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サムスン、2.5インチ2TB版SSDを国内発表。7mm厚ではHDD超え - Engadget Japanese



サムスン電子がコンシューマー用としては初となる、2TB版2.5インチSSDの2モデルを国内発表しました。現行のシリアルATA接続のシリーズである850 EVOと850 PROのそれぞれに、2TB版を追加する形となります。出荷は9月上旬から。市場想定価格は廉価版の850 EVOが11万3000円前後、上位版850 PROが14万5000円前後。

2TBという数字自体もインパクトがありますが、実は隠れたトピックとして「体積あたりの密度でHDDを超えた」点が挙げられます。これら2モデルは厚さ7mmですが、同サイズのHDDはまだ1TBに留まるため。2.5インチHDDで2TB版となると、厚さ9.5mmの製品しかありません。「容量はSSDよりHDDのほうが有利」という常識は、少なくとも2.5インチクラスでは古いものとなりそうです。


また今回の2モデルは、大容量でありながらプレミア(ご祝儀)価格がほぼないのもポイント。従来こういった最大容量モデルが追加される場合、小容量モデルに比べて容量あたり単価が高くなる、というのがパターンでした。

しかし両シリーズの各1TB版の原稿執筆時の実売価格は、EVOが5万1000円前後、PROが7万円前後。さすがに若干は高めとなりますが、それでも容量単価はほぼ同レベルを保っており、こうした最大容量更新時としては非常に珍しいパターン。絶対価格こそ安価ではありませんが、ユーザーとしては好ましい話です。

ちなみにコンシューマー向けという枠を外すと、2TBの2.5インチHDD自体はインテルのデータセンター向けモデル『Intel SSD DC P3700』があります。信頼性が重視される業務用途ということもあり、実売価格は46万円とまさに別格なもの。大きさもPCI Express拡張カード型です。
2TBという枠内では、この2モデルの登場で敷居がグッと下がったと言っても過言ではないでしょう。


Samsung SSD 850 PRO

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7 枚



さて、それぞれの基本仕様を既発売の1TB版と比べると、大容量化に伴いコントローラチップが新型の『Samsung MHX』となった点と、キャッシュメモリ容量が2GBへと倍増した点が主な変更点です。

これらを見ると性能が向上していそうですが、性能面は1TB版と変わりません。コントローラの変更は、容量増加自体で必要となる改良(コントローラーから見たメモリアドレスエリアの増加)や、信頼性を保つための改良によるもの。キャッシュメモリの容量は速度向上というより、むしろ1TB版に比べて速度が低下しないように、という対策処置的な変更です。



実際の速度ですが、850 EVO 2TB版は、連続リード540MB/秒、連続ライトが520MB/秒。4KBランダムリード(QD=32時)が9万8000IOPS、同ランダムライトが9万IOPS。

850 PRO 2TB版の公称速度は、連続リード550MB/秒、連続ライトが520MB/秒。4KBランダムリード(QD=32時)が10万IOPS、同ランダムライトが9万IOPS。

両モデルとも速度には定評あるモデルだけに、シリアルATA接続タイプとしては非常に高いレベルです。



両シリーズでの技術的な特徴となる、三次元構造フラッシュメモリ『3D V-NAND』の採用も下位容量モデルと共通です。というより、コンシューマー向けの価格で2TB版が生産できること自体、高密度化に有利なV-NANDのメリットが貢献しています。

製品寿命の目安となる総書き込み容量も1TB版と変わらず、PROが300TBW(TB Wtitten)、EVOが150TBW。メーカー保証期間もやはり同じで、PROが10年、EVOが5年です。

V-NANDについての詳細や、両シリーズの基本仕様に関しては、発表当時の記事を参照ください。

サムスンの高級SSD 850 PRO発表。世界初3次元NANDメモリ採用で耐久性倍増、「10年使えるSSD」

サムスンが3次元構造TLC NAND搭載のSSD 850 EVO発表。安価ながら5年保証の高耐久仕様

なお理論上では、850 EVOの採用するTLCモード(メモリセル1個あたり3ビット記録)は、850 PROのMLCモード(1セルで2ビット)に比べ、1チップあたりで2倍の記録密度が確保できます。

そのため850 PROで2TBが発売できるということは、理論上では850 EVO限定で4TB版も作れるということ。いわゆる「変身を残している」状態です。ただし今回は市場性の問題などもあり、2TBに留めた模様です。

Samsung SSD 850 EVO

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8 枚



なお3次元構造のフラッシュメモリはサムスンが量産化でリードしていますが、もう一方の雄である東芝も、BiCS(Bit Cost Scalable)というLTEもビックリな正式名称のチップを発表しており、9月には1個で32GB(256Gビット)となるチップをサンプル出荷する予定です。

東芝、48層32GBの三次元積層フラッシュメモリBiCS FLASHを9月出荷。大容量・高速・長寿命化

こうした動きを見ていると、来年後半程度までには「コンシューマー向けSSDの最大容量が2TBで揃う」レベルとなりそうです。果たしてその頃にはHDDも遅れを取り戻しているのか否か、テクノロジーとしては面白い状況になってきました。
サムスン、2.5インチ2TB版SSDを国内発表。7mm厚ではHDD超え

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