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ロジクールが秋葉原にゲーマー向け専門店をオープン、eスポーツ選手を推したユニークな構成 - Engadget Japanese


マウスやキーボードの大手メーカーとして知られるロジクールが、ソフマップ秋葉原本館(中央通り交差点の大きなビルです)の4階に、ゲーマー向け製品を扱う専門店『ロジクールGアリーナ』をオープンしました。いわゆる「ショップインショップ」と呼ばれる、販売店フロア内の専門店といった扱いです。

意外な話ですが、ロジクールがこうしたショップインショップを出すのは、ゲーマー向けといったくくりを抜いても日本では初めてとなります。

ロジクールGアリーナ

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ライバルブランドのコーナーと比較した際の特徴は、ロジクールがスポンサーに付いているプロゲーマー選手を前面に出し、それらの選手が愛用する製品や推奨製品が購入できるようなコーナーが配置されている点。

PCゲームの中でも競技性の強い分野である(いわゆる)eスポーツの大会などでは、スター選手の活躍やキャラクターにファンが付いており、そうした人気の構図がスポーツと呼ばれる一因ともなっていますが、そうしたスター選手に憧れるファンに向けたコーナーが用意されているというわけです。



今回Gアリーナでクローズアップされている選手は、以下の4名。

ロジクールGのブランドアンバサダーであり、プレーヤー兼解説者のStanSmith選手、MOBA「League of Legends」チームであるDetonatioN FocusMe所属のCeros選手、同チームの「バトルフィールド4」部門、DetonatioN BYCM所属のDustelBox選手、そしてDetonatioNから独立したLeague of LegendsチームであるRabbit FiveのAwaker選手。

日本におけるロジクールのスポンサードは、現状ではLeague of Legendsの大会を中心としていますが、そうした強みを活かした人選でもあります。



実際の売り場でもこれら4選手のビジュアルが要所要所に配置されており、たとえば壁面のキービジュアルなども、上図のように4選手の大きな写真が中心です。さらにオープン直前には、来場している選手がサインを入れるというアピールも加わりました。

こうした展示手法は、ゲーマー向けやPC周辺機器のそれとは大きく異なり、むしろアイドルショップに近いもの。従来のPC周辺機器売り場としてはほぼ皆無な路線であり、非常にユニークな雰囲気を打ち出しています。

さらにGシリーズの持つ本気度の高いデザインと合わせて、取材中ソフマップのテーマ曲である「HELLO, SOFMAP WORLD」が流れた際には(ソフマップ店舗内なので当然流れます)、いい意味でかなりの違和感がありました。それだけコーナーの雰囲気が支配的で強いということです。



合わせてもう一つの特徴としては、FPSやMMORPG、MOBA(RTS)といったPCで主要なゲームジャンルごとにまとめた売り場を配置している点も挙げられます。これはeスポーツファン層と並ぶ来客の柱である、ゲームプレーヤーへのアプローチ。ゲームジャンルごとに適性が異なる機器を適切に選べるように、という配慮です。



同社のアピールによれば、FPSは高速応答と精確性重視。そのため入力解像度の高いマウスなどが中心となります。

MMORPGは複数コマンド入力の簡便さやプレーヤーに合わせたカスタマイズ性の高さを重視。こうした点で有利な、多くのボタンを搭載したキーボードやマウスをアピールする構成です。

MOBAは、ゲーマー向け入力機器の各要素が幅広く求められるため、バランスを重視。優れた操作性にはじまり、長時間の試合を支える耐久性や反応速度のすべてが要求されるため、バランス重視の製品を中心とした構成となっています。




さらに試遊台の椅子は、プロゲーマーの間でも愛用者が多いDXRACER(デラックスレーサー)ブランドの製品を採用。ディスプレイもEIZOブランドのFORISシリーズなど、プロゲーマーが支持するブランドを積極的に展示機として導入。総じて試遊機の展示は非常に気合いの入ったものとなっています。

Gシリーズにはプレイステーション4と3用のステアリングコントローラーとして「G29」もありますが、こちらの試遊用としても、ドライブゲーマーの間で支持の厚い、PLAYSEATブランドのバケットシートを用意。ドライビングポジションでの試遊が可能です。



一方で、Gシリーズ以外のロジクール製品は一切陳列されていないのもユニークなところ(同じフロアの別コーナーにあります)。
ロジクールの製品層の厚さはゲーマー向け製品のライバルと比べてメリットとなるところですが、そうしたメリットを捨ててもeスポーツファンとゲーマーに向けたショップにしようという姿勢が見えるようで、好感が持てるポイントです。



さて、コーナーのオープンに先んじて開催された記者向け説明会では、Awaker選手にDustelBox選手、StanSmith選手にはじまり、DetonatioN代表の梅崎氏や秋葉原でe-sports SQUAREを展開する株式会社SANKOの鈴木文雄氏も登壇。ロジクールの深いところまで踏み込んだスポンサードに関するコメントなども聞かれました。



PCゲーム用入力機器は昨今市場が広がっており、それに伴ってメーカー間の競争も加速度的に激しくなっている分野。実際にロジクールGアリーナの隣に、RazerやMad Catzといった強力なライバルブランドのコーナーがあります。

ロジクールが今回打ち出した「eスポーツのファンに向けてスター選手を前面に出す」という路線は、eスポーツの定着している国ではいくつか例が見られますが、現在の日本市場においては非常に先端的かつユニークな試みです。今回のロジクールの戦略をきっかけに日本でもこうした市場が定着するのか、そして同社は強力なライバルに勝てるのかといったところは、ゲーマーならずとも興味が持てる動きかもしれません。
ロジクールが秋葉原にゲーマー向け専門店をオープン、eスポーツ選手を推したユニークな構成

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