真紅、煙を巻く。
- § 主な登場人物紹介
真紅
ローゼンメイデン第5ドールであり、究極の少女アリスでもあり、桜田家の赤い通り魔でもある。
ウナギを愛してやまず、紅茶と見せかけて蒲焼のタレをお湯で薄めて飲んでいる事があるが匂いで即バレ。
雛苺
食欲全開な第6ドール。無邪気な邪気の塊。不死屋のベコちゃん人形相手のシャドーボクシングが日課。
翠星石
イタズラが大好きな第3ドール。山に捨てられているエロ本を拾ってきてはジュンの学生鞄の中にそっと忍ばせる。
蒼星石
翠星石の双子の妹の第4ドール。翠星石のために、街中に捨てられているエロ本を集めてわざわざ山に置きに行く。
金糸雀
忘れ去られがちな第2ドール。麦茶とめんつゆを間違えて飲むが、飲み干してから間違いに気付く。
水銀燈
自称最凶の第1ドール。夏のアスファルトの上でのたうつミミズを土の上に戻してあげる程度の優しさは持っている。
雪華綺晶
ゆるふわ愛され系第7ドール。夏のアスファルトで乾燥しきったミミズを持ち帰り、漢方として大ジュンに飲ませる。
薔薇水晶
槐メイデン。ふなっしーをリスペクトした着ぐるみを使ったゆるキャラ『ばらっしー』で大ブレイク中。
- § 真夏の昼の桜田家
真紅「あ゛~、もうっ! ムシムシしてクソ暑いッたら、ありゃしないのだわ」
翠星石「真紅おめぇ…、乙女がクソとか汚い言葉を使うもんじゃぁねーですよ…」
真紅「あら、これは失言だったわ。おウンコ暑いの間違いよ」
翠星石「いや、クソをおウンコに言い直しても全然綺麗じゃないですぅ」
雛苺「うにゅにゅ…、クーラーはジュンがメイデンロック(※)をかけてるから使えないの」
※ジュンが持つマイスターローゼンとしての技術と能力をフル活用することにより
桜田家のクーラーは薔薇乙女からの操作を全く受け付けない設定にされているのだ
翠星石「翠星石達は人形なんだから暑かろうが寒かろうが平気だろうって言われちゃったんですよねぇ」
真紅「平気っちゃあ平気だけど、暑いもんは暑い!」
雛苺「騒ぐと余計に暑いのよ真紅」
翠星石「ボス猿かチビ人間が学校から帰ってくるまで我慢するしかないですぅ」
真紅「こうなったら最終手段よ。冷蔵庫の冷凍室に…っ!」
雛苺「冷蔵庫もメイデンロック中なのよ」
真紅「なんとーっ!!?」
翠星石「私達が昔、冷蔵庫の中身を全部出したまんまにして、中に入って涼んでいたせいですね(※)」
※詳細は薔薇水晶と二本笹を参照
真紅「なんてこと…、クーラーも冷蔵庫もダメだなんて! これ虐待じゃない! 訴えてやる! 訴えて勝つ!」
翠星石「だーかーらっ! 騒ぐなですってば」
雛苺「ヒナ達が涼もうと思って行動すればするほど自由が奪われていくのよ真紅」
真紅「…扇風機は?」
翠星石「それもメイデンロックですぅ」
真紅「何故?」
雛苺「真紅が扇風機の羽を素手で掴んで止めるチキンレースをやって指が全部切断される事件があったからなの」
真紅「……」
翠星石「翠星石は『弱』や『中』でやめておけと言ったですのに、真紅が調子に乗って『強』に
チャレンジしたせいです。メチャクチャ大騒ぎになったのに覚えてねーんですか…?」
真紅「…どうやら暑さで私の記憶を司る脳細胞が溶けてしまったようね。そんなこと全く記憶にないわ」
翠星石「……」
雛苺「ともかく、今のヒナ達にできるのはウチワでささやかな風をプレゼントするぐらいなの」パタパタ
翠星石「そうです。ウチワには困らんですよ。真紅がプリントされたウチワだけはまだ在庫あるですから(※)」
※詳細は真紅、自分を売る。を参照
真紅「あ、あなた達はそれでも誇り高き薔薇乙女なの? 完全に下僕の言いなりじゃない! 逆でしょ、立場!」
雛苺「だってぇ~…」
翠星石「人間どもの方が一枚上手なんですぅ。いい加減にそれを分かれですよ真紅」
真紅「なんてこと! 完全に翠星石と雛苺から覇気が失われている! 死んだ魚の目をしているわよ二人とも!」
