縦幅1メートルを超える大型本
北米の鳥類を自然環境の中で極めて写実的に描いた博物画集の傑作、アメリカ合衆国の画家・鳥類研究家のジョン・ジェームズ・オーデュボン (John James Audubon) が1838年に出版した「アメリカの鳥類 (Birds of America)」の初版本が、2012年1月20日にニューヨークのオークションハウス "クリスティーズ(Christie's) " で790万ドル(6億円) で落札され話題に。
世界には歴史的価値をもち、かつ美しい書籍が他にも存在しているそうなのですが、そのなかでも
最も高額な書物を10作品紹介します。
(金額は2012年1月21日のレートで参照)
10. ユリゼン[第1の]の書 (The [First] Book of Urizen)
250万ドル (1億9千万円)
イギリスの画家、詩人、銅版画職人ウイリアム・ブレイク (William Blake) が独自の象徴体系に基づき制作した神話の中でも最も重要な1冊と言われ、1794年に出版された作品。心理学的にも重要な現存する8冊のうちのひとつが1999年にNYのサザビーズで250万ドルで落札されました。
09. 吟遊詩人ビードルの物語 (The Tales of Beedle the Bard)
(via. Amazon.co.jp)
398万ドル (3億円)
J・K・ローリング(J.K. Rowling)が著したハリー・ポッターシリーズの作中に登場する書物。革装丁、全て違う献辞、ムーンストーンの装飾が施され、文字も絵も手書きで7冊制作。2008年に実際に発売され、2007年にサザビーズのオークションにかけられた。
その後、Amazonでも限定版が販売された。
08. ゲオグラフィア (Geographia)
400万ドル (3億円)
古代ローマの天文学者、数学者、地理学者、占星術師 クラウディオス・プトレマイオス (Claudius Ptolemaeus)の著書。世界で初めて経緯線を用いた地図帳で古代の人々の地理に関する知識を集成。データがあまり正確なものではなく、そのことが1,000年後の大航海時代にまで影響。その間違いがコロンブスがアメリカ大陸を発見するきっかけとなる。
07. 果樹論 (Treatise on Fruit Trees)
450万ドル (3億5千万円)
文: ヘンリー・ルイス・デュアメル・デュモンソー (Henri Louis Duhamel du Monceau)
絵: ピエール・アントワーヌ・ポイトー (Pierre Antoine Poiteau), ピエール・ジャン・フランソワ ターピン (Pierre Jean François Turpin)
果樹について書かれたものの中でもっとも高価な書物。
06. グーテンベルク聖書 (The Gutenberg Bible)
490万ドル (3億8千万円)
世界初の印刷聖書。15世紀にドイツのヨハネス・グーテンベルクが活版印刷技術を用いて印刷した。48冊が現存。そのうちの1冊が1987年、洋書の輸入販売で知られる丸善がニューヨーク・クリスティーズのオークションで落札。当時の金額では7億円相当と言われる。
05. ファースト・フォリオ (First Folio)
600万ドル (4億6千万円)
英国の劇作家、詩人 ウィリアム・シェイクスピア (William Shakespeare)の戯曲をまとめて出版した最初の作品集。1623年当時の値段は1ポンドだった。マイクロソフトの共同設立者であるポール・アレン(Paul Allen) が購入。
04. カンタベリー物語 (The Canterbury Tales)
750万ドル (5億8千万円)
14世紀に英国の詩人 ジェフリー・チョーサー (Geoffrey Chaucer)によって書かれた物語集。もともとは1776年にジョン・ラドクリフ所蔵品のセールでフィッツ・ウィリアム伯爵が6ポンドで購入した。
03. アメリカの鳥類 (Birds of America)
(via. extravaganzi.com)
1,150万ドル (8億9千万円)
冒頭で紹介しましたが、2010年にはジョン・ジェームズ・オーデュボン (John James Audubon)が著したこの本の別の初版本がロンドンのサザビーズで1,150万ドル (8億9千万円)で落札。
02. ヘンリー・ライオンの福音書 (The Gospels of Henry the Lion)
1,170万ドル (9億円)
12世紀に聖ベネディクト (Saint Benedict) により制作されれた、ロマネスク装飾の最高傑作のひとつと言われる。50ページのイラストを含む266ページに渡る作品。
01. レスター手稿 (The Codex Leicester)
3,080万ドル (24億円)
イタリアのルネサンス期を代表する芸術家、万能人 レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci) が約40年間にわたり書き綴ったノートの内の一つ。推定年代1506年から1510年、革装で化石や、水の動きなどの水理学関する研究が中心に「月はなぜ光るのか?」などの天文学についての研究が書かれている。
1994年にビル・ゲイツ(Bill Gates)が3,080万ドルという驚きの金額で購入、その後Windows95のスクリーンセーバーに使われた。