http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015081702000045.html

見せる警備でテロ防げ　警視庁、羽田にセグウェイ初導入
2015年8月17日 夕刊


　国際化が進む羽田空港（東京都大田区）の警備のため、警視庁は立ち乗り
電動二輪車「セグウェイ」を導入する方針を決めた。全国の警察でセグウェイの導入は
初めて。来年の先進国首脳会議（サミット）や二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックを
控え「見せる警備」でテロ防止に一役買えるか－。

　セグウェイは、昨年四月に発足した「東京国際空港テロ対処部隊」に数台配備される
見込み。大勢が行き交うターミナル内で、不審者に目を光らせる。

　過激派組織「イスラム国」（ＩＳ＝Ｉｓｌａｍｉｃ　Ｓｔａｔｅ）などによるテロが続発し、
テロリストの入国を防ぐ水際対策が重要になっている。

　セグウェイジャパンによると、海外では約千五百の警察や警備会社が、セグウェイを
導入している。

　主な活躍の場は、広い範囲のパトロールが必要な空港や競技場周辺だ。電動で
排ガスが出ず、小回りが利くため、施設内でも使用できる。

　高さ約二十センチのステップに立って運転するので、頭一つ上から見渡せる。
目立つ形状と合わせ、犯罪の抑止につながるという。

　日本の空港では、中部国際空港の管理会社が〇八年に初めて、セグウェイを採用。
長さ約三百メートルの展望デッキに二台配置した。広報担当者は「五人いたデッキの
警備員を二人に減らせた」と効率性を評価する。

　警視庁は空港や駅で、警察車両や警察官を目立つ場所に配置するなど
「見せる警備」に取り組んでおり、セグウェイもその一端を担う。警視庁関係者は
「ターミナル内で警察官が乗っているだけで、大きな抑止効果になる」と期待する。

　「見せる警備」の一つが、今年二月の東京マラソンで始めた「ランニングポリス」。
小型カメラを付けた警察官がランナーとともに走り、不審者を警戒する取り組みは、
注目を集めた。　（北川成史）