翠星石「この目はお父様から頂いた目です。文句言われても困るですぅ」
雛苺「ヒナ、お魚の目、美味しいから好きーっ」
真紅「ぬぬぬぅ…! もういいわ! あなた達みたいなクソアホクズ乙女なんて知らない!」ダダダッ
雛苺「あっ! 真紅ぅ~、どこ行くの~っ?」
翠星石「ほっとけですチビ苺。どうせ外の熱気にまいっちまって、すぐに帰ってくるですよ」
雛苺「うぃ。無理に追いかけてヒナ達まで暑苦しい思いをすることはないのね」
翠星石「そーゆーことでぇす。翠星石達は翠星石達で左ウチワでまったり涼むですぅ」パタパタ
雛苺「うぃー! 左手でウチワを扇ぐとより涼しくなるなんて昔の人は凄い発見してるの」パタパタ
翠星石「全くですぅ」パタパタ
- § 炎天下のアスファルト道路
真紅「がああっ…、あっ、熱いぃぃ~、溶けるぅううう…。これ以上、行けない…ッ」
ホーリエ「っ!」
真紅「え? 熱中症にならない内に桜田家に戻ったほうがいい、ですって? ホーリエ?」
ホーリエ「…!」
真紅「ふふふ、馬鹿言わないで頂戴。私は熱中症になろうとも負け犬にはなりたくない。
何事も成せずに翠星石と雛苺のもとへとスゴスゴ引き戻るくらいなら…ッ」
ホーリエ「ッッ!」クルクル
真紅「あれっ? ホーリエが二つに見え…? い、いや! こっちが本物のホーリエ?
それじゃあ私が今まで話しかけていたホーリエは…?」
ホーリエ「…!」ふわふわ
真紅「な、なんてこと? さっきまで私は太陽に向かって喋っていたですって?」
ホーリエ「ッ!」コクコク
真紅「ば、馬鹿な。太陽と人工精霊を見間違えるだなんて、いくらなんでもボケすぎ…っ!
本格的にやばいわね。蒼星石じゃぁあるまいに(※)」
※蒼星石はポエム庭師なので『なあ太陽、元気かい?』と空に向かって話しかけている
真紅「そ、そうだわっ! 蒼星石に…、薔薇屋敷に行って涼ませてもらいましょう」
ホーリエ「…!」
真紅「薔薇屋敷に行けば冷房キンキンの上、ビシソワーズとか食べさせてくれるに違いない!」
- § 薔薇屋敷前
呼鈴『♪チンコーン ♪チンコンチンコンチンコンチンコン ♪チンコーン』
真紅「ハァハァ…っ! どういうこと? 呼鈴を16連射しても誰も出てこない…!!?」
近所のオバちゃん「結菱さんちなら留守ですよ」
真紅「と、通りすがりの近所のオバちゃんッ? 留守って…?」
近所のオバちゃん「軽井沢に避暑に行ってるんですって。いいわよねぇ~」
真紅「避暑ッッ!!? そ、それにはまさか、いやらしい帽子を被った青い服の子も一緒にッッ!!?」
近所のオバちゃん「ええ、ええ。あの精悍な青いお嬢ちゃんも一緒に行きましたよ」
真紅「蒼星石ィィィイイイイイイイイイイッ!」
呼鈴『バキョォッ』
近所のオバちゃん「ひいっ!!? 人差し指の力で呼鈴を破壊…!!?」
――― この後、時間巻き戻しで呼鈴を直すも、怒りの収まらない真紅は
結菱家のポストに近所からかき集めたセミの抜け殻をアホほど詰めこんで立ち去った。
- § 草笛みつのマンション
呼鈴『♪チンポーン ♪チンポンチンポンチンポン ♪チンポーン』
真紅「この際、金糸雀の家でもいいんだけど…誰も出ないわね。まさか、ここも避暑に…?」
ホーリエ「……」
真紅「仕方ない、実力行使! 奥義、力尽くでのピッキング!」ばきょっ
ホーリエ「ッ!」
真紅「大丈夫。ドアノブごと鍵を破壊しただけよ。薔薇屋敷でこれをやると
セコムの人が飛んで来たりするから使えないけど、みっちゃんさんの家だったら問題ないわ」
ホーリエ「…!」
真紅「平気平気。帰る時に時間巻き戻しで全ての痕跡を直して消し去るから。さぁて、お邪魔しまーす」ガチャ
もわわ~ん
三彡三ミミヽ ィ彡三
三彡' ヾ、 _ r‐rァZ´~"ヾ ー彡
`ー ' rヘi !〃 ̄ ヽ} 「ぐっ!!? 他所様の家特有の何とも言えない臭い…!」
