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好調のmixi『モンスターストライク』が中国市場から撤退した理由 - Engadget Japanese

モンスト

株式会社mixiがスマートフォンゲームの中国市場から撤退し、人気ゲーム『モンスターストライク』(中国名『怪物弾珠』)の配信を中止することが明らかになりました。中国のIT大手・騰訊控股(テンセント)との提携も解消。完全撤退ではなく将来の再参入を目指すとのことですが、その時期は未定です。


中国本土向けのモンスト(略称)配信は、mixi社がテンセント社との業務提携のもと、『怪物弾珠』のタイトルで昨年12月からスタート。モンストの基本機能はそのままに、国内版や北米版にもなかったストーリーが追加され、遠方の人とも対戦できるオンラインシステムも搭載。中国独自のゲーム内イベントを開催したりと現地向けのローカライズに注力してきましたが、10月19日にサービスが終了となります。すでに新規ユーザー登録も停止され、サービス終了当日には全てのユーザー情報、公式サイトも消去されるとのこと。

日本発のスマートフォンおよびソーシャルゲーム事業の中国からの撤退といえば、思い出されるのが2013年のGREEのケースです。同年1~3月期の連結決算にて純利益が前年同期65%も減少した事態のテコ入れとして、業務の終了とともに中国オフィスを閉鎖しました。

その直接的な原因は、日本のゲームを中国語化しただけのサービスの不人気や、8カ月の時間と4000万元(約6億4000万円)の資金を投入した「栄誉征途(Crystal Throne)」の不振。より根本的には、当時まだフィーチャーフォンに軸足を置いていた同社がスマホ化の急激な現地の事情に対応しきれなかったこと、回線速度の遅い中国では日本に特化したオンラインゲームは強みが出しにくかったことなどが考えられます。

中国版「モンスト」はそうした前例も踏まえていたと思われ、現地向けのローカライズも丁寧に施され、背景CGも豪華にされたりと、日本版よりもお得な感さえありました。

が、mixi社によれば、今回の配信停止は、提携先のテンセント社との方向性の違いが原因とのこと。同社がFACE TO FACE(顔の見える親しい間柄)のコミュニケーション要素を大切にしているのに対して、テンセント社がPCオンラインゲーム事業の延長にあるネット対戦システムを推進。要するに「助け合い」を大事にする同社の方針と、テンセント社の「勝ち負け」が矛盾するからバンド解散します、ということでしょう。

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その一方で、台湾・香港・マカオでは7月に累計ユーザー数が400万人を突破し、3地域でセールスランキング1位を総なめ。国内でのFacetoFace戦略がアジア地域でも有効と証明された現状においては、今回の中国版モンスト配信停止は挫折とは真逆で、スマホ・ソーシャルゲーム大国となった中国と日本の「世界を巻き込む大いなるゲーム」の始まりかもしれません。

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好調のmixi『モンスターストライク』が中国市場から撤退した理由

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