キヤノンが、最大感度ISO400万相当の超高感度多目的カメラ『ME20F-SH』を2015年12月上旬に発売します。価格は税別300万円。

搭載するセンサーは、2013年に開発発表したフルHD動画撮影専用の35mmフルサイズCMOSを改良したもの。星明かりだけのような、一般的には赤外線カメラで必要となるような非常に暗い状況下でも、ノイズの少ないカラーのフルHD動画が撮影可能です。ここまでの高感度性能を持った多目的カメラの開発はキヤノンとして初めて。有効画素数は約226万画素。

主な用途は野生動物の生態撮影や防災・望遠、映像制作などを見込んでいます。


本機に搭載しているセンサーは、2013年の発表当初、三日月明かり（0.03ルクス）程度の照度下でも鮮明な画像が撮影可能であるとし、肉眼の認識レベルに近いCCDセンサーが6等星相当の天体を視認できるのに対し、8.5等星以上暗い星でも撮影できると発表していました。ME20F-SHへの採用にあたって具体的にどのような改良が施されたかは明らかになっていませんが、星明かりなどの非常にわずかな光源だけでも被写体を認識できるということです。

レンズマウントはEFマウントで、現行機種のEOSシリーズ全般に装着可能なレンズがそのまま使用できますが、録画にはカメラのほかに別途外部レコーダを用意する必要があります。出力は3G-SDIとHDMI。音声出力とリモート端子を装備。

現在普通に買えるデジタルカメラではソニーα7SのISO409600が利用できる最高感度となりますが、それを大きく上回る高感度性能のカメラが登場しました。星明かり程度のほぼ真っ暗闇でも鮮明なフルHD動画が撮影できるということで、実写映像の公開が楽しみな一品です。

ちなみにキヤノンはこれまでに1億2000万画素のCMOSセンサーも発表しているので、こちらもいつ、どのような形で製品に落とし込まれるのか、期待したいところです。