,ィ彡三ニミヽ__ 7b!リノノリ)))》 ,、_,ィ彡三ニミヽ
彡' ` /ノヘ!}.^ω^ノ|ヽ ミ三彡 「そしてこの熱気、やはりここも留守…? いや、あれは?」
_ (( く_ヒ|卯i7ヾト、
,ィ彡' rク /爿'^ jス ソ〉 -=ニミ三ミミヽ
ミ三彡' r'ブー-rァァ-‐′r'〉 ⌒ミ三ミミヽ
金糸雀「……」グッタリ
真紅「か、金糸雀が冷蔵庫の前で倒れているっ!!? 何事ッッ?」
ピチカート「…!」フラフラ
真紅「ピ、ピチカート? あなたは無事だったの? いったい金糸雀に何が起きたというの?」
ピチカート「ッ!」
真紅「何々? 金糸雀が留守番していたけど、みっちゃんさんのペットボトルめんつゆテロに
モロにやられて倒れた? そしてクーラーは節電のために人間がいない時は絶対停止…」
ピチカート「…!」
真紅「なるほど。そういう事なら、もうこの家には用はない。邪魔したわ。行きましょホーリエ」
ピチカート「ッ!!?」
真紅「え? 嫌よ面倒くさい。私が金糸雀を助けて何の得があるのよ? どうせ、その内に起きるでしょ」
ピチカート「ッ!」
ホーリエ「…ッ!」
真紅「何とでも言いなさい。この蒸し暑い中で金糸雀救助なんかで無駄に消耗したくないの」スタスタ
- § nのフィールド・ローゼンの箱庭・お茶会広場
めぐ「あらぁ? 真紅ちゃんじゃなーい! すっごい久しぶりー!」
真紅「ええ、お久しぶりだわゴーストめぐ。どう? 箱庭生活には慣れた?
水銀燈なんて生活能力が限りなくゼロだから苦労してるでしょ」
水銀燈「余計なお世話。それより何の用よぉ真紅? やたらと不景気で不細工な面をぶら下げて来て」
雪華綺晶「黒薔薇のお姉様、真紅の顔がへちゃむくれなのは今に始まったことでは…」
真紅「雪華綺晶も今日は巻かなかった世界の大ジュンの部屋ではなく、ここにいたのね」
雪華綺晶「はい。今、マスターの部屋ではマスターと斉藤さんが…」
真紅「えっ!!? ビッグジュンとビッチ斉藤が!!? 真夏の熱気とセミ兄貴の鳴き声が充満した一室で
淫らな行為に耽り、淫らな汗とか淫らな汁を淫らに流しまくりですってェェーーー!!?」
雪華綺晶「全然、違います。次の演劇の衣装について検討中なだけです」
水銀燈「真紅ったら本当にゲスいわよねぇ思考が」
真紅「ふんっ、水銀燈の方こそ思慮が浅いのではなくて? 人間は想像以上に下劣よ。
最初は普通に衣装の相
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- : :2015/07/29(水) 20:37:02
- 煙に巻くのまちがいかとおもったら本当に煙をまくのか(困惑)
- :-:2015/07/29(水) 20:44:10
- 薔薇水晶の出自に触れるのはやめてさしあげよう(トロイメント感)。
トロイメント終盤でアレな感じな挙句、
アニメ新シリーズで完全に黒歴史化した感のあるばらしーを追い込んではいけない(いましめ)
あと着ぐるみから煙・・・・変身後のBLACKみたいに、
ポーズつけて球体間接から煙出したら
真紅さんも格好よくなるんじゃないかな(他人事)
- :-:2015/07/29(水) 21:57:15
- 真紅・・・ついに紅茶を飲まなくなったのか・・・
- :-:2015/07/29(水) 22:15:49
- だんだん行動がクレヨンしんちゃんになってきてるな
- :-:2015/07/29(水) 22:47:31
- 誰よりも涼を求めてやまないお方がアクティブ暑苦しい
- :-:2015/07/29(水) 22:51:07
- 真紅の警察オチがうさみちゃんに看破され連行されるクマ吉くんを連想させた
ところできらきーから真紅への呼び方が、「紅薔薇のお姉様」と「真紅」の二通りなのは前からだっけ?