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VAIO新社長 太田氏が語るVAIO Phoneの反省「今後は主体性を強め、自社開発も検討」。しかしスマホ市場は優先度低め? - Engadget Japanese


VAIO株式会社の新社長、大田義実(おおたよしみ)氏が発表した新事業計画は、ロボット生産などを足がかりにEMS(電子機器の受託生産)事業者としての展開を積極化。新規事業を開拓し、2017年度にはPCと1対1の規模にするという非常に大胆なものでした。

一方で近い将来の展開として考えられそうなスマートフォンやタブレット事業に関しては、事業計画の説明内では見通しどころかコメントも一切語られませんでした。3月に登場し様々な意味で話題となった日本通信製のVAIO Phone(VA-10J)に関して、これまでVAIO側の公式コメントは非常に少なかった点も合わせ、質疑応答ではここが一つの焦点となりました。

VAIO 新社長就任 新事業計画発表

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質疑応答の中で記者から出たのは、ずばり「VAIO Phoneに関してはどのように考えているか」という質問。

対する大田社長からは、「通信事業への進出という観点からは一定の評価をしている」との旨でした。ただし続く発言は「通信事業は企業規模が大きくなければならないため、規模的には他社との協業は必要である。今後スマートフォンやタブレットを手がける場合は、もっと当社の主体性を強めていきたい」という回答が。

こうした発言は、少なくともVA-10JにおけるVAIO側からのコミットメントの少なさに関しては、決して満足しているものではなく、また次からはより積極的にいく......というニュアンスが感じ取れるもの。



VA-10Jの登場時から話題だった「VAIO Phoneは企画や設計を日本通信主導で行っているため、VAIOは(厳しい言い方をすれば)ブランドを貸しているに過ぎないのでは?」という疑念は、登場後それを肯定するような周辺情報の数々が出てきたことなどから、現在では一定以上の信憑性を持った話となっています。

本誌でも発表会場からの実機レポを掲載しましたが、全体的な完成度はともかくとして、「VAIO度が薄い」という点は強く感じました(詳しくは下記記事を参照ください)。

VAIO Phone 実機インプレ&ベンチ。VAIO度の薄さと価格が難、性能と触感は良好

今回大田社長から、主体性を強めていきたいというコメントが出たことにより、このあたりの事情がある程度ですが追認されたこととなります。また大田社長の話し方は、VAIO側としても反省点がある、というニュアンスが伝わってくるものと受け取れました。

また、別の記者からはこの発言を受けて「主体性を持ったスマートフォンややタブレットとはどういったものか。VAIO自社開発による製品もあるという意味か」という質問が出ています。

こちらを受けての大田社長のコメントは、自社開発製品も検討している、という旨。こうした回答が出たことから、今後もしVAIOがスマホやタブレットに関わるのであれば、少なくともVA-10JよりはかなりVAIO色の強いものとなり、ともすればVAIOオリジナル製品が登場する可能性も出てきたと言えそうです。

ただし一方で、事業計画説明の本編においては新規事業に関する話が中心でありながらも、スマートフォンやタブレットに関しては触れられていない点に関しても注目すべきでしょう(詳細は、以下の記事を参照ください)。

VAIOが大胆な事業計画発表、ロボットなど新事業をPCと同規模へ。VAIOフォンは反省

進行の時間的な兼ね合いやEMS事業にフォーカスする点を強調するために、あえてスマホ事業に関しては触れずに進めた可能性も否定できませんが、スマホやタブレットを重要事業として位置づけるのであれば、まったく触れずに終わるというのはやはり不自然ではないでしょうか。

あくまでも想像の域を出ませんが、大田社長の質疑応答における語り口からも、少なくとも現状では、新規事業としての優先度は決して高くはなさそうにも感じるところです。

日本通信 VAIO Phone VA-10J

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ただしいずれにせよ、次にVAIOがスマホやタブレットを手がける際は、VA-10Jのような「薄い」関わり方ではないものとなりそうだ(少なくともVAIO側はそう考えている)ということは、VAIOファンにとってはグッドニュースであることは間違いありません。
願わくば、VAIO側も購入者も溜飲を下げられるような完成度の製品の登場を期待したいものです。
VAIO新社長 太田氏が語るVAIO Phoneの反省「今後は主体性を強め、自社開発も検討」。しかしスマホ市場は優先度低め?

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