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実際にファミコンは全世界で何万台くらい普及したのか問題
 

実際にファミコンは全世界で何万台くらい普及したのか問題


<ファミコンが世界に与えた衝撃>

 ファミコンが米国へ進出したのは1983年の発売からわずか2年後だった。

 そのころ米国ゲーム市場はアタリショックの影響で市場自体が壊滅状態だったが、任天堂の地道な努力によってファミコンは米国でもヒット商品となり、ゲーム市場ごと復活させたことは米経済史の授業で習ってもおかしくない出来事である。ファミコンはそのさらに1年後にはヨーロッパへ進出、着々と世界へと羽ばたいて行く……

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 結局、ファミコンは全世界(公式販売されていた国)で6000万台以上普及したと言われている。


 世界的に普及したゲーム機としてはおそらく人類史上初の存在に違いない。ファミコンが世界に与えた衝撃は計り知れないものがあるだろう。




<歴代ゲーム機の世界普及台数>

 ただしそれも過去の話。今はいったいどうなっているのだろうか。2015年8月現在の歴代ゲーム機の世界普及台数データを見てみたいと思う。

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 なんと、ファミコンは10位。1位のプレステ2や2位のDSには2倍以上の差をつけられてしまっていた。かつての王者も、もはや数ある歴代ハードの1つに過ぎないのだろうか……




<全世界よりも中国のほうが多かった!?>

 しかし実際の話はどうなんだろう。ファミコンとその他の機種には決定的な違いがあるのだ。

 たとえば、とある試算では中国においてファミコンは最低7000万台は普及していたと言われている。え、どういうこと? 中国は別計算? 全世界の普及台数よりも多いし……なんて驚いたかもしれないが、先に言っておくと、中国ではファミコンは正式販売されてないのだ。(したがって、さきほどの公式な世界普及台数6000万台には含まれてない)

 つまり、この7000万台はすべてパチ物(不正コピー品)ということになる。

 しかもファミコンは中国で「一時代を築くほど大ヒットした」というのが中国人ファミコン世代の共通認識であることもわかっている。中国の格差社会はすさまじいが、それを考慮しても人口13億人の中の7000万台という数字は決して大げさな数字ではないのだ。何度も言うが“パチ物なのに”である。


 さらにお隣の国ではホントかウソか、こんな冗談みたいなエピソードもあった。

 かつて任天堂が韓国でファミコンを売り出したとき、予想に反してさっぱり売れなかった。なぜなら韓国にはすでにファミコンが普及していたのだ……



 ↑はちょっとジョークっぽく書いたが、似たようなことは本当にあったようだ。韓国のファミコン普及率が中国と同じくらいだったとしたら280万台は普及していたという計算となる。くどいようだが“パチ物が”である。


 そして中国系のパチ物勢力は台湾、香港など含める東アジアを拠点に、タイなど東南アジア、インドなど南アジアに広がっていき、南米にまで波及していく。中国だけで7000万台なのだから、その他諸国へ普及した台数を数えると恐ろしいものになるだろう。また、ロシアにも独自のパチ物勢力が存在したことがわかっているのだ。




<もう1つの大きな存在>

 そして忘れちゃいけないのが、ファミコン互換機の存在。

 かつてパチ物マニアやレトロゲーマーが興味本位で買っていた互換機は、現在、一般の人々が気軽にレトロゲームを楽しめるアイテムとして認知される時代となった。

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 一方で、10月に発売予定の「レトロフリーク」のような、マニア向け商品もつぎつぎと開発されており、互換機市場は密かに熱い市場なのだ。つまり、ファミコン互換機と呼ばれるものが登場して10数年、これらの普及台数も無視できないものになってきているのである。


 ここで改めて歴代ゲーム機の世界普及台数ランキングを見てもらいたい。TOP10に入る歴代ゲーム機の中で、これほどまでにパチ物が普及し、互換機もいまだに売れまくっているゲーム機が他にあるだろうか……
 あるわけないのだ。なぜなら他の機種にはそもそもパチ物や互換機が存在しないからである。(ここでいう互換機とは1つのハードとして他メーカーから発売されているものを意味し、プレステ2など下位互換性のあるハードは本体のみカウント、また、互換アダプタのようなものも含まないものとする)

 ファミコンとその他の機種の“決定的な違い”とは、そこだったのだ。




<ファミコンの“真の世界普及台数”>

 ということで、ファミコンの“真の普及台数”を導き出す計算式は以下のようになる。

 公式+パチ物+互換機 = 真の普及台数



 パチ物が普及していた各国の人口や経済事情といったものを細かく考慮し、また、互換機がどこでどれだけ売れているのか詳しく検証していくと、ファミコンの“真の世界普及台数”がはじき出されるのである。

 試しに計算してみると、こんな数字になったよ。

 ↓

 1億7723万台



 ファミコンの“真の世界普及台数”は四捨五入しておよそ1億8000万台といったところか。1位のプレステ2を大きく上回る結果となり、実質は1位だったということが判明した。

 もちろん僕は経済の専門家じゃないので大した根拠はないが(笑)、それなりに時間かけていろいろ調べてはじき出した数字だ。それに当時ファミコンが世界に与えた衝撃、そして後世に残した影響などを考えると、そう大きく間違ってもいないのではないだろうか……


 何年後かに後世の人々がファミコンの世界普及台数について語るとき「とある試算では1億8000万台と言われている」なんて言ってくれるようになれば、少しは意味のある作業だったかなと思うのである。



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互換機を足していいならプレステ2と3にそれぞれ
プレステの数字がそのまま載って来るのでは…
3086. [ 2015/08/18 11:17 ] [ 編集 ]
なるほど公式に互換性があるってのと、互換機として1つのハードになってるのと、その明確な線引きがむつかしいってことですね。そのへんもうちょっと説明できるよう、追記してみます。
3088. [ 2015/08/18 11:39 ] [ 編集 ]
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