米Intelは5日(現地時間)、現在ドイツで開催中の欧州最大のゲーム見本市「gamescom 2015」において、「Core i7-6700K」および「Core i5-6600K」を正式に発表しました。
発表された両モデルは、ともにIntelの最新マイクロアーキテクチャ「Skylake」をベースに開発されており、“メインストリーム帯向けデスクトップCPU” の分野におけるCore i7およびCore i5シリーズとしては、どちらも最上位モデルとなります。なお、ともに「CPU倍率」がデフォルトで解除されており、OC(オーバークロック)をすることで更なる性能向上を狙うことが可能となっています。
また、このプロセッサの全機能を利用するにはIntel最新のチップセット「Intel Z170」を搭載したマザーボードが必要となるほか、Z170は従来的な「DDR3Lメモリ」に加えて新たに「DDR4メモリ」をサポート。さらにメモリをOCすることで、最大「DDR4-4,133」規格まで対応します。
以下はCore i7-6700KおよびCore i5-6600Kの主なスペック。
Core i7-6700K | Core i5-6600K | ||
CPU | コードネーム | Skylake-S | Skylake-S |
ソケット | LGA1151 | LGA1151 | |
製造プロセス | 14nm | 14nm | |
物理CPUコア数 | 4 | 4 | |
論理スレッド数 | 8 | 4 | |
ベース動作周波数 | 4.0GHz | 3.5GHz | |
最大動作周波数 | 4.2GHz | 3.9GHz | |
L2キャッシュ | 256KB × 4 | 256KB × 4 | |
L3キャッシュ | 8MB | 6MB | |
L4キャッシュ | 非搭載 | 非搭載 | |
CPU倍率 | 解除 | 解除 | |
GPU | モデルナンバー | Intel HD Graphics 530 | Intel HD Graphics 530 |
ベース動作周波数 | 350MHz | 350MHz | |
最大駆動周波数 | 1,150MHz | 1,150MHz | |
メモリ | 対応メモリ規格 | DDR4 – 2,133MHz DDR3L – 1600MHz |
DDR4 – 2,133MHz DDR3L – 1600MHz |
チャネル数 | 2 | 2 | |
TDP | 91W | 91W |
Intelの発表によると、「Haswell Refresh」ファミリーの最上位モデル「Core i7-4790K」と比較した場合、Core i7-6700KはCPU性能においておよそ10%程度の向上を実現しているとのこと。同様に「Core i7-4770K」からはおよそ20%、「Core i7-3770K」からはおよそ30%のCPU性能向上を達成しているとされています。
一方、グラフィック性能については、新たに「Intel HD Graphics 530」という従来の命名体系から一新された名称のGPUが統合。Intel製GPUとして初めて「DirectX 12」への対応を果たしているほか、各種ベンチマークテストにおいて、Core i7-3770K比で20~40%の性能向上を果たしていることが明らかにされました。
「Core i7-6700K」の性能向上幅について紹介されている
なお今回、Skylakeアーキテクチャの詳細については開示されませんでしたが、Intelは8月18日に開催される「IDF(Intel Developer Forum)」においてその全貌を明らかにすることを明言。また、より多くのSkyalakeファミリー製品が2015年第3四半期中にも発表される予定であることも強調しています。
ちなみに、Core i7-6700KとCore i5-6600Kの販売価格は、それぞれ「350ドル(約4万4千円)」と「243ドル(約3万円)」に設定されており、既に販売も解禁されています。
残りの「Skylake-S」シリーズは、2015年第3四半期中に登場へ
単純な性能向上幅としては、Haswell Refreshや「Broadwell-K」シリーズのCPUをシステムに組み込んでいるユーザーを乗り換えさせるにはやや不足な感もありますが、DDR4メモリへの対応やDirectX 12への対応。さらに各種新命令セットへの対応や新機能の実装など、細かな点で多くの進化を遂げているものと思われます。
このマイクロアーキテクチャへの最終的な評価は、少なくとも今月18日のIDFにおいて詳細が開示されるまで保留しておいた方が良さそうです。
[WCCFtech]
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著者
2014年10月1日より、縁あってGGSOKUメインライターに正式に就任。ここ最近は、スマートフォンやタブレットを始めとするガジェット類全般から、各種周辺機器にデジタルカメラ。果ては自作PCパーツやソフトウェア類にまでも食指を動かすに至る始末。イロモノ・キワモノガジェットもこよなく愛する、興味と好奇心の赴くままに生きる元人力車夫。2015年元日より、Twitterアカウント開設。
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