レースゲームを中心に活動するプロゲーマー集団 Team Redline が、現役F1ドライバー マックス・フェルスタッペンの加入を発表しました。フェルスタッペンは今年、史上最年少の17歳でF1にデビューしたドライバー。7月26日のハンガリーGPではデビュー以来最高位となる4位に入賞するなどその実力を見せています。
日本ではまだメジャーではありませんが、海外ではプロゲームチームが多数あり、ビデオゲームが競技として成り立っています。Team Redlineはそのなかでもレースゲームをフィールドとして活動するトッププロチーム。iRacing や rFactor、グランツーリスモ 、数々のF1シミュレーションゲームを戦い、チームとして100以上の大会で優勝を飾っています。
iRacing でベルギーのスパ・フランコルシャンを走る Team Redline
グランツーリスモを例にあげるまでもなく、近年のレースゲームはそのリアルな挙動、再現性が売り。実際にレースシミュレーターとしてプロドライバーが利用することも多く、初めて走るコースはまずゲームで練習すると公言するドライバーも増加しています。
マックス・フェルスタッペンは、今年F1にデビューしたばかりのルーキー。90年代にF1を走ったヨス・フェルスタッペンを父に持つマックスはまだ17歳で、史上最年少のF1ドライバーでもあります。デビューに際しては「若すぎる」「たった2年の4輪レース経験でF1は危険」「ドライビングが強引すぎる」など批判もありました。しかし先週行われた F1 ハンガリー GP では荒れたレースをくぐり抜け、表彰台目前の4位にまで駆け上がる活躍を見せています。
現在のF1はレギュレーションによって年間のテスト走行日数が制限されています。ドライバーはチームが所有するドライビングシミュレーターでトレーニングすることになりますが、もしかすると人間の対戦相手がいるレースゲームのほうがより実車のレースに近い感覚が得られるのかもしれません。事実、Team Redline には他にもF1以外のカテゴリーから数人のプロレーシングドライバーが参加しています。
フェルスタッペンは、「ヴァーチャルトラックで世界レベルのレースゲーマーと走ることは素晴らしいテスト経験になる」と語っています。
ちなみに、マックス・フェルスタッペンは父の国籍であるオランダと母のベルギー、ふたつの国籍を持っています。現在はベルギーに住んでおり、17歳の現時点ではまだ普通自動車の運転免許を取ることができません。このため、F1レースが中休みとなるこの8月には運転免許の教習にも通うとのこと。アイルトン・セナ以来の逸材とも言われる現役F1ドライバーに運転を教える教習所の職員は一体どんな心境なのかが気になるところです。
さらに蛇足ですが2016年以降は、F1ドライバーに必要なスーパーライセンスの発給条件に「18歳以上、要普免」という項目が加わります。つまりマックス・フェルスタッペンが教習に落第した場合、来シーズンはF1に参戦できなくなることもありえます。
下はスパ・フランコルシャンサーキットで ルノー RS01 に 父 ヨス "ザ・ボス" フェルスタッペンを乗せ「サーキット教習」を受けるマックス・フェルスタッペン。さすがはF1ドライバー(もしくは鬼教官が横にいるからか)、運転中はほとんど瞬きをしません。