独自動車大手の BMW が、Google の新持株会社 Alphabet に対して、商標権の侵害がないか調査すると発表しました。BMW は子会社の「Alphabet」を世界18カ国に展開しており、alphabet.com ドメインも所有しています。
突然の発表だったにも関わらず、Google の親会社となる Alphabet の登場は市場に好意的に受け入れられ、Google の株価を約5%引き上げました。
一方、BMW は Alphabet の登場に困惑しています。その理由は Alphabet という社名が、自社の子会社と同じ名前だったから。BMW の Alphabet は世界18か国に事業を展開しており、Alphabet.com というドメイン名も1995年から20年にわたって保持しています。
BMW の広報担当 Micaela Sandstede は社名の件について「Googleからはいかなる相談も受けていない」、「alphabet.com ドメインを売り渡すつもりもない」と発表。くわえて、「商標権の侵害がないか調査する」としています。Google の Alphabet はドメイン名として abc.xyz を取得しています。
米国特許商標庁によると、一般的に複数の企業の社名が同じであっても、すぐに商標権の侵害とはなりません。しかしそれらが同じ事業分野で消費者に混乱を招くような場合はこの限りではないとのこと。
Google は Android Auto や自動走行システムの開発で自動車産業に足を踏み入れています。BMW もまたその分野で研究を進めています。Google は Alphabet のブランド名でコンシューマー向けに事業を展開することはないとしているものの、将来的にこれが何らかの火種になる可能性もゼロではなさそうです。
なお、社名に Alphabet と付く企業は BMW の子会社だけでなく、世界中に無数に存在します。たとえば、Alphabet Management、Alphabet Records、Alphabet Energy などといった具合。BMW よりもむしろそうした小さな企業たちのほうが、今回の発表の影響をうけているかもしれません。インドネシアのジャカルタには、その名もズバリ Alphabet, Inc. が存在します。
Today has definitely been an interesting day for us.
— alphabet, INC. (@AlphabetINC) 2015, 8月 11
また、abc.wtf や abc.fail といったドメインにアクセスするとマイクロソフトの検索サイト bing.com にリダイレクトされる件がにわかに話題となっていますが、マイクロソフトは「ウチがやったんじゃない」と否定しています。