2015年1月7日に、イスラム過激派を挑発する風刺画を掲載したフランス週刊誌の「シャルリー・エブド」本社が襲われ、編集長やコラム執筆者を含む12名が殺害される事件が起こりました。
事件・事故が起きると、メディアの在り方や報道の手法が問題になることがありますが、襲撃事件が起きたときに、生放送で銃撃する犯人から隠れている被害者がいることが放送されました。
このときの生存者が、命を脅かされたとしてフランスのメディアを訴えたそうです。
「シャルリー・エブド襲撃事件」として知られるこの事件は、風刺週刊誌を発行している出版社の本社に武装した犯人が襲撃し、その後に続く一連の事件の発端となりました。
(シャルリー・エブド襲撃事件 - Wikipedia)
襲撃後に犯人2名は人質を取って立てこもりましたが、隠れていた6人の生存者が、外部に連絡したことをテレビやラジオで放送されたことで命の危険にさらされたと、フランスのメディアを訴えています。
海外掲示板では、報道と表現の自由をめぐる議論となっていました。
●当たり前だよ。自分だって訴える。
↑なぜテレビの生放送で、どこに隠れているかを報道するのかわからない。襲撃の最中にまだ生きている人が隠れていると伝えることは、全く彼らの助けにならない。
↑事実関係がよくわからないけど、もし自分が命からがらに隠れている最中に、犯人がまだ中に人が隠れていると聞いたとしたら、自分なら怒り狂うよ。犯人が探し始めるだろうし。
↑自分が覚えているのは、冷凍庫に隠れている人からの電話を放送していたよ。
↑建物は小さいんだ。そしてメディアは「まだ誰かが隠れている可能性がある」と伝えた。そんな小さな建物で場所を正確に言ったかどうかなんて関係ないんだ。探せばすぐ見つかるからな。
●そういう報道は許しがたく、大きな罰則金を被害者やその家族に支払わせるべき。
↑犯罪者にターゲットの場所を教えるなんて、犯罪そのものだと思う。
●自分も訴えまくる。
●ミュンヘンのオリンピックから学んだと思っていたんだが。
↑何があったの?
↑メディアが特殊部隊(SWAT)の位置をテレビで生放送で流したんだよ。テロリストだってテレビは持ってる。
●訴えてメディアを骨抜きにすればいいと思うよ。それは許しがたい。
●フランスの弁護士か誰か、訴えている内容は何かわかる?
↑自分は弁護士ではないけどフランス人。
命を危険にさらされたことで個人を訴えるえときは、15000ユーロ(約200万円)の罰金か、禁固1年を求刑できる。それが最高刑で、アメリカのように巨額の和解とかはない。彼は個人ではなくメディアを訴えているので最高額の75000ユーロ(約1000万円)を求めている。
●自分のいとこは「おとり捜査」の警官で、大きな人身売買の犯罪グループを刑務所に入れるのに貢献したけど、地元の新聞が彼のフルネームを出して称える記事を出した。
2人の娘がいる彼はすぐに家族ごと引っ越して消息を絶たなければならなかった。さらに公共に出るのを恐れて訴えることもしなかった。
裁判の成り行きが気になるところですが、やはり報道の在り方が批判されていました。
Paris shooting survivor suing French media for giving away his location while he hid from shooters