「これは本当にジュエリーなのか?」と、女性がトンボに飲み込まれているその奇抜なコンセプトで見ている者を震撼させたルネ・ラリックの最高傑作
当時、ジュエリーの価値は使われる宝石の値段に比例すると言われていたのだが、ラリックの作品以降、のアイデアとその彫刻技術によって評価されるようになり、ジュエリー界に革命をもたらした
女性の頭と胴体部分には、エメラルドグリーン色の緑玉髄の半貴石を。そして羽には金とムーンストーンが不規則に並べられ、両端にはダイヤモンドが輪っか状に埋め込まれている
羽にはそれぞれ4つのヒンジが、そして尻尾は曲線を描いており、身に付ける人の体に合うような設計になっていることから、見た目だけでなく、ジュエリーとしての使いやすさも兼ね備えている事がわかる
舞台女優として一世を風靡したフランス人のサラ・ベルナールにより着用され、ラリックと親交のあったアルメニア人実業家でアート・コレクターのカルースト・グルベンキアンにより所有されていたこともあるほどの貴重な品
現在は、ポルトガルのリスボンにあるグルベンキアン美術館に所蔵されている
作家名:ルネ・ラリック (René Lalique)制作年:1897 - 1898年技法・素材:金、エナメル、クリソプレーズ、カルセドニー、ムーンストーン、ダイヤモンドサイズ: 23 x 26.5 cm様式:アール・ヌーヴォー国: フランス