消せば怒られない。つまり散らかし放題ってことだ」
兄「片付けするのは俺だぞ?」
友「それくらい我慢しろ。驚かせれるんだからさ」
兄「はあ……仕方ないな。じゃあ、方法はお化け屋敷で確定ってことで」
男「これは簡単だよな。まずはこんにゃくだろ?氷、芋虫、蛇、友……」
友「ちょっと待て!俺も参加するのか!?」
男「……あ?当たり前だろ。一人じゃお化け屋敷なんてできねえよ」
友「てっきり案を出すだけだと……」
友「バレたら色々大変だと思ぞ?」
男「別にやめてもいいんだぜ?」
友「本当か?それなら……」
男「そのかわりにお前が写真持ってることを、お前の親にバラすけどな」
友「喜んで協力しましょう」
男「よし、じゃあまずは買い出ししてくるか。友、行くぞ」
男「ビニール袋まだあったかなぁ」
友「一応買っとけよ」
男「ボイスチェンジャーだって。使えるかな」
友「不気味な声なら出せるぜ」
男「…………」
友「……なんでエロ本見てんの?」
男「……いいこと思い付いた!」
友「エロ本見ながらねぇ……」
友「準備の方がもっと疲れるぞ?」
男「もう一頑張りだな。気合いいれていこう!」
友「おう!」
夜
「夕飯できたぞー!」
妹「はーい!今行くー!」
妹(今日はお兄ちゃんと二人きりかぁ……って、なに考えてるの私!)
妹「今朝からずっとこんな感じだなぁ……」
兄「大正解だ。ほら、早く席につけ」
妹「はいはい」
兄「座ったな?それじゃあ……」
兄妹「いただきまーす!」
妹「……!っ、っー!」
兄「どうした?水ならそこにあるぞ」
妹「んぐっ、んぐっ……ぷはぁ!辛いよお兄ちゃん!」
兄「お兄ちゃんは辛くありません」
妹「むー……お兄ちゃんがこんなに辛党だとは思わなかったよ」
兄「そんなに辛いか?嫌なら残してもいいんだぞ」
妹「せっかく作ってくれたのに残せないよ。全部食べる!」
兄「そっか、がんばー」
妹「……うへぇー、お腹一杯だよぉー」
兄「残していいって言ったのに。これじゃしばらく動けないな」
妹「まだお風呂入りたくないからいいもーん。……それに完食した方がお兄ちゃんも嬉しいでしょ?」
兄「それはそうだけどさ……。まあ妹がそれでいいなら、俺は何も言わないよ」
妹「うんうん。聞き分けのいい兄を持って、私は幸せだ」
兄「偉そうに言ってんじゃねぇよ、まったく……。風呂沸かしてくるからテレビでも見てろ」
妹「わかったー。何見よっかなー」
兄「よっ、気分はどうだ?」
友「やることなくて暇だったよ」
兄「それは結構。じゃあ俺は今から風呂沸かすから、音に気をつけて二階の俺の部屋に行け」
友「了解」
兄「深夜まで待ち遠しいな」
友「同感だ。俺は少し緊張してるけどな」
兄「実質仕掛けを動かすのはお前だもんな。ま、頑張ってくれよ」
友「言われなくても」
妹「つまんないなー。早くお兄ちゃん帰ってこないかなー」
兄「帰ってきましたよー」
妹「わっ!ビックリしたー!」
兄「そんな驚くことでもないだろ?俺はお化けじゃねーんだから」
兄「お化けが怖いのか?その年で?」
妹「まだ中学生だよ?立派な子供です!」
兄「そんなんだから体が成長しないんだっての」
妹「体は関係ないでしょ!?それに怖いのは仕方ないと思うけど!」
兄「仕方ないって言われてもなぁ……お化けなんていないし」
妹「そんなの分かってるけど……なんか、怖いんだもん」
兄「……ちょっと待ってろ」
妹「?」
兄「よっ、借りたDVDあるか?」
友「そこにあるけど」
兄「おう、ありがと。ゆっくりしてけよ」
友「はいはい」
兄「待ったか?」
妹「ううん。今来たとこ」
兄「カップルの待ち合わせかよ……ほら、これ一緒に見ようぜ」
妹「なにこれ。サマーウォーズ?」
兄「おう、見ようと思って借りてきたやつ。プレーヤーにセットしておいてくれ」
妹「オッケー」
兄「じゃあ俺はお湯止めてくるわ」
妹「いってらー」
妹「……トイレ行きたくなってきた……早く行ってこよ」
兄「あれ、妹どっか行くの?」
妹「トイレだよー。すぐ帰ってくる」
兄「じゃあ飲み物用意して待ってるわ」
妹「うん!」
兄「えーっと……カルピス安定かな」
兄「うーん……よし、俺のに利尿剤入れるか」
兄「映画中にトイレ行かれてもこまるし」
兄「お、来たか。じゃあ……俺の膝の上にでも座るか?」
妹「ひ、膝!?……別に座ってもいいけど……」
兄「そうかそうか、じゃあ早くこっち来い。飲み物もあるぞ」
妹「うん……し、失礼します」
妹「仕方ないじゃん……こういうの久しぶりで、ドキドキしちゃうんだもん」
兄「確かにこれやったの小四くらいか。お前、途中から恥ずかしいってやんなかったもんな」
妹「そだね、でも今は大丈夫だから……もっと誘ってほしい、かも?」
兄「ん、じゃあ空いてたら座らせてやるよ」
妹「ぷっ、基本空いてるくせに」
妹「うん。じゃあ再生するね」
兄「始まったなー」
妹「うん、楽しみだねー」
兄「……主人公はOLか。よくある設定だな」
妹「……え?なんかおかしくない?」
兄「ん?おかしくないだろ。だってこれは……」
兄「ホラー映画だからな!」
妹「い、いやあああああああ!!」
妹「お兄ちゃん離して!わたし見たくないよぉー!」
兄「……絶対に逃がさないよ」
妹「ふぇっ……ぅぅぅ……」
兄「あれ?妹は耳が弱いのかな?」
妹「べ、別にそんなこと……」
兄「ふーん……じゃあ、ちゃんと見なかったら耳に息吹き掛けるね」
妹「ええっ!?やめてよお兄ちゃん!」
兄「ふーっ」
妹「ぁっ……ゃ、やめて……」
兄「じゃあテレビ見よっか」
妹「わ、わかった……」
妹「か、体が……真っ二つにぃ……」
兄「よくできてるよな」
妹「もうだめぇ……むりだよぉ……」
兄「……ふーっ」
妹「ぁんっ……ふぇぇ……」
妹「きゃああああああああああ!」
兄「ふーっ」
妹「ひぁっ……なんでぇ……」
妹「怖
コメント一覧
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- 2015年07月28日 00:00
- どっちともエンディングを迎えないとかゴミかな?
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