667 :おさかなくわえた名無しさん :04/04/28 02:26 ID:VwOTQ12U
小学生の時ジャングルジムから落ち、腕を折ってしまい家から離れた病院に入院した。
当時の俺は「病院」と「医院」がごっちゃになってて、病院の広さに圧倒された。
入院中、ただじっとしてる事が我慢出来なかったから、病院内を探検しようと思った。
中庭とか屋上とか、自分の知らない風景を見るのがたまらなく楽しかった。

2,3日後、散々遊んで病室に帰ると隣のベッドの子が「またお外に行ってたの?」と聞いてきた。
突然話しかけられてビックリしつつも「…うん。」と素っ気無い返事を返した。
それから「お外はどんな感じ?」とか「お池の鯉さんは元気?」とか色々聞かれた。
俺は戸惑いながらも今日見たものや外の様子などを話して聞かせた。

どうやら隣の子は足が不自由らしく、自分で歩くことが出来ないようだった。
子供心に「何かしてあげたい」と思った俺は、その子の話し相手になった。
今思えばその子のことが好きになっていたんだと思う。
毎日毎日、病院内を探検してはその子に話して聞かせた。
遅くまで話をして看護士さんに怒られたりもした。

入院してから3週間くらい経ち、あとは自宅療養で大丈夫だろうと診断された。
俺は必死に腕が痛いフリをして入院を長引かせようとした。
当然そんな嘘はすぐにバレて結局、次の日に退院する事になった。
俺は泣きながら「ごめんね。僕、退院するから…話、出来なくなっちゃうよ。」と言うと、
その子は「…うん。仕方ないよ。気にしないでいいよ。」と言い、二人で大泣きした。

次の日、親が迎えに来る前に中庭に行き、花を摘んできた。
その子はとても喜び、「取替えっこ。」と言ってぬいぐるみをくれた。
変な話だが、その時はじめてお互い自己紹介した。

あれから15年。
腕の傷を見るたびにその子の事を思い出し、少しだけ胸が苦しくなります。
元気でやってるといいなぁ。長文すみませんでした。